最近買った漫画のこと。

 最近色々と気になる漫画の新作が発売されたので買う。買ってないけど「ヒストリエ」の7巻が出てたな。また読み直ししとかないと分からなくなるので寝かせておくことにする。
「リアル」 11巻 井上雄彦
アオイホノオ」 7巻 島本和彦
「プロチチ」 1巻 逢坂みえこ
ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜」 原作 宮粼克 漫画 吉本浩二
さすらいアフロ田中」 5巻 のりつけ雅春
「バンビーノ!」 9巻 せきやてつじ
「ピコピコ少年 TURBO」 押切蓮介

REAL 11 (ヤングジャンプコミックス)

REAL 11 (ヤングジャンプコミックス)

 「リアル」は野宮と高橋の両方のドラマがようやく動き始めた感じ。続きはまた来年。野宮はまだ18歳なのか。ホフゥゥゥ(ため息)。この先が読めない世の中においてこのマイペースぶりが羨ましい。高橋君がバスケを始める頃俺は今の仕事をまだしているのだろうか。次の巻が出る頃、まだ元気で漫画を買ってる余裕が俺にあるといい…な。
アオイホノオ (7) (少年サンデーコミックススペシャル)

アオイホノオ (7) (少年サンデーコミックススペシャル)

 今回の「アオイホノオ」恒例のオビの釣りは原○則。いつになったら炎は漫画を描くのか。どいつもこいつも…。まあ、そこを引っ張るのがテーマみたいなものだからしょうがないのだけれど。俺はあだち充も今回の原○則(バレバレですけど)も通過していないので、庵野秀明ガイナックスの裏話の方が面白かったりするのだけれど。
プロチチ(1) (イブニングKC)

プロチチ(1) (イブニングKC)

 「プロチチ」は「火消し屋小町」の逢坂先生の新作。お父さんが育児をするという最近話題のイクメン(嫌いな言葉だ)漫画なのだけれど、そこは「ママはテンパリスト」(最新刊が出てた!)にも育児の先輩として登場していただけあって、主人公がアスペルガー症候群だというヒネリが加えられている。「斉藤さん」と同じように読者に戦いを挑んでくるタイプの漫画なのではあるが、戦い方の方向性が若干違うので「斉藤さん」が苦手な人にもお勧め(ちなみに俺は「斉藤さん」全巻持ってます)。 「ブラック・ジャック」を最近読み直している。そのきっかけはこの「ブラック・ジャック創作秘話」ではなくて、渡辺ペコの「にこたま」3巻に畸形嚢腫が登場してくるエピソードであっちゃんがピノ子を思い出すところで、俺も「ブラック・ジャック」を思い出したのだった。「ランダバウト」もそうだけど、渡辺ペコ(なんとなく先生ってつけづらい…)は自分の好きなものを作品の中にすり込ませるのが絶妙に上手い。で、何冊か読んだ後に「ブラック・ジャック創作秘話」を読むと、あのクールなタッチと汗だくで描いている手塚先生の姿のギャップに衝撃を受ける。俺は子供の頃に読んだ「ザ・クレーター」がトラウマになっていて、しかも「まんが道」での神格化された手塚先生のイメージがあってちょっと近づきがたい存在だったのだが、この漫画でその距離はキュンと縮まったのを感じた。ホント手塚先生がメーワクなほどかわいいのだ。胸キュン(死語)ですよ。
さすらいアフロ田中 5 (ビッグコミックス)

さすらいアフロ田中 5 (ビッグコミックス)

 「アフロ田中劇場版」の予告を観たけど心配だ。間で笑わせる漫画なのにドタバタで笑わせようとしているところとか致命的なミスがちらほら見える。映像化する人はその漫画をちゃんと読んでその漫画がなんで面白いのか分析して欲しいね。今年の夏にこうの史代の「この世界の片隅に」もズタボロにされた記憶も新しいし、「GANTZ」も「映像化は色んな意味で無理でした」というパーフェクトアンサーも頂いたばかりだというのに。そして、一番怖いのは中途半端な映像化で連載の勢いさえも奪いかねないという負の連鎖。「さすらい〜」もフラフラといつの間にかシリーズの半分まで来てしまったけど、このシリーズって実は「島耕作」的な階段の上り方をしているのだろうか。上がってんのか下がってんのか分からないけど。
バンビ~ノ! SECONDO 9 (ビッグコミックス)

バンビ~ノ! SECONDO 9 (ビッグコミックス)

 「バンビーノ」は長かった土屋との対決が終了。落とし前の付け方がいい。今度の相手はマッチョ野郎。バンビと似たような甘さを持つ自分にとって苦手なタイプを次から次へとよくまあ思いつくよ。「ファイブスター物語」のミラージュが好きなところまでニセなくてもいいよ!セカンドシーズンも佳境に入って来た。連載も途切れずコミック化が早いのもいい。
ピコピコ少年TURBO

ピコピコ少年TURBO

 待望の「ピコピコ少年」の続編「TURBO」。俺の母さんもファミコンをやっていたら「またピコピコやって!」と怒っていたものだ。今のゲームはピコピコ音はしないよね。小学校の頃、友達を作るスキルの低い俺でもさして親しくないクラスメートの家をくまなく知っていた。そして彼らが何のソフトを持っているのかも。その人間性はゲームを通して暴かれる。金持ちでいけすかないと思っていたT君が「エキサイトバイク」を好きなだけやらしてくれた時「こいつ意外と器がでかいぜ」と思ったものだし、呼ぶだけ呼んどいて自分のプレイだけ見せつけるKは「あいつはケチくさい野郎だ」と未だに引き合いに出される。
 友人のSはファミコンが発売される前にエポック社で発売されたハード「スーパーカセットビジョン」を持っていた。ソフトは「ベースボール」の一本だけ。が、彼の家には大勢の近所の子供たち(俺も含む)が訪れ、連日満員御礼状態だった。彼が学校から帰ってくると「お友達が来てるわよ」と母から言われ「なんか約束してたっけ」と部屋をのぞくと、さして仲良くもない子たち(俺も含む)が勝手にゲームをやっていて、「やあ、いないから先にやってたよ」としれっと言われショックを受けたという。それからしばらくしてファミコンが発売されると彼の家に訪れる子供は全くいなくなり、彼がファミコンを持っている子供の家に遊びに行くと皆自分のプレイする時間を奪われたくないばかりに「何しに来たの」ぐらいな態度で接したらしく、彼はまたショックを受けたという。そして、ある日彼は俺の家にもやって来た。「さんざんゲームやらしてあげたんだから俺にもファミコン貸してくれてもいいんじゃないかと思ってさ」。もっともな言い分だ。だけど俺のファミコンは兄貴との共同購入なので自分の一存だけでは貸せず、兄貴に消えるような声で「あの、Sがファミコンを数日貸してほしいって言ってるんだけど…」と兄貴に言うと、
「ァアン?、追い返せ」
と物凄い形相で言われ、「アメガフッテルカラカセナイ」という「ブラックレイン」のケイト・キャプショーのカタコト日本語口調の言い訳しか出てこなかった。言った時のSの表情が忘れられない。彼とまた友人になれたのは社会人になってからだ。未だにそのことは言われる。

 押切蓮介は過去を美化しない。その正直さが信用できる。というか他人の気がしない。今さら思ってもしょうがないことなのだけれど「あの時間を何か別の事に使っていればもっとすごい事が出来たかもしれない」と思うことはよくある。自分に子供がいたらゲームをやらせるだろうか。親はどんな気持ちで子供がピコピコをやっているのを見ていたのだろう。それを思うと切なくなる。