ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

左派の反イスラエル傾向

前回のブログでは(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140715)、疲労困憊でいささかうんざりという状況だったのだが、今日は、勇気づけられる引用を。

http://www.logos-ministries.org/blog/?p=5676
イスラエルを祝福する」は偏愛ではない
投稿日時: 2014/07/17 投稿者: admin


創世記12章3節を取り上げて、「イスラエルを特別視する」ということを、親イスラエルキリスト者に対して批判者は声を上げます。もちろん、しっかりと調べた上で、公正な目で状況を判断しなければいけないことは言うまでもありません。しかし、そのような批判者こそがまともに状況判断をせず、公平性に欠けている場合が多い、ということは言わなければいけません。イスラエル情勢を注視している者たちは、数々の偏見と不公正を見てきたので、強い反発を抱き、なぜ神がアブラハムに、「あなたを呪う者は呪われる」と言われたのかが、合点が行くようになります。


[中略]


Test: Are you pro-human rights, or anti-Israel?
(テスト:あなたは人権重視なのか、それとも反イスラエルなのか?)


「もし昨年の内に起こった、トルコ、エジプト、リビアで何千ものデモ参加者が死傷し、これまでにない人がイランで絞首刑にされ、アフガニスタンの女子供が爆死し、南スーダンで全共同体が虐殺され、1800人のパレスチナ人がシリアのアッサドによって餓死し、殺害され、聖戦を唱えるテロ攻撃で数百人が殺され、一万ものイラク人がテロリストに殺され、ナイジェリアで村民が殺戮を受け、その時にあなたが声を上げておらず、ガザのためだけに声を上げていたら、あなたは人権擁護ではなく、単に反イスラエルなだけだ。」


2005年8月、イスラエルは、ユダヤ人開拓者たちが、長年かけて土地を改良し、築き上げたハイテクの野菜農業施設と自宅を、強制的に放棄させイスラエル軍も共に、完全にガザから撤退させたということ思い出していただきたい。


イスラエルが撤退してから、まもなく9年になる。パレスチナ人たちは、この9年の間に、ガザ地区で、独立した国を立ち上げる、またはその準備をする可能性があったはずである。


ビルゲイツはそのために大金をはたいて、撤退するユダヤ人からハイテク農業システムを買い上げ、ガザのパレスチナ人に無料で譲りわたしたのである


ところが、ガザのパレスチナ人たちは、それを踏みつけ、めちゃめちゃに破壊した。実質的な産業開発や、国づくりはせず、イスラエルを攻撃するためのミサイルをためこむことに心血をそそいだ。市民の生活水準をますます悪化させたのはハマスである。


イスラエルが、ガザの周囲を閉鎖して、監獄のようにしているというのが問題とされるが、イスラエル攻撃のためのミサイルを運び込み、兵士を誘拐するテロリストを送り込んでくる隣人がいたら、囲いをして防ぐのは当たり前の事ではないだろうか。


また、この5年の間に、ハマスとのこのような対決になるのは3回目。今回は、ミサイルをハマスが溜め込む時間かせぎになる停戦ではなく、抜本的な解決に持ち込みたいというのがイスラエルの現時点での方針である。


イスラエルと20年以上の付き合いになるが、この国は実質、民主的である。この9年、もしガザ地区が、テロを行わず、真にパレスチナ人の国づくりへの努力をし、信頼関係が構築できていれば、今頃、閉鎖は解除され、友好的な隣人どうしになれたのではないかと思う。
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イスラエルには実績があります。かつての宿敵と、事実、友好関係にあります。聖地旅行に行かれる方は、何の問題もなく、イスラエルとエジプトとヨルダンの間を渡航できます。エジプトは、かつて第一次から第四次の全てにおいて交戦したアラブ主要国です。ヨルダンとは、第一と第三次の戦争で戦いました。しかしエジプト、ヨルダンも、自国民のため、その繁栄のために賢明な政治判断をしました。その恩恵を彼らも、またイスラエルも受けているのです。パレスチナとも同じ理由で、当の昔に友好的な隣人になれた、はずなのです・・。


[中略]


その教訓から、イスラエルは広報戦にかなり力を入れていますツイッターフェイスブック、ユーチューブにはかなりの情報を日々一刻掲載しています。そして拡散してくれ、と叫んでいます。ネタニヤフ首相は、アメリカ等のテレビ番組に積極的に応じています。
(引用終)

ありがとうございます。この路線に、パイピシュ先生の活発な言論活動がある。「イスラエルには支える友が必要」ならば、パイピシュ先生にも支える「友達」が必要なのだ、と私は思う。そして私は、自主ボランティア応援団(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140707)を兼ねた日本の「友達」でもある(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140511)。
実は一昨日と昨日、拙訳に対するアクセス数が、一気に何倍も増えた。こんなに増加したのは、初めてではないだろうか。二年半かけて、古い論考文も訳せるうちに訳出しておこうと、本業を脇に置いて積極的に集中してよかったと思えた日々だ。
パターンとして、こちらが疲れて意気消沈している時ほど、訳文やブログへのアクセスが激増するようだ。何だかおもしろい。
それほど、イスラエルユダヤ人全般も極度の誤解に悩まされているということである。そして、日本のメディアもアカデミアも左翼化している場合、期せずして反セム主義を実践していることになるが、そうだとは気づいていないようだ。
昨晩、スペイン元首相ホセ・マリア・アスナール氏(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140510)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140625)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140627)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140704)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140708)の『イスラエルの友イニシアティブ』(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140510)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140624)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140625)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140715)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20140716)の論文を見ていたところ、長年私が考えていたことと主張がそっくりなのにびっくり。
特に、去る5月下旬の欧州議会選挙後、ヨーロッパで反セム主義の波が出てきたという現象について、日本でも一部で言われていた右翼からではなく、実はリベラル左派から反イスラエル反ユダヤ主義が発生しているという指摘に納得合意。コミュニタリアン相対主義やポスト・モダニズム官僚主義から、イスラエルおよびユダヤ共同体への敵意が生じているということ。外交的にイスラエルに圧力をかける傾向が欧州にあること。その原因としては、多文化主義とヨーロッパ化したイスラーム主義が考えられること。例えば、モスクやイスラーム・センターでは反ユダヤ憎悪が語られているという。
左派の反セム主義については、特に暴力を否認する平和主義、国際主義、国際秩序の拒否が顕著であること。つまり、左派とイスラーム主義者との結託が欧州では顕著であり、その結果としての反セム主義の波が観察されるということ。
どうです?まさかご自身が反セム主義を実践されているという自覚さえなかったのでは?
だから、「所詮、我々は外部人に過ぎないのだ」と皮肉っぽく一昨日私が書いた意図は(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20140715)、つまるところ、無意識の行為が無知に基づくという警告を踏まえてのこと。これこそが最も恐ろしい。