- 作者: 二宮清純
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/05/20
- メディア: 新書
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最もおもしろかったのは、『清原和博は強打者か?』なんだけど…長すぎちゃうから…本を読んでね!
ここで紹介するのは楽天イーグルスの野村克也監督とその弟子の東京ヤクルトスワローズ前監督の古田敦也氏についての文章だ。そのエッセンスを紹介しよう。
・野村克也の「配球学」
「キャッチャーはね、優等生じゃ務まらないんです。たとえば女性を誘惑するにしてもいろいろと戦略がいるじゃないですか。それは仕事にも生きてくる。人間、遊びって大切ですよ。世の中で大成した人って、だい大体、若い頃は遊び人ですよ。よく遊び、よく学んだ人ですよ。古田も現役時代はよくモテていましたよ。(笑) 配球術っていうのは臨機応変に考えることが基本なんです。真面目なキャッチャーは、このカウントではこのボールだといった具合に、融通が利かない。配給に考え方の傾向がもろに出るので、バッターからしたら読みやすいんです。観察力と洞察力。これはキャッチャーが成功するうえでなくてはならないものですが、それは『遊び心』がないと育まれない。時には無茶もしないとね。なにしろペナントレースには144試合もあるんですから…。」
・古田敦也「日本野球のために」
大学卒−社会人を経て2000本安打を達成したのは古田ただひとり。しかもキャッチャーという過酷なポジションをこなしながらは、野村克也についで二人目。しかも右バッターとしてえは通算打率と三割到達回数が史上4位なのだ。
①落合博満 3割1分1厘 11回
②長嶋茂雄 3割5厘 11回
③山内一弘 2割9分5厘 9回
④古田敦也 2割9分4厘 8回 ……。
しかし、アマチュア時代の古田の評価はスローイング、肩、守りの面では認められていたが、バッティングに対する評価はゼロに等しかった。実際入団1年目は2割5分、3本塁打、16打点という冴えないものだった。
ところが、2年目、いきなり3割4分というキャッチャーとして史上最高のシーズン打率で首位打者をとったのだから周囲は驚いた!なぜ2年目に大化けしたのか?
古田はいう。
「当時の僕の打順は8番です。実績もなければパワーもない。相手バッテリーがマークするようなバッターじゃない。そんなバッターに対する攻め方は……。逆算式に考えていくと、自ずと攻め方がわかってくる。守りの知識が打撃に生かされたということです。」
野村克也は語る。
「原因は二つある。ひとつは一年目よりも相手の配給が読めるようになったこと。二つ目は思いっきりがいこと。アイツは、『この打席でこの球を打つ』と決めて打席に入ったら、それがくるまでトコトン待ちよる。あんなバッターはウチにはおらん。」
そう、『相手の配給が読める』から『トコトン待つ』ことができるのだ!
ハア〜!!!これはウチ(SA)流に言うと『マーケットに対するターゲッティング』だね。
その他、工藤公康のバッテリー論、中西太の強打者育成術、山粼武司打撃開眼の理由とは?新井貴浩はアニキを超えられるか?松坂大輔永遠の課題とは?などなど、日本プロ野球の真髄がここに!
日本の野球も捨てたもんじゃないよ!(^_-)-☆