『イナズマイレブンGO』第20話「羽ばたけ!天馬の化身!!」の感想 【複数の必殺技新登場!】

 恒例のテレビアニメ『イナズマイレブンGO』の感想文、今回は第20話「羽ばたけ!天馬の化身!!」を観ての感想を書く。全員がシードの選手という海王学園を相手に雷門中学は勝利を収め、革命を進展させることが出来るのだろうか?


 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、
『イナズマイレブンGO』第19話「荒れ狂う海王の牙!」の感想 【新しいOP・ED!】
 をご覧ください。


 それ以前の『イナズマイレブンGO』の記事は、ここをクリック。


 旧『イナズマイレブン』のアニメ感想、及びその他記事は、ココをクリック。


 で、それぞれ一覧表示されます。

 本当のサッカーを取り戻すための戦いを続ける雷門中学の地区予選決勝の相手は、全員がシードという反則級の選手を揃えたチーム、海王学園であった。試合開始早々、海王のFW、喜峰岬(CV:西墻由香)にゴールを決められてしまう。海王のキャプテン、浪川蓮助(CV:峯暢也)はフィフスセクターの忠実なしもべとして、管理サッカーを守ることを雷門の同じくキャプテン、神童拓人(CV:斎賀みつき)に告げる。神童はそれを受け、一歩もひるむことなく戦うよう、味方選手に檄を飛ばす。



  オープニング



 失点した雷門のキックオフで試合が再開される。個人レベルの能力では海王に太刀打ちできないと悟った神童は、パスを繋いでいくという組織のチームプレーで対抗する。状況判断の素早さ、冷静さでもキャプテンの器を発揮する神童。

 倉間典人(CV:高垣彩陽)から神童、そして剣城京介(CV:大原崇)にボールは渡る。剣城の前に選手が立ちはだかると、剣城はヒールで松風天馬(CV:寺崎裕香)にバックパスを出す。これまでの剣城なら自らの力で突破しようとしていただろう。彼のこの変化はキャプテンである神童の指示を尊重し、天馬を始めとする雷門イレブンの仲間に溶け込んでいる実証だ。チームプレーに徹することも厭わない剣城は、精神的に成長していると言える。

 ボールを受けた天馬はドリブルで駆け上がる。ベンチでは天馬の私設応援団のスケバン、瀬戸水鳥(CV:美名)が拳を振りあげて天馬を応援する。しかし天馬の前に立ちはだかるのは浪川。天馬は1対1で闘える相手ではないと瞬時に悟り、倉間にパスを出す。

 倉間の前はゴールまでガラ空き。絶好のシュートチャンスだった。そして倉間は、ついにこれまで見せる機会の無かった必殺技を披露する。






 初披露した必殺シュート「サイドワインダー」が海王キーパーの必殺技「ハイドロアンカー」の前に敗れ、悔しそうな倉間。まさか満を持して放った必殺シュートがこんなにあっさり止められるなんて、倉間カワイソス……。


 奪われたボール。攻守ところを替え、今度は海王に攻める番が回る。海王の選手個々の高い能力で、雷門はボールを奪い返すどころか、ボールに触れることすらさせてもらえない。DFだけではその猛攻を喰いとめるのは無理と、神童はFWの剣城と倉間にまで防御に回ることを指示する。

 ボールを持った赤毛選手の前を塞ぐ浜野海士(CV:金野潤)。だがやはり個人技では完全に海王サイドが上回る。赤毛の2〜3回の切り返しに付いていけず、成す術なく抜かれてしまう浜野。



 ならば、と2人がかりで止めに行く霧野蘭丸(CV:小林ゆう)と車田剛一(CV:野島裕史)。その後も防戦一方の雷門。神童がタッチラインに蹴り出し、相手の攻撃を遮(さえぎ)る。天馬も得意とは言えないヘディングで相手のボールをカット、クリアーする。

 それら一連のプレーは、全員防御で相手選手個々の攻撃を何とかかわしたと言える状況で、彼我(ひが)の力量差は圧倒的であった。


 守備に専念する雷門側の頑張りで何とか膠着(こうちゃく)状態にあった戦線だが、浪川がその風貌そのままの強引な突破を仕掛ける。受けて立つのが、試合前に雷門の成すべき革命に疑問を抱き、やる気を失っていた速水鶴正(CV:吉野裕行)では、到底止めることなど出来はしない。

 無人の野を行くように速水を抜いた浪川。雷門DFの天城大地(CV:奈良徹)、西園信助(CV:戸松遥)が浪川の突進を阻止に向かう。浪川は余裕を持って右サイドを切れ込んでいた吉峰にパス。吉峰はボールを受け通ると、最終ラインを越え、ゴールに向かう。ゴールキーパー三国太一(CV:佐藤健輔)のみの雷門ゴール前。すでに1得点挙げている吉峰は、その再現を狙う。

 それを阻止せんとする一陣の風。天馬が駆け寄り、新必殺技の「スパイラルドロー」で吉峰を巻き込み、見事にボールを奪取すると共に、ガラス細工並みの保護対象、三国を守る(ついでにゴールも)。




 剣城との特訓の成果を実戦で発揮した天馬。本当にその才覚は天才的だ。


 天馬の努力を特訓の段階から見守って来た水鳥と空野葵(CV:北原沙弥香)もベンチで大喜びで祝福する。その特訓に付き合って来た剣城も、天馬の新必殺技誕生に、一瞬だが満足そうな笑みを浮かべる。しかしすぐに真剣な表情に戻り、天馬にパスを要求する。

 その声に応じ、剣城にパスを出す天馬。2人のホットラインが繋がり、一転今度は雷門のチャンスになる。海王のメガネくんが剣城を防ごうとするが、見事なボールタッチでメガネくんをかわす剣城。

 そしてすかさず、必殺技「デスドロップ」を放つ。倉間の「サイドワインダー」を止めた必殺技「ハイドロアンカー」で対抗する海王キーパー。





 だが止めることは出来ず、雷門が1−1の同点に追いつく。盛り上がる雷門ベンチ。天馬くん命の水鳥も、珍しくゴールした剣城を褒める。


 改めて天馬の新必殺技誕生を褒め、祝福する信助と浜野。嬉しくなった天馬は、その共同開発者である剣城に笑いかけるが、剣城は今さらのようにツンデレのツンの部分で返す。関心アリアリのはずなのに、「興味無いね」と言わんばかりに強がる態度が可愛い。


 同点に追い付かれた海王だが、動揺は無い。吉峰からボールを奪った天馬を「少しは出来るようだ」とあくまで上から目線の浪川。


 そして、今度は海王ボールで試合が再開される。好転した流れを駆って、一気の逆転を望むベンチの控え選手の一乃七助(CV:折笠富美子)。しかし海王にとってその失点は、気合いを入れ直すほどのものでしか無かった。浪川の檄に威勢よく応じる海王イレブン。

 吉峰からボールを受けたドレッドヘアの湾田七雄人。遊びは終わりだとばかりに首をボキボキと鳴らし、ついに秘められた能力、化身「音速のバリウス」を発現させる。



 変な発動ポーズだが、化身の方はウルトラマンぽくてカッコ良い。


 湾田はその化身の力を使い、神童と天馬を一瞬にして蹴散らす。



 湾田から浪川にパスが渡る。こちらももはや本気の表情。出るのか? 出すのか?



 やはり出た。浪川の化身「海王ポセイドン」。三つ又鉾(みつまたほこ=トライデント)を持った、いかにも屈強そうな化身が浪川の背後に現れた。そしてその威容を背景に、雷門ゴールにシュートを放つ。



 重要保護文化財指定の三国さんにこの化身シュートが止められる訳もなく……。TPを消費しなかったのが、せめてもの救いか?


 これで得点は1−2。雷門は再びリードを許す展開となってしまう。シュートを決めた浪川は、その能力を使用した後の疲労で肩を揺らしながらも、満足そうに笑う。相次いで化身を見せるそのゴリ押しな戦術に、海王の本気を見る思いの剣城。


 試合再開。またも攻勢を仕掛ける海王。負けられない戦いを自覚する車田は、必殺技「ダッシュトレイン」で赤毛の選手を吹き飛ばし、ボールを奪い取る。




 技発動直前の、疾走する車田さんのドアップ(上)。吹っ飛ばされた赤毛選手(下)の恐怖体験をどうぞ。


 成功率100%の超強い必殺技でボールを奪った車田は、仲間にパスしようとするが、神童も剣城も、マークされていてパスを出すことが出来ない。化身使いの2人は要警戒と、浪川、湾田という、これも化身使いがキッチリ抑えていたのだ。

 頼みの2人を抑えられ、困る車田に声を掛ける天馬。走る天馬に、車田はすかさずパスを出す。虚を突かれた格好の浪川は、天馬の独走を許してしまう。しかしレゲエ風の髪形の巨漢選手が、ゴリラのドラミングのように胸を叩き、絶叫する。巨漢から溢れだすオーラ。ドラミングは、そのゴツい風貌に似合った化身発動のポーズであった。



 化身「精鋭兵ポーン」。おそらく防御に特化したタイプの化身。


 全員がシードという海王にあって、化身使いが何人いてもおかしくはない。「いちご100%」も真っ青のゴリラ100%の化身使いに対し、一歩も引かずに突進する天馬。その前向きな姿勢に反応したのだろうか、天馬の背後にオーラが浮かび上がる。



 残念ながらそのオーラは発現には至らなかった。ゴリラ並みのパワーに吹き飛ばされる天馬くん。ゴリラはそのまま先制点を挙げた吉峰にパスを出す。1点目の時と同じく、水飛沫(みずしぶき)を上げて走り込む吉峰。これはあの必殺技が来る!

 「フライングフィッシュ」に対抗して「バーニングキャッチ」を放つという、前回のあらすじを観るかのような展開の後、やはり同様にゴールを決められてしまう三国さん。これで1−3となり、サッカーではワンプレーでは追いつけない点差になってしまう。

 落ち込む雷門と、邪悪な笑みを浮かべる海王。有利不利の故(ゆえ)、対照的な両者の表情。ここで前半終了を告げる笛が鳴る。ザルのように3失点してしまった三国は、腕を震わせて屈辱感に沈む。そしてこの状況を、試合前からアウトサイダー目線で見つめ続けてきた速水が、諦めの表情でつぶやく。


速水「だから無理だって言ったんですよ……」



 帝国学園の本部モニターで、雷門の不利な展開を見つめるレジスタンスの面々。久遠は、この試合のカギを握るのは天馬だと喝破する。そして、その思いはフィールド上で見守る監督の円堂守(CV:竹内順子)も共有していた。



 ハーフタイム、監督の円堂の大胆な作戦に驚愕する一同。天馬をゴールキーパーに起用し、三国をサイドバックにコンバートするというのだ。キーパー経験の無い天馬にキーパーを任せるという常識無視の作戦に、当然ながら一同は反対する。特に、【替えられる=キーパー失格】という屈辱を友の三国に味わわせたくないと思う車田は頑強にその作戦に異議を唱える。しかし、勝つための作戦だとその異議を押し切る円堂。ただ剣城にだけは、円堂のその真意が理解できていた。

 重苦しい沈黙の中、屈辱に震えながらも、三国自身がその作戦に賛同する旨を告げる。驚く一同を尻目に、替わりのキーパーを仰せつかった天馬の前に行き、無理を取り繕(つくろ)った笑顔を見せてゴールを託す三国が痛々しい。文句ひとつ言わずに替えのユニフォームの用意を葵に頼む三国のこのシーンを観て、三国は本当にいい人だと思った。勝つためとはいえ、心情を理解しようとしない円堂の鬼の采配に従う三国。ただザル状態なのは事実な訳で、その辺の不甲斐なさを自覚していたからこそ、三国も大人の対応が出来たのだと思う。

 リフティングをしてフィールドプレーに備える三国。決して表情を見せないその後ろ姿を見て悲しげな表情の天馬に、水鳥が背中を叩いて活を入れる。大好きなサッカーを守るために、一切の私情、迷いを捨てろと諭す水鳥。それを受けて信助もDFらしく、シュートは撃たせないからと天馬を励ます。こっちは思いっきり口約束だったのだけど。

 2人のその気持ちを嬉しく思う天馬。未だかつてプレー経験のないキーパーを引き受けることになった。



 後半開始直前の雷門の布陣。17番を付けた三国が左サイド。そして18番の天馬がキーパーだ。さらに蘭丸が天馬のポジションに。


 ここまでの雷門の公式戦のデータをおそらくは研究して来ている海王は、天馬がキーパー経験のないことも熟知しているだろう。この奇策に呆れたという表情で軽口を叩く湾田。浪川は手を抜かず、後半も息の根を止めるつもりで攻撃することを一同に命ずる。出てきた時はビジュアル的にやたら存在感のあった海王の監督は、何をやってるんだろうね?

 この采配に、一層絶望感を抱く速水。天馬に化身使いを擁する海王のシュートが止められる訳がないと悲観する。

 しかしレジスタンスの本部では、この円堂の作戦に鬼道有人(CV:吉野裕行)が同調していた。しかしこの作戦は諸刃の剣(もろはのつるぎ)であることも示す久遠道也(CV:東地宏樹)。この作戦は伸るか反るかの賭けであることが明かされる。次の1点が海王に入れば、革命の道は閉ざされてしまう。今、サッカー界のその命運は全て、ゴールを守る天馬の双肩に掛かっていた。


 後半戦、雷門のキックオフで試合が再開された。2点を追う雷門は、キーパーが即席である不安を抱えながらも、とにかく攻めるしかない。浪川の指示で向かって来る選手を個人技で次々とかわす神童。神童はシード揃いの海王の選手にも負けない技量を見せる。その頑張りもあって、優勢に試合を進める雷門。キャプテンには、高い技量で仲間を引っ張るセンスも必要である。神童は、その能力にも秀でていた。

 信助が敵のパスをカットし、流れは完全に雷門ペースに。「風がひとつになってる」と、独特の言い回しでその状況を表現するマネージャーの山菜茜(CV:ゆりん)。

 押される展開に、海王側のキャプテンの浪川が仲間を叱咤激励する。「シードの誇りはどこへ行った!?」というその言葉にハッとする海王イレブン。選手を言葉一つで激励する高い指導力、カリスマ性もキャプテンの資格の一つだ。それを見せる浪川。

 浪川の言葉を受け、ボールを奪う湾田(ちなみに奪われたのは、またも浜野)。そして前を塞ぐ車田と三国に構わず、化身「音速のバリウス」で一気に駆け抜ける。三国さんはDFでも今のところ役に立てていない。

 湾田は化身を発動したまま、ゴール前で天馬と対峙する。湾田のシュートの気配に、思わず止められるのか迷いが生ずる天馬。そんな天馬を見てとり、「怯(ひる)むな!!」と一喝する剣城。

 「サッカーを守るんじゃなかったのか!?
     お前の好きなサッカーを!!」

と剣城に言われ、迷いを断ち切る天馬。

 湾田がシュートを放つ。



 「サッカーは、俺たちが守るんだ!!」




 その叫びと共に天馬の背中からオーラが一気に噴き出し、化身がついにその姿を現した! 化身は天馬の思いそのままに、ひときわ高く咆哮する。足で湾田のシュートを受けた天馬。その力と力のぶつかり合いは、まさに化身同士の激突であった。



 「音速のバリウス」をパンチで沈め、化身同士の力比べは、天馬の化身が制する。呆然とする一同。一瞬フィールド上は静寂に包まれる。それを破ったのは、角間歩(CV:古島清孝)の歓喜に彩られた実況解説だった。

 「松風が化身を出して、
     湾田のシュートを止めた〜〜っ!!」



 円堂の采配は吉(きち)と出た。それを確認し、笑い合う鬼道と久遠。


化身を出して消耗したのか肩で息をする天馬。シュートを止めたことを実感する間もなく、信助と天城、蘭丸が笑顔で天馬の元に駆け寄る。実感がわかない天馬に、化身を出したことを告げる蘭丸。歓喜に沸く雷門イレブン。その熱気は、諦め続けてきたこの男の冷(さ)めた心にも伝わることになる。不可能だと思われた化身のシュート阻止をやってのけた天馬を見て、心を動かされる速水。


 顧問の音無春奈(CV:佐々木日菜子)に問われ、天馬の力を引き出すためのキーパー起用だったことを明かす円堂。化身の力を出すには、前に意識を集中させなければならない。それには、キーパーとして敵のシュートを迎え撃つ状態が望ましかったのだ。円堂の一連の説明に「そうだったのか」と簡単に納得する水鳥。スケバンらしくない素直さだ。

 そしてその采配は、円堂が心中で意図した副産物が付いていた。全ての気をボールにぶつける、天馬の前向きな気持ちは、三国に大いなるヒントを与えることとなる。それに気付いた三国は、キーパー復帰を円堂に直訴する。三国に意思を伝える触媒として、天馬をキーパーに起用した円堂はもちろん、満面の笑顔でその望みに応える。円堂にとっても、天馬の覚醒と同じく、それは待ち望んだ展開なのだ。


 三国がキーパーの位置に戻る。慣れ親しんだグローブの感触を味わいながら、メンバーに檄を飛ばす三国。その表情には、今までと違う自信が満(み)ち溢れていた。

 キーパー天馬の化身が弾き返したボールはラインを割っていた。海王のスローインで試合は再開される。浪川の指示の元、吉峰が駆け上がる。そこにロングスローを入れる、海王のメガネ。吉峰は完全に雷門ディフェンスの裏を取る。スローインには、オフサイドは適用されない。

 フリーでボールを受けた吉峰。だが蘭丸が一瞬の隙を突いてそのボールを奪う。蘭丸は速水にパスを出す。未だ心が定まらない速水が持つボールに、突進する海王の選手。これまでのネガティブだった自分の言動を思い起こす速水。そしてやる前から可能・不可能を決めていた自分と、不可能を可能にした天馬の行動を比較する。

 「やってみなきゃ、出来るか出来ないかなんて分からないんだ!!」

 速水の中で、一つの思いが結晶する。

 力強く足踏みをする速水。足場を固めて、100m走のようなクラウチングポーズを取る。そして決然と、自らの過去をも振り切るかのようにスタートする。




 初披露の必殺技「ゼロヨン」(おそらくドリブル技)で、相手選手を一気に抜き去り、置き去りにする。弱気だった速水の意識を改革したのは、天馬のキーパー起用が生み出したものだ。それは三国のことには思いを至らせていた円堂も計算外の、意識せざる副産物であった。

 速水の突然見せたやる気に、親友の浜野も大喜びで歓声を上げる。その友を喜ばせたという実感が、嬉しさとしてフィードバックするのだろう、速水も笑顔を浮かべる。


 速水は剣城に促(うなが)され、パスを出す。受けた剣城は、即座に必殺シュート「デスドロップ」を放つ。そのシュートは1点目の時と同様、海王のキーパーを吹き飛ばしてゴールネットを揺らす。これで点数は2−3。1点差に追い上げる雷門。さすがに動揺の色を浮かべる海王イレブン。2失点は計算外だったのだろう。


 俄然動きのよくなる雷門イレブン。蘭丸から神童へのロングパスが通り、神童は必殺技「フォルテシモ」を放つ。最近はノーマルでキャッチされるなど、その弱体化が見受けられる「フォルテシモ」だが、海王のキーパーはシードのくせにこれを止められず、あっさりとゴールを許す。お腹が減ってるのだろうか? 監督はハーフタイムでおにぎり食べさせないと(ゲーム版『イナズマイレブン』的発想)。

 突然の海王キーパーのザルっぷリで、ついに雷門が同点に追いつく。これには浪川も愕然。当初の余裕の表情はどこへやら、焦(あせ)りの色を隠せない。シードの誇りを大いに毀損(きそん)され、怒りに燃える浪川。


 再び海王ボールで試合再開。早速化身「音速のバリウス」を出してシュートを撃つ湾田。開始早々のシュートだが、これは裏を返せば海王側に余裕が無くなっていることの裏返しだ(決してテレビの放映時間の関係では無い)

 ボールは一直線に雷門ゴールへ。今までだったら、毎週『イナズマイレブンGO』を欠かさず観ているよいこたちは諦めていただろうけど、今日の三国さんからは目が離せなかったはずだ。

 今までと違うエフェクトで飛び上がった三国。新オープニングでも見せている新必殺技、「フェンス・オブ・ガイア」で見事に湾田のシュートを止めてのけた。久々にカッコ良い三国先輩。



 おそらく山属性の技。きっと三国は山属性で、今までの必殺技「バーニングキャッチ」は火属性で属性が会わなかったんだろう。だからあんなにザルだった訳で。


 止めたこと自体が久々だったからだろうか、ものすごいアフターエフェクトで踊りまくる三国。よほど嬉しかったのだろう。三国を見守っていた神童やベンチのマネージャー陣も、この鉄壁の防御に大いに喜ぶ。これで何話かは雷門ゴールも大丈夫……だろうか?


「フェンス・オブ・ガイア」のこぼれ球は、神童の元へ。神童は天馬にパス。天馬に向かって行くのは、、冒頭の場面に続いて、またも浪川。おそらく海王で最強の実力者である浪川が、さらに化身を引っ提げて天馬の前に立ちはだかる。

 しかし今度の天馬はパスに逃げることは無かった。己の化身、「魔神ペガサス」の力を信じて、真っ向から勝負を挑む。今度はさっきと違う化身とのぶつかり合いだ。



 今度は名前が出た。「魔神ペガサス」。天馬に相応しい名前の化身だ。



 化身同士の殴り合いは、「魔神ペガサス」が制す。「海王ポセイドン」は消滅し、浪川は吹き飛ばされる。

 さっき発動出来るようになったばかりの化身を自在に操り、浪川の「海王ポセイドン」を屠った天馬。神童ですら、自在に化身を操るには熟練を要したというのに、この能力の高さには驚かされる。

 浪川の化身が敗れるのを見て、ゴリラが挑みかかる。化身「精鋭兵ポーン」が天馬を襲うが、今度は天馬の化身も発動済みであり、前回のように一方的にやられたりはしないだろう。



 果たして巨漢選手の剛力を思わせる化身をも力でねじ伏せ、天馬は前進を続ける。そして信助にハイボールを送る。ハイボールなら信助のシュート技も生きて来る。信助は親友のパスを受け、必殺技「ぶっとびジャンプ」を放つ。放たれたボールは海王キーパーの「ハイドロアンカー」の抵抗も虚しく、ゴールネットを揺らす。



 そしてその直後に試合終了の笛が鳴る。決勝戦は4−3で雷門が勝利し、ついにホーリーロード地区予選は、雷門が制することに成功した。一つの目標を達成したのだ。勝利の現実感がなく、呆然とする速水の腰を叩いてその健闘を称える浜野。2人とも、成し遂げた者にしか許されない笑顔を浮かべる。

 決勝ゴールを決めた信助や天馬、他のメンバーも全国大会出場を決めたことを喜ぶ。



 狂喜のあまり錯乱して周囲の人間にヘッドロックをかけまくる水鳥(左から2人目)と、かけられても嬉しそうな茜(同3人目)と葵(一番左)。右の2人は自然発生した座敷童子ざしきわらし)。


 全国大会に出場が決まった雷門を見つめ、様々な思惑を抱く、レジスタンスの面々。そして聖帝、イシドシュウジ(CV:野島裕史)。イシドの不敵な笑みの真意は、一体……?



 次回に続く。



  エンディング



 ついに地区予選編が終わったが、海王戦の進行が異様に速くて驚いた。全員がシードという、これまでで最も恐ろしい敵だという割に、あっさり撃破してしまった感が否めない。これ以上強力な敵を考えるのも大変だろうに。海王のトライデントにちなんだ技が出ると予想していたが、ポセイドンそのものだけで終わるとは思っていなかった。3人合体の技などを出してくると思っていたのだけどさ。アニメでは入りきれず、ゲームだけの技になるのかも知れない。ゲームの方でも無かったら、この発言は忘れて欲しい。


 今回は倉間、速水に待望の必殺技初公開の機会があり、またミスターザル、底の抜けた鍋と揶揄された三国(言ってるのは当方だけど、みんな共通の認識だと思う)にも新必殺技が誕生した。ただ倉間のシュートがあっさり止められる演出は、ちょっと酷いな、と思う。神童の「フォルテシモ」が止められるのが、今回の正しいパターンだと思う。これだと

「サイドワインダー」<<<「フォルテシモ」<「ぶっとびジャンプ」<「デスドロップ」

の公式が成り立ち、倉間の立つ瀬が無い。


 次回は新入部員登場という大事なパート。おそらくレギュラーを取ってしまうであろうキャラ立ちのハッキリしたキャラなので、誰かが控えメンバーに落とされてしまう運命。一体誰になるのかしら……。今回新必殺技をお披露目したというのに止められて、相手キーパーの引き立て役になってしまった倉間辺りが危なそう。キーパーが入ってきたら三国さんもウカウカしていられないだろうけどね。

 他にも木野秋(CV:折笠富美子)がジャージ姿で出ていたり、スーツ姿がミラクル似合わない木暮が出ていたりと見どころが満載の次回。木暮は秋のアパートに住んでいるという設定らしいけど、今まで出て来なかったのは何故なんだろうね? 秋と円堂の再会のシーンもあるんだろうな、きっと。秋は感慨深げなのに、円堂は過去を全く意識しないといったちぐはぐな再会になりそう。



 次回「秋空の挑戦者!」に続く。



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