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仮想化でプリセールスしてるSEの一日 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2014年11月25日

すべてわかる仮想化大全2015 と VMware Horizon 導入実践ガイド

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最近は連載記事や単著といった大物の執筆依頼はごめんなさいをしたり、代わりに優秀な方をご紹介させていただいております。

軽めなご依頼についてはできるだけ頑張りたく、
最近では、先日ご紹介させていただいた Mastering vSphere 5.5 の監修や、ここ7年くらい担当させていただいている「すべてわかる仮想化大全」などです。


すべてわかる仮想化大全 2015

編集の方より、仮想化大全は今年で9年目になると聞きました。
私は 2008 年から「VMware によるサーバー仮想化」のセクションを担当させていただいています。

今年は新バージョンがリリースされないため、昨年の記事をそのまま流用するという話もありましたが「それはさすがにどうだろう」ということで、いくつか書き下ろさせていただきました。


  • 次期 vSphere 6.0 の概要
  • VMware VSAN (Virtual SAN) のアーキテクチャ
  • VMware VVOL (Virtual Volumes) のアーキテクチャ

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その中でも、次期 vSphere 6.0 のタイミングで正式リリースされるらしい VVOL については、ストレージ情報の見える化やアレイベース QoS が着目されていますが、私は バックアップが容易になること が一番のメリットに感じています。

皆さんは VVOL のどこに期待されますでしょうか??



仮想化大全は例年、巻末に著者一覧があります。

これまでの執筆者は会社を移られてしまった方も多いのですが、皆さん新天地で更に飛躍しています。現役の優秀な執筆陣で共著できることを思うと「良い文章を書かないと」と身が引き締まるところです。



VMware Horizon 導入実践ガイド

自分の著書ではありませんが、最近入手した VMware 系の書籍について。

VMware View 関連の和書はバージョン 5.x のものしかありませんでしたが、
11月に刊行されたこちらの本は最新バージョンの 6.0 がベースとなっています。

タイトルから分かるとおり「VMware Horizon」の書籍であるため、Horizon View 以外のコンポーネントについても触れられているところが特徴的です。*1

  • ThinApp
  • RDS Hosted Desktop & Apps
  • Workspace Portal
  • NVIDIA vGPU, App Volumes, Mirage, vRealize, ...

下記は View のセクションからの抜粋です。
表やスクリーンショットを多く使われていて読み易いと思いました。

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機能概要が中心であるため、運用フェーズというよりは PoC や製品検討・エディションの選択など、検討や導入フェーズで役立つと思います。

タイトルに「View」の文字が無いので見落としがちですが、
6.0 の新機能はもちろん、View 以外のバンドルコンポーネントはどのようなものか、どのエディションが自社に最適か、などを判断するのにとてもお勧めです。


*1:これらの Horizon ファミリーについて触れた和書はこれまで無かったかと。。

2014年10月31日

シンクライアントのネットワーク帯域について考えてみる

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以前の記事「帯域遅延装置を簡単に作る」のとおり、
VDI といったシンクライアントソリューションはネットワークの回線帯域・品質について左右されるソリューション。

サーバーの設置場所としてデータセンターを借りている場合には回線の契約グレードが気になりますし、拠点オフィスの場合は専用線にした方が良いか悩ましいところです。モバイル用途では、昨今流行の "データ通信専用の格安SIM" の帯域・遅延で大丈夫かどうか気になるでしょう。

この疑問はオンプレミスだけではなく、
Amazon WorkSpaces といった DaaS サービスを検討する場合も変わりません。

有名な指標 "ストレージは 20 IOPS" と同様に、
ネットワーク要件として 1ユーザー 150 Kbps という指標がありますが、
2015 年を迎える今日となっては後者は少し古いかもしれません。


動画再生やリダイレクション

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150Kbps という値は基本的に画面描画のみ。
しかし、流れるデータはこれだけではありません。

一番分かり易いのは音声。動画はもちろん、Windows のちょっとした効果音でもネットワークを通じて音声データが送られてきます。例えば 64Kbps の音声品質だった場合、ほぼ同じ帯域量にオーバーヘッドが上乗せされてネットワークを流れます。


なお、ここで注意したいのは、多くのプロトコルで アクセス端末のボリュームをミュートにしても音声データはネットワークを流れている ことです。

音声データをネットワークに流したくない場合は、リモート側をミュートにしましょう。可能なら「Windows Audio」サービスも止めておきたいところ。*1

同様に、下記のリダイレクションも帯域圧迫を招きます。

  • クリップボード
  • USB デバイス
  • ドライブマップ / プリンタ / スマートカード(要求時のみ)

モニタサイズ

意外と盲点なのはモニタサイズ。

昨今ではフルHDのモニタが1万円を切る形で販売されていますし、むしろ20インチ未満の新品モニタを探す方が大変になってきました。モバイルに至っては、iPad Retina(2048×1536)や MacBook Pro(2880×1800)など、フルHDすら超えるものが普及しています。

モニタサイズと連動して解像度も増えるわけですが、画面の広さ、
つまり「画素数」はどのくらい増えるか考えたことはありますでしょうか?

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画像引用元: http://www.elsa-jp.co.jp/products/graphicsboard/quadro_k6000/index.html

 

呼称解像度画素数XGA との比率
VGA640×480307,20039 %
SVGA800×600480,00061 %
XGA1024×768786,432100 %
FWXGA1366×7681,049,088133 %
SXGA1280×10241,310,720167 %
WXGA++1600×9001,440,000183 %
UXGA1600×12001,920,000244 %
Full-HD1920×10802,073,600264 %
WUXGA1920×12002,304,000293 %
WQHD2560×14403,686,400469 %
WQXGA2560×16004,096,000521 %
iPhone51136×640727,04092 %
iPhone61334×7501,000,500127 %
iPad3 (Retina)2048×15363,145,728400 %
MacBook Pro (Retina)2880×18005,184,000659 %
iMac (Retina 5K)5120×288014,745,6001,875 %


つまり、OS やアプリといった PC 環境を一切変えなくても、シンクライアントの場合は モニタを新調するだけでネットワーク消費量が増える のです。

考えてみれば当たり前のことですが、多くのお客様がこのことを忘れており、トラブルを招いています。


差分転送だから解像度は関係ないのでは?

Citrix ICA や PCoIP、最近の RDP といったモダンな画面転送プロトコルは、画面全体の転送するわけではありません。変更の入った差分領域だけを送ることで、転送量を抑えるインテリジェントな技術が備わっています。

「差分領域だけなのであれば、さっきの解像度(画素数)は関係ないのでは?」と思ったかもしれません。

ただ、考えてみてください。
いま開いているこのブラウザはウィンドウを最大化してないでしょうか...?


そうなんです。

下の広告写真のように、アプリウィンドウを複数並べて作業している、という方はほとんどいないんです。Windows ユーザーはモニタが大きくなっても最大化して、全画面スクロールをしてしまうものなのです。。。*2


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*1:プロトコルレベルで音声転送をオフにできるのであれば、設定することをお勧めします。

*2:小さなウィンドウは putty のようなターミナルソフトや Visuial Studio のような MDI くらい?

2014年09月24日

VMware vExpert 再受賞と、部署に一冊は欲しい技術書の監修

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少し前の出来事ですが、今年も
VMware vExpert 2014 を受賞させていただきました。

ありがとうございます!!


VMware - vExpert 2014 Announcement
http://blogs.vmware.com/vmtn/2014/04/vexpert-2014-announcement.html


昨年、受賞の報告をさせていただいた際に、VMware 有識者の中で "上級者向け" として知られている Duncan Epping の Clustering Deepdive を翻訳させていただいたことを お伝えしました

今年は 技術レベルを落としてでも vSphere に触れる幅広いエンジニアに読まれるべき技術書を。 ということで、より有名な Mastering VMware vSphere の最新刊の監修に携わりました。


Mastering VMware vSphere 5.5(今回監修した原本)

Author: Scott Lowe, Nick Marshall ASIN: 1118661141


今回監修したのは全員メーカーに在籍する vExpert 受賞エンジニアですが、
この本の価値はそこではなく「VMware 社の人間が書いた本」であることです。

私の個人的な意見ですが、辞書のように分厚い “機能解説本” については、そのメーカーの人間が書いたものを選ぶべきと思っています。


  • なぜこんな実装をしているのか?
  • その裏には何があるのか?
  • この機能を将来どう繋げていこうと考えているか?

こういった部分は、そのメーカーの人間でないと真実を知り得ないためです。
一般開示できるできないはあれど、メーカーに在籍しているとそう感じることが多々あります。


逆に、機能解説ではなく、設計指南書(どう使うか、どのように実装していくか)については、ニュートラルな第三者が書いたものの方が、理想に偏りすぎず、現実を見ていて良いと思います。


ということで、次のような方に特にお勧めの一冊です。

  • VCP は既に持っていて、VCAP に挑戦しようと思っている方
  • VMware徹底入門(VMware KK 著)から次のステップに進みたいという方
  • Clustering Deepdive を立ち読みして挫折した方

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ただ、この本 "辞書" と揶揄するだけあって分量が半端ではありません。
全部で 896 ページ です。個人で買うには苦しいですし、重い。。。

研究室の本のように、部署で一冊常備するのがちょうど良いかと思います。


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2014年08月18日

ガートナー社による仮想化製品の格付け 「Magic Quadrant」 2014年版

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毎年恒例の「Gartner Magic Quadrant」

例年通り、今年も夏の初めに
x86 仮想化製品の 2014 年版が公開されました。


2011 年版の記事は こちら
2012 年版の記事は こちら
2013 年版の記事は こちら


2014 年の格付け結果は...

Gartner Magic Quadrant for x86 Server Virtualization Infrastructure (July 2014)
http://www.gartner.com/technology/reprints.do?id=1-1WR7CAC&ct=140703


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Source: Gartner (July 2014), Magic Quadrant for x86 Server Virtualization Infrastructure



過去 5 年間の遷移を見てみましょう。

「Microsoft MVP」「Citrix CTP」「VMware vExpert」三冠でおなじみ、PQR の Ruben Spruijt 氏が 用意 してくれています。


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Microsoft (Hyper-V) が良い調子ですね。

Oracle と Citrix が評価を下げていますが、これは会社の評価ではなく "Server Virtualization Infrastructure" 、つまり「Oracle VM」「XenServer」を指しているものと思います。




データセンター製品の格付け

今年も仮想化に欠かせないデータセンター製品 (Server, Storage, Network) についても載せておきます。



Server

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Source: Gartner (April 2013), Magic Quadrant for Blade Servers
(こちらは 2013 年のものです。今年は Q3 に更新するようなので リリースされたら差し替えます)


データセンターで仮想化と言えば ブレードサーバー
実際、ガートナー社は x86 サーバーでブレードサーバーしか調査していません。



Storage

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Source: Gartner (March 2014), Critical Capabilities for General-Purpose, Midrange Storage Arrays


ストレージは今回より MQ ではなく「Critical Capabilities」というレイティングに変わりました*1。Midrange Storage Arrays と High-End Storage Arrays がありますが、上記は「Server Virtualization and VDI」カテゴリのある前者のものです。

色々詳しく分析されていますが、仮想化, OLTP, Analytics なら HP 3PAR
ストレージ統合やクラウドは NetApp FAS がベストな選択とのこと。



Network

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Source: Gartner (April 2014), Magic Quadrant for Data Center Networking


こちらはネットワークの中でも、データセンター向けのネットワーク機器です。
ダウンリンクポートが 10Gbps なスイッチが中心ですので、Cisco であれば Catalyst ではなく Nexus になるかと思います。

その Cisco さんも "leaders" ではない、まだ発展途上な領域ですが、
ソフトウェアベンダーの VMware が NSX で突如良いポジションでノミネートされたのが興味深いところです。

*1:2014.11.25 追記: どうも復活させるそうです。https://www.gartner.com/doc/2381115

2014年07月28日

AD ドメインコントローラーと同居できないアプリ - (2) vSphere Client 5.5

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(1) (2)

vSphere 環境の管理コンソールは、
従来からの Win32 (C#) 版 vSphere Client から
ブラウザベースの vSphere Web Client に移行していることはご存じのとおり。

現行バージョンである vSphere Client 5.5 は、起動時に下記のような警告メッセージが表示されることに気づかれた方も多いと思います。


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起動画面の警告表示のほかに、vSphere Clinet 5.5 では Active Directory
ドメインコントローラーマシンへインストールができなくなりました。

インストールしようとするとエラー終了してしまいます。

つまり、vSphere Client 5.5 はインストール要件が厳しくなったのです。


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VMware KB 2060849
Installing the vSphere Client in a vSphere 5.5 environment fails with the error: vSphere Client cannot be installed on a Domain Controller
http://kb.vmware.com/kb/2060849



環境チェックを回避する方法

vSphere 5.5 のインストール環境のチェックは下記のとおりです*1

  • Installed
  • MsiNTProductType<>2 And VersionNT > 501
  • MsiNTProductType<>2 And VersionNT = 501 And ServicePackLevel >= 2
  • SKIP_OS_CHECKS="1"

したがって、回避する方法は非常にシンプル。次の引数を渡すだけです。

VMware-viclient.exe /VSKIP_OS_CHECKS="1"

この引数を付けてインストーラーを起動すると、先ほどの環境チェックが実施されないため、ドメインコントローラーに vSphere Client 5.5 をインストールできます。


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最近は仮想アプライアンスの浸透により、OS コストの掛かる Windows Server はインフラの世界で少しずつ減っているような気がします。PoC などの検証環境では、AD 1台しか Windows OS が無いケースもあり、覚えておいて損はないと思います。

もちろん、本番環境では利用しないようにしましょう。

*1:2014.9.3 追記