今日の本

「キリーロフ! もしも・・・・・・もしもきみが,あの恐ろしい幻想をあきらめて,あの無神論的なうわごとを捨てることができたら・・・・・・ああ,きみはなんてすばらしい人間だろうなあ,キリーロフ!」
「どうやらきみは,スイスのことのあとでも,奥さんを愛しているようだね.それはいい,スイスのあとでもというのはいい.お茶が要るなら,また来たまえ.一晩じゅう,いつでもいい,ぼくは眠らないから.サモワールも出しておこう.1ルーブリも持っていきたまえ,さあ.じゃ,奥さんのところへ行ってきたまえ.ぼくはここで,きみやきみの奥さんのことを考えることにする」

    • そして,マリイとシャートフ.マリイはいわゆるフランス綴じ*1のことを言っているんですよね.ところがシャートフは「製本」と言う.原文でそうなっている,つまり,シャートフに知識がないことを作者がほのめかしているのか,それとも単なる訳者の不注意か.でも江川卓ですからね.

「どうしてこの町の人や読者は本を装幀しないの?」
「それはだね,本を読むことと,それを製本に出すということは,人間の発達の異なった二段階,それも大きな二段階だからさ.人間はまず徐々に,本を読むことを習い覚える,もちろん,何世紀もかかってさ.ところが,本そのものはたいしたものじゃないと考えて,乱暴に扱ったままそこらにほうり出しておく.製本というものはもう本に対する尊敬を意味していてね,たんに本を読むのが好きになっただけじゃなく,それを一つの仕事と認めたことのしるしなのさ.ロシアはまだどこでもその段階にまで達していないね.ヨーロッパはもうだいぶ前から製本しているけど」

*1:たとえばここの「自分で作る小さな本」に関する記述を参照

装丁? 装幀?

 ずっと以前に何かの本で読んだような気がする.漢字の意味から考えると確か,装丁が正しいのだとあったように覚えているが,まったく自信はない.新潮社にあるのは「装幀室」だ,と皮肉な調子で書いてあったことは何となく記憶している.それから考えると「装幀」は適切ではない,ということだったのだろう.
 辞書にはいろいろな漢字表記が並列されていますけどね.

朝刊と雨

 新聞の配達時に雨が降っているとビニール袋に入った状態で届けられる.雨が降りそうな予感があるときでもビニール袋に入れられていることも多い.どちらかといえば,より安全を見越した方向で作業されているのだと思う.ありがたいことです.
 今朝,私が新聞を取ったときは土砂降りの雨だった.それより前,確か,4時台にも雨は降っていた.しかし,配達された新聞はビニール袋には入っていなかったし,かといって濡れているわけでもなかった.
 私のところには朝刊は3時前に届くのです.
 ちなみに,隣3件は別の新聞を取っているのか,どこの朝刊もビニール袋に入っていた.



 ところで,小さなサンプル集団だけれども,シェア 25% というのは,なんというか面白いですね.思想的に偏っているわけではもちろんない(^^;).「地元の人」がいないせいかもしれない.

『古語類語辞典―現代語から古語が引ける』

 これ,いいですね.こういう視点も必要だと思う.どこかで入手できないだろうか.ネタ元はここ

『西の魔女が死んだ (新潮文庫)』

 よいそうです.

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

「シュミレーション」

 もちろん,「シミュレーション」が正しい.ここも参照.
 さて,商品名 Simulect という薬があります.日本語で書けば「シムレクト」.発売会社がそう書いているのだから絶対です (PDF).それを(わざわざ)「シュミレクト」と書いている文章に出会いました.あり?

僭主

 うーん...

『[http
//d.hatena.ne.jp/asin/4040132009:title=角川必携国語辞典]』:(1)力ずくで地位をうばって,君主の名を勝手に称える者.(2)古代ギリシャ都市国家で,非合法な手段で政権を占有した独裁者.タイラント
『[http
//d.hatena.ne.jp/asin/4469021083:title=明鏡国語辞典]』:(1)身分を越えて勝手に君主の称号をとなえる者.多く武力で帝位を奪った者をいう.(2)古代ギリシア都市国家で,非合法手段によって政権を獲得した独裁者.タイラント
『[http
//d.hatena.ne.jp/asin/4828804552:title=ベネッセ表現・読解国語辞典]』:(1)自分の身分を超えて,君主の名を勝手に称する人.(2)古代ギリシャ都市国家で,非合法な手段によって政権を取った独裁者.タイラント
大辞泉
(1)身分を越えて君主の称号をとなえる者。(2)古代ギリシアのポリスで、非合法手段によって政権を握った独裁者。貴族制から民主制への過渡期に出現。アテネペイシストラトスなど。
大辞林
(1)帝王の名を僭称する者。(2)〔(ギリシヤ) tyrannos〕古代ギリシャの諸ポリスにみられた非合法的手段で支配者となった者。多く貴族出身で平民の不満を利用し、その支持を得て政権を掌握。アテネペイシストラトスが代表的。タイラント

ロシア文学未読

 一部,既読も含まれていますが.

地下室の手記 (新潮文庫)

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永遠の夫 (新潮文庫)

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二重人格 (岩波文庫)

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賭博者 (新潮文庫)

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罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

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カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

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イワン・イリッチの死 (岩波文庫)

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光あるうち光の中を歩め (新潮文庫)

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スペードの女王・ベールキン物語 (岩波文庫)

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『悪霊(下) (新潮文庫)』読了

 前半は話がなかなか動かなくて実につまらないけれども,後半のパワーは圧倒的.この思想は,再読,再熟読の価値あり.

悪霊(上) (新潮文庫)

悪霊(上) (新潮文庫)

悪霊(下) (新潮文庫)

悪霊(下) (新潮文庫)