繁田信一『殴り合う貴族たち 平安朝裏源氏物語』

殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語

殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語

今日ちょっと時間があったので再読。途中までだけど(爆)。あまり文章が上手くない上に(失礼)年代が頻繁に前後して読みにくいったら。巻末に“王朝暴力事件年表”があるにしてもね。

  1. 中関白藤原道隆の孫、宮中で蔵人と取っ組み合う
  2. 粟田関白藤原道兼の子息、従者を殴り殺す
  3. 御堂関白藤原道長の子息、しばしば強姦に手を貸す
  4. 右大将藤原道綱賀茂祭の見物に出て石を投げられる
  5. 内大臣藤原伊周、花山法皇の従者を殺して生首を持ち去る
  6. 法興院摂政藤原兼家嫡流平安京を破壊する
  7. 花山法皇、門前の通過を許さず
  8. 花山法皇の皇女、路上に屍骸を晒す
  9. 小一条院敦明親王、受領たちを袋叩きにする
  10. 式部卿宮敦明親王、拉致した受領に暴行を加える
  11. 三条天皇、宮中にて女房に殴られる
  12. 内裏女房、上東門院藤原彰子の従者と殴り合う
  13. 後冷泉天皇の乳母、前夫の後妻の家宅を襲撃する

大見出しがこれだけあって、その中に小見出しがそれぞれ6〜10くらい。徹頭徹尾、週刊誌の三面記事のような暴力沙汰。そのうち飽きてきますマジで。でもこれ読んでると、頼長が家成んちぶっ壊すくらいべっつにー、な気になってくるわ(苦笑)*1
ソースは主に藤原実資(957〜1046)の『小右記』。朝廷による正史がなくなってしまった平安時代以降、個人の日記は貴重な歴史的資料でございます。が、あくまでも日記です。たとえ道長や定家のスーパービッグネームが書いたとしても、客観性には欠けるんではないかと。誇張・見栄・贔屓・嘘っぱち・単なるミステイク、etcetc……。何が嘘やら誠やら。でも、そこから誠を見出し、嘘を利用し、書かれていないことをでっちあげ、うまいこと料理できたら儲けもん。お話を創る、というのはそういうことだと思います。と、大河の脚本家に言いたい。今年じゃなくて去年のね(笑)。

*1:ありゃあ相手が悪すぎたけども。