いつも利用している図書館の書架を眺めていて目につきました。 今から50年以上前、私が中学生のころは、星新一さんと並んで筒井康隆さんの小説は大人気でした。とはいえ、私はどちらかといえば星新一派?で、筒井さんの作品を読んだ記憶はほとんど残っていません。 本書は、筒井さんの短編集としては最晩年に世に出たもので、以前から気になっていました。 さて、採録された25編の多彩な作品を読んでの感想です。 “ショートショート(短編)” の醍醐味のひとつは “ラストのキレ(落ち)” ですが、筒井さんのこの短編集に採録されている作品の多くは、ラストのサプライズよりは “中途半端な浮遊感” を抱かせるものでした。 典…