お知らせ。お引っ越ししました。

色々ありましてブログをお引っ越ししました。今のところこちらを再開する予定はありません。(もしかしたら再開するかもしれませんので当分は消しませんが。)
引っ越し先の新しいブログは今まで通り、いや今まで以上に更新して充実させて参ります。是非お越し下さい。
今まで見ていて下さった皆様。ありがとうございました。引き続きお引っ越し先の新しいブログもご贔屓にお願い致します。



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Nikakoi「Shentimental」廃盤

これを書く前にちょっと検索をかけてみたのですが、現在はHMVでもamazonでも入手困難な作品のようです。僕が買ったのは一年前くらいでしたでしょうか。その頃はまだ普通に注文できたんですがね…。


なにせ輸入盤なので情報がなく、これといって有益な情報を提供出来ないのが読んで下さっている方には申し訳ないのですが、分かる限りのことと伝えられる限りの感想を伝えていきたいと思います。


僕がニカコイを初めて聞いたのはファンタスティックプラスティックマシーンのサウンドコンシェルジュというアルバムに収録されていた曲でした。今手元にその曲がないので記憶は曖昧ですが、このアルバムの収録曲同様哀愁をたっぷり含んだ愛らしいアップテンポの曲であったように思います。


HMV情報ではギリシャ出身、アマゾン情報ではグルジア出身となっていて詳しいことはよく分かりませんが、間違いなく一線級のエレクトロニカ・アーティストであると思います。同サイト内のユーザーレビューでもエイフェックスツイン以上の天才などと書かれていますし、どこか別のところでもそんなような文章を読んだ記憶があります。
方向性としてはエイフェックスツインのアンビエントワークスvol.1に近いでしょうか。白いジャケのあのアルバムです。一言で表現するなら「綺麗」な音楽です。キラキラふわふわしてきらめいています。鋭い氷の破片のような。ちょっと矛盾していますが、音色が優しいのでそんな非現実的なイメージが浮かびます。哀感は冷気を感じさせもしますが、氷のような冷たさというよりは爽やかに冷んやりとしているという印象。
そこに加わるリズムは入り組んだブレイクビーツ。ちょっとドラムンベースっぽいところも。
『Uuusmine』などはかなり高速でビートが細かく刻まれています。この辺がエイフェックスツインに通じるイカレっぷりで、天才と言われる所以なのかなと思います。めちゃくちゃかわいくて綺麗な上モノと、先鋭的というかかなりブッ壊れたビートの組み合わせは魔法のようにこちらを虜にします。この曲はストリングスの音色のループがドラマティックです。
『Vent』はグッとBPMを抑えて綺麗な上モノをじっくり聞かせます。でも、何かの息のようなノイズがループで入っていて一筋縄ではいかせない感じです。
『xvz』はこのアルバムで初めて気に入った曲です。アップテンポで聞きやすい。
この三曲が聞き所だと思います。

FreeTEMPO「The world is echoed」03年作品

「ボッサ・ハウス」または「ラテン・ハウス」


最近、そんな言葉をよく聞くようになりました。今や、あの売れるものを売れるだけ入れる計算高いツ○ヤのレンタルコーナーにさえ「カフェ・ラウンジ・コーナー」が出来、ちょっとこじゃれたハウスやクラブジャズが並ぶようになりました。
ちょっと前は「カフェアペリティーヴォ」というオムニバスが何枚かあるだけだったのに、今は非常に充実していて、このフリーテンポも全作品網羅されています。


フリーテンポは仙台を中心に活躍する半沢武志氏によるソロプロジェクト。どうやら渋谷HMVが発信地とのことです。音楽性は付けられたジャンル名から想像出来る音楽そのままです。
ちょっとお洒落なカフェやお花屋さんでBGMに使われていそうな爽やかで快活な音楽。あちらの国をイメージさせるような賑やかなリズムに、さらりとした明るいメロディが乗り、ふわりとした哀感を加えていて、チャート上位を占めるポップス群と比べても遜色ない耳当たりの良さが魅力です。
これはかけていて邪魔にはなり得ない音楽です。晴れの日に車でかけても良いし、散歩しながらipodウォークマンでかけるのも良い。天気が良くて気分が良い時にはその気持ちをより一層盛り上げるものになると思います。じめじめした時にはその湿った空気をさらっと乾かす風になってくれるようなそんな音楽です。インスト曲もありますが、もはやお馴染みのヨシダサトコの歌声が優しい歌モノも秀逸。
色でイメージするなら淡い淡い青。ふわりと柔らかく空気のようなものが優しく聞き手の周りを舞います。ちょっと散らしたハットの音、澄み切ったアコースティックギターの音、とことこたたたた…柔らかい打楽器の音、やや早めのテンポの中でキーボードの音も優しく鳴っています。


これって女の子ならすぐ胸を射抜かれちゃうんじゃないかなと思います。こういう可愛らしくて爽やかで綺麗な音楽は女の子にとって大事な「トキメキ」をくれる。僕は女の子ではないのでそういう感覚とは違うんですが、やっぱりこの音には抗えない魅力があると思います。春から夏にかけては間違いなく気分にピッタリ合う筈。まだ聞いたことのない人は是非。代表曲「sky high」だけでも聞く価値は充分ありますよ♪

cradle of filth「vempire or dark faerytales.....」96年作品

以前にも紹介したイギリスのシンフォニックブラックメタルバンド、クレイドルオブフィルスの初期のミニアルバムです。


このアルバムはとても大好きで、高校の頃から何度も何度も繰り返し聞いています。某メタル専門誌の輸入盤レビューのページで一際目を引いたのがこのアルバムでした。


なにがそんなに好きかというと、一番のポイントは複雑というか、無茶苦茶に展開する曲の進み方ですね。全く先の読めない展開で、終始騒音に近い極めてラウドな音像なのに、ドラマティックとさえ感じてしまうのは曲が異常なまでに多くの場面展開を経て進んでいくからでしょう。
正直、シンセ類は前に紹介した「Damnation and a day」よりずっとシンプルだし、演奏面でも「Nymphetamin」などと比べればずっと単純です。ですが、この破天荒な展開の多さは今のクレイドルオブフィルスにはないものです。「鬼女と野獣」以降、凄くカッチリとまとまって、ある種ポップとさえ言える程の普遍性を彼らは身に着けました。しかし引き換えに、このどうしようもなく抑え切れないクリエイティビティが溢れ出しているような圧倒的なエネルギーは失ったように思います。
曲自体が放つ禍々しさ凶悪さはこの後のどのアルバムよりもこのミニアルバムの方がより強く滲み出ていると思います。


ダニ・フィルスの声の多彩さもまた印象強い。この後のアルバムではこの時期に問題視されていた線の細さを克服しましたし、個性派として相変わらず唯一無二の存在であり続けていると思います。が、このミニアルバムのように、到底一人で歌っているとは思えないような多彩さは薄まっているように思います。シャウトだけでも超高音域喚き声、中音域、かすれ気味な超低音域デスボイスと使い分け、ウィスパーボイスで囁いたり、呟いたりととにかく多彩。


演奏はシンプルですが、プリミティヴブラックメタルにより近いものになっています。非常に禍々しい。渾然とぶつかってくる騒音の塊がかえって心地良い。綺麗にまとまりすぎていると、折角のラウドさが損なわれる場合もあるのではないでしょうか。このアルバムはそういう面では良い意味でまとまりがないのです。混沌としています。


それらをクラシック的な要素も感じるシンセ類が壮麗に盛り上げる。原始的で騒々しく、人によっては単に拷問にしか聞こえないような音楽なのに、ドラマティック。この組み合わせが良いのです。

MEGADETH「CRYPTIC WRITINGS」97年作品

ラストアルバム。

僕にとってのメガデスはこのアルバムで最後になっています。というのも、この後ギタリストのマーティ・フリードマン、ドラムのニック・メンザとの衝突が増え、作品の内容もパッとせず、ついには脱退するという道を辿り始めるからです。これ以降のアルバムは試聴止まりなので、もしかしたらちゃんと聞けば気に入るかもしれませんが…。試聴した感じでは個人的に特に興味を引かれる作品というわけではないし、一般的な不評も多いですし、あまり聞く気になれないというのが本音です。

このアルバムは名盤「ラストインピース」にも匹敵し得る絶妙のバランス感覚を持った作品です。
僕のブログの記事を幾つか読むと必ず出てくるキーワードが「バランス」「メロディ」です。僕はこれらの点で優れていると感じるというか、好みであるものがやはり他と比べて特別に好きですね。
このアルバムのバランスの良さとは、昔からのメガデスファンを満足させる知的なメタルであるという要素と、マーティが持ち込んだポップの要素ですね。メガデスが本来持つシリアスでミステリアスな要素がポップさと絡むと、甘さが消えてシャンと締まり、もうメガデスならではの味に仕立て直されているんですね。これが良い。
この適度な分かり易さと適度なラウドさがバランス良くアルバムのカラーをきれいに染め上げているところが、このアルバムの良さだと思います。

激しさと緻密さとを兼ね備えた例の独特のリフを武器にした疾走曲は相変わらず素晴らしいし、従来のファンが喜ぶ要素も勿論あります。代表曲の一つであろうトゥーレモンドのような曲に秘められた叙情性もたっぷりありますし、デイヴ・ムステインらしい皮肉の利いた歌詞も相変わらず。メガデスメガデスらしさの範疇でめいっぱいキャッチーな歌モノアルバムを作ったという印象です。

とは言え、「シーウルフ」のような曲ではインストパートにこそメガデス最大の魅力とらしさがあると見せつけるように素晴らしい演奏を聞かせますし、それは「シークレット〜」「FFF」「vortex」といった曲でもやはり感じさせられます。リフ一つとってもメガデスだと一聴で分かる鋭利さは保たれています。
加えて「シーウルフ」では正統派メタルに大幅に接近。メイデンばりのツインリードでスリリングにメタルならではの格好良さを演出します。

僕は今でも一番良く聞くアルバムはこのアルバムです。僕にとってはこれぞメガデス!なのです。

JUDAS PRIEST「priest in the east」79年作品

生まれた年ですよ。感慨深いですねぇ。79年はIRON MAIDENのデビュー年でもあり、ソニーからウォークマンが発売された年です。
メタルが好きで、ipodと形は変えたものの携帯音楽プレイヤーが宝物という自分には何か運命めいたものを感じてしまいます。

さてさて。プリーストです。メタルファンにこの名を知らぬ人はいないでしょう。メタルゴッドとも呼ばれるメタル界の守護神ジューダスプリースト。「彼らが健在でありさえすればメタルはそこに生き続けている」とは、メタル界のご意見番伊藤政則氏の言葉であったかと思います(もしかしたら某メタル専門誌の編集長の言葉だったかもしれませんが…)。
ヘヴィメタルとは、BOCが始めであるとかサバスが始めであるとか諸説ありますが(勿論ボーズオブカナダやサバス&サバラス?のことではない・笑)、プリーストが始めであるというのが一番の有力説でしょう。鋭利な刃物のようなリフや金切り声は聞き手に金属をイメージさせます。確かブリティッシュティールアルバムのジャケが刃物でしたし、その印象もあるのでしょうが、ともあれ、プリーストがファッション面も含めメタルのイメージを決定付けたと言ってよいでしょう。

さて、本作は彼らが最も脂の乗った時期に行われたライブを収録したアルバムとなっております。

ロブ・ハルフォードの超ハイトーン、グレン・ティプトン&KKダウニングのツインギターもバッチリ、キマってます。「エキサイター」や「ランニングワイルド」のように疾走する曲ではこれぞへヴィメタルという高揚感をこちらに与えてくれます。当時としてはかなり衝撃的なハード&ヘヴィであったであろう「ヘルベントフォーザレザー」は時代を超えてヘヴィメタルのかっこ良さとはなんであるかを僕らに教えてくれます。
他にも「ダイアモンドアンドラスト」「タイラント」など充実のラインナップ。これらの名曲群が安定した演奏で、エネルギッシュに惜しみ無く次々と繰り出される。この熱気はライブ盤ならではですよ。同じベスト選曲をしてもスタジオ盤ではこの良さはない。二本のギターが重なって紡ぎ出すメロディにはシビれます。

今の若いバンドに比べれば速さも重さも全然大したことはないのです。初めてメタルを聞く人には、あれ?こんなものなの?と思われ兼ねません。しかしこれこそがまさにヘヴィメタルなのです。これは歴史に名を残すバンドの歴史的なライブを収録した名盤です。

SLAYER「God Hates Us All」01年作品

期待に応え続けるバンド、スレイヤー。

変わらないことが良いバンド、変わることを望まれるバンド。世の中のメタルバンドを二分するとしたらスレイヤーは間違いなく前者だろう。
勿論全く変わっていない訳ではない。時代の変化に合わせ、よりラウドになっているし、重さも増している。それにスレイヤーは二作連続で同じ方向性ではそうそう攻めて来ない。不気味でミドルテンポ主体のアルバムを出した後はハイスピードでぶっ飛ばすあのスレイヤーの姿が見られるアルバムが来る。

今作は「ぶっ飛ばすアルバム」。
相変わらず激烈に疾走している。目の前にあるものを全て薙ぎ倒しながら猛スピードで突進する。F1カーの速度を備えた重装戦車がイメージされる。
操縦する兵士はいつものように激しい吐き捨てシャウトでこちらを煽り、休ませないトム・アラヤだ。二人の砲撃主ケリー・キングとジェフ・ハンネマンの攻撃はいつものように正確無比な命中精度でド級の破壊力の攻撃を繰り出す。足回りを固めるのはポール・ボスタフ。皆が決めた進む方向に向けて全力で走る。

いつものスレイヤーがいつも通りに暴れる期待通りのアルバム。惜しむらくは前作「ディアボロスインムシカ」のオープニングを飾ったような、今までの代表曲と並べても遜色ない出来という程の名曲は生まれなかったという点か。だがそれは心配するにも至らない小さな小さな極々微細な憂慮。アルバム全体としては疾走曲の割合が高いし、ミドルテンポ中心だった前作でイマイチ煮え切らなかったファンも溜飲が下がっていることと思う。

初めて聞くアルバムということならやはりDecade of aggressionとなる。よってこのアルバムはその後で構わない。が、エクストリームな音楽が好きならスレイヤーは避けて通れない。いつかはこのアルバムにも手を伸ばして見て欲しい。