三条「京はやしや」の抹茶わらびもち、紅茶氷

2泊3日の京都で食べたり飲んだりしたものの一部について。


私にとって、京都といえば「お茶を飲むところ」。で、三条大橋近くの「京はやしや」には必ず足を運ぶ。日本茶に紅茶に中国茶、お茶を使ったお菓子やお料理を味わえるお店。今回は、1日目に「一澤信三郎帆布」でバッグを買った後に行った。
数年前に青山にも支店ができたけれど、東京向けにメニューを絞っておしゃれ度をアップさせてる感じの青山店よりも、こちらの方がメニューが豊富で素朴。……と思ってたんだけど、2年ぶりに行ったらメニューがちょっと減っちゃってたみたい。ついでに、青山店は白を基調としたスタイリッシュな内装だけど、三条店は全く飾り気がなく、「喫茶室」って感じ。


オーダーしたのは抹茶わらびもちで、半分ずつシェアした。濃い抹茶風味のわらびもちは、ほんのり甘くかすかにほろ苦く、口に入れるとふるふるしながらもスッと口腔内に張り付いてきそうな感触で、不思議な快感。抹茶ときなこを混ぜたもの(?)がかかっていて、これは本当に美味しかったなぁ。お持ち帰り用もあったので、お土産に買いたかった。


この日の京都は夏さながらの暑さで、「かき氷食べたい!」と思った。なので、これまで季節外れで食べる機会がなかった紅茶氷もオーダー。欲張って、ミルク(練乳)と白玉もトッピング。ほかに抹茶氷やお薄氷なんかもある。
運ばれてきた紅茶氷withミルク&白玉を見て、思わず絶句。でかい、でかすぎる。まるで小山みたいな大きさで、想像してたのの2倍以上のサイズ。
紅茶シロップにはアッサムを使ってるそうで、紅茶飴を思わせる味。細かく挽いた茶葉が氷の上にかかっている。でもミルクをかけてもらっちゃったので、スピードワゴン井戸田ばりに「あまーーーい!」と叫びたくなるような強烈な甘さに……。口直しに白玉を食べたり、ミルクが到達してない中の方を攻めてみたりしたけれど、食べ進むうちにだんだん寒くなり、ガタガタ震えながらスプーンを動かす羽目に。で、完食できず。ごめんなさい。


この数時間後、南禅寺のそばの某有名店で湯豆腐セットを食べたのだけど、こちらも完食できなかった、というかあんまり美味しくいただけなかったのは、紅茶氷のパンチが強すぎたからかも。デザートというより、1食として考えた方がいい感じ。
そして、「京都に行ったら抹茶ソフト食べたい。いっぱいあるよね?」と言っていた彼は、「雪山」なるデザートを注文していた。底に沈んだ抹茶シロップ+練乳氷+あんこ+抹茶ソフト、という強力な組み合わせで、男子でこういうものを食べる人って少なさそう。私の紅茶氷よりはサイズが小さかったけれど、相当食べでがあった模様。抹茶シロップと書いたけれど、あんまり甘くはないらしい。

先斗町「茶香房 長竹」の抹茶茶漬、茶葉入りチーズケーキetc.

「京はやしや」とともに必ずお茶を飲みに行くのが、先斗町通の三条寄りにある「茶香房 長竹」。お茶好きには有名なお店だと思う。敷居の高そうな外観だけど、女子1人でも入りやすいのが嬉しい。

今回行ったのは1日目の夜。夜ごはんを食べようってことになったのだけど、京都で私の知ってるお店は、「京はやしや」と「イノダコーヒ」とここだけなので、迷わず案内することに(というか、一緒に来てみたいと長年思っていた)。今までお昼やお茶時にしか行ったことがなくて、夜は初めて。10人入れば満席になっちゃう小さなお店ゆえ、金曜の夜は座れないんじゃないかと覚悟して行ったら……ラッキーなことに、思いっきり空いていた。


私のお気に入りは抹茶茶漬。ご主人がサッと点ててくれたお薄(あんまり泡は立ててない)をごはんにかけて、お漬物(白菜、きゅうり、芽生姜の梅酢漬け)とともにポリポリ、サラサラと。ほろ苦い抹茶とごはんの組み合わせは意外なベストマッチで、身体の中がすっきりするような味わい。初めて食した時は、こんな風な食べ方もあるんだ!と驚いた。
そして今回は一品料理、いわゆるおばんざいもあれこれ食べてみた。万願寺とうがらしとおじゃこのたいたん、東寺湯葉のたいたん、ひろうす(=がんもどき)のたいたん、カウンターの大皿で美味しそうに炊けてた茄子のたいたん、など「たいたん」系ばかり(炊いたん=要するに煮物)。
薄味でほんのりと甘みを加えて炊かれたひろうす、きくらげや銀杏や百合根が包まれた東寺湯葉、ほろほろとやわらかい茄子、どれもすごく美味しかったのだけど、特に気に入ったのは万願寺ししとう。ピーマン・ししとう系があんまり好きじゃない私なのに、おじゃこと炊いてあるのは、青くささや苦みが一切なく、むしろ甘い。あまりにも気に入ったので「おかわり」してしまった。普通はあんまりおかわりとかする人、いないんだろうなぁ……。下の写真に、抹茶茶漬と一緒に写ってるのが万願寺ししとう
彼が頼んでいた茶飯もちょっともらったけど、これまた美味だった。あんなに香ばしくてお茶の香りがしっかりとする茶飯、初めて。


食後、これまたお気に入りの、茶葉入りヨーグルトチーズケーキを。ヨーグルトのさわやかな酸味とともに、お茶の味がかすかに広がる。使っているのは煎茶だそう。
そしてここはお茶処。日本茶やお抹茶は勿論、中国茶青茶、緑茶、黒茶など色々種類があって、ちゃんとした淹れ方で飲ませてくれる。中国茶は久々だったので、凍頂烏龍(青茶)を。おままごとみたいに可愛い茶壷にあふれるほどお湯を差し、しばし待って茶海(ピッチャーみたいなもの)に移し、まず聞香杯に注いでから茶杯に移す。これを何煎も繰り返す。しばらくお茶から離れていたので、この作法もすっかり忘れてしまっていた(汗)。
聞香杯は、香りがこもりやすいよう細長い形をしている。これを鼻に近づけて香りを楽しんでから、茶杯でお茶をいただくのだ。凍頂烏龍の花を思わせる甘くすがすがしい香りに、ああやっぱりきちんと中国茶を淹れて飲むのはいいなぁ、としみじみ。ここ数年、そういう心の余裕がなかった。


店内には芸妓さんや舞妓さんの名入りうちわが沢山飾られていて、「○千代ちゃん、今日で最後なんやて」などという会話に密かに耳をそばだてながらまったり。ここは抹茶あんまん(餡が綺麗な緑色!)も美味しいんだけど、そこまで食べるお腹の余裕はなかったのが残念。
何処のチームか知らないけれど、遠征がてらここに立ち寄ったサポーターもいたのだとか。