玄米が放射線障害に効くってホント!?

(2011年3月14日追記)
福島原発事故の関連テキストリンクからこちらに来たかたへ。
玄米は放射線障害には(多分)効きません。「予防」にも「治療」にも、(多分)役に立ちません。
以下のサイトをご参照ください。
マクロビ食は有効な放射線対策ではない - とらねこ日誌
 
原発に関する知識に関しては、以下のサイトをご覧ください。
原発に関するQ&Aまとめ+
 
以下のサイトから。
駒崎ゆき子「伝えたい一言」:鎌仲ひとみさんの講演を聞きました。

鎌仲さんにお会いするのは2度目でしたが、講演終了後気さくにお話をしてくれました。福島県知事に会われたそうで、原発の危険性について理解して発信していただけることに感謝してきたと。「自分も被爆しているであろうと、だから玄米や海草を多くとった食事に気をつけている」と話されていました。

ヒバクと「玄米や海草を多くとった食事」と、どういう関係があるか不明なので(というか初耳なので)少し調べてみました。
こんなのが、とりあえずあることはありますが。
お米ってえらい

玄米のすごさはこれだけではありません。 特に玄米にはフィチン酸という物質が含まれていて、これは農薬などを洗い流してくれるのです。 
昔広島に原爆が投下された時、広島で玄米と豆味噌を常食していた方たちが原爆病にならずに助かったという実話があるそうです。

ガンなどに効果があるみたいですが、そのフィチン酸の排泄作用はいいことばかりでもなさそうです。
玄米食の間違ったイメージ

ヌカ部分に含まれているフィチン酸はミネラル(鉄・カルシウム・マグネシウム亜鉛など)と結合してフィチン酸塩を作ります。フィチン酸と結合したミネラルは水に溶けないため腸からの吸収が阻害されます。よって、貧血予防の為に玄米食をされている方は、逆効果になり、他に副采をバランスよく取らなければ、このまま米食ばかりを続けると、貧血を起こしやすくなるようです。特に妊婦さんは、注意してください。

玄米食はなぜミネラル不足になるか

玄米を長く続けて体がおかしくなった人や短命になった人をたくさん見てきました。フィチン酸の排出作用は強力なものです。だから病気の症状が消え、ガンさえ治るのです。玄米にミネラルが多いから病気が治るのではないのです。玄米のアクが毒素を引っ張って出すのです。 本来、玄米の胚芽の部分は次の新しい生命の芽を出すための栄養として存在しているのです。胚芽がないと芽が出ません。小鳥などに種籾を食べ過ぎられないように強いアクを持っているのです。小鳥達は決して食べ過ぎません。アクの強さ、分量を本能的によく知っているからです。雀がたくさん飛んできても稲を食べ尽くすことはありません。雀は害虫も食べてくれ、分を心得て共存しているのです。雀は籾を何粒かしか食べないのに人間はアクの強い玄米を茶碗一杯も食べるのです。玄米に含まれるフィチン酸は殆ど消化されず、体内の毒素とミネラルをたくさん引っ張り出していきます。病気の時には短期間で効果がでますが、せいぜい数ヶ月から半年くらいで止めるのが理想です。

毒素だけではなく、体に必須なものも排出してしまうらしいです。
話を、「ヒバクと玄米」の話に少し戻します。
味噌汁・コンブの伝統的日本食がチェルノブイリ被曝者を救う

◆秋月医博による、長崎原爆被爆対策
 
秋月博士は長崎市の聖フランシス医院の内科部長であった。
1945年8月、長崎に原爆が投下されたとき、同病院は爆心地からほぼ1キロ半余り離れたところにあった。同病院のほとんどの患者は、原子爆弾の第一撃からは生き残ったが、まもなく爆弾から飛散した放射性物質による放射能疾患に取りつかれてしまったのである。
このような状況において、秋月博士の行った処置は、患者ならびに医療スタッフに、マクロビオティックの食事(後述)を厳格に守ることを命じた。つまり玄米ご飯、味噌汁、醤油汁、ワカメなどの海草、北海道産のカボチャ、食塩などの食事である。
このような食事を患者と病院スタッフに守らせ、そして砂糖の禁止と、甘いお菓子を絶対食べないように命じたのである。
このような措置のおかげで、他では被爆者が放射能被曝障害で次々と死亡したが、同博士のところの患者とスタッフは、一人として被曝による犠牲者を出さずにすんだのである。

この「秋月博士」の説が、鎌仲ひとみさんの考えと関係あるみたいです。
引用を続けます。

◆秋月博士の指示「塩分を多くし、甘いものはやめなさい」
 
秋月博士の命じた食事の内容を具体的に同博士の発言にみてみよう。
同博士は、次のように命じた。「私が、炊事に携わる人々と医療スタッフに厳しく命じたことは、塩を少しまぶした玄米のお握りと、それに味噌を多めにいれた濃い味噌汁でした。砂糖は一切使わないよう指示しました」。また、同博士は「この指示に従わない者は、砂糖は血液を駄目にするので砂糖はやめなさいと、情け容赦なくしかりつけました」という。
秋月博士は、このような指示の結果を、次のように明らかにしている。「このような食事によって、わたし自身、放射能障害をまぬがれ、医者としてきつい仕事をこなすことができたのです」「放射能は致命的な量でなかったかもしれないが、岩永修道士、野口牧師、村井看護婦婦長もそうですが、その他の病院スタッフ、入院患者とわたしを含めて、みな大変危険な放射能塵の中で生きながらえたのも、このような食事法によってなのです。疲労原爆症を克服して、毎日無事に働くことができたのも、また放射能障害を免れたのも、この様な食事のおかげです」

…テキストを見る限りでは、「塩分」が重要のような。まぁ、この元テキストである、『食物を薬にしよう』(アレックス・ジャック編集、ワン・ピースフル・ワールド出版、マサチューセッツアメリカ合衆国)を読んでみないと、批判的にも肯定的にも言及は難しそうなので、ここまでにして。
被爆者の証言:秋月辰一郎(あきづき・たついちろう)さん

1916年(大5)長崎市万才町生まれ。当時の浦上第一病院医長。'52年に聖フランシスコ病院医長、'86年顧問。爆心地から1.4kmで被爆、医師として被爆者の治療に当る一方、永年に渡り被爆者の証言の収集を行った。吉川英治文化賞ローマ法王庁の聖シルベステル勲章、他。著書に長崎原爆記、死の同心円。

この人が「秋月博士」ですか。1945年の時点では28〜29歳ぐらい。すごく若い医師だったみたいです。
さらに別のテキストを探してみます。
大塚晃志郎の、経営者とその家族のための健康管理と「命もうけ」の知恵:原爆で被爆しても原爆症が出なかった人たち―3

1945年8月9日、長崎に原爆が投下された。その爆心地から、たった1.8kmのところで、当時聖フランシスコ病院医長であった秋月辰一郎博士と病院関係者は全員被爆した。
博士は焼けただれて痛がる人々に、「水を飲んではいかんぞ!」と大声でどなった。おそらく直観的に、血液の濃度を保ち、血液を水でうすめることなくガードしようとしたのだろう。((注)たしかに戦地で、傷の深い重傷の兵士に水を飲ませると、すぐに死んでしまうという記録がある)
さらに博士は、次のように職員に命令したという。
爆弾をうけた人には塩がいい。玄米飯にうんと塩をつけてにぎるんだ。塩からい味噌汁をつくって毎日食べさせろ。そして、甘いものを避けろ。砂糖は絶対にいかんぞ」(秋月辰一郎著「死の同心円−長崎被爆医師の記録」講談社刊・絶版)
放射線宿酔」と呼ばれる。レントゲンを受けたあとに起こることがある全身の倦怠や筒宇などの症状には、体験上、生理食塩水より少し多めの塩分を含んだ水を飲むとよいということをとっさに思い出し、原爆の放射能から体をガードするには、塩が有効であることを推理したのだ。みそ汁の具は、カボチャであった。のちにわかめのみそ汁も多くとったらしい。砂糖を禁じたのは、砂糖は造血細胞に対する毒素であり、塩のナトリウムイオンは造血細胞に活力を与えるという、彼自身の食養医学によってである。
すると、どうであろう。そのとき患者の救助にあたったスタッフらに原爆症の症状が出なかったのである。ふつうなら、しだいに原爆症の症状が出て、進行してしまうところなのに、彼らはそれからのち、ずっと現実に生き延びているのである。
このことは、私にとって大きなショックであった。食というものによる、見かけからはなかなかわからない「体質的な強さ」というものの思い価値を知り驚嘆した。ちょっとした体質のガードが、明らかに生と死を分けているからである。
博士は人間の体質にとって、みそが実に大切であることを説き、のちにこう語っている。
「この一部の防禦が人間の生死の境において極めて重要なのである」(秋月辰一郎著「体質と食物」クリエー出版部刊)
博士の書いた「長崎原爆体験記」(日本図書刊行センター刊「日本の原爆記録」第9巻に所収)という本の英訳版が欧米で出まわり、チェルノブイリ原発事故のあと、ヨーロッパで日本の「みそ」がとぶように売れたということはあまり知られていない。

なんか、いろいろな形でこれも「都市伝説」化しているテキスト部分が多いみたいです。
とりあえず、
1・重要なのは「玄米や海草」ではなく「塩分」(玄米の握り飯には濃い目の塩を振って、味噌汁も濃い目に作る。具のほうは別に海草でなくてもかまわない)。
2・原爆症の症状が出なかったのは「患者の救助にあたったスタッフ」のほう。患者のほうから「被曝による犠牲者」が一人も出なかった、というのは、まだ調べてないんですが、常識からいって「そんなことはないだろう」と疑問を持っています。
3・この療法が効くのは、一時的に大量の放射線を浴びた人(原爆症の人)だけ。大量すぎる放射線を浴びた人とか、内部被爆とか、常時強めの放射線を浴びている人の場合はよくわからない(ある程度の放射線は、細胞を活性化して健康にいいらしいです)。
ということで、まだ調査としては不充分で、もう少し調べると違う結論になるかもしれませんが、→「駒崎ゆき子「伝えたい一言」」←のブログにトラックバックを送っておいてみます。機会があったら、鎌仲ひとみさんにも俺の意見を伝えておいてみてください、駒崎ゆき子さん。
 
これは以下の日記に続きます(必読)
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20051025#p1