ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

『アンネの日記』の甚大な被害

それにしても甚大な被害。誰がしたんでしょうか?報道によって、被害冊数にバラツキがある点、よろず細部に丁寧さを求めるはずの日本らしくないと思います。(後注:1は250冊以上、2は220冊ほど、3(1)は288冊、(2)は306冊、4は265冊です。いずれにしても相当な冊数であることは確かで、単独犯なのかどうか...。明らかに意図的な行為です。)
昨夕のNHKラジオのニュースでさえ、数字を挙げて列挙していました。一方、昨今とみに評判の著しく悪い『朝日新聞』紙媒体は、2月21日の朝刊夕刊の二回に分けて短いニュースを載せただけでした(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130703)。
2012年12月にマレーシアを訪れた時(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121225)、本屋さんで『アンネの日記』の英語版がビニールカバーをかけて並べられていたのを見ました。ほとんど初めてではないかと思いますが、その点では時代が変わったと思い、ダニエル・パイプス先生にもメールでご報告したことを覚えています。(もっとも、私が滞在していた1990年代前半は、本屋さんそのものが限られていて、読める本が極めて少なかったことを思い出します。)
日本の場合は、反セム主義と親ユダヤ感情の混淆が共存しているというのが、パイプス先生の分析です(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130508)。

1.『ハフィントン・ポスト』(http://www.huffingtonpost.jp
アンネの日記」 都内の公立図書館で250冊以上が破られる被害
投稿日: 2014年02月20日
アンネの日記」やその関連図書のページが大量に破られるという被害が昨年から今年にかけ、東京都内の公立図書館で相次いでいる。被害は少なくとも250冊以上になるとみられ、範囲も23区だけでなく市部にも及ぶ。
アンネの日記」は第二次世界大戦中にオランダでナチスユダヤ人迫害から逃れるために屋根裏に住んだ少女、アンネ・フランク(1929〜1945)がつづった日記。世界的なベストセラーとなっており、児童書コーナーに置かれているものもあることから、図書館側では警察に被害届を出すなど警戒を強めている。
ハフィントンポストが2月20日現在、確認できただけでも、新宿区、杉並区、豊島区、中野区、練馬区東久留米市西東京市の各図書館で、合計250冊以上の本が被害にあったとみられる。いずれも「アンネの日記」やその関連図書などで、本の内部が何十ページにわたって破られるという手口だった。書籍にある特定の記述を狙ったものではないようだ。
新宿区立図書館では、区内3館で合計39冊が被害にあった。新宿区立中央図書館によると、ハードカバーの書籍で表からは見えないように、内部を十数ページ、中には二十ページ以上を一気に手で破ったような跡があったという。貸出や返却時には本の状態を確認していることから、書架に並んでいる時に被害にあったと思われる。新宿区立図書館では、警察に被害届を出し、アンネ・フランクに関する書籍については、書架ではなく、カウンターに置くなどの措置をとっている。
練馬区立図書館でも、区内9館で合計41冊が被害にあっていることが1月から2月にかけて判明した。警察に被害届を出し、「こうしたことで本を撤去することがないようしたい」として、破損された本はあらためて購入、貸出や閲覧については通常通り行っている。
また、豊島区立図書館では、2013年2月と5月の2回にわたり、区内の図書館で合計8冊が被害にあった。やはり、何十ページにわたって下半分が破られるなど、貸出できない状態という。豊島区立図書館では直後に警察へ被害届を出したが、今年1月にも再び、5冊の被害があったことが判明。再度、警察に届け出るなど警戒を強めている。
ハフィントンポストの調査で最も被害が多かったのが杉並区立図書館で、少なくとも113冊が破損されたが、さらに被害が拡大している可能性があり、現在詳しい状況を調べているという。各地で被害が相次いで発覚したことから、都内23区の区立中央図書館長で構成する「特別区図書館長会」では2月6日に各区の図書館に対し注意を呼びかけた。
2.“The New Classic”(http://blogos.com/article/80864/
2014年02月21日
アンネの日記』が破損:日本人とアンネ・フランクの関係とは?
東京都内の複数にわたる図書館で「アンネの日記」や関連する書籍が、ページを破られる被害に遭っていることがあきらかになり、その被害は220冊ほどに及んでいると見られている。被害は、少なくとも5区2市で確認されているとされ、各図書館は被害届を出している。練馬区立南田中図書館では、今年1月に来館者が気づいて、買い直しをおこなった。
アンネの日記とは?
アンネの日記』は、第二次世界大戦下ドイツでホロコーストを経験したユダヤ人の少女アンネ・フランクが、ナチスの迫害を逃れて隠れ住んだオランダ・アムステルダムで記した日記。これは、アンネを含めて8人がナチスを恐れながら隠れ住んでいたこと当時の記録として貴重なものであるとともに、1人の少女が葛藤や厳しい生活での喜び・批判を吐露しながら成長していく様子を映し出した文学作品としても知られている。
日記は、1942年6月12日から彼女たちの存在が何者かによって密告された時期の1944年8月1日まで記録されており、アンネはキティーと呼ばれる第三者に充てた手紙のスタイルをとって進められる。彼女が厳しい生活に晒されながらも、鋭い批判精神や明るい未来への希望、日々の生活で起こる出来事に対する敏感な感性を失わなかったことは多くの人々に感銘を与えており、現在でも世界中で読み継がれている。
ユダヤ系団体が深い懸念
この事態に対してて(ママ)、アメリカのユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は、ホロコーストについての記憶を「侮辱する組織的な試み」だと非難した上で、「衝撃と深い懸念」を表明した。同団体は、ホロコーストの記録の保存や反ユダヤ主義の監視以外にも、インターネットにおけるヘイトスピーチを監視する活動も行っており、昨年12月の安倍晋三首相による靖国参拝に対しても懸念の声を上げていた。
一方で、同団体は日本でアンネ・フランクが広く親しまれていることを指摘し、今回のような行動をおこなうのは「偏見と憎悪に満ちた者だけだ」とも述べている。彼らは、当局に対して「犯人の特定と対処」を求めている。
日本とアンネ・フランクの関係?
ところで、つい1ヶ月間にイスラエルのハアレツ紙は、「なぜ日本人はアンネ・フランクに引きつけられるのか?」という記事を掲載してちょっとした話題を呼んでいた。アンネについては、現在でも世界中から博物館になっているアムステルダムの隠れ家へとやってきて、その展示や教育を通じて、多くの人が彼女に関心を持つが、中でも日本人は強い関心を持っているのだという。
これは、日本人にとっては誇りである一方、自らがナチスドイツの同盟国としておこなった残虐行為を忘却して戦争の被害者意識に陥るのであれば、それは危険なことだと同紙は述べる。その上で、特に日本の若者は歴史について驚くほど無知であるとした上で、最後には現在の日本が韓国や中国から批判を浴びている靖国問題についてが触れられている。
実際のところ、果たして日本でとりわけアンネ・フランクの人気が高いのかはこの記事からでは分からないし、その理由として被害者意識への共感を持ち出すことは、単なる憶測に過ぎないだろう。とはいえ、今回のような事件が起き、それが国際的に報じられるのであれば、そうした見解が流通する可能性も皆無とは言えない。実際に、安倍政権がナショナリスト的な動きを示しており、メディアがそれによって制限を受ける可能性があるかもしれないという見方は、それほど突飛な意見とは言えなくなりつつある。
今回の事件が、一部の「偏見と憎悪に満ちた者だけ」であると示すために、事件の実行者の追求や今後の動向に注目が集まっている。
3. "FNN News"(http://www.fnn-news.com
(1)「アンネ・フランク関連本が破られる被害でユダヤ系団体が強く非難」
東京都内の複数の公立図書館で、「アンネの日記」など、アンネ・フランクに関する本が破られる被害が相次いでいることについて、アメリカ・ロサンゼルスのユダヤ系団体は、強く非難している。
ロサンゼルスのユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」のエーブラハム・クーパー副所長は「もし、犯人の目的が、アンネの記憶を否定し、遺産を破壊しようとしたものなら、むしろ、その逆が起きているということ知るべきだ」と述べ、東京都内の5つの区と2つの市にある公立図書館で、「アンネの日記」など、アンネ・フランクに関する本が、これまでに288冊破られるなどしたことについて、「憎悪に基づく、攻撃的な行動」と非難した。
首相官邸に連絡し、捜査を尽くすよう、申し入れたことを明らかにした。
警視庁は、器物損壊などの疑いがあるとみて調べている。
(02/22 07:24)
(2)「アンネの日記」関連書籍破損被害 東京の5区3市で300冊超える
東京都内の公立図書館で、「アンネの日記」などが破られているのが相次いで見つかっている事件で、新たに武蔵野市でも被害が確認され、これで破られた本は、300冊を超えた。
新たに被害が見つかったのは、武蔵野市の2つの公立図書館で、アンネの日記と関連書籍、あわせて17冊が破られていたという。
武蔵野市教育部図書館の原島正臣図書館長は、「13日、木曜に、利用者の方が本を借りようとした時に、切り取りが見つかったと、職員に申し出があった。大変、憤りを感じる」と話した。
アンネの日記は、ナチスの迫害から逃れて隠れ住んでいたユダヤ人少女、アンネ・フランクがつづったもの。
これまでに、都内の公立図書館で、アンネの日記と関連書籍が破られているのが相次いで見つかり、今回の武蔵野市の被害をあわせると、5区3市で306冊にのぼる。
警視庁は、器物損壊などの疑いで捜査している。(02/22 12:06)
4.“Japan Times"(http://www.japantimes.co.jp
‘Anne Frank’s work defaced in libraries’21 February 2014
Kyodo
Libraries across Tokyo have found hundreds of copies of the “Diary of a Young Girl” by Anne Frank and related books vandalized, library officials said Friday, prompting a U.S. Jewish group to call for a probe.
The damage to at least 265 copies of the book has been reported at 31 libraries since January.
One of the libraries said copies of the diary by the Jewish girl who lived in Amsterdam during the Holocaust, appeared to have had pages cut while stored on an open shelf.
The Simon Wiesenthal Center, a Los Angeles-based global Jewish rights organization, expressed “shock and deep concern over the vandalization” in its statement, with Associate Dean Abraham Cooper saying, “The geographic scope of these incidents strongly suggest an organized effort to denigrate the memory of the most famous of the 1.5 million Jewish children murdered by the Nazis.
“Only people imbued with bigotry and hatred would seek to destroy Anne’s historic words of courage, hope and love in the face of impending doom,” Cooper added, while noting his awareness that Anne Frank “is studied and revered by millions of Japanese.”
(End)
アンネの日記』や「アンネ・フランクの家」や「アンネのバラ教会」については、過去ブログをご覧ください(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080228)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20081007)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090211)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090803)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090808)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20110511)。