days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Cloudy with a Chance of Meatballs


ソニー・ピクチャーズの新作CGアニメ『くもりときどきミートボール』を観て来ました。

公開5日目の秋分の日、14時45分からの回、187席のシネコン内の小屋は7割程度の入り。
その殆どが子連れでした。
3D上映だったので、余計に楽しんでくれたかな。


離れ島に住む偉大な発明家を目指す青年が、水から食物を作る機械を発明。
しかし機械は事故によって空に打上げられてしまいます。
雨雲の水分を吸い込んだ機械によって大量のチーズバーガーが降って来て、島の住民は大喜び。
ところが…というもの。


主人公の青年が余り魅力的に感じられないものの、各登場人物は意外な程に多面的に描かれていて、中々の好印象です。
やがて巨大化した食べ物の土砂降りが可笑しくも怖く、さりげなく環境問題も潜ませています。
後半は意外にもSFアドベンチャー調になるのも面白い。
食べ物も過ぎるとちょっとホラーっぽくなるのも、これまた興味深いことです。
父と息子ものとして最後はホロリとさせてくれるし、最後まで楽しませてくれました。
そのお父さん、コンピュータ音痴との設定ですが、息子の電話指示でのPC操作が大笑い。
この可笑しさは子供には分からないでしょう。
実際、劇場でこのくだりで笑っていたのは大人だけでした。


そして何より食べ物の描写の数々。
この映画を観た後に、マクドナルドに駆け込んだ人も多いのではないでしょうか。
チーズバーガー、アイスクリーム、ホットドッグ、パンケーキ&かりかりベーコンと、アメリカ料理が雨あられと降って来ます。
CGでの描写がとても上手く行っていて、見た目が本当に美味しそう。
単純に夢のある描写として非常によく出来ていました。


要所は効果を強調していましたが、立体効果は全体に自然さを意識していたように思えます。
これは昨今の3D映画の流行なのでしょうね。
また、目が疲れにくい高画質の技術の進歩によって、単なる見世物から変わりつつあるのでしょう。
奥行き感重視の映像設計でした。


ピクサー作品のような味わいは無いものの、映画としては悪くないし楽しめます。
日本語吹替え版のみの上映なのが残念ですし(英語版では、父役がジェームズ・カーン、市長役がブルース・キャンベルのようです)、入場料金も高めですが、お子さん連れでご覧になってみては如何でしょうか。

The Ugly Truth


今日はもう1本映画の話を。
面白かったのに、書くのをすっかり忘れてた映画がありました。
この日は夕方からワインを飲みに行ったからかな。
男と女の不都合な真実』です。

どこかで聞いたような邦題ですが、原題は『醜い真実』。
これは男女の恋愛感をホンネで語ろう、というコメディ映画なのです。
公開初日の朝いち、シネコンは10人程度の入り。
北米ではヒットするものの、日本では余り売れていないようで残念。
キャサリン・ハイグルは日本では無名だし、アメリカよりも日本で人気のジェラルド・バトラーは、コメディとの相性がピンと来ないからかも知れません。


ヒロインはやり手TVプロデューサー。
コントロール・フリーク振りがたたって恋愛に恵まれず。
しかし新たに越してきた隣人はイケメン医師だ。
こりゃゲットしなくっちゃ。
一方、番組の視聴率低下下げ止めの切り札として、局が彼女の番組出演として送り込んで来たのが、下品で粗野な恋愛コーディネーターのジェラルド・バトラー
彼曰く「男は下半身で考えている。」
当然ながら嫌悪感露にするヒロインですが、イケメン医師ゲットの為ならばと、バトラーの言う通りにするのですが…。


随分とエッチな内容の映画なのですが、キャサリン・ハイグルの明るい個性でもって嫌味にならない程度の下品となっています。
彼女自身が製作陣に加わっているからか、大熱演。
バイブを使ったギャグなど、予め展開は予想出来るのに場内大爆笑でした。
コメディエンヌとしての才能がありますね。
一方のバトラーも、一見粗野だけどそれだけじゃない男を好演していました。
主演2人の相性も、ルックスだけでは無く良かったです。


面白い映画ではあるのですが、欠点も目立ちます。


1つ目はこの手の恋愛コメディによくあるのですが、前半大爆笑でも、後半は妙にシリアスになってスピード感が落ちてしまうこと。
大騒動につぐ大騒動でよもやの大ピンチ、しかし雨降って地固まる…といった展開に持っていけるだけの実力ライターが不足しているのでしょうね。
かようにコメディとは難易度が高いものなのです。


2つ目はイケメン医師役。
これがかつてのクリスチャン・ベイルをちょっと思い出させるサイボーグ顔。
登場してからずっとゲイかと思ってしまいました。
どうせ主人公2人が結ばれてめでたしめでたしとなるのだから、強力なライヴァルが必要な筈。
それには大スターを出すべきでしたでしょう。
まぁ予算の関係もあったのでしょうけれども。


とまぁ問題はあるものの、これは中々笑わせてくれるコメディ映画なのです。
お時間があったらどうぞ。