ということで、年収が低くて結婚相手の親に笑われたのアレ。

 憂鬱だ
 で、叱咤激励というか、嘆きのエントリーが
 増田さんへ。私は久しぶりに激怒しました。 - iGirl
 で、社会現象として理屈みたいなのを述べたのが
 なぜ親の承諾が必要なのか?・・・二人だけでは結婚できない現状 - ohnosakiko’s blog
 実際低賃金で結婚して子供が出来たらどうすんのというのが
 年収200万円台で結婚するという現実 - チョコっとラブ的なにか
 結婚相手を選ぶなら先人の知恵に従えというのが
 http://d.hatena.ne.jp/ktp_oioi/20080823
 あぁ、結構トンでるなぁ。結論があるわけでもないというか、まぁだらだら書いてみる。
 まず、この話の真偽だが、まぁいちおうある程度まで真実と見ていかなくては話にならないだろう。あとでネタでしたといわれるのも癪だが、親の態度に誇張が入っていても、全体としては十分ありえる話だ。騙されているにしろそうでないにしろ、割り切って話を進める。
 で、考えたいのが各キャラの年齢だ。読み返してみても不詳だ。ただ、これは最近あったような感じは受ける。エヴァンゲリオンの台詞が判断材料になるかと思ったが、今時再放送も映画もレンタルもニコニコもあるわけで、ちょっと予測がつかない。本人は高卒で年収260万ということだが、これは税込みなのかな?。大体基本給15〜6万で、残業手当とかついて大体月18万の手取り15万ほど、ボーナス年に3か月分ぐらい?。転職云々といっているから非正規雇用ではないっぽい。大体年齢として20〜25ぐらいだろうか?。30近かったら親の反応がもっと違っているような気はする。もうちょっと将来を考えろとかそんな発言があるだろう。大体転職の年齢による区切りは〜25、〜28、〜35、あと40以上という具合だろうから、早いうちに条件のいいところに転職という意味で言っているのなら、だいたい25までと判断したまでだ。
 娘の年齢がよくわからん。姉さん女房としても5歳も違わないだろうし、年下でも別に親に直言するのは珍しくもない。文脈からすると幼馴染とか、中高で一緒だったとかとは思えないわけで、本人が高校卒業後に知り合ったと考えるのが適当か。まぁ25は越えないと思っている。
 で、問題なのが親の年齢だ。バブル崩壊後ちょっとしてからの男の結婚平均年齢が30を越え、女はまだ30を越えていなかったような記憶はある。この親がある程度体裁を気にしていることから、大学を卒業して(この親が大卒と仮定して)、すぐに結婚はしていないだろう。3年たって結婚して子供を生んでというのが最短とすると、少なくとも45以上ではあり、男の結婚適齢期を30と見積もったところで、50前半といったところか。夫唱婦随のようであるから、母親の年齢は父親よりちょっと少ないぐらいか。まぁそんなとこ。
 まぁ何が引っかかったのかを今はっきりさせておくと、やはりこの親の台詞にカチンと来たわけだ。たぶんこの親は、生まれた時代がよかったために、大学にもすんなり入学でき、就職も楽に出来、結婚なんかも何の躊躇もなくできたという、あんまり本人の努力とか才覚とは関係なしに、ただ周囲と同じようにしていただけで棚ボタ式に“幸せ”が転がり込んできた世代なのではないか?というのが要旨だ。たぶん団塊の世代より楽をしていると思う。この本人が仮に25だとすると、高校を卒業したのは1998年ぐらいで、たしか1997年は一挙に企業の倒産件数も自殺者数も激的に増えた年なのであって、この人はまさに生まれた時代がアンラッキーだっただけという可能性は高い。25より若くったって、就職状況も自殺者数もほとんど横ばいで変わっていないわけなので、むしろ「努力したところで成果にはつながらない」という先行きの暗さが深刻化しているだけだ。
 自分の親などは、話に聞くと初任給が1万だとかいう時代で、これでも結婚して子供を二人育てているわけだ。当時は物価が安かったとはいえ、スーツなんかは月給の何か月分もし、テレビなどの耐久消費財なんて下手すると何年分?といった時代で、それでも何とかやりくりしていたわけだ。母親も基本専業主婦ではあったが、内職をしていたりパートに出ていたりするのは記憶にある。
 http://j_coffee.at.infoseek.co.jp/toukei.html#shoninkyuuを見ると、昭和22年生まれの団塊が大卒初任給で32000円ほどをもらい、この親が50だとして、大卒初任給は120000円もらっている。しかもこの50の親は就職したてから10年間はバブル景気の真っ最中で美味い汁を吸いまくっていたはずだ。そりゃ金銭感覚が違っていたとしてもおかしくない。婚約・結婚指輪は給料の三か月分だのというのが一般的になったのもこの時代ぐらいじゃねぇの?。花嫁を文字通り“買う”ための結納金とは別に、給料の半年分を貢がなくてはならなかったわけで、で、そういうのもバブル景気で昇給が激しかった頃には不思議もなく受け入れられていったのだろう。まったく贅沢をえさに購買意欲を刺激されて、無駄遣いを当たり前にしてきた世代なのだから罪深い。
 自分の親を振り返ってみると、別に安月給でも結婚は出来るし子供も育てることが出来るんだけど、確かに260万では親として心配になるというのもわかる。上記リンクにも200万ではカツカツ暮らしていくことが出来るにせよ、餓鬼には1300万必要だとか言っていて、子供を作るのは“今の無駄遣い”にあわせていくには辛いとは思う。これもおかしな話で、ネットでも3〜4年前には一人の餓鬼に2000万必要だとか言われていて、一年以内には2500万必要だとかというのを目にしたような気はする。1300万にしたって、“子供を親の扶養として、つまり親が生きていくついでに子供も食わせていくとして”という前提で、まったく一人の餓鬼を0から育てるのに必要という試算ではないものゝ、やっぱり、子供に年65万もかゝるのは正気の沙汰ではない。公立にやるにせよ、真面目に取り組ませても苛められるし、かといって苛める側に回っても、上質の就職から遠ざかるばかりだ。
 まぁ確かに激励を示しているリンク先の、男だったらもっとしっかりせいというのにもうなづけるのではあるが、今の時代酒でも飲まなきゃやってられないというのも非難しづらくはある。260万と正確な数字を言ってみたところで、ほれやっぱり正直者がバカを見たじゃんかという話だ。
 二人だけでは結婚できない現状というお題では、まぁ一言で言えば「やっぱり経済的に困窮した場合の最後の砦が家庭内経済だ」ということなんだろう。昔に比べて相互扶助というイデオロギーが必ずしも各成員に周知されているわけでもないが、親と子が疎遠であってもやはり親としては自分のリソースは子供以外に分け与えるものでもなく、子供としてもリンク先のように親の手を物理的にも経済的にも借りたいと思うものだろう。この夏も、海水浴場で子供をほったらかしにした挙句、海で遭難死した子供をダシに地方公共団体に金をせびろうとした親がいたが、愛情があろうとなかろうと、何らかの形で親子関係を自分の利益のために利用しようとするものである。愛情とやらがあれば、なおさら離れがたいのも理屈でわかろうというものだ。本人たちは愛情とやらで、理屈ぬきと考えていても、外から見れば、やはり各成員が個人の利益の最大化に親子関係を利用するように機能するというだけのことだ。本人が嫌でも保険はかけとけ、絶対損はないからというものだろう。
 まぁそんなわけで、自分の結論としては日本人はやっぱり贅沢しすぎという感じだ。で、このひずみはなんといっても政財界の特権階級の責任である。特権階級が贅沢をすればするほど、すなわち格差が拡大するほど、下層民の上昇志向は高まり、馬車馬のごとく働こうとするインセンティブが働く。昔は貧乏人はそれは酷かったわけで、それが高度経済成長の原動力にもなったわけだ。で、実際にがむしゃらに働き、資産を溜めたのもある程度事実だろう。で、団塊はそこで立ち止まって「本当に財を作り続けてよいものか」と考えるべきだった。作れば売れ、財産が殖えるわけで、そこで立ち止まれなかったことを必ずしも非難するわけでもない。たしかにその勢いが今の飽食ともいわれた日本の物質的繁栄も作ってはきたのだ。ただ、増え続ける財をどうするか、それを海外に売って得た資産の使い方がまずかった。要するに政財界の特権階級がほとんど懐にしまったわけだ。団塊あたりはまだ貧しさを知っていたであろうが、上記の親の世代、つまり今の50代は、バブル期の「会社の業績関係なしに、株の値段が上がっているから、さらに株を買う」という思考で、モノをつくりつづけ、好景気が続くことに何の疑問も持っていない連中だったのだ。金があるのが当たり前、大量の金を投資(実は投機)に使えば必ず増えるものという、物を作れば売れるもの、と深みのない一段論法オンリーで突っ走ってきたのだろう。で、それを消費財にどんどんつぎ込んできた。
 正直自分もその世代だったら間違いを犯さなかったか?といわれれば全く自信がない。バブル期も自分にはほとんど恩恵がなかったことも一因ではあるが、やっぱ明るい未来を何の疑問もなく信じていたとも思う。だからこそ、まだ貧乏を知っているはずの団塊やその上の世代は、贅沢まっしぐらではなく、立ち止まって振り返ることをすべきだったとは思う。なまじっか貧乏人がちょっとした贅沢を覚えてしまったばかりに、財が市場に溢れてきたときの欲望の歯止めが利かなかった。
 今50代のさらに親の世代は大正デモクラシーを経験した世代で、実はこれまた無責任な世代だったそうだ。まぁむべなるかなといったところではある。貧乏を知らない、贅沢ばかりで人の心をおもんぱかることが出来ない世代。団塊も大概我侭らしいが、モンペもこの50代あたりが多いと聞く。まだ、就職氷河期をちょっと上の世代に見て、自分自身も厳しい就職難の時代を生きている本人やこの娘さんのほうがまだマシといったところか。
 金がないから結婚できないというのも、あまり意味がなくなってきているような気はする。先ほども言ったとおり、やっぱ日本人は贅沢をしすぎなんだよ。で、政財界の特権階級が国民から泥棒してうなるほど金を持っているというのも大問題。物価上昇の折、増税なんて問題外だし、国際金融資本(アメリユダヤ)に日本が肩入れしての物価上昇も、日本の舵取りとしてはお笑い物だ。やはりここは特権階級の入れ替えだろう。WWⅡと今回とで失敗したのだから、二度と彼らが這い上がれないよう一番下の身分に固定するか、もしくは一族郎党根絶やしがいいだろう。日本という国を実験台に使い、国民を軋轢死させているし、それで特権階級自身も苦しんでいるのかと思ったら、国民が苦しんでいるのを上から見下ろして、自分たちは贅沢三昧なのだ。またマスゴミを使って年金原資が枯渇とか言いふらしているが、笑止千万。本来政治家は国富を貯めるものだろう。特権階級たちが自分たちの享楽のつけを国債だとかあとの世代のツケにしているのはやるべきことが逆の方向だ。貨幣経済に過度に依存せずにストレスなく暮らしていける社会の構築が望まれるのだろう。