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October 15(Fri), 2010

Mizoroki-Heck Reaction

前回の記事の続きで,今回はMizoroki-Heck反応について書きたいと思います.

  1. 経緯

Mizoroki-Heck反応は1971年溝呂木勉ら1972年Richard Fred Heckらによりそれぞれ独自で発見された反応で,溝呂木先生らの論文が国際的にはマイナーなBull. Chem. Soc. Japanに掲載されたのに対して,Prof. Heckらの論文JOCに掲載されたことからProf. Heckの方が有名になり,海外ではHeck Reactionとも呼ばれる反応です.

Heckの論文の冒頭にはそれぞれ独自に発見したと言いながらも溝呂木らの論文が引用され,先に反応を発見したと報告していた溝呂木らのグループに経緯を表してます.

Mizoroki and coworkers have recently reported a palladium-catalyzed arylation reaction of olefinic compounds with aryl iodides and potassium acetate in methanol at 120. We have independently discovered this reaction and find that it can be carried out under much more convenient laboratory conditions than were used by Mizoroki and that the reaction provides an extremely convenient method for preparing a variety of olefinic compounds.


  1. 反応の概要

Mizoroki-Heck反応はアリールハライドやアルケニルハライドと末端オレフィンをPd(0)触媒下でクロスカップリングさせることで置換オレフィンを合成する反応であり,官能基選択性が優れ,高収率であるというメリットを持っています.

生成する置換オレフィンの位置異性化が起きない系に対し特に使える反応で,基質にアリルアルコール類を使うとオレフィンの位置異性化が起こりカルボニルが得られます.

特徴としては

  • 1置換オレフィン→2置換オレフィンを合成するのに使える
  • オレフィン上の置換基の電子的性質が反応にあまり影響を与えない
  • オレフィンに様々な官能基があっても反応が進む
  • エステルエーテル,カルボン酸,ニトリル,フェノール,ジエンなどはカップリング反応に適しているが,アリルアルコール転移を起こす傾向にあり,カルボニルが得られる
  • オレフィン上の置換形式が反応速度に大きな影響を及ぼし,多置換オレフィンほど反応が遅い傾向がある
  • 末端アルケンのような非対称なオレフィンの場合は立体的に空いているアルケン炭素上で置換反応が起きる
  • リールやビニル部の脱離基の性質が反応速度に大きな影響を及ぼし,反応速度はI>Br~OTf>>Clの順になる.
  • 水や酸素の存在下でも反応への影響はそれほどない
  • オレフィン挿入やβ水素脱離はsyn選択的に進行し,立体選択性が高い

などがあり,

  • β水素を持つ基質はPd触媒への酸化的付加のあと速やかにβ水素脱離を起こす傾向があり,カップリング基質に適さない
  • リールクロライドは反応性が低く,カップリング基質に適さない場合が多い
  • アルコキシエーテルなどの電子供与性置換を持つアルケンにおいては位置選択制制御は難しい

という欠点があります.

分子間Mizoroki-Heck反応の他,分子内Mizoroki-Heck反応も行われることが多いです.

分子内Mizoroki-Heck反応はアリールハライド(またはアルケニルハライド)と末端オレフィンが同一分子内にある基質をPd(0)触媒下でクロスカップリングさせて環を巻く方法で, 分子間Mizoroki-Heck反応と比べて立体障害の影響を受けにくく,環を形成する反応としてとても使える反応です.

Diels-Alder反応と並び,4級不斉炭素を持つ縮環化合物を合成できる数少ない合成法で多環式の天然物の環構築などに利用されています.

また,不斉Mizoroki-Heck反応の開発や親水性触媒での水中での反応開発,Pd/Cなどの不均一系Pd触媒を使った反応開発などが行われています.

  1. 反応機構

Mizoroki-Heck反応の機構はまだ完全に解明されたわけではなく,また,反応条件によっても若干反応経路が異なります.

一般的にはPd(0)-Pd(II)のサイクルで反応していると考えられてますが*1,反応系によっては2価→4価のサイクルで反応しているとされるものもあります.

Pd(0)-Pd(II)のサイクルで反応する機構では基質のC-X結合のPdに対する酸化付加の段階が律速段階になります.

以下にHeckにより提唱された分子間Mizoroki-Heck反応の機構を示します.なお,Lで表記した配位子はモノホスフィン配位子です.

f:id:nakadai_letters:20111010213050p:image:h300

  1. 反応例

全合成におけるMizoroki-Heck反応の利用例を挙げます.

福山先生のグループでは,ホヤから単離された抗腫瘍性天然物であるEctenascidin 743(ET-743)の全合成においてビシクロ[3.3.1]環の構築に分子内Mizoroki-Heck反応を用いてます.

平間先生のグループでは,スナギンチャクから単離されたZoanthenolのABC環部の収束的合成及び4級炭素の立体選択的構築に分子内Mizoroki-Heck反応を用いています.

Prof. OvermanのグループではAsperazineの全合成においてC3位の4級炭素の導入にジアステレオ選択的分子内Mizoroki-Heck反応を用いています.

Prof. FürstnerらのグループではLasiodiplodinの全合成においてオレフィンメタセシスの反応基質であるスチレンデリバティブの合成にMizoroki-Heck反応を用いています.


ブログが長くなりそうなので全合成における利用例を4例挙げましたが,Mizoroki-Heck反応は全合成で多用される反応であり,全合成の世界に与えた影響は大きいです.

P.S. 反応機構や合成のスキームについてはChemDrawを買ってから追記しようと思います… すみません…

*1Pd(II)を触媒として使用する場合にはトリフェニルホスフィンなどのホスフィン配位子を添加して行ない,ホスフィン配位子にはPd(II)→Pd(0)へと還元する役割もあります.

October 07(Thu), 2010

クロスカップリング

昨日(厳密に言えばおとといですが),ノーベル化学賞の発表があり,鈴木章・北海道大名誉教授,根岸英一・米パデュー大特別教授,Richard Fred Heck・デラウェア大学名誉教授の3人が受賞しました.

僕は前日にTwitterで今年は鈴木先生と宮浦先生とクロスカップリングの分野を拓いた玉尾先生が受賞するんじゃないかとtweetしてたら鈴木先生が受賞したのでノーベル化学賞が発表された時は実験中だったにも関わらず実験室で興奮のあまり騒いでしまいました…

担当教官の先生とTAのみなさんにはこの場を借りてお詫びします…


今回受賞した3人の先生の功績は「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」であり,クロスカップリングはオレフィンメタセシスと同様,天然物全合成の分野において多用される便利な反応です.

オレフィンメタセシスについても後々書きたいと思いますが,クロスカップリングとオレフィンメタセシスのおかげで全合成分野は劇的に変わったといっても過言ではありません.


クロスカップリング反応というものは構造が異なる2つの化学物質を選択的に結合させる反応で,全合成の世界では収束的合成によって大きなサイズのフラグメントをくっつけるときなんかに力を発揮します.

例えば医薬品の分子を作るときに右側半分のフラグメント(仮にAとしときます)と左側半分のフラグメント(仮にBとしときます)を合成した後にAとBをくっつけようとするときにクロスカップリングを使ってくっつけてやります.


クロスカップリングや炭素-炭素結合生成反応の分野では日本人が結構活躍しており,人名反応の例を挙げると

などがあります.

Tsuji-Trost反応,Mizoroki-Heck反応,Negishiカップリング,Migita-Kosugi-Stilleカップリング*5,Sonogashiraカップリング,Suzuki-Miyauraカップリング,Hiyamaカップリングはパラジウム触媒,Kumada-Tamao-CorriuカップリングとNHK反応はニッケル触媒を使って炭素-炭素間の結合を作ります.NHK反応ではニッケル(II)からニッケル(0)にする際に塩化クロム(II)も使います.


このように70年代以降発見された炭素-炭素結合生成反応は日本人化学者により発見されたものが多く,天然物全合成と同様に日本のお家芸とも言えます*10.そして,天然物全合成に与えた影響はとてもすごいですし,Suzuki-Miyauraカップリングは天然物全合成だけでなく有機電子デバイス材料の合成にも応用されており,現在流行りの反応ともいえます.

クロスカップリングの天然物全合成での使用例は結構多くて書き切れないので後々紹介します.


Prof. Heck,根岸先生,鈴木先生の受賞を心よりお祝い申し上げます!!

*1:1965年に辻らにより発見され,その後Trostらにより詳細な検討が加えられた.辻先生も今回ノーベル賞をもらうんじゃないかと言われてました.

*2:1972年に京都大学の熊田,玉尾らの研究グループとCorriuらの研究グループがそれぞれ独自に発見.1975年に村橋先生によってパラジウム触媒による熊田カップリングもできるようになりました.

*3:1971年に溝呂木ら,1972年にHeckらによりそれぞれ独自で発見.溝呂木先生が存命なら今回受賞してたかもしれません…

*4:1977年に根岸らが発見.

*5:1977年に右田,小杉らのグループ,1978年にStilleらのグループがそれぞれ独自に発見.

*6:1975年に薗頭らが発見

*7:1979年に鈴木,宮浦らが発見

*8:1983年に高井和彦、檜山爲次郎、野崎一らが発見,1986年に高井らと岸らのグループによりそれぞれ独自に塩化クロム(II)の購入元や製造ロットによって大きく収率がばらつき,高活性・再現性にするには塩化クロム(II)中に混入している微量のNiが効果的であることが報告され,現在ではNi(II)触媒とCr(II)を等量還元剤として用いる手法の他に,Cr触媒とMnを還元剤を用い,添加剤としてTMSClを用いる手法 もある.

*9:1988年に檜山らが発見.

*10:お前が大好きなJuliaカップリングは日本人が見つけた反応とちゃうやろとかつっこまれそうですが…

June 30(Wed), 2010

全合成のための参考書

全合成を勉強するうえで,参考書になる教科書が必要です.

そこで,僕の独断と偏見で全合成向けの参考書を紹介したいと思います.

僕は全合成のテキストしかカバーしてないので,Chem-Stationさんの「有機化学を学び始める貴方に:オススメ教科書徹底比較!!」の方も参考にすることをおすすめします.


まずは有機化学のテキストから…

WarrenのOrganic Chemistry

これは有機化学の教科書として個人的にベストだと思ってるやつです.

合成を志向したテキストで反応機構についてもかなり詳しく,他の教科書では出てこないような内容も出てきます.

ちなみに,原著版と解答編はこれです.

Organic Chemistry

Organic Chemistry

Solutions Manual for Organic Chemistry

Solutions Manual for Organic Chemistry


MarchのOrganic Chemistry

March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure

March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure

これは辞書的用途でも使えるので反応についての文献を探すときなんかも便利です.

訳書で5版が出てますが,リファレンスが巻末なので使い勝手が悪いので,個人的には6版がおすすめです.


CareyのAdvanced Organic Chemistry

究極のテキストとも言われるやつです.

Part Aで構造と機構,Part Bで反応と合成について書かれていて,シュプリンガーがセールをしたら買いたいと思ってるテキストです.


大学院講義 有機化学

大学院生向けに日本の先生方が執筆した教科書です.

第二版がそろそろ出るはずなんで第二版が出てから買うのがおすすめですが,まだ出ません…

理論・金属・合成などが幅広く網羅されてるので結構良いです.

ちなみに,演習編はこれです.


演習で学ぶ有機反応機構

演習で学ぶ有機反応機構―大学院入試から最先端まで

演習で学ぶ有機反応機構―大学院入試から最先端まで

福山研で出した反応機構の演習本です.

演習をすることで分子の組み立て方が基本から勉強できます.

A問題,B問題,C問題と難易度別に分けられていて,A問題でも骨のある問題が結構多いので,暇つぶしにも最適です.

学部生から研究者までカバーしているという点も良いです.


The Art of Writing Reasonable Organic Reaction Mechanisms

The Art of Writing Reasonable Organic Reaction Mechanisms

The Art of Writing Reasonable Organic Reaction Mechanisms

反応機構を巻き矢印で書くための本で,基礎的なものから遷移金属を用いたものまでコンパクトに纏められてます.

演習で学ぶ有機反応機構よりも簡単なので,反応機構について勉強する際の1冊目に最適です.

この本を使うだけでも反応機構を書く力が付くと思います.

ちなみに,訳書版はこれです.

有機反応機構の書き方 基礎から有機金属反応まで

有機反応機構の書き方 基礎から有機金属反応まで


Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis

Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis

Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis

人名反応の本です.

反応機構や合成での使用例についても書かれ,反応に関するリファレンスもしっかりしてます.

人名反応を調べるときに辞書的にも使えるので便利です.

ちなみに,訳書版はこれです.訳書版はリファレンスがCDになってるので不便です.

人名反応に学ぶ有機合成戦略

人名反応に学ぶ有機合成戦略


Spectrometric Identification of Organic Compounds

Spectrometric Identification of Organic Compounds

Spectrometric Identification of Organic Compounds

スペクトル解析についてかなり詳しく書かれてます.

演習問題も豊富なのでスペクトル解析の演習本としても使えます.

ちなみに,訳書版はこれです.


次は全合成向けの更にマニアックなテキストを紹介します.


WarrenのOrganic Synthesis

Organic Synthesis: Strategy and Control

Organic Synthesis: Strategy and Control

Organic Synthesis: The Disconnection Approach

Organic Synthesis: The Disconnection Approach

上で挙げたOrganic Chemistryの著者Warren教授が書いた,実践的なテキストです.

Organic Chemistryよりも合成志向が強く,実際に合成をする上で役立つアイデア体系的に書いてあって便利です.

Strategy and Controlは合成戦略,Disconnection Approachは逆合成について勉強するときに最適です.

ワークブックも出ており演習もできます.

Workbook for Organic Synthesis: Strategy and Control

Workbook for Organic Synthesis: Strategy and Control

Workbook for Organic Synthesis: The Disconnection Approach

Workbook for Organic Synthesis: The Disconnection Approach


Modern Methods of Organic Synthesis

Modern Methods of Organic Synthesis

Modern Methods of Organic Synthesis

WarrenのOrganic Synthesisと同じように実践的な有機合成のテキストで,有機合成バイブル的な本です.

基本から説明しており,解説もポイントを押さえているのでわかりやすいです.


Classics in Total Synthesis

Classics in Total Synthesis: Targets, Strategies, Methods

Classics in Total Synthesis: Targets, Strategies, Methods

Classics in Total Synthesis II: More Targets, Strategies, Methods

Classics in Total Synthesis II: More Targets, Strategies, Methods

Classics in Total Synthesis III: New Targets, Strategies, Methods

Classics in Total Synthesis III: New Targets, Strategies, Methods

Nicolaou教授が書いた全合成バイブル的な本です.

全合成を逆合成的に分析し,各合成手順を詳しく説明しています.

代替手法や予想される落とし穴に関するヒントをも書いてあり,レビューや文献も多いので全合成の勉強をするときに便利です.


The Logic of Chemical Synthesis

The Logic of Chemical Synthesis

The Logic of Chemical Synthesis

Corey教授が書いた有機合成のテキストです.

合成戦略や逆合成について書かれており,実践的なテキストです.

訳書も出てましたが,残念ながら今は絶版になってます.

コーリー 有機合成のコンセプト

コーリー 有機合成のコンセプト


Organic Synthesis Workbook

Organic Synthesis Workbook III

Organic Synthesis Workbook III

有機合成のワークブックです.

全合成論文を虫食いにした演習問題で,ヒントが付いてるのでわかりやすいです.

また,解説が充実しているので合成を勉強をする上でも役に立ちます.

全合成有機合成の良質な教材ということを体現してるテキストです.


Dead Ends and Detours: Direct Ways to Successful Total Synthesis

Dead Ends and Detours: Direct Ways to Successful Total Synthesis

Dead Ends and Detours: Direct Ways to Successful Total Synthesis

失敗から学ぶ有機合成という切り口の本です.

全合成での失敗例と,失敗を克服するためのアイデアと成功例が書いてあります.


Side Reactions in Organic Synthesis: A Guide to Successful Synthesis Design

Side Reactions in Organic Synthesis: A Guide to Successful Synthesis Design

Side Reactions in Organic Synthesis: A Guide to Successful Synthesis Design

副反応に関するテキストです.

主反応と副反応のどちらが反応しやすいかを検証して,反応の適用範囲や限界について考察してます.


The Organic Chem Lab Survival Manual: A Student's Guide to Techniques

The Organic Chem Lab Survival Manual: A Student's Guide to Techniques

The Organic Chem Lab Survival Manual: A Student's Guide to Techniques

有機実験のテキストです.

基本的なことや実験のコツが書いてあり,結構役に立ちます.

ちなみに,訳書版はこれです.訳書版は上村節がおもろいです.


Modern Organic Synthesis in the Laboratory: A Collection of Standard Experimental Procedures

有機実験のレシピ集です.

実験のコツや試薬の調整方法が書いてあるので反応検討の時に役に立ちます.

ちなみに,訳書版はこれです.こちらも訳書版は上村節がおもろいです.

研究室ですぐに使える 有機合成の定番レシピ

研究室ですぐに使える 有機合成の定番レシピ


以上,全合成のための参考書を紹介してみました.

全合成を研究したり,全合成について勉強してる皆さんのお役に立てれば幸いです.

June 19(Sat), 2010

論文を読もう!!

天然物全合成を紹介するブログを作りましたが,まずは論文について書こうと思います.

拙い文章ですが論文を読むとき,書くときの参考にどうぞ.

全合成に限らず,有機合成論文

1.Subject

2.Abstract

3.Introduction

4.Result and Discussion

5.Experimental

6.Conclusion

7.Acknowledgement

8.Reference

というような章立てになってます.

以降,各章の説明に移ります.

1.Subject

Subjectは論文のタイトルです.

"Total Synthesis of Ciguatoxin"

"Synthetic Studies of Maitotoxin"

"Convergent synthesis of the left moiety of Ciguatoxin"

"Asymmetric synthesis of the ABC-ring of Zoanthamine"

といった具合で書いてあります.

全合成の場合は"Total Synthesis of ターゲットの化合物",合成研究の場合は"Synthetic Studies of ターゲットの化合物",収束的合成の場合は"Convergent synthesis of ターゲットの化合物",不斉合成の場合は"Asymmetric synthesis of ターゲットの化合物"というようなタイトルで,部分構造の場合は"of the ABC-ring"や"left moiety"というように合成したセグメントについても書かれています.

2.Abstract

Abstractは合成反応の要約や鍵反応が書いており,Abstract論文内のスキームを追うだけでも何をやってるか結構わかります.

ブレベトキシンBとゾアンテノールを例に挙げ,和訳すると

"Brevetoxin BのABC環をメチルエポキシドの6-エンド環化,オレフィンメタセシスによる閉環,ヨウ化サマリウムを利用した分子内環化反応を鍵反応としてて立体選択的に合成した."

"Zoanthenolはスナギンチャク(Zoanthus sp.)から単離された海洋性アルカロイドであり,C環部の9,12,22位に三つの四級不斉炭素が近接して官能基が密に配置された複雑な構造を有する.ZoanthenolのABC環を酵素による光学分割と溝呂木-Heck反応及びSimmons-Smith反応を用いた四級不斉炭素の構築を鍵反応としてエナンチオ選択的に合成した."

というような感じです.

論文を読み始めるときはAbstractスキームだけ読んでだいたい分かるくらいでも良いでしょう.

3.Introduction

天然物を単離した年や有用性等が書いてあり,以前の化合物の合成研究についても書いてあります.

ゾアンタミンアルカロイドの合成の場合,和訳すると

Zoanthamineは1984年にRaoらによりスナギンチャク(Zoanthus sp.)から単離,構造決定された7環性の海洋性アルカロイドである.

Norzoanthamineは1995年に奄美大島近海のスナギンチャクから単離された生理活性物質であり,1997年に上村,倉本らにより骨密度および骨重量の低下を強力に抑制するという作用が報告された*1.既存の骨粗鬆症治療薬とは作用機序が異なることと女性ホルモンのように重い副作用が全く見られないことから,新しい骨粗鬆症治療薬として期待されている.

また,同族のZoanthamineは顕著な鎮痛作用や抗炎症作用を示すことが報告されているほか,Zoanthenolの合成中間体のアミノアセタール構造がIL-6抑制活性を示すことも報告されている.

Zoanthamine系アルカロイドはC環部の9,12,22位に三つの四級不斉炭素が近接して官能基が密に配置されていることやDEFG環部がアミノアセタールとラクトンで構成されているといった構造上の特徴を有し,生理活性作用もつことから非常に魅力的な分子であり,合成研究が活発に進められている.

Norzoanthamineは2004年に宮下らにより全合成が達成されており*2,また,Zoanthenolも2009年に宮下らにより全合成が達成されている*3

といった具合のことが書いてます.

4.Result and Discussion

逆合成解析や合成戦略,各段階の反応スキーム,などの結果と考察が書かれています.

5.Experimental

実験方法が書いてあります.だいたい論文の後ろの方に書いてあることが多いです.

小さい字で書いてあってちょっと見づらいですが…

6.Conclusion

ターゲットの合成方法,合成に何段階要したか,全収率は何%だったかなどが書かれています.

7.Acknowledgement

研究でお世話になった機関やお世話になった先生への謝辞が書いてあります.

This work was supported in part by Special Project Funding for Basic Science from RIKEN

This work was supported in part by a Grant-in-Aid for Scientific Research from the Ministry of Education, Science, Sports, and Culture, japan.

Fellowship to D.N. from the Japanese Society for the Promotion of Science are gratefully acknowledged.

というような感じです(僕はまだ学振取れてないですが,あくまで一例ですのでお許し下さい…).

8.Reference

論文の参考文献が書いてあります.

上のIntroductionの参考文献で例を示すと

[1] M. Kuramoto, K. Hayashi, K. Yamaguchi, K. Yamada, T. Tsuji, D. Uemura; Bull. Chem. Soc. Jpn., 1998, 71, 771-779

[2] M. Miyashita, M. Sasaki, I. Hattori, M. Sakai, K. Tanino; Science. 2004, 305, 495-499

[3] Y. Takahashi, F. Yoshimura, K. Tanino, M. Miyashita; Angew. Chem. Int. Ed., 2009, 47, 8905-8908

というような感じです.以下に論文へのリンクも貼ってあります.

まあ,初めて論文を読む場合はAbstractスキームだけ読んでくくらいでも良いでしょう.

June 04(Fri), 2010

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