日経新聞社説 イレッサ判決が求めるもの : イレッサ判決が求めるもの :日本経済新聞
肺がん治療薬「イレッサ」の副作用被害を巡る訴訟で、大阪地裁は、販売開始から3カ月の間に投与を始めたケースに限って、製薬会社に損害賠償を命じた。
この期間に薬に添付した「使用上の注意」の副作用を警告する記載が不十分で、その結果、当時のイレッサには製造物責任法上の「製造物の欠陥」が生じていた、との判断だ。
一方で、国の賠償責任は認めず、イレッサの新薬承認審査に安全性軽視の違法があったとの原告側の主張を退けた。不十分な注意文書を改めさせなかった、規制権限の不行使は「必ずしも万全な対応とは言い難い」と批判しつつも、賠償責任を負う違法はなかったとした。
権限の不行使は「著しく合理性を欠く場合」にのみ違法になるとする最高裁判例に、国は救われた格好だ。判決は、製薬会社と国には、新薬の副作用情報を十分かつ理解しやすく処方医、患者に伝える責務があると指摘したといえる。
まとめとしてはグッド。
副作用被害の救済制度に抗がん剤を含める改正案が民主党内で検討されている。死因が病気か副作用か、判断が難しいとの慎重論はあるが、抗がん剤をまったく対象外にするのは不合理ではないか。医学に基づき適正な制度を検討してもらいたい。
なんかなあ。
産経新聞社説 【主張】イレッサ判決 がん治療の将来のために - MSN産経ニュース
国としては裁判所による和解勧告をあえて拒否して得た「勝訴判決」といえるが、国の対応のすべてが「問題なし」とされたわけではあるまい。
今回の判決で国の賠償責任が認められなかったことは、法律論としてはうなずける面がある。しかし、国には患者と遺族を救済し、今後のがん治療で同じような被害者を出さないための最善の行政を進める責任もある。
議論をあえてごちゃごちゃにしている。
読売新聞社説 イレッサ訴訟 副作用の警告を重んじた判決 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
その一方で、イレッサを承認した国の対応については、「著しく不合理とは言えない」として賠償責任を否定した。
副作用死が相次ぐことを予想するのは難しく、対応に著しい誤りはなかったとの判断からだ。
これは妥当ではないかな。
朝日新聞社説 イレッサ判決―情報はなぜ届かなかった : asahi.com(朝日新聞社):社説
変な社説だなあ。
死亡例が相次いだことを受けて、承認の3カ月後に緊急安全性情報が出た。添付文書の冒頭に「警告」として目立つ形で間質性肺炎の危険を書くと、被害は減った。
それが原因・結果ではなく、使ってみて想定外の問題が出て、世論に反映したからではないの。
文書のあり方が問われたのはこれが初めてではない。厚生省(当時)はイレッサ承認の5年前、重要事項を前の方に記載することなどを求めた局長通達を出している。企業はなぜこれを守らなかったのか。国も、なぜもう一歩踏み込んで、企業に働きかけなかったのか。釈然としない思いが残る。
国への今回の地裁判断についての批判は整合的でもない。
わらにもすがる気持ちで新薬を待つ患者がいる。その期待に応えつつ、安全に万全を期す。二つの課題を両立させることの重要性を、イレッサ問題は改めて社会に示したといえよう。
ってなこと書いて済むなら暢気でいいよ。これはそう簡単な問題ではないよ。
朝日新聞社説 都知事選―これからの東京の話を : asahi.com(朝日新聞社):社説
石原都政を腐したい心情だけがほのぼのと伝わってくるのだけど、特に論点のない気の抜けた社説。
ところが「ひとり勝ち」を続けてきたその東京に、陰りが見える。
さらなる起爆剤を狙った五輪招致は失敗した。再開発された「○○シティー」は、リーマン・ショック後、どこも活気が薄れている。
若者は安定した職に就けず、独居の高齢者も増える。「孤族の街」になっているのに、きずなの整備は不十分。近郊のニュータウンで急進行する高齢化は、やがて東京全体を覆うだろう。医療・福祉といった生活者施策を後回しにしたツケが、後世に噴き出す心配がある。公共の建物や橋、上下水道など、高度成長期や以前に整えられた都市インフラも老朽期が来る。
成熟か衰退か、岐路に立つ都市。
ジョークにしか読めないなあ。
というか、新銀行東京になんの言及もないのか。築地の言及もない。
晴れ・ログイン
プールはすいていて、のんびりと泳ぐ。