史的に見たる科学的宇宙観の変遷

アレニウスによる「史的に見たる科学的宇宙観の変遷」を読んだ。寺田寅彦さんが訳している。荒俣宏さんと誰かとの対談において博物学的な視点から両名が薦められていた。

科学的宇宙観の変遷 (岩波文庫 青 930-1)

科学的宇宙観の変遷 (岩波文庫 青 930-1)

皮相的な傍観者の眼には、一つの思考体系が現れると、他のものが転覆するように見えることが往々ある。その為に、科学研究の圏外にある人々からは、明解を求めんとする我々の努力は畢竟無駄であるという声を聴くことがしばしばある。しかし誰でも発達の経路を少し詳しく調べて見さえすれば、吾々の知識は最初は眼にも付かないような小さな種子から発達した威勢の良い大樹のようなものであることに気がついて安心するであろう。樹の各部分殊に外側の枝葉の着物は不断に新たにされているにもかかわらず、樹は常に同じ一つの樹として成長し発達している。それと同様に又吾々の自然観についても、数百千年に亙るその枝葉の変遷の間に常に一貫して認められる指導観念のあることに気が付くであろう。
アーレニウス「史的に見たる科学的宇宙観の変遷」

途中、ビュフォンの名前を見つけてふーむと思った。サイモン・シンの「ビッグバン宇宙論」が気になるところ。サイモン・シンの本は概して科学というより科学史だから面白い。
ところで、今日アウトレットの本屋でちらっと眺めたところ、Stephen Hawkingの"God Created the Integers: The Mathematical Breakthroughs That Changed History"という本を見つけた。ホーキング自体はとても有名だけれどこの辺の本は翻訳されていないのかな?

化け物の文化誌

先日、国立科学博物館へ「化け物の文化誌 化け物に注がれた科学の目」を観に行った。
書物で観たことのある資料がほとんどではあったが、それでもそういったものをまとめて生で観られる機会はあまりないのでうれしい。「和漢三才図会」「本草綱目」「訓蒙図彙」やゲスナーの「動物誌」、アンブローズ・パレ「大外科学全集」といった博物学系の資料からおなじみ「百鬼夜行絵巻物」「桃山人夜話」、月岡芳年の浮世絵まで、そしてお目当ての大物産展こと「本物のミイラ」まで中々に見所のあるものだった。

今、科博のメインはエジプト展ですが、化け物が大勢そろった地下展示場の方へも足を延ばしてみてください。なにしろ、エジプト展には本物のミイラはでておりませんが、こちらは出ておるのでありますよ!!!
http://blogs.yahoo.co.jp/aramata_hiroshi/41607357.html

科学と化け物の関係に注目した展示だったようで「紅毛雑話」なんかはそれを体現する書物ですな。
同時に「森羅万象の探求者 南方熊楠」が開催されていてこちらも観たが、特別展「大英博物館 ミイラと古代エジプト展」と常設展をみる力は残っていなかった。日曜だったからか、古代エジプト展で入場制限がなされていたためか、「化け物の文化誌」の方が混み混みだった。どういうわけか、順路もなく、並んで順番に観るのではなく適当にすいているところから観て下さいという指示がなされており、これを楽しみに来たものにとっては困った状態だった。
物産展に関してはやはり平賀源内が気になる。
南方熊楠に関してはWikipediaにも書かれている「山中から仲間とふたりで村へ降りたおりに、仕事をしていた村娘たちが驚いて逃げていくので何かいるのかと思ってふたりして駆け下りたのだが、実際には日に焼けたふんどし姿の我々に驚いていたらしいと気が付いた。化け物の多くはそんなものだろう。」*1という話に笑った。しかし、これのソースはなんだろうな。
東京国立博物館の特別展「仏像 一木にこめられた祈り」も観たいのだが、平日じゃなきゃ厳しいかな?
ちなみに相方を引き連れていったことに関しては、相方自身が週間少年ジャンプにおいて「てんぎゃん 南方熊楠伝」が打ち切りとなったことに憤りを感じたと言っているような人なのでまあ大丈夫だよね?
イナムラ ショウゾウでケーキを買って帰った。ここは予約しとくが吉だと発覚。

*1:不十分な引用。

池袋の中華料理屋「永利」について

いわゆる酢豚を食べたい人は酢豚と書かれたものを頼んではいけない。揚げ豚の甘酢あんかけの方が正解。
僕自身、初回はそれで失敗し、その後行くたびに誰かしらが失敗しているのを見かける。酢豚を頼むと、こってりとした甘酸っぱいたれのかかった大量の肉塊(揚げられていない)が出てくる。ちなみに揚げ豚の方も、その名のとおり、100%ピュア揚げ豚であり、野菜のような混じりっ気はない。
もうひとつ前回気が付いたことには、頼めば、余った分は持ち帰られるようだ。*1これまで必死こいて詰め込んできた苦労は比較的無駄だったらしい。
http://tokyo.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/4550.html

*1:僕はまだ試していないが、目撃した。