学校行事で靖国神社に行くのがデフォの時代が来る?


RSSリーダーに登録しているブログを巡回してたらこんな記事が目に入った。

草莽崛起ーPRIDE OF JAPAN』さんの10月13日付けのエントリ『学校行事として、靖国神社や護国神社の訪問推進を
んな、アホなことあるか!とムカつきながら読んでたら、平沼赳夫衆議院議員が今年の5月14日に質問趣意書を提出し、5月23日に福田内閣答弁書出しているんだよな、これが・・・

平沼議員の質問*1 内閣の答弁*2
五 該当の一節が失効しているとするならば、学校が主催して靖国神社護国神社等を訪問してよいということになるが、そうした理解でいいか。 文部科学省としては、学校における授業の一環として、歴史や文化を学ぶことを目的として、児童生徒が神社、教会等の宗教的施設を訪問してもよいものと考えている。そのような趣旨で、例えば、御指摘の靖国神社等についても、同様の目的で訪問してよいものと考える。
九 関連して日本の文化や歴史を調べる目的で学校が主催して靖国神社護国神社等を訪問した際、靖国神社などの関係者より、その神社の歴史や由来、参拝の作法などについて説明を聞くことは問題ないか。 お尋ねについては、個別具体の事情等を勘案して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難であるが、文部科学省としては、学校における授業の一環として、歴史や文化を学ぶことを目的として、神社、教会等の宗教的施設の関係者から当該施設の歴史、由来等について知識として説明を聴取することは、特段の支障がない限り、行ってよいものと考えている。そのような趣旨で、例えば、御指摘の靖国神社等についても、その関係者から同様の目的で聴取してよいものと考える
十 学校行事として、特定の宗教を援助・助長・奨励する活動が禁じられているのは当然のことだが、一方、学校において靖国神社護国神社など特定の宗教的施設を誹謗したり、その活動を圧迫したりするような学習を行うこともその宗教的施設に対する偏見を煽ることになり、好ましくないと考えるがどうか 文部科学省としては、学校において、特定の宗教を誹謗したり、その活動を圧迫したりするような内容の授業を行うことは好ましくないものと考える。
十一 この「昭和二十四年文部次官通達」の該当の一節が今なお有効であるという誤解が全国の教育委員会には残っているようである。この誤解を払拭するため、どのような具体的措置をとるのか。 文部科学省としては、今後、御指摘のような誤解を生じないよう対応を検討してまいりたい。


(強調は引用者)


ようするに↓こういうことである。

  1. 衛藤晟一議員の質問に対して、渡海文科大臣が、訪問を禁止した「昭和24年通達」の該当箇所の「失効」を明言
  2. 平沼赳夫議員の質問主意書に対して、「学校行事の一環として靖国神社等を訪問してよい」と閣議決定

   『学校行事としての靖国神社・護国神社訪問が解禁へ』日本会議 国民運動ニュース)


これに呼応する形で、地方レベルで動きが起きている。

「靖国訪問は可能」小中に答弁書配布 県教育局象 (Web埼玉 - 2008年10月4日)

新学習指導要領の説明会で、県教育局が県内すべての小中学校に対し、「学校行事の一環として、歴史や文化を学ぶ目的で靖国神社を訪問してもよい」とする政府答弁書を配布していたことが3日、分かった。加藤裕康県議(自民)の県議会一般質問に高橋史朗*3県教育委員長が答弁した。「訪問を促す」との指摘もあり、賛否の議論を呼びそうだ。

 県義務教育指導課によると、旧文部省は1949年、学校が主催して靖国神社護国神社戦没者を祭った神社を訪問してはならないとする事務次官通達を出した。だが、文部科学省は今年6月に開かれた都道府県教委向けの新学習指導要領の説明会で、同通達の一部は失効したとする政府答弁書(2008年5月27日付)を配布。

 それを受けて、県教育局は7月に開いた小中学校教員を対象とする新指導要領説明会に使う資料として、同答弁書を事前配布した。高橋教育委員長は3日、「高校についても校長会議を通じて周知徹底を図りたい」と答弁した。

 同課は「文科省から送られてきた資料を配布しただけ。(学校行事としての靖国神社への訪問を)奨励もしないし、奨励しないこともできない」と説明している。一方、共産党県議団の柳下礼子団長は同日、「事実上、学校現場に訪問を促す圧力となる」とする談話を発表した。

上記の『草莽崛起ーPRIDE OF JAPAN』さんのエントリは、千葉市議会の例だろうが、同じような動きが全国的に起きてくる(もう起きているかも)ことが十分に予想される。


一方、この動きに対して、全教(全日本教職員組合)は8月11日に談話*4を出しているが、日教組日本教職員組合)はわたしが調べた限りでは何の公式コメントも出していない。
全教の談話によると8月の段階で、『「学校行事の一環として靖国神社等を訪問してよい」とする閣議決定を引き出した、自民党平沼赳夫議員の質問趣意書文部科学省の回答を配布するとしている事態が明らかになってい』るにもかかわらず、文部科学省はその姿勢を何ら変えていない。


靖国神社護国神社に対する批判的な事前学習や授業をさせず、神社側の説明はそのまま聞くことができ、下手をすると『参拝の作法』すら教えられかねない。これが、全国の学校で修学旅行、社会見学(遠足)などの名目で平然と行なわれるようになっても、全教は反対するが日教組が積極的に反対をしないとなれば、ほぼ確実に多数の都道府県でなし崩し的に「靖国参詣」や「護国神社参詣」が行なわれ、既成事実化される*5。冗談じゃない!