Hatena::ブログ(Diary)

じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団ホームページ  http://jtcf.jp/

2016年06月28日

宮城道雄先生を知る〜没後60年を迎えて

先日6月25日は、「盲目の天才箏曲家」「現代邦楽の父」と言われ、近代箏曲界のみならず邦楽界全体に革命を起こした大検校・宮城道雄先生の命日でした。かつてはアイドル並みの人気をほこり、雑誌にグラビア写真も掲載されるなど邦楽界だけではなく広く一般の方にも愛された宮城道雄先生。今年は没後60年にあたることから、各所で記念演奏会や行事などが行われていますので、宮城道雄先生を知らない方達が、もう一度知るきっかけになれば良いなと思います。

宮城道雄先生を知るには1962年に出版された吉川英史氏の「宮城道雄伝—この人なり」を読むのが一番ですが、今日はそんな宮城道雄先生の「普段のお姿」が垣間見える本を2冊ご紹介します。

「東海道刈谷驛」内田百けん ※けんの字が変換できないため、ひらがな表記

f:id:japojp:20160628093935j:image:medium

宮城道雄の親友であった小説家・内田百けん氏による短編集です。タイトルからもわかるように、宮城先生がお亡くなりになられた「刈谷駅」での事故について書かれた章があります。他の本と違う所は、宮城先生の死について、死神がむりやり連れて行ってしまったとあり、また死神と宮城先生との駆け引きがとても面白く書かれています。宮城先生が事故に遭われた後、すぐには刈谷には近づけなかった内田氏が、2年の時を経て現場に降り立ちます。そこからの親友である内田氏しか書く事の出来ない文章は、是非ご一読頂きたいです。

※現在この本は販売されていないのですが、こちらの文庫に収録されているようです→「サラサーテの盤—内田百けん集成〈4〉 (ちくま文庫) 」


「語り種〜宮城道雄先生のことなど」藤田節子・久保茂

f:id:japojp:20160628093933j:image:medium

こちらは本ではなく、会員用の小冊子になりますが、宮城道雄先生の直門であり、宮城道雄の門人の会「宮城会」の古参である藤田節子・久保茂の両氏が、在りし日の宮城先生の思い出を語ったものをまとめたものです。両氏の当時のお稽古風景や当時の様子などが中心に書かれていますが、宮城道雄先生のプライベートなお姿やお言葉などについても書かれています。特に「お箏はね、音が良くなければ駄目だよ。達者に弾いても、音が良くなかったら駄目で、音が綺麗なように弾きなさいね」というお言葉は、とても奥の深い言葉だと思います。そのお言葉をふまえた上で、宮城道雄先生の演奏が収録されているCDを聴くと、なるほど「全身全霊で弾いている」という音がしてゾクゾクします。

この小冊子「語り種〜宮城道雄先生のことなど」ですが、藤田節子氏のご好意で、「我が師である宮城道雄先生を知って頂くきっかけになれば」と、弊財団にいくつか寄贈頂きました。ご希望の方にはお送り致しますので、(1)お送り先住所(2)お名前(3)お電話番号をご記入の上、封書にて下記宛てお申し込み下さい。なお、送料として140円分の切手を同封願います。

※お一人様1部に限らせていただきます。また、なくなり次第締め切りますのでご了承ください。

〒101-0065

東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会新館2F

公益財団法人 日本伝統文化振興財団

「語り種」係 宛


(M)

2016年06月22日

第五回中島勝祐創作賞受賞「若獅子会」

今年第五回を迎えた「中島勝祐創作賞」の受賞作品をご紹介します。7件の応募作品のなかから、邦楽囃子方のグループ、若獅子会(わかじしかい)作曲の「若獅子 I」が選ばれました。

f:id:japojp:20160622154540j:image:w440  若獅子会

「中島勝祐創作賞」は長唄三味線演奏家、作曲家として創作邦楽の発展に大きく寄与した故 中島勝祐氏の功績を記念して創設された作曲賞で、「日本伝統文化振興財団賞」と並ぶ当財団の顕彰事業です。詳しくはこちらをご覧ください。 → 中島勝祐創作賞 | 公益財団法人 日本伝統文化振興財団

若獅子会は、若手邦楽囃子方が流派を超えて集まり、2006年に結成した会です。日頃は日本舞踊や長唄などの三味線音楽で打楽器や笛を担当する囃子方の皆さんですが、日本の文化を少しでも多くの方に感じてもらうため、これからの時代に向けて新しい表現をしていきたい!という気持ちをもって結成されました。会の命名は人間国宝の故、寶山左衛門(たから・さんざえもん)師によります。メンバー9名のプロフィールはこちらをご覧ください。 → 第五回 中島勝祐創作賞(受賞作品:「若獅子 ?」若獅子会) | 公益財団法人 日本伝統文化振興財団

2006年に第一回若獅子会公演を東京・日本橋劇場にて開催し、昨年10月に第十回を迎えました。当初は古典の勉強、研究が中心でしたが、第五回からは囃子のみの創作曲も発表するようになり、邦楽囃子の新しい可能性を模索しています。

「若獅子 I」は、その第五回公演で発表された、記念すべき作品です。若獅子会の代表曲として再演回数も多く、日本舞踊集団「弧の会」とのコラボレーションも実現しています。

審査員の一人でもある久保田敏子氏は、後述のCDの解説で、この曲を次のように評しています。

(囃子は、)一般の意識としては「引き立て役」の脇役で「主役」ではありません。しかし、この曲ではその常識を覆して、単独で鑑賞に供しうる「主張を持った個性派の主役」になっている点が斬新です。

第十回若獅子会記念公演のダイジェストがYouTubeで公開されています。後半8:05の辺りから「若獅子 I」の一部が聴けます。興味のある方はぜひチェックしてみてください。

→ 第十回記念 獅子会 ダイジェスト3 - YouTube

そして、ぜひ生演奏でフルバージョンを聴きたい!という方は、中島勝祐創作賞の贈呈式で披露演奏がありますのでお出かけください。

贈呈式は7月6日(水)午後6時から、東京、日本橋の三越劇場で、日本伝統文化振興財団賞の贈呈式とともに開催されます。事前に申込があればどなたでも無料で入場できます。お誘い合わせのうえお出かけください。

ご希望の方はこちらの申込フォームから送信してください。 → 「第二十回日本伝統文化振興財団賞」「第五回中島勝祐創作賞」贈呈式【事前申込】 | jtcf.jp – 公演

「第二十回日本伝統文化振興財団賞」「第五回中島勝祐創作賞」贈呈式

2016年7月6日(水)午後6時より(7時30分頃終演予定)

日本橋 三越劇場

《受賞記念演奏》

第二十回 日本伝統文化振興財団賞 受賞者 川瀬 露秋 氏

「鶴門」 (川瀬順輔 作曲、川瀬白秋 胡弓手付)

胡弓:川瀬 露秋  尺八:川瀬 庸輔

第五回 中島勝祐創作賞 受賞作品 「若獅子 I」

「若獅子 I」 (若獅子会 作曲)

若獅子会(堅田喜三郎 藤舎呂凰 福原貴三郎 福原鶴之助 福原百貴 福原百之助 鳳聲晴久 望月左太寿郎 望月正浩)

受賞作品は、中島勝祐氏の曲と一緒に収録したCDを当財団で制作・発行し、発売・頒布します。今年の受賞作品「若獅子 I」を収めたCDは、7月6日発売予定です。こちらでもお楽しみいただけます。 → じゃぽ音っと作品情報:中島勝祐創作賞 第五回 若獅子 ? / 若獅子会/中島勝祐

f:id:japojp:20160622155830j:image:w350

(Y)

2016年06月08日

芝祐靖(しば・すけやす)の音楽第3弾!オーケストラ作品集 幻遙(げんよう)」発売!!

f:id:japojp:20160601190355j:image:w400

雅楽演奏者として知られる芝祐靖先生のオーケストラ作品集が発売になりました。芝先生は800年続く楽家の生まれです。西洋音楽との接点はどこにあったのか?と不思議に思われると思います。

芝先生によれば、宮内庁楽部に勤めておられた父上は、家では一切雅楽の演奏はしなかったと言いますし、家庭で響いた音色はもっぱら兄上のヴァイオリンと母上のピアノによるベートーヴェンやモーツアルトだったと言います。

さらにはじめて作曲したオーケストラ作品が、現天皇皇后両陛下の御成婚をお祝いした「御成婚祝典序曲」(1959年作曲)だったというのですから、「へええっ!!」と驚かざるを得ません。

こうした作品の背景については、芝先生ご自身が記したとても興味深い文章がブックレットに掲載されておりますので、音楽と共に併せてお楽しみいただきたいと思います。

f:id:japojp:20160601190235j:image:w400

芝先生の音楽の魅力について、寺内直子先生は次のようなコメントを寄せて下さいました。

芝師の活動をよく知る人にとって、西洋オーケストラ作品ばかりを収めたこのCD「芝祐靖の音楽 オーケストラ作品集 幻遙」は少し意外だろう。しかし、雅楽の制度史と芝家の歴史を振り返れば、これらの作品が歴史の必然によって導き出されたことが理解できる。(中略)

芝祐靖師のオーケストラのための作品数はそれほど多くない。しかし、これらもまたまぎれもなく「芝祐靖」という音風景の一部である。東西の音世界を自在に行き来する芝祐靖師のオーケストラ作品は、時に雅楽の「隠し味」を忍ばせつつ、私たちを新たな「発見」へと誘っている。

− 寺内直子(雅楽研究家・神戸大学教授)ライナーノーツより−

じゃぽ音っと作品情報:芝 祐靖の音楽 オーケストラ作品集 幻遙(げんよう) / オーケストラ・アンサンブル金沢(指揮:十束尚宏)

執筆者: 「東西の響き」寺内直子(雅楽研究家・神戸大学教授)

     「曲目解説」「楽家に生きる」芝祐靖

●英文解説付。ブックレット本文40頁。

【商品番号】 VZCG-806 【価格】 ¥3000 +税 

【収録曲目】

1. 御成婚祝典序曲 ― 皇太子殿下美智子妃殿下御成婚祝典序曲 ― (1959年作曲)

2. 親愛 ― 晩餐会入場音楽 ― (1983年作曲)

3. 皇室讃頌の音楽 (1985年作曲)

4. 早春 ― 香淳皇后八十賀奉祝曲 ― (1983年作曲)

5. 香淳皇后御歌 (1968年作曲)

6. 銀婚の賦 ― 皇太子同妃両殿下御結婚満25年奉祝曲 ― (1984年作曲)

7. 更衣幻想曲 ― 晩餐会奏楽曲 ― (1961年作曲)

8. 慶翔楽 ― 昭和天皇香淳皇后御結婚満60年奉祝曲 ― (1984年作曲)

9. 太平楽 ― 晩餐会奏楽曲 ― (1984年作曲)

10. 高天原とよみ  1章 天鈿女命乱舞 (1961年作曲)

11. 高天原とよみ  2章 松明残燈 (1961年作曲)

【演奏】

オーケストラ・アンサンブル金沢/指揮 十束尚宏

アルト 小川明子/ハープ 篠史子/龍笛・和琴 芝 祐靖/鞨鼓 宮丸直子、

アルトサクソフォン 井上麻子/笙  宮田まゆみ

●既発売商品「芝祐靖の音楽」はこちら!

f:id:japojp:20160604144613j:image:w200 f:id:japojp:20160604144612j:image:w200

じゃぽ音っと作品情報:芝祐靖の音楽 古典雅楽様式による雅楽組曲「呼韓邪單于」 ? 王昭君悲話 ?  / 伶楽舎   

じゃぽ音っと作品情報:芝祐靖の音楽 復元正倉院楽器のための 敦煌琵琶譜による音楽 / 伶楽舎

(やちゃ坊)

2016年06月02日

WASABI、夏のライブが決定

f:id:japojp:20160602084615j:image:w400

2016年8月20日(土) Bflatにて

開場 12:30 / 開演 13:00

http://bflat.biz/

チケット料金(税込):前売5,000円/ 当日5,500円[着席/全席自由](ワンドリンク付)

お問合せ/チケット予約:吉田兄弟チケット予約受付 03-6277-0691(受付時間/平日12:00〜18:00)

※電話予約のチケットは当日会場受付にて、チケット代金と引き換えにお受取ください。

お申込み後のキャンセルは一切承れませんのでご了承ください。

※ご入場は整列順となります。

(J)

2016年05月28日

能楽公演「三人の会」

早いもので、もうすぐ5月も終わり。来月は6月、そう梅雨が始まってしまいます…。

個人的には毎日三味線ケースを開けるのが怖い日々が続きますが、そんなことはさておき、来月末に開催されるおススメ能楽公演「三人の会」をご紹介いたします。

f:id:japojp:20160528231803j:image:w360

アラフォー同世代の若き能楽師である谷本健吾、坂口貴信、川口晃平の三人が、流派を越えて集結するこの舞台。各々が「望月」・「熊野」・「養老」の大曲に挑戦。今注目の若手の実力派たちの舞台は、是非見ておきたいところ。

またこの公演のすごいところが、現代の能楽界を牽引する観世清和、観世銕之丞、梅若玄祥の三師が揃って競演。他にも映画やテレビでおなじみの狂言方・野村萬斎など、大物が揃う舞台なのです。これは是非とも足を運ばねば!の舞台ですね〜。

名手勢ぞろいの今回の公演、残席は残りわずかなようですので、チケットはお早めにお求め下さいませ!!


「三人の会」

[演目]能「養老 水波之伝」川口晃平/狂言「舟渡聟」野村万作/能「熊野 村雨留」坂口貴信/能「望月」谷本健吾/その他、仕舞あり

[出演]谷本健吾 / 坂口貴信 / 川口晃平 / 観世清和 / 観世銕之丞 / 梅若玄祥 / 野村万作 / 野村萬斎 / 亀井忠雄 / 亀井広忠 / 他

[会場]国立能楽堂(全席指定)座席表日 時

[日時]2016年6月25日(土)12時開演(11時20分開場)

詳しいお知らせは[コチラから]

【お申込・お問合せ】

・銕仙会 TEL:03-3401-2285(平日10時〜17時)FAX:03-3401-2313

・観世会 TEL:03-5778-4380(平日10時〜17時)

・梅若会 TEL:03-3363-7748

・観世ネット www.kanze.net(ネットで予約、コンビニ発券)

・チケットぴあ TEL:0570-02-9999(Pコード:449-683)

※ 銕仙会ホームページhttp://www.tessen.org/でのお申込みも可能です。


会に向けて気合いバッチリなお三方!!

f:id:japojp:20160528231759j:image:w360

(M)