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2014年03月31日

Windows Server 2012 R2 のネットワークの注意事項 - SMB Multichannel (1)

f:id:ogawad:20121001003258p:image:right


前回 の最後にも少し触れたとおり、今回は「SMB マルチチャネル」について。

SMB Multichannel は Windows Server 2012 からの新機能で、 SMB トラフィックのロードバランスや帯域増強、パス障害に対応するマルチパス技術です。“NIC チーミングの SMB/CIFS プロトコル限定版”と言えばイメージしやすいかもしれません。

デフォルト設定は On。つまり、デフォルトでは通信相手に対して SMB の通信パスが複数ある場合、そのすべてのパスが自動的に使われます。


Multichannel の特徴

Multichannel は SMB/CIFS プロトコルに限定で、しかもマルチホーム。
更にパス障害時の切り離しが遅い。。。

良いところが無いように思えますが、Multichannel の特徴は次の2つ。


  • Ethernet フレームを持たない InfiniBand の IPoIB や RDMA でも利用できる
  • 単一セッションのスループットが向上する可能性がある

前者については 前回 の記事のとおり。

今回取り上げたいのは後者です。NIC Team では 1Gbps のパスをリンクアグリゲーションでいくら束ねても、セッションあたりのスループットは 1Gbps から増えません。これに対し、Multichannel は単一セッションでもスループットが倍増します。


@IT Windows Insider:
Column「チーミングを行っても単一スループットは倍増しない?」
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1402/06/news129_2.html



単一セッションなのにスループットが倍増する理由

では、どうして Multichannel だとスループットが倍増するのでしょう?


f:id:ogawad:20140330164828p:image


これを理解するには、NIC Team と Multichannel がそれぞれどのレイヤーでコントロールしているか考えてみると早いです。

前回も解説したとおり、NIC Team は Ethernet (L2) ヘッダーの情報で送信パスを決定しますが*1、Multichannel は L7 ベースでコントロールするため、この時点では送信元や宛先に関するヘッダー情報は持っていません。このため、宛先などは一切考えず、到達できるすべてのパスを用いてラウンドロビン的に送ろうとします。


言葉では伝えにくいため図にしてみました。

まず、送信ファイルは、SMB プロトコルのブロックサイズ(ウィンドウサイズ)である 64 〜 1,024 KB に分割されます。

f:id:ogawad:20140330145344p:image


そして、分割されたファイルを転送する*2 のですが、、、


NIC Team の場合: 1 つのパスしか利用されません。

f:id:ogawad:20140331232848p:image


Multichannel の場合: 到達できるすべてのパスを利用します。

f:id:ogawad:20140330164826p:image


これが、NIC Team では不可能な "ワイヤースピード超え" を Multichannel であれば実現できる理由です。

では、SMB 限定用途の場合、NIC Team より Multichannel にすべきでしょうか?
このあたりについて 次回 触れたいと思います。

*1:場合によっては L3 ヘッダーも使います

*2:実際は Ethernet MTU で更に分割しますが、ややこしくなるため省略します

2014年02月28日

Windows Server 2012 R2 のネットワークの注意事項 - InfiniBand

f:id:ogawad:20121001003258p:image:right


ここ半年くらい、いくつかのメディアや書籍で Windows Server 2012 R2 や Hyper-V の記事を書かせていただきました。

その中でも、Windows や Hyper-V 環境での「ネットワーク」の記事が特に好評いただいているようです。ありがとうございます。



"教科書どおり" の内容なら TechNet などの公式ドキュメントを読めば良いわけで、むしろ教科書にない情報を記事にすることが重要と思っているのですが*1
あまり深く書きすぎると万人ウケしづらいため技術レベルを抑えているのも事実。

メディアで書く際は色々と気遣いが必要ですが、この Blog は個人的なものですので万人ウケとか全く気にせずフォローアップしていきます。



InfiniBand は NIC Teaming や VLAN などに非対応

まずは、次世代の高速インターフェイスとして、HPC 分野だけでなく一部では "Ethernet の置き換え" としても期待されている InfiniBand

ソフトウェアで実装できる部分が大きいため Microsoft も力を入れており、スルーはできません。例えば、次の記事では InfiniBand 上で汎用的な TCP/IP 通信を実現する IPoIB (IP over InfiniBand) について紹介しました。


@IT - Windows Server 2012 R2 時代の Hyper-V サーバ設計術
第4回 クラスタリングとライセンス・コストを考慮した全体設計http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1312/05/news102.html

f:id:ogawad:20140301223147g:image


IPoIB の汎用性に期待している方も多かったのか、
この記事の次のポイントについて何人かの方に質問いただきました。

このように、InfiniBandは従来のイーサネットと大きく違う部分が大きく、これまで培ったイーサネットのスキルを生かしづらい。構築はもちろん、トラブルシューティングといった運用を考えると、かなりの部分を一から学び直すことになるだろう。
また、イーサネットと比べると運用管理周りの技術やノウハウがまだ成熟していない。

http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1312/05/news102.html

成熟していない理由は納得いただけると思います。
InfiniBand は NIC Team や VLAN などに対応していないのです。


理由は単純。IPoIB は L3(IP層)以上をエミュレーションするもので、L1/L2 はエミュレーションしていません。VLAN はイーサネットフレーム(L2)ですし、Windows LBFO も L1/L2 コントロールですので利用することはできません*2

同様に、L1/L2 で処理されるほかのイーサネットテクノロジーも原則 NG です。


※ LBFO で管理できるネットワークデバイスは「有線イーサネットのみ」

Any Ethernet NIC that has passed the Windows Hardware Qualification and Logo test (WHQL tests) may be used in a Windows Server 2012 R2 team.
NICs representing technologies other than Ethernet are not supported in teams (e.g., WWAN, WLAN/WiFi, Bluetooth, Infiniband including IPoIB NICs).

http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=40319


ネットを検索してみたところ、
ちょうど NEC さんの InfiniBand HCA のマニュアルに明確に書かれていました。

Windows Server 2012におけるチーミング機能(LBFO)において、IPoverIBモードのInfiniBand接続ボードは選択不可です(選択リストに表示されません)。

IPoverIBでは、VLANをサポートしていません。IPoverIBインターフェイス (Hyper-V仮想スイッチマネージャやVM上のネットワークアダプター等) に対して、VLAN設定を行った場合、ユーザーインターフェイス上は、VLAN設定が可能ですが、実際には、IPoverIB経由のVLANでの通信は不可です。

IPoverIBでは、チーミング機能、および、VLANをサポートしていません。また製品特性上、必ずしも単純にイーサネットのIPネットワークに置き換え可能とは限りません。

http://support.express.nec.co.jp/teci/tecbook-pdf/tb131025/option/InfiniBand.pdf


Hyper-V サーバーを InfiniBand で実装することは可能ですが、タグ VLAN が使えないため、結構な数のアダプタが必要になります。コストメリットは失われることを加味したうえで検討しましょう。


InfiniBand は低コストで圧倒的に高速です。今年は 100Gbps 規格が出るとも言われていますが、サーバー間のインタコネクト通信向けの技術。

HPC や Oracle コヒーレンスなどには最適ですが
「世界の限られたインタコネクトネットワークとパブリックネットワークは違う」ことは理解して進めたいところです。


なお、Linux であれば ib-bonding でチーミングの方は可能です。

Windows についても「SMB マルチチャネル」で代用できそうに思いがちですが、名前のとおり CIFS に限定されるほか、Multichannel はまた色々と課題があります...
このあたりはまた 次回 。

*1:といっても、自分の検証結果だけだと不安なのでエビデンスは必ず取るようにしています

*2:たまにこれを RDMA を理由にしている資料がありますが、RDMA は直接関係ありません

2014年01月29日

あまり知られていない HP iLO リモートコンソールの 5 つの Tips

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あまり本業のことは書きたくないのですが、
ネタに困っているため MicroServer Gen8 や ML110 G7 などを自宅で利用されている方でも使える小ネタを書いてみます。


HP ProLiant サーバーの現行モデルは、MicroServer を含めて原則全機種に iLO (Integrated Light-Out) と呼ばれる管理チップが搭載されています。

最新は iLO4 です。色々な呼び方をされていますが “アイロ”と呼ぶ人が一番多いかもしれません。ちなみに LO100 は IPMI レベルなので iLO とは全くの別物です。


f:id:ogawad:20140128235731j:image:rightiLO は専用の物理 LAN ポートを持ち*1、独自の IP アドレスを割り振ります。ここにブラウザからアクセスすると、電源操作や、LED 点灯、サーバーの各種情報・ヘルス監視、イベント通報が無償で行えます。

最新の iLO4 だとフライトレコーダー機能など、まだまだ 色々 ありますが、、、本旨とずれるので割愛。


今回の Tips は最も有名な「リモートコンソール」「仮想メディア」について。

リモートコンソールは POST や BIOS 画面など、OS が上がってこない状態でもリモートデスクトップを可能にするもので、モニタやキーボードが不要になります。
最近の iLO は昔懐かし Matrox G200 が組み込まれ、更に Java フリーで爆速です。

仮想メディアは接続元の CD ドライブや ISO メディアをリモートマウントさせる機能で、光学ドライブが不要になります。



Tips 1: HP iLO Standalone Remote Console

広く利用されている iLO リモートコンソールですが、
以下のようにブラウザを起点に ActiveX 経由で接続していないでしょうか?


f:id:ogawad:20140128223325p:image
※クリックしたら拡大します。


これは正直面倒です。接続までに時間が掛かります。
あまり知られていませんが「Standalone Remote Console」という無償ツール。


HP Lights-Out Standalone Remote Console for Windows
http://h20566.www2.hp.com/portal/site/hpsc/template.PAGE/public/psi/...


これは、iLO3/iLO4 のリモートコンソールアプリをローカルインストールするもので、ブラウザを介さずに簡単便利に接続できるようになります。


f:id:ogawad:20140128234325p:image

                ↓

f:id:ogawad:20140128234323p:image


また、コマンドライン起動もできますので、バッチファイルやショートカットを用意することでサーバーを大量に所持していてもワンクリックで接続できます。

> hplocons.exe -addr address[:port] -name loginname -password password


Tips 2: 解像度の自動調整

ウィンドウサイズを変えた場合など、画面が横や縦に伸びて解像度がおかしくなってしまった場合、左下の解像度の文字列をクリックしてみてください。
即座に正しい解像度に戻してくれます。

f:id:ogawad:20140128231056p:image



Tips 3: 任意のフォルダをリモートマウント

仮想メディアは色々機能があり、ISO イメージファイルはもちろんのこと、
接続元の適当なフォルダーを USB ストレージのように見せることも可能です。
セットアップ中、デバイスドライバをロードする際などに重宝します。

f:id:ogawad:20140128231700p:image



Tips 4: HP iLO Mobile App

f:id:ogawad:20140128234910p:image:right:w80iLO リモートコントロールには iOS や Android からも利用できる無償アプリが公開されています。リビングやベッドの上からサーバーを操作できるので、Wi-Fi 経由で繋がる自宅環境に最適。

HP iLO Mobile for iOS
https://itunes.apple.com/jp/app/hp-ilo-mobile-toolbox/id497560256?mt=8

HP iLO Mobile for Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.hp.essn.iss.ilo.iec.spa


D



Tips 5: HP iLO Essentilals

「iLO って速くて多機能なのは知ってますが、ブレード以外は 5 万円しますよね」

MSC などの展示会などで良く言われますが、MicroServer などのエントリータワー用に iLO Essentialsという、安価な特別ライセンスが用意されています。
60 日間評価版もあるので買う前に試してみるも 1 つです。

エントリータワー専用 HP iLO Essentials
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/essentials/ilo4/mo.html

Insight Management Evaluation License Program
http://www.hp.com/go/tryessentials


ご自宅で ProLiant をお使いの皆さん、ご存じでしたでしょうか!?
まだまだ小ネタはあるのですが、長くなったのでまたいつか。。。

*1:通常の LAN ポートを共有利用することも可能で、iLO3 の一部機種は共有ポートのみです

2013年12月19日

WANem で Software-Defined なネットワーク帯域制御装置を作る (3)

f:id:ogawad:20100721215621g:image:right

(1) (2) (3)

前回 の続きです。
Linux 周りをカスタマイズしていきましょう。


CLI / GUI どちらのターミナルも、起動時は WANem シェルが動いています。exit2shell と叩くと通常の bash シェルに抜けることが可能です。WANem シェルに戻りたいときは wanem と叩いてください。

f:id:ogawad:20131216083623p:image



3. VMware Tools をインストールする

VMware 仮想マシン上に WANem を立てた場合、
まずは vmware-tools をインストールします。

VMware Tools メディアは /mount/sr0 にマウントされますので解凍して、、、

root@WANem_3-0:/# cd /media/sr0
root@WANem_3-0:/media/sr0# 
root@WANem_3-0:/media/sr0# ll
total 60582
-r--r--r-- 1 root root 60638465 Oct 18 01:26 VMwareTools-9.6.1-1378637.tar.gz
-r-xr-xr-x 1 root root     1961 Oct 18 01:26 manifest.txt
-r--r--r-- 1 root root     1847 Oct 18 01:25 run_upgrader.sh
-r-xr-xr-x 1 root root   689456 Oct 18 01:25 vmware-tools-upgrader-32
-r-xr-xr-x 1 root root   702472 Oct 18 01:25 vmware-tools-upgrader-64
root@WANem_3-0:/media/sr0# 
root@WANem_3-0:/media/sr0# tar -C /tmp -xvzf VMwareTools-9.6.1-1378637.tar.gz

vmware-install.pl を実行します。

root@WANem_3-0:/media/sr0# cd /tmp/vmware-tools-distrib/
root@WANem_3-0:/tmp/vmware-tools-distrib# 
root@WANem_3-0:/tmp/vmware-tools-distrib# 
root@WANem_3-0:/tmp/vmware-tools-distrib# ll
total 468
-rw-r--r--  1 root root 258515 Oct 18 01:26 FILES
-rw-r--r--  1 root root   2538 Oct 18 01:26 INSTALL
drwxr-xr-x  2 root root    100 Oct 18 01:26 bin
drwxr-xr-x  2 root root    100 Oct 18 01:26 doc
drwxr-xr-x  5 root root    420 Oct 18 01:26 etc
drwxr-xr-x  2 root root    120 Oct 18 01:26 installer
drwxr-xr-x 15 root root    300 Oct 18 01:26 lib
-rwxr-xr-x  1 root root 192871 Oct 18 01:26 vmware-install.pl
root@WANem_3-0:/tmp/vmware-tools-distrib# 
root@WANem_3-0:/tmp/vmware-tools-distrib# ./vmware-install.pl 
Creating a new VMware Tools installer database using the tar4 format.

Installing VMware Tools.

In which directory do you want to install the binary files? 
[/usr/bin] 

ウィザード内で聞かれる内容は、下記を除いて基本的にそのまま Enter キーで OK。

Searching for a valid kernel header path...
The path "" is not a valid path to the 3.0.4 kernel headers.
Would you like to change it? [yes] no

次のメッセージで終われば正常終了です。

To enable advanced X features (e.g., guest resolution fit, drag and drop, and 
file and text copy/paste), you will need to do one (or more) of the following:
1. Manually start /usr/bin/vmware-user
2. Log out and log back into your desktop session; and,
3. Restart your X session.

Enjoy,

--the VMware team

Found VMware Tools CDROM mounted at /media/sr0. Ejecting device /dev/sr0 ...
root@WANem_3-0:/tmp/vmware-tools-distrib# 
root@WANem_3-0:/tmp/vmware-tools-distrib# 



4. ホスト名の設定

WANem OS のホスト名は既定で「WANem_3-0」です。
もし、変更したいようであれば /etc/hostname を修正します。

root@WANem_3-0:/# 
root@WANem_3-0:/# cat /etc/hostname
WANem_3-0
root@WANem_3-0:/# 
root@WANem_3-0:/# echo "wanem.xxxxxx.com" >/etc/hostname
root@WANem_3-0:/# 
root@WANem_3-0:/# cat /etc/hostname
wanem.xxxxxx.com
root@WANem_3-0:/# 

完了したら再起動せずに次に進んでください。



5. ブリッジによるネットワーク設定

ホスト名に続けて IP アドレスなどを付与していくのですが、WANem のマニュアル では WANem を NAT や L3 のように設定するよう記載されています。
 

f:id:ogawad:20131216103048p:image
 


しかし、これでは既存の各マシンや L3 スイッチについて、デフォルトゲートウェイやルーティング情報を変更しなければならず、運用の視点からすると好ましくありません。検証期間中だけさっと設置し、終わったらさっと撤収するためにも、既存のネットワークに影響しない ブリッジ構成 を取りましょう。
 

f:id:ogawad:20131216230911p:image



Network Manager を無効化する

最近の Linux は、ネットワーク管理サービスとして昔ながらの network ではなく、「Network Manager」(NM) という、メディア自動検出・動的切替サービスが採用されているケースがあります。

WANem v3.0 のベースである Debian 6 も NM が採用されているのですが、
NM はブリッジをサポートしていませんので、まずは NM 管理を無効にし、旧来の network サービス管理に戻す必要があります。


通常、NM を無効化するには chkconfig や insserv コマンドで /etc/rc*.d から外しますが、KNOPPIX はそもそも rc*.d を利用していません。knoppix-autoconfig というスクリプトがサービス起動を担っているため、このファイルを編集します*1

※ このファイルはとても重要なため、編集前にコピーを取っておいてください。

311  if ! checkbootparam "nonetworkmanager" && [ -x "/etc/init.d/network-manager" ]; then
312   ( /etc/init.d/network-manager start & ) >/dev/null 2>&1
313  else
314   ( ifup -a & ) >/dev/null 2>&1
315  fi

(311 〜 315 行目の if 文を以下のように修正)

311  # if ! checkbootparam "nonetworkmanager" && [ -x "/etc/init.d/network-manager" ]; then
312  #  ( /etc/init.d/network-manager start & ) >/dev/null 2>&1
313  # else
314   ( /etc/init.d/networking start ) >/dev/null 2>&1
315  # fi


ブリッジネットワークを定義する

旧来の network サービスで管理できるようになりましたら、/etc/network/interfaces ファイルでブリッジネットワークとその IP アドレスを定義します*2

# /etc/network/interfaces -- configuration file for ifup(8), ifdown(8)

# The loopback interface
# automatically added when upgrading
auto lo
iface lo inet loopback

auto  br0
iface br0 inet static
  address 10.1.0.253
  netmask 255.255.255.0
  gateway 10.1.0.254
  bridge_ports all
  bridge_fd    0
  bridge_stp   off

ここで設定する IP アドレスは、WANem の管理 Web にアクセスするためのものです。DHCP にしたい場合は br0 のセクションを次のように設定してください。

auto  br0
iface br0 inet dhcp
  bridge_ports all
  bridge_fd    0
  bridge_stp   off


DNS 周りを設定する

/etc/hosts を設定します。

127.0.0.1	localhost.localdomain	localhost
10.1.0.253	wanem.xxxxxx.com	wanem

::1     localhost ip6-localhost ip6-loopback
fe00::0 ip6-localnet
ff00::0 ip6-mcastprefix
ff02::1 ip6-allnodes
ff02::2 ip6-allrouters
ff02::3 ip6-allhosts

/etc/resolv.conf を設定します。

search     xxxxxx.com
nameserver 10.1.0.1


これですべてのカスタマイズは終了です。

一度 OS をリブートしてください。その後、リモート端末からブラウザで http://10.1.0.253/WANem とアクセスし、GUI で帯域制御を実施します*3

startx を実行し、ローカルのウィンドウマネージャーのブラウザでも構いません。

f:id:ogawad:20131211010448p:image



VMware ESXi 仮想マシンの場合の注意点

最後に、私自身の経験から、
VMware ESXi 仮想マシンにインストールした場合の注意点を2つ挙げておきます。


「無差別モード」を許可する

ブリッジを構成した場合、WANem 仮想マシンに接続する仮想スイッチ(またはポートグループ)は双方とも「無差別モード」を許可する必要があります。
※ 当たり前と言えばそれまでなのですが、私は2年前これに気づくのに徹夜しました...

f:id:ogawad:20131218220645p:image



VMware Tools サービスが「実行していません」になる場合

VMware Tools サービスが「実行していません」となってしまうことがあります。

f:id:ogawad:20131218222412p:image


中途半端にスタートアップしているように見えたので、私は /etc/rc.local でサービスを立ち上げ直す一文を加えています。より良い方法があったら教えてください。

#!/bin/bash
#
# rc.local
#
# Start local services after hardware detection

SERVICES="apache2 ajaxterm"

for i in $SERVICES; do
 [ -x /etc/init.d/"$i" ] && /etc/init.d/"$i" start >/dev/null 2>&1
done

/etc/init.d/vmware-tools restart

exit 0

f:id:ogawad:20131218223014p:image

*1:カーネルパラメータに nonetworkmanager を渡した場合も、ifup -a がうまく作用しないため結局ファイル編集が必要です

*2:WANem シェルにも bridge コマンドが用意されていますが、設定が non-persistent のため再起動すると設定が消えてしまいますので interfaces ファイルへの記入が必要です

*3:URL の WANem 部分は大文字・小文字を区別することに注意

2013年12月13日

WANem で Software-Defined なネットワーク帯域制御装置を作る (2)

f:id:ogawad:20100721215621g:image:right

(1) (2) (3)

前回 のとおり、tc qdisc + WANem フロントエンドは高機能、
かつ精度の高い帯域制御を実現できます。

しかし、これを帯域制御「装置」として活用する場合は、使いづらい点がいくつかありますので、カスタマイズを加えていきたいと思います。内容的には完全に Linux ノウハウです。



1. 環境の確認

下図のように、既存のネットワーク上に設置するシナリオを前提にします。

f:id:ogawad:20131214101352p:image



WANem を動作させるマシン

WANem OS の要求スペックは非常に低い。

CPU1 core 以上(できれば 2 core)
RAM512 MB 以上
HDD4 GB 以上(= RAM×2 + 3GB) ※ SD や USB メモリでも可
NIC2 ポート
その他CD-ROM ドライブ

もちろん、仮想マシンでも構いません。
VMware ESXi の場合は次のように設定すると良いと思います。

構成カスタム
仮想マシンバージョン(任意:v8 など)
ゲスト OS モードDebian GNU/Linux 6 (32ビット)
仮想ソケット / コア1 ソケット / 2 コア
メモリサイズ512 MB
ネットワークVMXNET3 モードを 2 個
SCSI コントローラー(任意:使いません)
ディスク4 GB / シンプロビジョニング
仮想デバイスノードIDE (0:0)
フロッピードライブ(削除)


WANem のバージョン

stable バージョンは v2.3 ですが、ベース部分の Linux や tc (iproute) パッケージがあまりに古いため、今回は最新ビルドの v3.0 Beta を利用していきます。

v2.3 を利用する場合は以降の手順が大きく異なるほか、セキュリティへの懸念や、ドライバセットが古いために最近マシンでは動作しないかもしれません。


WANem v3.0 BetaWANem v2.3

Knoppix 6.7.1 (2011.09.21)

Debian 6 (squeeze)

Linux kernel 3.0.4

iproute 20100519-3

Knoppix 5.3.1 (2008.03.26)

Debian 5 (lenny)

Linux kernel 2.6.24.4

iproute 20080108-1



2. WANem を HDD にインストールする

WANem は Knoppix ベースの Live CD です。

Live CD はレスキュー CD としては便利ですが、vmware-tools といった追加パッケージをインストールできないほか、設定やカスタマイズ内容を保存できません。電源を落とすたびに設定やカスタマイズ内容が初期化されてしまうのは「装置」として運用的に厳しいため、HDD にインストールします。

※ WANem のサイトに Virtual Appliance 版が用意されていますが、こちらも中身は単なる CD ブートです。


では、HDD インストール作業に入りましょう!


まずは通常どおり Live CD で CD ブートします。

左下のスタートメニューから [Preferences] - [WANem HD Install] を実行します。
※ SD カードや USB メモリの場合は [Install WANem to flash disk] を実行してください

f:id:ogawad:20131214112050p:image

「0wn - WANem Installer」という GUI ウィザードを進めていきます。

f:id:ogawad:20131214112049p:image


インストール先ディスクを指定する下記画面では、最初に disk を選択します。

f:id:ogawad:20131214114421p:image


パーティションが作成されますので /dev/sd(a)2 を指定してください。

f:id:ogawad:20131214114420p:image


※ 作業中、下記プロンプトがポップアップされたら Cancel してください。

f:id:ogawad:20131214115043p:image:w288


選択したパーティションに OS イメージがコピーされると、
ブートローダーのインストール先を問われますので mbr を選択します。

f:id:ogawad:20131214115645p:image



これで HDD へのインストールは完了です。

ウィザードにしたがって再起動し、CD をイジェクトしてください。
HDD からブートし、runlevel 3 で起動。自動ログインが行われます。

f:id:ogawad:20131214120335p:image


startx を実行すると GUI インターフェースが起動できるようになっています。

f:id:ogawad:20131214120333p:image



HDD からブートできるようになりましたら、
あとはネットワーク周りをカスタマイズして完了です。つづきは 次回



※ 2013.12.15 追記

HDD からのブート時に「Booting the kernel.」で止まってしまった方、冒頭のとおり ESXi 仮想マシンでは IDE シミュレーションである必要がありますので確認を。

f:id:ogawad:20131215094621p:image




本ブログは vExperts Blog Advent Calendar 2013 に参加しています。

明日 12/14 は @yueisu913 さんの「Horizon ViewでWindows Serverを仮想デスクトップとして使おう」です。