読書 カラマーゾフの兄弟 【ネタばれ注意】

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

エピローグまで読了。再々読。
最後のアリョーシャの語りはやばかった。
この続きの第二の小説が書かれなかったことは本当の惜しい。


たしかによき思い出は一生その人の人生を力づけてくれるものかもしれません。
最後のアリョーシャの語りで、
大学の卒業式を思い出しました。
今は創立者は卒業式などに直接来られることがなくなったと
たまたま知り合った後輩から聴きました。
創立者が直接学生に語りかけることがあった最後の時期が自分の在学していたころです。でもこれからまた創立者は子どもたちの前にまたいらっしゃることが増えるかもしれない。それは分からないです。


アリョーシャがミーチャの一瞬の表情から真実を見極めたように、
僕は卒業式の時に
創立者の表情、姿、声を聴いて、この人はやはり本物中の本物の人だと感じ取ったのでした。この感触を絶対に忘れないようにしようと思ったのでした。文章にもその人の心が表れてくるものですが、やはり現実の姿そのものが与えるものには敵わないものです。


そして僕を想像を超えて大切にしてくれた先輩たちとの思い出。
理想を求め真剣に学び行く学友たちの思い出。
はじめて学校の先生を尊敬できた思い出。
生まれてはじめて学校の授業が素晴らしいと思えたこと。


今度は自分がそのようなよき思い出となり子どもたちの、後輩の人生を力づけてられるような人になることが求められていると思います。自分が求めているのですが…。でもそのような振る舞いのそのような人に自分がなれているかと問うと、到底自分のことをそう思えない。あの時みたいな純粋な気持ちが戻ってくるだろうか。大学時代は恵まれていた。いい環境だからがんばれた部分は大きい。大学を離れていった時に問われる自分自身。そういう自分になることが一番の子どもたちにとっての教育かもしれない…。




不思議と同じ同窓の先輩が二人も職場にいます。不思議な縁。


この時期にまた読めてよかった。



夏休みも終わる。明日から仕事です。



翻訳者についても考える。読むとはどういうことか。
ドストエフスキーの研究に一生を捧げること。一つのこと深めるとはそういうことか。




「何かよい思い出、とくに子ども時代の、両親といっしょに暮らした時代の思い出ほど、その後の一生にとって大切で、力強くて、健全で有益なものはないのです。きみたちは、きみたちの教育についていろんな話を聞かされているはずですけど、子どものときから大事にしてきたすばらしい神聖な思い出、もしかするとそれこそが、いちばんよい教育なのかもしれません。
 自分たちが生きていくなかで、そうした思い出をたくさんあつめれば、人は一生、救われるのです。もしも、自分の心に、たとえひとつでもよい思い出が残っていれば、いつかはそれがぼくはを救ってくれるのです。
 もしかしたら、ぼくらはこれから悪い人間になるかもしれません。悪いおこないを前にして、踏みとどまれないときがくるかもしれません。他人の涙を笑ったりするかもしれません。さっき、コーリャ君は『人類全体のために死ねたら』と叫びましたが、そういう人たちを、意地悪くからかったりするかもしれません。でも、ぼくらがどんなに悪い人間になっても、そうならないように祈りますが、こうしてイリューシャを葬ったことや、最後の日々あの子を愛したことや、今こうして石のそばで、ともに仲良く話しあったことを思い出したら、どんなに惨たらしい、どんなに人をあざけるのが好きな人間でも、そう、かりにそんな人間になったとしての話ですよ、いまこの瞬間、ぼくらがこれほど善良な人間であったことを、心のなかであざけるようなことなんてできないでしょう!
 それどころか、もしかするとこのひとつの思い出が、人間を大きな悪から守ってくれて、思い直してこう言うかもしれません。『ええ、ぼくもあのときは善良だったんです。大胆で正直な人間でした』と、ね。心のなかでにやりと笑ってもかまいません。人間はしばしば、善良で立派なものをあざ笑いますから。でもそれは、浅はかさから生まれるものなんです。けれども、みなさん、ぼくはきみたちに保証します。思わずにやりとしたにしても、心はすぐにこう語りかけてくるでしょう。『いいや、笑ったりして悪いことをした、だって笑ってはいけないことなんだもの!』ってね。」p58


「そう、かわいい子どもたち、かわいい友人たち、どうか人生を恐れないで!なにか良いことや、正しいことをしたとき、人生ってほんとうにすばらしいって思えるんです!」p61



たしかにいい思い出は力をくれる。いい経験も自分をいい方向に後押ししてくれる。

次は「赤毛のアン」2巻にチャレンジします。
青い鳥文庫の絵なら子どもたちは手にとってくれます。男の子にも手にとってほしい。


小学生でも読める本当の名作と子どもたちをどうにか繋げたい。


読書教育は良書を読むこととセットだと思います。
だから選択の中に制限をつくってコントロールできるブッククラブはかなり重要。
しかし教師側が本についてよく知っていない成功しないと思います。選書が勝負。



カラマーゾフの兄弟』みたいに
本当にいい本もずっと人生を力づけてくれます。

通常学級特別支援教育の本はなかなかよかったです。
あせらずできる改善をしていきます。


夕方まで試験の準備。面接表の内容を確定しなくては。


28×5=140  140字。

通常学級での特別支援教育のスタンダード

通常学級での特別支援教育のスタンダード

アリョーシャは筆者がいうようにリアリスト。
たんなる理想主義のお坊っちゃんではないです。
すごく善良で正直で思いやりがあって、かなり冷静。


亀山さん説。
コーリャが社会主義の革命家になるという話。
リーズのあの後どのように生きていったのかなあ。