テクノロジーによる教育支援への挑戦

テクノロジーによる学びの支援へのチャレンジについて書いていきます

ハーバード大学のエクステンション(社会人教育)の講座

PodCastingで講義を配信している。Internetの入門講座では、iChatGoogle Talkを利用して、アリゾナ州フェニックスやドバイの友人と話をしたり、それがどのように私たちの生活にインパクトを与えるか?という意味付けを講師がしている。

http://www.courses.dce.harvard.edu/~cscie1

インターネットに関するイントロダクションの講義を見たのだが、

  • 意味付けをするのがうまい。
    • 講師は、"contextualize"という用語を用いている。
    • スパムやフィッシング、PayPalチェーンメールの例などを挙げて、日常生活で経験する事柄をセキュリティ問題について語るイントロダクションに利用している。
  • 話の素材が新鮮!実社会で起きているサービスや事件を取り上げている。

余計なことですが、

などの特徴があります。

私もこういうわかりやすくためになる講義をしたい。

かっこよくなるのは無理ですが;-)

UCバークレーのWebCast

http://webcast.berkeley.edu

こっちもやってました。ただし、PodCastingをしている講座は一つだけで、後はWebCastingをしています。

  • WebCasting: 一般的にストリーミング配信なので保存が困難
  • PodCasting: MP3やMPEG4(H.264形式)なので保存してiPodなどで移動時にも閲覧可能

という違いがあります。一昔前まではブロードバンドのインターネット接続が一般的ではなかったのと、バンド幅を無駄に消費しないようにしよう、ということでメディア配信にはストーリミング配信がよい、とされてきましたが、

  • ブロードバンドインターネットの普及
  • iPodなどのビデオ対応

などから、ダウンロード型の配信が改めて見直されてきています。

さらに、単にWebページからダウンロードするだけではなくて、RSSなどのWebサービスを利用することで、ブラウザをいちいち開かなくても自動的に番組(この場合は講座)を購読し、適宜講義のビデオやオーディオをダウンロードし、iPodをつないだ時にシンクロする。そして、通勤や通学時、エクササイズをしている間などに勉強することが可能となったのです。

なんだか面白いことになってきましたね。

一方でコピーライト(著作権)の処理などが面倒なのか、講義ビデオの配信を禁止している大学も多いと言います。ただし、コピーライト処理は手続きさえ踏めばちゃんと対応できますし、フリーの素材もたくさんありますので、今後どんどん講義などを公開して、社会還元という名目の元にうまくプロモーションをする大学も増えるでしょう。

日本の大学でも一部そうした動きが見られます。少子化に伴って学生数が減っている大学ほどこうした工夫をして入学者を魅了する努力が必要だと思うのですが、どうも困っていないところの方がフレキシブルに取り組んでいるように見えます。

ぜひ、あなたの大学でもチャレンジしてみませんか?

もちろん、初中等教育でも十分利用価値があると思います。

一緒にやってみたい方、ぜひご一報ください。

私の知っていることならシェアします。

詳細はメールかコメント欄にてどうぞ。

UCバークレーに見るテクノロジーの教育利用支援組織のあり方

エデュケーショナル・テクノロジー・サービスという支援組織

UCバークレーカリフォルニア大学バークレー校)では、

http://ets.berkeley.edu/

にある "Educational Technology Service" という組織が教育へのテクノロジー活用の支援をしている。まさに私が日本の某大学で設立に尽力した組織の目指しているものだ。現在でもなかなか大きなエンドースメントを取り付けるに至っていない。大きな違いはその規模とサービスのクオリティであろう。機材以上に大きな隔たりがあるのは、支援スタッフの充実である。

http://ets.berkeley.edu/AboutETS/Jobs/

に支援スタッフの求人要綱がある。給料は年俸600万円から800万円程度だそうだけど、日本でもこうした人材が確保できないと、教育へのテクノロジー利用は難しいですね。私もこうしたところで働いてみたいが、もう少し修行しないと。。。

  • 教員と授業設計や評価の仕方などを相談し、学科ごとのユースケースを作成する。
  • グラフィックデザイナー、Webデザイナー、システム管理者と、コースサイトを円滑に運用するためのコラボレーションを行う

などがID(インストラクショナルデザイナー)の仕事とあります。そんなこと出来る人は日本にはごろごろいないと思います。どうしたらいいんでしょうかね。

平たく言うと、

  • 教育工学の知見、及び教授内容を理解し、授業改善や運営の提案ができる
  • PhotoshopFlash, DreamWeaverなどを駆使するデザイナーや、コース管理システムを運用・管理しているシステムエンジニアを取りまとめて仕事ができる

という訳で、そりゃあ大変な仕事です。日本の大学ではまだまだこうした仕事をする専任者を雇うケースは珍しく(というよりもリストラが進んでいるように見えます)、教員のボランティアで成り立っているケースをよく見かけます。しかしながら、それでは教員は疲弊してしまうし、長続きしない。またスケーラブルではない。つまり、一人の先生が面倒を見られる範囲は限りがあります。

バークレーの教育支援に関して、日本でもこんな本を見つけました。


授業をどうする!―カリフォルニア大学バークレー校の授業改善のためのアイデア集

授業をどうする!―カリフォルニア大学バークレー校の授業改善のためのアイデア集


それから面白いのは、

http://ets.berkeley.edu/AboutETS/Rates/

に料金の一覧表があります。つまり、教員が利用するとサービス料をとられるわけです。これで支援組織の運営費を捻出しているものと思われます。よく日本の大学では、

大学はお金がないから

と言われますが、利用者から使用料を徴収することでまかなう、という手もありますね。厳しいでしょうか。コメントいただけるとウレシイです。

コース管理システムの統合

このサイトによると、バークレーでは2006年秋からbSpaceなるコース管理システムへの一本化を図るとのこと。これまではBlackboard, WebCT, Sakaiの3種のコース管理システム(授業毎のWebサイトを運用する仕組み)を運用してきたが、

  • 3種類のメンテナンスをするのは骨が折れる
  • 教員がどれを使うといいのか迷うことがある

ということから、Sakai1本に絞るとのこと。Sakaiプロジェクトについては別の項で詳細に解説することにしよう。

日本の大学へのヒント

著作権処理などについても詳細に書かれていて、フェアユースを実現する上で気をつけることなどが詳しく書かれている。こういうのは日本の大学でも参考になるだろう。

著作権処理については機会を改めて、eラーニング実施時における日本の著作権法の改正動向について解説したい。

とりあえず結論だけですが、

  • リアルタイムの遠隔講義なら他人の著作物を送信してもよい
  • 非同期(オンデマンド)での無断配信はだめ。

ってことで講義内で映画を見せたりするのは問題ないが、家から好きな時にそれを見て学習させたい場合は、個別に許諾をとらなくてはならない。

昨年、実際に番組の著作権処理をやったんですが手続きを踏めば、学内利用についてはそれほど高額ではない料金で利用可能な番組等もあります。

http://ets.berkeley.edu/TrainingSupportCenter/OtherTopics/copyright.htm

PodCastでSteve Jobsのプレゼンを見る


Stanford on iTunesにてスティーブ・ジョブズApple社CEO)のビデオPodCastingをダウンロード中。

ジョブズについてよく知らない人は、次の本を参照ください。

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

アップルコンピュータの共同創業者で、一度会社を追い出されたけど、建て直しに戻ってきて、iMacとかiPodなどを生み出した天才経営者です。

これは昨年6月のスタンフォード大学の卒業式におけるスピーチ。

スタンフォードのキャンパスには昨年の1月に行きました。

Blackboardの1月のアリゾナでのミーティングに行った帰りに、サンフランシスコとシアトルに行ったんです。サンフランシスコはバークレーとパロアルトに行きました。シアトルでは、大雪で飛行機が一晩飛ばなくて早朝にパイクマーケットプレイススターバックス発祥の地、行ったときは知らなかった)に朝行くと雪が降ってました。そのうち写真をアップします。

ビデオなので少々(といってもADSL回線で5分くらい。70MBちょっと)ダウンロードに時間がかかる。

以前からストリーミング配信されていたが、iTunesでまるごとダウンロードできるとネットに接続していなくても見たり、聴いたりできて便利かも。

こうしてプレゼンなどを持ち歩いてみるのも面白いなあ。

ビデオの見られるiPodも欲しい。

"Don't settle, keep looking."

スクリプトはこちら

http://news-service.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html

日本語訳は市村さんによるものですが、

http://pla-net.org/blog/archives/2005/07/post_87.html

が読みやすくレイアウトされています。


"Stay hungry, stay foolish!"という締めくくりの言葉が有名なんですが、私は次の節が大好きです。

Again, you can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something ― your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

I'm pretty sure none of this would have happened if I hadn't been fired from Apple. It was awful tasting medicine, but I guess the patient needed it. Sometimes life hits you in the head with a brick. Don't lose faith. I'm convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did. You've got to find what you love. And that is as true for your work as it is for your lovers. Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking. Don't settle. As with all matters of the heart, you'll know when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So keep looking until you find it. Don't settle.

Remembering that I'll be dead soon is the most important tool I've ever encountered to help me make the big choices in life. Because almost everything ― all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure - these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important. Remembering that you are going to die is the best way I know to avoid the trap of thinking you have something to lose. You are already naked. There is no reason not to follow your heart.

Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma ― which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.

第3章 コースサイトの作成

コースサイトとは

コースサイトとは授業毎のWebサイト(一般的にホームページと呼ばれているものです)のことです。コースとは英語で「授業」とか「科目」のことを意味する単語で、「コースのWebサイト」から「コースサイト」と呼ばれています。

どんなことができるか?

授業の予習・復習の支援や、資料の配布、確認テストの実施、成績管理、コミュニケーション支援など、さまざまな活動を支援するモジュールがMoodleには用意されています。こうしたツール群を上手に組み合わせて、それぞれの授業の運営や学生の理解を促進していきます。それぞれのツールは、「モジュール」という単位で管理されていて、プログラムの知識のある方ならば独自に機能を追加したり、そのモジュールを公開し、他の教育機関で利用してもらうことも可能です。

またモジュールには2種類あって、「リソース(資源・資料)」と「アクティビティ(活動)」があります。

はじめる前に

いきなり画面の前に座っても、どうしてよいのかとまどってしまいます。この章では各種モジュールについてざっとご紹介し、コースサイト全体の設計に役立てていただきたいと思います。

リソースモジュール
アクティビティモジュール

管理機能

ユーザ登録
コースサイトの設定
成績管理
ログの参照
バックアップ

構成主義

はじめてこの日記にリンクを張っていただきました。

誰かに読んでもらえると書く気が出ていいですね。

他の人に見てもらうために書く過程で学ぶ、という構成主義

考え方そのものです。

さらにそれをグループで進める方法を「社会的構成主義」といいます。

Moodleはこの社会的構成主義理論に基づき、さまざまなツールが

提供されています。