黒田夏子の小説作品。文藝春秋より2013年1月20日に刊行。
全文横書き、かつ「固有名詞」「かぎかっこ」「カタカナ」を一切使わないという実験的小説。昭和の知的な家庭に生まれた幼子が、両親を見送るまでを描いた作品。
2012年、第24回早稲田文学新人賞を受賞。蓮實重彦は選評で『群を抜いて素晴らしかった』『誰もが親しんでいる書き方とはいくぶん異なっているというだけの理由でこれを読まずにすごせば、人は生きていることの意味の大半を見失いかねない』『ここには新人賞の当選作という以上の作家的な力量がこめられており、選者としては、そのことに「驚き」を超えた悦びと怖れをいだいた』と激賞した。
2013年1月16日、第148回芥川龍之介賞を受賞した。