Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

北野天満宮・金閣寺・仁和寺へ

珍しく娘と家人がお参りに出かける気に。それも京都ですよ。
この寒いのに・・・。でも、TVニュースに触発されたとあっては、
娘のやる気に火をつけたいかーちゃん。
(家人曰く、かーちゃんのこの気持ちが娘を萎縮させてしまうのだとか)
それはともかく、寝坊したと焦って飛び出し、
10時過ぎに京の街へ車で乗り込んだ私達。
どうやら北野天満宮に向かう道は込み込みのよう。
少し手前の京福電鉄の駅近辺の駐車場に止めて、歩いて行きました。


天神様の参道はびっくりするほど屋台が出ていて物凄い熱気。
娘は「あれが美味しそう、あ、あんなのが売っている」と
目移りする品物を実況放送しながら歩く始末。
そう、財布の紐の固い?かーちゃん、屋台でお買い物はね。
お参りが先。私自身、初天神なんですから。
参道の牛をなでなで、大きな鳥居からやっと近くまで来れば、
角のある狛犬が。さーてお習字はどこでするのかな。
いや、まずちゃんとお祈りをしてから。

 
 


沢山お守りを買いました。勧学・技芸・延命長寿・家族の干支。
初めて来たのでどうしても奮発し勝ちです。そのせいでしょうか、
御神籤は大吉。生きている本物の親子の牛もいました。
絵馬も求めて娘に願い事を書かせていくと、まあ、
どこに掛けたらいいのか空いている場所を探すのも大変。
受験合格祈願の多さに、娘は改めて驚いた様子。
親子揃って塾通いの経験も無く、受験に疎いせいか、びっくり。


 
 


さて、お習字の方ですが、勝手知ったる人たちは、
ちゃんと自分のお道具・練習用半紙を持って来ていました。
その辺までちっとも頭の回っていなかった私達は、
記念品と思って筆を1本千円で買い求め、3人で使いました。
半紙は1枚50円。も持ってくれば良かった。
とにかく、悩んでも仕方ないので一人一枚ずつ。
何事も経験です。来年は準備万端整えて、
菅原道真幸に見て頂くに恥じないようにいたしましょう。
展示に出品料を納めれば、有難い鉛筆が粗品です。(笑)

詩人・菅原道真―うつしの美学 (岩波現代文庫)

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ウシの動物学 (アニマルサイエンス)

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さて、昼食は天満宮近くのお豆腐屋さんの経営するお店で。
健康食といえましょう。TOFU CAFEなるお店です。
近所にはお豆腐専門店があり、そこで豆腐の福袋をゲット。
本当は色々買い物してみたかったのだけれど、
余り時間がなかったので、福袋で効率的な詰め合わせを。


家人は修学旅行以来、私は遠足できたことがあったのか無かったのか、
記憶が定かでは無いので初めてかもしれない、金閣寺へ。
三島由紀夫の小説で有名な相国寺派WEBサイトはリニューアルしました。金閣寺こと鹿苑寺(ろくおんじ)へ。
何と言っても世界遺産。外国人観光客も多い。屋台は無く静かな門前。
小雨交じりの天気だが、老いも若きも結構な人出。
この天気、この寒さでさえも、やはり息を呑むほど美しい金閣寺とその庭園。
日本史の教科書以来まじまじと見たような、金閣寺
娘もカメラマンと化して、デジカメを撮りまくる。
いや、もっとじっくり景色を味わって欲しいのだけれど。

 
 


曇天の下でも水面に映える姿美しく、たおやかな姿を際立たせている。
足利義満公の頃のそっくりそのままではないにしても、
日本建築にしては珍しい金綺羅金の姿なのだけれど、
やっぱり綺麗だなあと見とれてしまう金閣寺。実は仏舎利塔なのだそう。
庭園をぐるりを回って、拝観コースの最後にお不動様がある。
売られている蝋燭には既に、家内安全とか無病息災とか書かれている。
私は思わず、ストレス封じを灯してきました。


 
 


さて、体も凍えてきたので自販機でココアをすすり、
本日最後の目的地、仁和寺へ。家人が龍安寺より仁和寺というので、
これも初めて訪問。徒然草に出てくるお寺だなあという程度の知識。
−−仁和(にんわ)寺に、ある法師(ほふし)、年寄るまで、石清水を拝(をが)まざりければ、
  心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただひとり、徒歩(かち)よりまうでけり。
  極楽寺・高良(かうら)などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。
  さて、かたへの人にあひて、「年ごろ思ひつること、果し侍りぬ。
  聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、
  何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意(ほい)なれと思ひて、
  山までは見ず」とぞ言ひける。
  すこしのことにも、先達(せんだち)はあらまほしき事なり。−−


徒然草はともかく、岩清水八幡宮はもっと花の時期に詣でたいものですね。
仁和寺へは立命館大学衣笠キャンパスを通り過ぎ
龍安寺も通り過ぎ、到着。・・・これはかなり広い。
15時ごろに到着すると、駐車場の人に17時までですよと釘を刺された。
東門から入り、仁王門の大きさに驚嘆。そして御殿・庭園拝観。
雪でも降っていればさもと思うほどの美しさ、そして寒さ。
五重塔を背景に庭や渡り廊下、襖絵などの美しさに浸るひと時。


 
 

しもやけになりそうな冷たい廊下を歩きながら、ここで修行する生活を想像。
世界遺産への登録証が飾られている御殿入り口から奥までぐるっと見るだけで、
かなりの時間を要した。別に説明が詳しいわけでも何でもなく、
その廊下廊下から角度を変えて見える景色に見とれてしまうのだ。
観光客も少なく閑散、花も無い景色なれど見飽きることが無い。
その静かな佇まいが何とも心地よい。


 
 


「すわったらあかんえ」京言葉の訳が付いた英語の注意書きが何箇所かに。
正しくは「座ったり もたれたりしないように」というものだ。
思わず腰掛けたくなるような場所だが、確かに体重をかければ危なそう。
やんわりとたしなめるように方言で書かれた注意書きに、なるほど。
「座ってはいけません」と書かれるよりも、納得。


あっという間に日は陰り、傘を差しながら体の芯まで冷え切って、
17時前まで広い境内を見て回った。見応えのある仁和寺だった。
帰りは万博公園近くの「おゆば」によって、暖まって帰宅。
お正月三が日最後の日はこんなふうに過ごした。
家人の実家に帰ることなく家族で過ごすと、このようにゆったり出来るのだなと
ちょっと新鮮な気分に浸ったお正月となった。

金閣寺 (新潮文庫)

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新版 古寺巡礼京都〈22〉仁和寺

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