テレビと比べて

nostalji2009-06-05

録画していた『必殺!』(1984年・松竹/監督:貞永方久)を観る。必殺仕事人の劇場版で、江戸の仕事人を殲滅して裏稼業の独占を計画する組織との戦いを描いたシリーズ第1作です。必殺仕事人のレギュラー(中村主水藤田まこと、秀=三田村邦彦、勇次=中条きよし、おりく=山田五十鈴、西順之助=ひかる一平、加代=鮎川いずみ)に加えて、上方からきた一匹狼の仕事人・朝之助(片岡孝夫)が助っ人として登場します。他にも、赤塚不二夫たこ八郎斎藤清六、朝丘雪路芦屋雁之助研ナオコなどが仕事人として賑々しく出演していますよ。
画像は、片岡孝夫。上方の浄瑠璃人形つかいで、無数の紙蝶々を扇子でとばして目をくらまし、扇子に仕込んだ針で刺す殺し技を持っています。テレビシリーズに使われなかったのが惜しいですね。ちなみに、芦屋雁之助研ナオコの仕事人夫婦の必殺技“瓦投げ”は、『必殺橋掛人』で、萬田久子斎藤清六の仕事人夫婦の殺し技として踏襲されています。
でもって内容ですが、やたら賑々しいだけでドラマとしての面白味はありません。仕事人は庶民の怨みをはらさないとね。仕事人対仕事人の戦いなら、山田風太郎の“忍法帖”や横山光輝の“伊賀の影丸”のような、必殺技対必殺技の戦いにすればいいものを、敵方は数にまかせただけの攻撃で芸がありません。少人数で戦うために、芝居小屋という狭い場所に誘いこむ工夫はしていましたけど、結局、顔見せだけの映画で〜す。