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memorandum † 樋口ヒロユキ

サブカルチャー/美術評論家、
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2016-08-22

朝日新聞に「絵のお化け」展紹介記事掲載

12:07

朝日新聞2016年8月21日大阪版朝刊に、企画グループ展「絵のお化け 松村光秀トリビュート展」が紹介されました。

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2016-08-18 澁澤さん家の方へ

 夏休みを利用して、澁澤龍彦さんのお墓に詣でてきました。前にお参りしたのは確か2007年か08年ごろじゃなかったかな。最初の自分の本が出た前後のことだったと思います。それ以来になるので、約10年ぶりです。

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 今回は三冊目の本になる『ソドムの百二十冊』が出たので、そのご報告も兼ねて、という感じです。この本は書評集なのですが、澁澤さんの本についても結構たくさん触れているので、やはりお参りしておいた方がいいか、と。

 澁澤さんのお墓はJR北鎌倉駅から徒歩数分、浄智寺というお寺にあります。写真は山門なのですが、この門をくぐって右に折れてまっすぐ進み、本堂の裏、左手の細い階段を上がって、途中で分岐した階段を上がって左手側。幾つかのお墓の並んだ一角にあります。お花を供えて掃除をしてきました。普通の仏花ではあまり喜ばれないだろうと思って、赤い薔薇をお供えしました。

 澁澤さんの本にも書いてあるのですが、このお寺のある一帯は、どういうわけか昼日中から、ひぐらしが鳴いています。十年前と全く変わらない、ひぐらしの声を聞きながら、井戸水で墓前の湯呑みなどを洗ってきました。水はすごく冷たくて気持ちが良かったです。

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 せっかくなので、鎌倉観光もしてきました。写真は鎌倉文学館。旧加賀前田家の別荘だったものだそうで、三島由紀夫が『春の雪』で、松枝侯爵の別荘のモデルにしたのがここだったそうです(この本のことも『ソドム』に出てきます)。当時は佐藤栄作さんの別荘になってたんだとか。栄枯盛衰。ちなみに話題の映画「シン・ゴジラ」は、このすぐ近くあたりを通ります。

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 台風が近づいていましたが、そのまま稲村ガ崎へ。ここはのちに後醍醐天皇から総大将に任じられた新田義貞が、鎌倉幕府攻撃の口火を切った上陸地点。あまり意識してなかったのですが、後醍醐天皇は『ソドム』でも一節を割いて紹介した方。不思議なご縁を感じました。

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 ちなみに、ここも「シン・ゴジラ」に登場していて、ゴジラが再上陸を遂げた際の地点として描かれています。ということは、ゴジラ新田義貞? まさか、とは思うのですが、江ノ島は龍神さまゆかりの神社で、新田義貞は龍神のご加護を得て幕府を倒したことになっています。いっぽうゴジラも、決して皇居だけは襲わないことで知られています。不思議な因縁です。

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 この日は江ノ島で生シラス丼を食べておしまい。一泊して台風一過した翌日も、再び江ノ電に乗ってブラブラしました。京都で言えば嵐電とか叡電みたいな感じしょうか。

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 そのあと鎌倉まで出てイワタコーヒー店でお茶。コーヒーもフラッペも美味しかったです。そのあとは辻堂で映画、「シン・ゴジラ」二回目。行ったばかりの場所が次々出てきて感無量でした。

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 シメは横浜中華街で早めの晩ごはん。「桂宮」というお店で飲茶にしたのですが、ハチノスの蒸し物がすごく美味しかったです。楽しい一泊旅行でした。

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2016-08-01

北海道新聞で『ソドムの百二十冊』紹介されました

23:47

北海道新聞』(2016年7月31日朝刊)の「本の森(ほん欄)」で、拙著『ソドムの百二十冊』が紹介されました。無署名の新刊紹介欄ですが、それでも新聞の書評欄に載せていただいたのは初めて。嬉しいです。


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http://dd.hokkaido-np.co.jp/cont/books/20160731.html?page=2016-07-31


ついでにいろいろまとめておくと、『朝日新聞』6月26日朝刊一面には、『ソドム』の広告が載っています。いわゆる「サンヤツ広告」というやつですね。

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そして新聞広告の効果でしょうか、翌27日には、amazonの文芸理論部門で12位まで行ったようです。

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是非ご一読になってくださいね!

2016-07-30 貸し画廊と企画画廊どっちが偉いのか

 貸し画廊と企画画廊、どっちが偉いのか。結論から先に書く。「どっちもどっち」だ。いずれにも一長一短がある。完全無欠なシステムなど、そもそも美術に限らず存在しない。それぞれが各自にとってベターな方法を選ぶだけである。


 「貸し画廊は作家から搾取するダメなシステムだ」という主張は、最近ではあまり聞かなくなったけど、かつて頻繁に言われた指摘である。たしかに、そういう面もあるかもしれない。100%間違いだとは言わない。作家からカネ取ってんだから、それを「搾取」と言いたい気持ちはわからなくもない。


 それじゃ、企画画廊は誰もが夢見るガンダーラのような、完全無欠の理想郷的システムなのか。私はそうは思わない。そもそも企画画廊は作品が売れた場合に手数料、マージンを取ることで成り立っている。大体50%取る。企画画廊は貸し画廊よりマージンの比率は高いのに、これは「搾取」には当たらないのだろうか。


 もうひとつ言うと、売れない作家は企画画廊では展示できない。どんなに面白い作家でも、売れない作家はいずれ企画画廊では発表できなくなる。売れなければ「売れる作品作ってよ」って話にもなる。極端な場合になると、全然作りたくもない「売れ線」の作品を作らされる(自分はあんまりそういう画廊とは付き合いがないが)。


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 企画にせよ貸しにせよ、私の知る限りほとんどの画廊は、毎日必死で作家のこと、作品のことを考えている。なかにはそうでもない悪徳業者みたいなのもいるんだろうけど、そういう人とはお付き合いを最初からしないので知らない。要するに大事なのは「人」だ。企画だろうと貸しだろうと、画廊を動かす「人」がダメならダメ画廊にしかならない。逆もまた同じである。


 そいじゃお前のとこはどうなんだ、と言われると、正直まだまだ全然ダメだ。うちは企画が約4分の1、残りが貸しというスタイルだけれど、どちらの作家にもいろいろ迷惑はかけていると思う。全然理想的な画廊ではない。ボロっちいし狭いし価格帯は安いし、広報体制も万全とは言えない。ただ、一生懸命やっている。


 画廊と作家だって人と人だ。すべてにおいて理想を体現する超人のような画廊主がどこかにいるわけではない。作家もそうだろう。お互い人格に凹凸があって、良い面悪い面が必ずある。それがうまく噛み合う、要するにウマが合うところでやるしかないんじゃないか。そんなふうに自分は思う。


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 すべての面で自分の思い通りになるシステムってのは、この世にはない。画廊だけじゃなく、美術館でもカフェでもバーでもオルタナティブスペースでもそうだ。話は美術に限ったことじゃなく、たとえば文芸誌や劇場のような場所でもそうだろう。大きな文芸誌には大きな文芸誌なりの問題点があり、アングラな場所にはアングラなりの問題点がある。完全無欠な場所などこの世にはないのだ。


 およそすべての文化的システムは、人と人が出会って動かしている。そうした人力のシステムである限り、何かしら絶対に欠陥はある。自分だけが完全無欠の存在で、システムを動かしてるやつはバカばっかりと思ってる作家がいるのだとしたら、私はその人に言ってやりたい。


 「 バ カ は お 前 だ ろ 」。

2016-07-29 『週刊読書人』に『ソドムの百二十冊』拙著書評掲載

美術評論家の相馬俊樹さんが『週刊読書人2016年7月15日号にて「エロスという毒―薬」というタイトルで、拙著『ソドムの百二十冊』ご紹介してくださいました。ありがとうございました。

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