文藝春秋の新刊 2001・5 「南風」 ©大高郁子

《南風と書いて「はえ」と読みます。熊本の有明海に面した山のみかん畑。》
大高郁子ホームページ(フッターにリンク)内ギャラリーで当リーフレットが紹介されていて、その下の1行です。日本国の風景となると季節外れなんですね。有明海に面した熊本県って荒尾かな?あのへんもミカン取れるんだ…って、新潟県もいまどきはユズなんかがたわわに実ってる庭があるけどね。平面っぽい絵なのにこんなに地面の湾曲が分かって、そんなのが嬉しい。色も豊富でミカンと一緒で、みているわたしも豊作うれしいなって気分になりました。

 角川文庫 2007年11月チラシの紹介

発見。角川文庫 読めば、発見がある。

クリのいがとでぃすくん
松岡圭祐
蒼い瞳とニュアージュ 2 千里眼の記憶

クラシックシリーズ 2 千里眼 ミドリの猿 完全版

矢作俊彦
THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ

齋藤孝
自然体のつくり方

山田真哉
女子大生会計士、はじめました 藤原萌実と謎のプレジデント

山田悠介
8.1 Horror Land
8.1 1Game Land

相場英雄
第2回ダイヤモンド経済小説大賞受賞作 デフォルト 債務不履行

池澤夏樹/写真=晋後均
やがてヒトに与えられたときが満ちて…

建倉圭介
デッドライン 上・下

冲方丁
ばいばい、アース 3 爪先立ちて望みしは

角川学芸出版=編
俳句歳時記 第四版 新年

赤川次郎
赤川次郎ベストセレクション
血とバラ 懐しの名画ミステリー

哀愁時代

井上靖
淀どの日記 映画公開

深見真
アフリカン・ゲーム・カートリッジズ

オーエン・コルファー 大久保真=訳
アルテミス・ファウル 北極の事件簿

角川ソフィア文庫
瓜生中
知っておきたい日本の神話
武光誠
知っておきたい日本のご利益


角川ホラー文庫 新刊案内

「発見。ちょっくらぶ」部員になってすてきなグッズをもらっちゃおう!

 角川文庫10月刊 法月綸太郎 生首に聞いてみろ─ネタバレレビュー

生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)

生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)

感心しません。ほんとにこれが「このミス」1位なのか。

http://dvd.or.tv/Bookstore_Konomisu.html

そうね、1位のようです。今月の角川文庫で「THE WRONG GODDBYE ロング・グッドバイ」を購入しました。4位だそうです。わたしの中ではぜひ逆転して欲しいがまあそれはともかく…。
メインのトリックは犯人=被害者の入れ替わりなのだが「キドリントンから消えた娘」みたいなキレや驚きはない。

前略…
「16年前の事件では、伊作さんも各務夫妻の共犯だったんですか」
田代が驚きを隠せない声で言った。綸太郎はむっつりうなづいて、
「前後の状況を考えると、そう結論するしかない。伊作氏が犯行に加担していなければ、姉妹の入れ替わりが成功するはずがないからだ。…(略)」
…後略
 文庫版 チャプター32 505ページ

これってひどくありませんか?ひどくないのかな。でもって、各務夫妻の罪を告発する意味で新たな彫刻を作ったなんて、死ぬまでおめえはそうやって現実から逃げてってことか─やっぱり変だよ。
分倍河原のマンションでの法月父子と歯科医各務の母=妻とが対峙する場面、あそこ「ウィチャリー家の女」じゃないですか、最高にスリリングなシーン。いやあ、各務の闖入でネタが割れたとき、けっこうぞっとしたものですよ。それなのに結末まできてみればとても色褪せ「なんてこった、あのとき興奮しちゃった自分がみじめ」って不快な気分に陥る。
新本格派ではこういうものなのかもしれないのだが、愛娘カッコ20歳の裸身を石膏で直に型取りするガンに冒された(復讐に燃えてるらしい)老父なんて、まあエロティックかつ凄みのあるシーンじゃないですか。下腹部とか内股あたりとかまあその他いろいろ。そこんとこ描きたくないのかなって、作家の資質まで疑っちゃうぜ。
首をちょん切って宅急便で送るっていう血なまぐさい作業にかんしても、そのおどろおどろしさをほとんど作品では語っていない。もちろん「占星術殺人事件」「殺人方程式」など新本格派ではバラバラ死体をツールとして利用しているわけで、それを咎めるのはおかどちがいなんだろうけれど。
まあ弛緩したストーリー運びなど、クイーンを意識しているといわれても、現在の読者にとっては入りにくいなあというのが実感だった。