第二次Z再世編第57話『ゼロ・レクイエム』

ゼロさん――ルルーシュの最後です。
さて、ネオ・プラネッツでレグナントから救出出来たルイスは、級友のカレンとお話です。
ちょっと頭痛がするくらいだけど、細胞障害もツインドライブの効果で大丈夫になりました。
クリス・レッドフィールド――いや違う――立花宗茂――いや違う違うラッセも同じように回復してます。
高濃度のGN粒子がボロボロだった細胞を修復してくれたみたいです。
ま、よくわからないが元気になるならそれでオッケーでしょう。
一応沙慈曰く、イノベイターの残した戦艦ソレスタルビーイングは破界はしません。
本来の目的は人類の未来への遺産なのですから。
とりあえず当面は昨日を凍結し、世界が落ち着いたら本格的に調査です。
で、小熊さんも調査のために残り、ビリーも管理責任者として残ります。
ビリーさん、女性は苦手ですがスメラギさんの前ではニコニコです。
クロウがからかってました。


クロウ「お前俺と声似てるな」
ビリー「うるさい」


とまぁ、そんな感じでしょう。多分。
そして、今のZEXISはルルーシュと戦うために行きます。
友達なのだから。沙慈にとってはそれで充分です。
ルイスはしばらくの間フロンティア船団でリハビリです。
なので彼女は置いておき、ZEXISは地上へと行きます。


実は王留美ルルーシュによって生きていました。
やっぱり貴重なおっぱい要員は捨てられませんね。
代わりに兄が死んだけど、影薄いし……。
今から反逆者としてリリーナとナナリーの処刑が待ち受けています。
お前ら名前似ているんだよとか、そういう事は今更ながら思ったりしてません。
アロウズはビリーの叔父である一番偉かった人が自決した事で一応の決着は付いたが、残ったメンバーはそんなに驚異ではありません。
全ての準備は整っている。


そう、ルルーシュに後悔はない。


C.C.はそんなルルーシュの姿に、もう十分ではないかと問いかける。
けれども、ミリアルドも同様、妹を巻き込むと決めた以上、やらなければならない事があった。
自分たちの目的のために消えていった数多の命のためにも、止まる訳には行かない。
戦いを広めた人間には相応の責任をしなければならないのだ。


もうお前ら共犯者じゃなくて結婚しちゃえよ。
そう思った俺に罪は無い、はず。
リリーナは、最後にドロシーと話していた。
ドロシーは他でもなく、新型のモビルドールの統率を任されていた。
彼女は戦争を望んでいた。
彼女の望みは、他でもなく戦争への嫌悪の裏返しでもあった。
けれどもそれはリリーナには語らない。
そして、平和を求めるリリーナとミリアルド兄妹の間には、同じ道を歩まなかった。


一方クメン王国では、どうやらキリコの元同僚達が活動していた。
そして、カミナシティではロシウ達がルルーシュの真意を知った上で、反乱軍に付いた。
アッシュフォード学園では、ルルーシュの元友人達であるミレイやリヴァルが、ニーナの導きでルルーシュの真意を確かめに行った。
中東では小悪党三人組は、毎日の食事すら事欠かす生活を。


強いられているんだ!!


と言うか、カン・ユーを除くベックとティンプには、ルルーシュの目を見れば彼が何をするのか分かっているみたいです。
彼が負けるつもりなのだと。
でも、そんな状況に手を差し伸べる人がいました。
他でもなくマリナ姫。
マリナ姫の力仕事を手伝ってくれと言う提案に、空腹のために四の五の言ってられない男達は出来る事から始める事にしました。
マリナ姫もまた、その言葉を聞いて自分に出来る事を一つ一つする事を決心していたのでした。


さて、ルルーシュが皇帝に就任してから一ヶ月。
世界は劇的な変化がありました。
彼の側にはスザクとミリアルド。
そして、彼らを見るのは世界中の人々。
来るべき客は、ZEXIS。


その前に現れたのはマネキン率いるアロウズ離反組とカタロンのメンバー。
そして、彼らと手を組んだジノ達がいる黒の騎士団。
彼らはZEXISが来るお膳立てをしてくれました。
そのおかげで処刑場には戦力を温存して向かう事が出来、ヒイロやクロウ、その他白兵戦に長けたメンバーが救出に向かっています。
脱出ルートを確保するため、救出されたリリーナはヒイロと話す。
ルルーシュと兄の考えが理解できないことを。
平和のために血を流す必要があるのは独裁者の論理だ。
だが、彼らは自ら血を流す覚悟で戦っている。
だからこそヒイロは戦う。
戦いを終えるために。只それだけの為に。


ゼクスを倒し、ルルーシュを倒す。
それで戦争は終わるのだ。
そして、リリーナが生き延びれば、平和は訪れる。
それがヒイロ達が、平和を信じる者達に対してやれる唯一つの事。


ヒイロ「気にするな、リリーナ。生命(いのち)なんて安いものだ。特に俺のは」


キャーヒイロさーん!


ジノやアーニャはZEXISと合流になりました。
僕らのコーラサワーも合流しそうになったけど、マネキン大佐に言いくるめられてなりませんでした。
ガッデム!


そして、こんな嘘に満ちた空間には、奴がいた。
ルルーシュの嘘があの男の能力を増幅させる。
アイム・ライアード。
私は嘘つきです。
とうとう分身能力まで付いちゃいました。
でもクロウさんの敵じゃありません!


フル改造ですし!


で、とうとうアイムさんマジバグってます。


 アイム
「かklい;sしpwさ:おwろdまじね!
 しjhすgdがくcxよ;qいくhhも!」


やだ、怖い……。
そんな状態になった男は刈るに当たる。
そう、あの中二病


アサキム・ドーウィン。


アサキム……一体何アンドー・マサキなんだ……。
アサキムでもアイムの因子の高まりは想像以上でした。
だから、そんなアイムには罰を与えなければなりません。
そう、アサキムがZONEに入った理由は、オリジン・ローの奔流の中で対極の流れを知った。
そう、即ちアサキムは自分が手に入れた力の使い方を知る事が出来た。


アサキムは既にスフィア・リアクターだった。


( ´゚д゚`)エー


アサキム「知りたがる山羊! その力が君の嘘を暴く!」


山羊持ってたの!?


ハーマルと呼ばれていたその男は、あるオーパーツの解析班にいた。
男はその中で、オーパーツの解析で結果を上げなければ自分の席は無いほどにまで追い詰められていた。
けれども男は上司に完璧なデータを持ってくると断言した。
心の中では手に負えないと分かっていたのに……。
元はと言えば、経歴を詐称してプロジェクトに参加した事が間違いだった。
でも、今のポジションを捨てる事は嫌だ。
自分の手に負えない立場に立たされ、それでもそれにしがみついていた。
それに、オーパーツは反応した。


アイム「主任! 僕は…僕は出来るんです! 僕は完全な人間なんです!」


アイムの過去は、ZEXIS全員に暴かされてしまった。
知りたがる山羊の発動キーは人間の好奇心。
飽くなき探究心、知的好奇心は全ての真実を暴き立てる。
例え偽りの黒羊の嘘であろうとも。


アサキム「その好奇心のおかげで彼女は僕の闇に踏み込みすぎてその闇に飲まれたのだけどね」


知りたがる山羊のスフィアの元の持ち主は女性だったのか……。


ハーマル・アルゴー。
それが、アイム・ライアードの本名だった。
よりにもよって自分にとって最悪の相性のスフィアを使われ、偽りの黒羊は効果を成さなくなった。
12のスフィアはそれぞれに因果を持つ。
揺れる天秤が尽きぬ水瓶と共に力を高め合う関係にあるように。
偽りの黒羊に知りたがる山羊は天敵、いや最悪の敵であるように。
アイムの、ハーマルの魂を狩る時が来た。
要するに、こういうことか。


アサキム「こいつアイム・ライアードって名乗ってるけど本名はハーマル・アルゴーって言うんだぜ!」
セツコ「うわぁ……」
クロウ「私は嘘つきですwww」
ランド「おい止めてやれよ! アイム(笑)が泣いてるだろ!」
ハーマル「うわぁぁぁぁぁん!!」


あいたたたたたたたた!!
なんか五臓六腑が悲鳴を上げた!


ユーサー「そして死ね!」


そこに現れたユーサーは、アイムを狙っていた。
インサラウムを滅亡に追い込んだのは、他でもなくこの男だ。
ならば、ユーサーが倒すのは道理だった。


こうして、ユーサーは偽りの黒羊を手に入れた。
尽きぬ水瓶は他者への慈愛が発動キー。
国を治める者にとっては不可欠な要素。
けれども、それを最大限に引き出すには、滅びの危機に瀕してもらうしか手段は無かった。
アイムがやらなくても、アサキムがやっていた。
どちらにせよ、尽きぬ水瓶を持っていた時点でインサラウムは滅ぶしか無かった。
アサキムをZONEから出したのは破界の王ガイオウ。
同志となった彼らは、アサキムが高笑いをしながらどこかへ行った。


ユーサーは宣言する。
火星に新たなZONEを構える事を。
そして、それを受けるのは、ルルーシュ達か、ZEXISか。
今はルルーシュとの決戦を控え、戦うだけだった。
全てを終わらせるために。


ただそれだけの為に、ルルーシュはZEXISに進軍する。
ちなみにその中にブシドーもいます。
でもブシドーは、だから太陽炉を持っているから……。
ブシドーは、見事だと言ってスサノオが大破した。
最後の侍は、こうして敗北で幕を閉じた。
生きろと。刹那はグラハム・エーカーに向けて言葉を呟いていた。


そして、ミリアルド・ピースクラフトとの戦いも最後を迎えていた。
人間に強者など存在しない。


ヒイロ「俺もお前も弱者なんだ!」
ミリアルド「私はまだ、自分を弱者と認めてない!」


決着を付けるのに、ヒイロはコックピットを狙わなかった。
リリーナが悲しむ。ただそれだけの為に。
平和に必要な者は、人を思いやり、理解してやる強い心。
わかり合う事と迷いなき強い心。
それこそが、イオリア・シュヘンベルグの目指した世界だった。
ゼクス・マークスでありミリアルド・ピースクラフトは、生きて戦い続ける事を選んだ。


C.C.は、敗北を認めた。
誰よりもルルーシュの側にいて、誰よりもルルーシュを理解していた魔女は、敗北を認めて戦いを止めた。
ジェレミア・ゴッドバルド――通称オレンジも、敗北した。
けれども彼は足掻き続けた。
それに、アーニャが動いた。
最後まで足掻き続けるジェレミアに、アーニャは攻撃を受ける。
そのとき、ジェレミアは気づいた。
アーニャにギアスがかけられている事に。
半端に記憶がない彼女は、マリアンヌが表層にいる間記憶の損失があった。
彼は最後の力を振り絞り、自分が備わったギアスキャンセラーをアーニャに施し、爆破した。


皆からどれだけ貶まれようとも。
どれだけ否定されようとも。
彼は敵となって立ちはだかった。


ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは、人類最後の敵としての役割を果たした。
ディートハルトは、ダモクレスの爆発に巻き込まれた。
王留美も、人類の変革を最期まで見届け、あえて残っていた。
蜃気楼もZEXIS全機からの攻撃を受け、爆散した。
生身でもあえて逃げる姿を全世界に広め、コーネリア、ナナリー、ギルフォードがルルーシュの前に立つ。


逃げられない。そう思った時、その男は現れた。


仮面の男、ゼロ。
ゼロは仮面である。ルルーシュはかつてスザクにそう言った。
だからこそ、ゼロが現れてもおかしい事ではない。
中に誰が入っているのかは些細な事なのだ。


ゼロの中身は、ナイトオブゼロ、スザクだった。
ルルーシュはここまでが、自分がゼロに殺されるまでが計画だった。


世界の憎しみを自分に集め、自分が消える事で憎しみの連鎖は断ち切れる。
後は、ナナリーやリリーナのような平和を望む者達が世界を変えてくれる。
それだけの為に、彼は皇帝になった。


それこそが、ゼロ・レクイエム。世界への鎮魂歌。
世界の敵である皇帝ルルーシュから、世界を救った救世主ゼロ。
スザクは、ゼロとして仮面を被り続けなくてはならない罰を背負った。
枢木スザクとして生きる事もなく、全ては世界の為に生きる。
ギアスとは――願い。
スザクは――ゼロは、皇帝ルルーシュからそのギアスをかけられた。


絶対的な統治者がいなくなった今、政治体制は旧来の連邦共和制に移行した。
こうして、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは死んだ。
遺されたナナリーは、リリーナは、今少しの間だけなくなった者達の為に立ち止まる事をしていた。
彼女たちはこれから歩み続けなくてはならない。
その為の、停滞だ。


――だが。
ルルーシュランペルージ個人は生きていた。
ZEXISによって生かされ、彼はゼロとして生きる事を強要された。
彼は戦う事を望まれた。
それはスザクにも同様だった。
亡くなった者達への責任。
そして、エルガン・ローディック――ジ・エーデル・ベルナルからZEXISの全権を託されていた。
彼に未来を託されていた。
それに背を向ける訳には行かない。


こすいて、ゼロは立ち上がった。
勿論ゼロとしてやって来た事を全てはなして貰う。
だが、時間だけはあった。
これからインサラウムがいる火星に向かわなくてはならないから。
生きて、自分の行動の結果死んだ人たちの為に、彼は戦い続ける事を選んだのだった。