またたびCINEMA〜みたび〜

大好きな猫や映画の小ネタなんぞをとりとめもなくつづってゆきます

ほんわかした一日〜まず、ドワノー写真展〜

昨日の土曜日は、ふたつの写真展と映画を1本見て、幸せな気分に浸れた一日だった。
かねてより友達と、原節子主演の珍しい映画が写真美術館のホールで上映されるというので、見に行く計画があった。同時に先日生誕100年だったロベール・ドアノーの写真展もやっていたので、いそいそと出かけて行った。
恵比寿にはこの間まで映画館があって、足しげく通った場所だ。
ガーデンプレイスの鉢底のようになっている広場で無声映画を上映したこともあったっけ。小津の『出来心』はここで観た。
この辺りに住んでいる人たちがよく犬や猫を連れて来るので、それを眺めるのが楽しみでもあった。
というわけで、東京写真美術館の生誕100年記念写真展ロベール・ドアノーをまず観た。
ポスターは結婚式の写真。映画の一場面のようだ。

写真美術館の脇の壁にいつもあるドアノーの写真。彼の最も知られている作品だろう。
他にキャパのノルマンディー上陸の「ちょっとピンぼけ」写真と、砂丘シリーズで有名な植田正治の家族写真がある。ナイス・チョイス。

ちなみに、ドアノーは他にも路上キスのカップルの写真を撮っている。
この路チュー写真が実は演出だったという裏話を何かで読んだ憶えがある。
展覧会で、若い女性が彼氏に別々の写真のカップルが同一人物じゃないかと言っていた。おせっかいだとは思ったが、スナップショットではなく演出だと教えた。
彼女は少しショックだったようだ。

犬と子どもの写真が多い。楽しい写真ばかり。

知りあいの有名人の写真も面白かった。これはジャック・タチ。タチも犬と子どもを撮るのが好きだった。

歪んだエッフェル塔。風景写真も笑える。

Robert Doisneau

Robert Doisneau

  • 作者: Jean-Claude Gautrand
  • 出版社/メーカー: Taschen America Llc
  • 発売日: 2003/03/15
  • メディア: ペーパーバック
  • 購入: 5人 クリック: 11回
  • この商品を含むブログを見る

日独合作の奇妙な果実ー『新しき土』

本邦初の国際合作映画として1937年に制作された『新しき土』は、実に奇妙な映画だった。
監督はドイツ映画の巨匠アーノルド・ファンクという人。共同監督として伊丹万作が名を連ねて入るが、実際は補佐的な役割だったらしい。
ファンク監督は山岳映画が有名で、確かに山のシーンは迫力がある。でもストーリーに無理がある。日本は美しいといいたいらしいが、見ているこちらが恥ずかしくなる。リアリティがなく観念的な映画だ。
一番笑ってしまったのは、富士の裾野あたりにある早川雪舟のお屋敷の裏手に広島にあるはずの厳島神社が出現する。原節子演じるお嬢さんがお庭の垣根を超えると海に浮かぶ鳥居が!お嬢様は鹿とたわむれて遊ぶのだ。
16歳の原節子の美しさが見所だが、旧家のお嬢さんを演じている原は、ドイツ留学から帰って来た許嫁が破談を持ちかけると、絶望の余り花嫁衣装を手に富士山を着物と草履姿で登り、火口に身を投げようとする。荒唐無稽な展開だ。
海外版のタイトルは『サムライの娘』だから、見かけはか弱くても心は炎を抱えている女性なのか?
日本のタイトル『新しき土』は満州の新天地を指しているらしい。、ラストで日本の美しさと原節子の一途さに心変わりした主人公が、家族で農地開拓する様子が笑顔で描かれている。ロシアのプロパガンダ映画のようだ。
まあ、ドイツから見た当時の日本はビューティフルでミステリアスだったのがよくわかった。

いつも一緒「みさおとふくまる」

みさおとふくまる

みさおとふくまる

新宿に移動して、コニカミノルタプラザで、猫とおばあさんの写真展に行った。
80を超えたみさおばあちゃんと、オッドアイの白猫ふくまるは、野良で畑仕事するときも、家で昼寝のときも、お風呂の中でも、いつも一心同体だ。
ふたりを見ているこちらまで心がほんわかしてくる。
写真を撮ったのは伊原美代子さん。ブログに写真が載っているのでこちらをクリック。→気ままに ねこまんま ぶろぐ