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2008-05-09 夜ノ杜零司が滝本竜彦だったってマジ!?

[]オタキングのおかげで、何でエロゲー論壇が流行り廃れたのかわかったよ!

 さっき、神の意志が僕に語りかけてきたよ! 神託だよ!

 今更ブロッコリーの株を全力で信用買いすると良いよ!

 

 さて、それはそれとして、岡田斗司夫の話で、釈然としないところは色々とあるのですが、物凄く釈然としないところが一つあって、


 つまり、SFファンであるというのは「千冊読まなきゃダメだ」とか「自分で翻訳してでも未訳の本を読め」といったかなり求道的なものだった。何か道を極めて、それで一人前になるためにはものすごく修行しなければいけない、修行とか精進するのが当たり前だった。それが、どんどん楽でわかりやすいものになっていった。

(中略)

 わかりやすさがはびこることで、SFは滅びました。

 そして、オタクの世界にも「萌え」というわかりやすさがはびこっている。ならば、この先の展開もおわかりになるでしょう。それはしだいに「わかりやすい=萌え」以外の作品や感性を排除しはじめる。

 オタクである以上、マンガ好きだとは言っても、多少はミリタリーや鉄道の事情も知っておきたい。もちろん自分が一番好きなマンガにおいては、少女マンガから劇画まで一通り知っていなくてはいけない。

 かつてあった「オタクとして必要な教養」をどんどん排除して、「俺がいま好きなものがいい」という短絡的な価値観のみになっていった。

 これがSF界が滅びた時と、今のオタク界がすごく似ているところです。

(『オタクはすでに死んでいる』134-137P)


 昨年の『らき☆すた』の異常な人気を思い返すと、萌えが席巻してるってのは一概に否定できないのですが、ただ、ここで岡田先生は大きな欺瞞を抱えていまして、それは「オタクとして必要な教養」がもう洒落にならない量になってるってこと。

 SFはもう死んだジャンルなんでスルーしますけど、例えば、漫画好きだからって、現在、毎月出ている雑誌の量を考えたら、少女マンガから劇画まで一通り知っておくってだけで厳しいのは考えるまでもありませんが、それだけではなく、先人達が築き上げた多くのアーカイブをチェックしなければならない。

 更にはオタクである以上、ミリタリーや鉄道の事情も知りたいと抜かすなら、ついでに、アニメ、ゲーム、特撮フィギュアなどというものも同様に知っておかなければならない。

 運動部で例えると、練習する前に基礎体力向上の為に、グラウンドを10周ぐらいするものだと思うのですが、それが今ではグラウンドを100周ぐらいしなくてはいけない状況になってしまった。あるいは、10周するグラウンドの広さが10倍になったでも良いんですけど。 

 こうしてアーカイブが増大してしまった今、岡田先生が言うようなオタクになるのは現在において、ほぼ不可能なはずなのですが、岡田先生はその不可能性には目をつぶって「俺達は出来た! なのに若い奴らが出来ないのは『萌え萌え』言って根性が足りないからだ!」の一点張りです。

 そりゃ、若者から反感を買いますわ。

 ただ、第三世代の若者の中にも、岡田先生が言うようなオタク、つまり知識のある強いオタクになりたいって考えがあるのもまた事実で、好きになったものを多く知りたいってのは、オタク的分野に限らず普通の恋愛にだってあることですもの。

 しかし、純粋な知識で、上の世代に勝つのは難しい。それは上の世代の方が優秀だからとか、多く勉強してきたからという理由ではなく、単純に連中の方が長く生きて知識を蓄えているからです。

 自分達が新しいものを発見したと思っても、上の連中はもう既に昔それと似たような物があったよ。とヌケヌケと言って来ます。でも、その手の論争って、最終的にはギリシャ神話をぶん投げることにしかならないと思うのですが、どうなんざましょ。

 ところが、ある時、上の連中が全く知らないジャンルがオタク界に台頭してきました。

 それがエロゲーです。ここで言うエロゲーというのは、MS-DOS時代とかはすっ飛ばして、『雫』から始まったビジュアルノベル以降のものを指します。

 システムは、チュンソフトサウンドノベルそのままで、シナリオもオーケンの影響が丸わかりですが、それでもそれらを18禁ゲームに持ち込んだのは斬新であったと思いますし、その後『痕』『To Heart』の影響もあって、似たようなゲームが増えました。その結果台頭してきたのが、エロゲー論壇です。

 エロゲーは物語性が強い為に語りやすかった。また、この手のゲームを代表するkeyのゲームで多く見られたように、物語の解釈をプレイヤーに投げかけるようなシナリオも多く、純粋にそれぞれのキャラクター萌えを語るだけでも、感想足りうるという点で、エロゲー論壇は活性化していきました。

なぜエロゲーだけ語られたか? - ARTIFACT@ハテナ系

 ここでは人文系の人が発見したと書かれていますが、個人的には人文系の人間だけでなく、上の世代の手垢のついていないジャンルを、多くの若いオタクが発見したが為に、あそこまで流行ったのだと思います。

 さて、今、僕の手元に『美少女ゲームの臨界点+1』という、当時のこの手の論壇の精鋭が書いたエロゲーレビュー集らしき本があります。

 この中に書かれているゲーム評は更科修一郎氏と一部のものを除けば、批評の中で参照している先行作品がほぼエロゲーのみです。つまり当時はエロゲーさえやっていれば、堂々とエロゲーを批評できるということだったのです。 この頃のエロゲーは歴史が浅く、絶対量が漫画やアニメに較べて少なかった為に、包括的に語ることが難しくなかった。

 つまり、単純に語りやすく、上の世代にとやかく言われることがなかった。

 かくしてエロゲー論壇に、若者は集まり流行りました。

 ところが盛者必衰会者定離エロゲー論壇から人は徐々に減っていきました。

 何故か。単純に年月を重ねるにつれてアニメや漫画同様、エロゲーアーカイブが増えたからです。

 純粋な作品数の増加もありますが、作品それ自体の長大化も進んで行きました。日本文学最高の作品とされている『Fate/stay night』はクリアするのに60時間ぐらいかかると言われてました。

 そうなってくると、数多くエロゲーを消化していくのが、難しくなっていきます。

 中には頑張ったし、頑張っている人もいるのでしょうが、ついていけなくなる人が当然いるわけで、必然的に全体の人口は減っていきます。

 また、アニメを観て、面白そうだと思ったから『CLANNAD』を始める人がいても、下手に批評的なことを言ってしまえば、「で、君は『ONE』はプレイしたの?」と返されてしまい、かくして、論壇に新しくやって来る人も減るわけで、こうして、エロゲー論壇は衰退しました。その代わりラノベ論壇が発達してきたので、田中ロミオライトノベルを書き始めました。

 で、一時期、ラノベ論壇的なものが出来た際に、大森望氏が、ラノベの起源は平井和正と言い、批判的な意見が多く見受けられましたが、これは、上の世代に対する反発。即ち俺達が発見したライトノベルに、お前らの歴史を持ち込むんじゃねえというようにも見えるのですが、どうでしょうか。

 何にせよ、僕が言いたかったのは、ジャンルが歴史を積み重ね、その中でアーカイブが増えてくると、それら全てについて、語れる人間が減っていくというのは当たり前だということです。

 それなのに、「わかりやすさ」や、下の世代とかに責任を全部押し付けて、SFが死んだとか、オタクが死んだとか軽々しくは言って欲しくないと、下の世代は思うって話です。

kanosekanose 2008/05/09 20:42 あの記事では過去のRPG語りの話と繋げるために人文系の人を出しましたが、ご指摘のように、先行世代がいないから伸び伸びと語れたという面は非常にあると思います。
ラノベ論壇の場合、ラノベの過去作品はいっぱいあるんだから、それらを読んでから語れ!というのが出そうだけど、SFのようにラノベ千冊はなく、そのため、新参者を拒まない状況が形成されているのかも知れません。

jaggingjagging 2008/05/10 11:34 っていうか、
こんな論壇があったんですね。

sons_of_alicesons_of_alice 2008/05/10 18:11 これってどの分野でも言えることですよね。最先端のことを追うためには、過去のことを学ばなければならなくて、歴史が長くなれば自然とその量が膨大になっていく。議論の衰退は、結局業界の進化の熱そのものを奪ってしまうので、その業界が衰退しないためには、どのコンテンツが優れていて、若い世代にどのコンテンツを残していく(伝えていく)べきかっていう選り分けのようなものが必要なのかもしれないですね。

通りすがり通りすがり 2008/05/10 21:27 なるほど。ジャンルの細分化が進む理由の一つでもあるかもしれませんね。
エロゲヒロインを語るのはもはや難しくても、その中のヤンデレヒロインに絞ればまだカバー出来る範疇だったりしますから。

trattrat 2008/05/10 23:17 オタクなんて馬鹿にされて見下されて続けている存在でしかないのに
いいオタクだの悪いオタクだのオタクは死んだだの生きてるだの
何を言っているんだお前らは。

miramira 2008/05/11 06:05 論壇と言うからには、それなりの知識(エロゲだけじゃなく、小説や宗教や価値観、歴史)に基づいた分析が必要ですが、そんなのあったっけ?
面白いつまらないの感想文とか、「ライターはこんな事を考えてるんだよ!!」「な、なんだってー!!」みたいな、どうしようもない天然さんしかいなかったような気がするんですが
あとは、ライターの平均値があまりに低すぎて絶望したとか、論を展開できるだけのお脳がないかの二分されると思うよ
未だに「俺の名前は○○、××学園の二年生帰宅部、女に興味は無いクールガイさ!」がまかり通っている世界だもの

WiWi 2008/05/11 12:37 『Fate/stay night』が「日本文学最高作品」といわれている?

あなた達が言っているだけでしょ?

nononono 2008/05/11 18:02 >『Fate/stay night』が「日本文学最高作品」といわれている?
>
>あなた達が言っているだけでしょ?

はぁ?奈須きのこは新伝奇という新しいジャンルを開拓した現代の偉大な文豪だぞ!そのきのこの作品が最高じゃないわけないだろうが!

・・・みたいなコメントにもあなたはマジレスするんですよね、わかります。

のっぽのっぽ 2008/05/11 23:18 ぶらぼー!ぶらぼー!
岡田斗司夫読むか
どうにも、看過しがたい事が書いてあるようだ

>>Wi
ネタをネタと(ry

houhou 2008/05/12 03:58 オタキング見ていると、「歳を取る」ってことがどういことなのかがよくわかるよな。
オタキングも10年前、15年前はオタクの語り手としては素晴らしいものだった。
というか、「オタク語り」そのものもオタキング以前は先人がほとんど存在せず伸び伸びやれたんだよね。

jj 2008/05/12 21:06 ぼくたちの洗脳社会 岡田斗司夫著
ttp://www.netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/books/bokusen/senno3.html

j 2008/05/12 21:39 昔は議論であって、話し合いであって、互いに妄想を含めた意見を言い合っていた。
自分はこうだからこれをつくる、自分は別の考えだから、これをつくるといった感じで、互いに意見が違ってもよかった。

いまはそうじゃなくて、受身一方なので、
相手を自分の意見に納得させる=(洗脳する)ことこそ、主な関心事のようである。

自由経済社会においては、何を買うかが最大の関心事でした。これと同様、自由洗脳社会では、豊富にある価値観や世界観、つまりイメージからなにを選ぶかというのが最大関心事になります。そして人々はお互い、どんなイメージを選んだかで相手を値踏みするわけですね。そして、同じ価値観を持つ者同士がグループを作り出します。 岡田斗司夫著

ぎんぎん 2008/05/12 22:54 新旧ガノタ間の対立ってのもそこら辺が原因なのかも。
スパロボや種から入った世代がテレビ版1stや0080や閃ハサ見ろって言われても今更見る気になれんのだろうな。

SHIKISHIKI 2008/05/14 02:49 >日本文学最高の作品とされている『Fate/stay night』は

ん?「俺」が言ってるだけなのに「されている」?
されているってのは、客観的根拠があるか、あるいは大多数に支持されてこそ「されている」と言えるのですよ。
自分が言ってるだけで即「されている」としてしまってはたまりません。

SHIKISHIKI 2008/05/15 02:46 >大人はウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです

それでは何故、件の一文を訂正しないのですか?

yutoriyutori 2008/06/19 08:12 廃れたのはエロゲ。廃れさせたのはエロゲ論壇。

一一一一 2008/07/04 15:02 皆さん:こんにちは ここに伝言できてなんによりうれしいです
http://www.casa-jp.comこれはわが社のURLよろしく お願いします

一一一一 2008/07/04 15:07
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yiyiyiyi 2008/07/04 15:08 皆さん:こんにちは ここに伝言できてなんによりうれしいです
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最古のラノベといえば最古のラノベといえば 2008/07/20 23:29 よく「黄表紙は漫画の原典」とか言われるけど、絵がなくてもト書きで内容が理解できることと逆にデザインや絵が大きな比重を占めていることを考えるとラノベの方が近いよね

t2enonut2enonu 2009/06/21 17:20 >先行世代がいないから伸び伸びと語れた

ベンチャービジネス全般にも同じ図式がありますね。
で、一番恐ろしいのは「創業メンバーが先行世代になってしまうこと」。
しかも本人たちがそれに気付いてない。
これが一番の成長阻害要因になります。
エロゲでもラノベでもなくて恐縮ですが、
けっこう普遍的に考えられるテーマですね。

御宅学問とでも?御宅学問とでも? 2010/05/05 03:17 そもそも、オタク趣味がいつから『論壇』が出来る『高尚』な『学問』になったのか、それが私は理解できません。
『文学』とやらが廃れ始めた経緯をご存知なのかな、えぇと、岡田先生でしたっけ?

mituamimituami 2010/08/24 09:32 論壇があることが高尚と思うのは普通かもしんないけど、かつてのエロゲーに議論の余地があったのだから論壇ができたんじゃないのだろうか。不完全燃焼みたいになってしまう気持ちを分別してゴミ出しすることしかできないやつにはオタク趣味と論壇ができる学問は別のゴミ箱なんだろうけど。

mituamimituami 2010/08/24 09:32 論壇があることが高尚と思うのは普通かもしんないけど、かつてのエロゲーに議論の余地があったのだから論壇ができたんじゃないのだろうか。不完全燃焼みたいになってしまう気持ちを分別してゴミ出しすることしかできないやつにはオタク趣味と論壇ができる学問は別のゴミ箱なんだろうけど。

kagehienskagehiens 2011/07/21 01:50 横ですが。
論壇=高尚というように考える必要はないと思う。

ただ、ネット上では意見のやりとりが突発的に発生することがままあるので、
議論が成立するような場があるのかどうかというところは微妙。

議論が行われていても抽象度が同レベルに高められた意見同士が
ぶつけられている場合ばかりでないのは確か。
しかし良いセッションばかりを適当にピックアップして眺めてみれば、
それなりに有意義な場はそこかしこで持たれていると言ってもいいんじゃないかと思うので、そういう意味では「論壇」イメージを持つ人もいて当然だと思う。

ここで問題なのは、それが万人が共通の場として認識できるものにはなりにくいし、なっていないことなのではないかと。論壇イメージを持っている人の間ですらそれぞれの論壇イメージにずれがある状態。


つまり、
・興味のある人間の大半が権威として認めるような場はなく、
・散発的、かつ遭遇的に議論が行われ、
・さらにその議論をしたいと思う人の間でさえ、世代間で先行事例に対する認識に温度差が生まれやすい

という状態であり、主流の考え、というものや、学問的高尚さを確立したいと思っている人にはわりと悪夢的状態。

ネットの性質というのも働いているけれども、そもそも創作物から受けた感銘をもとにした感情の発露が大半では、汎世代的な教養(?)体系を構築するのは厳しいのかも知れない、と思います。

逆に、20年特定のジャンルをウォッチしつづけてからでないと発言できない場、というのがあれば、そこでは安定的にかみ合った議論が交わされるのではないか、と思ったりもするのですが、モノがモノだけに難しいでしょうね・・・。


なんか眠い状態で長文書いてしまいました。すみません。

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