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Imamuraの日記

2009-11-11(水)

なぜ今の30代は「助けて」と言えないのだろうか

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ほぼ一ヶ月前、10月7日に放送されたクローズアップ現代「“助けて”と言えない〜いま30代に何が」はすごい反響でした。書き起こしへのブックマークは1000を超え、たくさんのコメントがつきました。またトラックバックも50以上届きました。

先日、このことを考え直す機会がありました。なぜ30代は「助けて」と言えないのか、思いついたことを書いておこうと思います。

なおここでは、ほかの世代も「助けて」と言えるのかはちょっとおいといて、「30代はなぜ」ということだけ考えています。

今の30代がなぜ「助けて」と言えないのか、それは自分が育ってきた環境をまさか再現できないとは思わなかった世代だからということに尽きる気がしてきました。

今の30代が生まれたのは、1970年から1979年です。親は高度経済成長を支えた世代であり、がんばるほど明日が豊かになるという実感を持って生きてきました。ローンを組んで家を建て、将来の昇給をあてにできた世代です。

一方その子供たち、今30代を迎えている人々は、1990年ごろのバブル崩壊を10代で迎えています。このタイミングはなかなか絶妙でした。不景気になり始めたころ高校や大学に通い、いよいよ社会に出ようという90年代後半には不景気が本格化していました。

就職氷河期」は1994年流行語大賞で、この年に就職活動をしている大学生は(浪人や留年してなければ)1971年生まれ、いま38歳です。

親は高度経済成長世代、先輩はバブル世代で、不景気な社会でのロールモデルにはなりません。今の30代は、すっかり不景気になった社会へ出てきた最初の世代になりました。

景気がよい時代に社会に足場を築いておくことができず、といって社会へ出る前から不景気を前提にした準備もできなかった世代です。

そしてそのまま、年を取るのに合わせ、その場その場で生き方を探っていくことになりました。

自分が生まれた年の、親の年齢を計算してみるとびっくりします。30代で家を建てて子供(つまり自分)もいるのがふつうなのですが、今の30代ならば成功した人でないと家を建てるなど無理でしょう。

でも当時の子供の多くは漠然と、努力次第で自分も大きくなったら父親のようにサラリーマンとして会社勤めをし、終身雇用に支えられながら、30代になったら郊外新築に住むことができると考えていたのではないかと思います。少なくとも自分はそうでした。

このような、将来像と現実とのギャップが最も大きい世代が、今の30代なのだろうという考えに至りました。

だからこそ、あるべき姿になれていないことを自分の責任と感じてしまう傾向が強く、安易に「助けて」と言うことに抵抗が強いのではないかと考えています。

なお「クローズアップ現代」の中では、30代が特有だという根拠はとくに示されず、ほかの世代と違うなにかがあるという前提で進行されていました。番組スタッフが感じた違いとはなにかも知りたいです。

興味深いと感じたコメント

もとの記事へのブックマークコメントやブックマークページへのコメントで、特に興味深いと感じたものを挙げておきます。(順不同)「負け方」というキーワードは胸に刺さりました。

  • uhyorin 自己責任論というよりは、核家族化の流れで親から独立して一人でも食っていくことを強要されているような空気が支配した結果に見えなくもない。
  • morihachitoraya 競争ばかりの世代だもの。しかも負けた時の身の処し方なんて学ばなかったからなぁ。
  • hg_masa  あきらめるなとか、やればできるとか、君たちには無限の可能性がありますとか、どうやって勝つかの話ばかりで、正しく負ける方法を誰も教えてくれなかった、このゲームの降り方がわからない、みたいな。
  • fromdusktildawn 自己責任論というより、性差別じゃね?だって助けてと言えないのは主に30代の「男性」でしょ。男は自分の食い扶持は自分で稼ぐべきと本人も思ってるし、周囲も思ってるでしょ。性差別を内面化している。
  • K921 これみてた。羽海野チカ3月のライオン林田先生が零に「一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ。でないと実は誰もお前に頼れないんだ」と言っていたセリフを、その時思い出した。
  • babibarbie 『目の前に来たチャンスを掴める人』―チャンスや幸運を掴む為には努力しなければならない、だから弱音も吐いてはいけない。そう思って(思わされて?)いたけど、弱音を吐く事もチャンスを掴む1つなんだと思った。
  • esbee 税金の世話になったら、将来それ以上に納めてやればいい。それくらいの考え方でいいと思う
  • katamachi この放送、「実の兄や知人の母に窮状を言えなかった」「生活保護の相談で多重債務状態を言わなかった」の2点がポイントだと思う。格差問題の別な側面を紹介してたんだけど、書き起こしだけではそこに気付きにくいか
  • himajin774 そういえば、献血を最初にしたときの動機は、「もし自分が事故って輸血されたとき、負い目を感じるのが嫌だから」だったのを思い出した。

このあと書いた記事

  • 「助けて」と言えない30代について、金曜夜に九州で放送される番組に出演します(id:Imamura:20091124:help
  • 「クローズアップ現代」が「『助けて』と言えない30代」の反響を木曜に放送(id:Imamura:20100119:help2
  • クローズアップ現代「『助けて』と言えない」が本になるそうです(id:Imamura:20101025:help

ぱこ<Paco>ぱこ<Paco> 2009/11/16 01:44 お久しぶりです。
俺も'70生まれなのでまさに就職氷河期ダイレクトですなぁ…。
ちょうどベビーブーマーで浪人生も多かったですし、
バブルの恩恵を受けずに社会生活を送った人は多い気がします。
何というか、大人とは

弱音を吐かず人に頼らない
     +
我を張らず、人に譲る

という前提で動くから苦しいのかも。
でも上の世代も下の世代も馬鹿ばっかだから
もっと好きにしたら良いと思うんですよね。

のりちゃんのりちゃん 2009/12/08 21:38 私は三十代ですが、幸せなことに産まれもって負けていた。勉強も運動もまるで駄目。
おばちゃんに育てられたので、「助けて!」の連発をする駄目な大人になりました。
はなっから負けている自分は怖いものがなかった。唯一の怖いものは「自分」だった。

「助けて」と言えないのは三十代だけではないですよ!うちの父親は七十二歳ですが「助けて」なんていいませんよ。自主独立をモットーに時代を生き抜いてきました。

戦争に行った世代の人が「助けて」と言うでしょうか?

どの世代にも「助けて」と言わない人はたくさんいます。
39才の男性の餓死があまりにもショッキング過ぎたために、大きくとりあげられたのでしょう。

はじめに「助けて」と言えない30代と言った人は誰なんでしょう?
以前、同様に餓死した老人がニュースになりました。その時は何故、「助けて」と言えない老人達とはならなかったのでしょう?

一般法則論者一般法則論者 2010/01/22 01:20  ヒトには生きるための生き方の原理があることを自覚的な知識にしてこれを活用できない人たちには、人生を生きることはとても難しいといえます。
 ヒトの生き方の原理をハウツー化したもの=潜在意識の法則の活用法/引き寄せの法則の活用法/病気や誤った信念や思い込みを癒す原理の活用法/スポーツ選手にはおなじみのイメージ・トレーニング
 一般法則論のブログを読んでください。 一般法則論者

そんちょそんちょ 2010/01/22 01:28 親が変。その親も変。失敗を認めない親の存在。人間は失敗することで学び、成長するものなのに、まず先に、子供に自分たちが信じる正解だけ教えてしまう親。自分たちの世代の価値観だけが正しい。最初から成功のゴールを示し、その達成ができない子は認めない。そういうふうな環境で育ったらどうなるか。想像できませんか?
できない?でしょうね。。。