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仮想化でプリセールスしてるSEの一日 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2016年10月31日

Windows Server LBFO チーミングと Hyper-V VLAN 問題 - その後

「その後」シリーズです。

Windows Server 2012 より、OS 標準でチーミング機能「LBFO」(Load Balancing and Failover) ができたことはご存じのとおり。

それまでは Intel PROSet や Broadcom BACS, HP NCU といった 3rd Party の NIC Team ユーティリティが必要でした。

@IT - Windows Server insider -
Windows Server 2012 R2 の NIC チーミング機能(LBFO)をマスターする
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1402/06/news129.html


チーミング機能が Windows OS に内蔵されたことで、保守サポートの観点ではシンプルになりましたが、技術アーキテクチャーの面ではまだといったところ。

特に、仮想化機能 (Hyper-V) を使う場合に支障を及ぼします――――。



Hyper-V に最適化されていない LBFO

Windows OS は仮想化 "専用" に設計された OS ではありません。

ここが VMware vSphere (ESXi) と大きく異なるところ。そして、LBFO も Hyper-V ではなく OS の機能であるために仮想化専用設計ではありません。


例えば VLAN

次の図を見てください。LBFO 環境では VLAN は使えません。

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引用元: @IT「第3回 Hyper-Vネットワーク設計のベストプラクティス


2番目の図のように、「LBFO で冗長化」「仮想スイッチで VLAN」とレイヤを分ければ要件は満たせるのですが、かなりの CPU 負荷(オーバーヘッド)が掛かるほか、SMB Direct が使えないなど、制約や問題もありました。



WS2016 では Hyper-V 仮想スイッチにチーミング機能が搭載

先月リリースされた WS2016 の Hyper-V では仮想スイッチ内にチーミング機能が搭載されました。「Switch Embedded Teaming」(SET)と呼ばれています。


実装は LBFO のコア(サブセット)を仮想スイッチに組み込んだ感じ。

アーキテクチャもようやくシンプルになり、RDMA などのいくつかの機能と互換が取れるようになりました。

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Microsoft TechNet - Remote Direct Memory Access (RDMA) and Switch Embedded Teaming (SET)
https://technet.microsoft.com/en-us/library/mt403349.aspx


そういえば、Microsoft は RDMA の利用にあたって、これまで InfiniBand (IPoIB) 推しでしたが、WS2016 では Converged Ethernet (RoCE)RDMA over TCP (iWARP) 推しに変わりましたね。InfiniBand は 前に挙げた問題 がありますので、現実目線になってくれて良かったです。


現実目線といえば、この SET も Link Aggregation や SR-IOV が使えないなど、設計や構築にあたって気をつけなければならないことがあります。

このあたりは、また近いうちにまとめたいと思います。

2016年09月30日

ガートナー社による仮想化製品の格付け 「Magic Quadrant」 2016年版

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毎年恒例 Gartner Magic Quadrant の季節がやってきました。


2011 年版の記事は こちら
2012 年版の記事は こちら
2013 年版の記事は こちら
2014 年版の記事は こちら
2015 年版の記事は こちら


まずは当ブログのタイトルでも使わせていただいている「仮想化」。
つまりハイパーバイザーの 2016 年格付け結果です。

Magic Quadrant for x86 Server Virtualization Infrastructure (August 2016)
https://www.gartner.com/doc/reprints?id=1-3B9FAM0&ct=160707


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Source: Gartner (August 2016), Magic Quadrant for x86 Server Virtualization Infrastructure


こちらは昨年との比較です(グレーが 2015 年、青が 2016 年)。

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基本的に変わらずですが、
実は、 年々陰で徐々に伸びている Red Hat が遂に右側に躍り出ました。

私の肌感覚ですが、こちらの評価対象である KVM (RHEV) よりも、やはり商用 Linux トップの RHEL を握っていることが最大の強みではないでしょうか。

なぜなら、RHEL がどのハイパーバイザーをサポートするか、ライセンスを優遇するかを同社がコントロールできるからです。SIer は同社に対して DBMS メーカーのような悪役な印象を持ち始めていますが、とは言っても 10 年近く販売シェア No.1 を取り続けるのは並大抵のことではありません。他社を寄り付かせない製品開発力と、製品事業を維持する(利益を生み続ける)各種戦略があってのことだと思います。



データセンターインフラ製品の格付け

例年どおり、データセンターインフラ (Server, Storage, Networking, ConvergedSystem, IaaS) の最新 MQ を載せておきます。

Server

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Source: Gartner (May 2016), Magic Quadrant for Modular Servers


ハイパーバイザーと同様に変化なくて硬直化していますね。。
ググっていたら昨年との比較図が見つかりました。

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Storage

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Source: Gartner (October 2015), Magic Quadrant for General-Purpose Disk Arrays


AFA (All Flash Array) 限定版はこちら

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Source: Gartner (August 2016), Magic Quadrant for Solid-State Arrays


毎年ながら、ストレージベンダーってたくさんありますね。



Networking

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Source: Gartner (May 2016), Magic Quadrant for Data Center Networking


日本はそんなに見ませんが、各社と API 連携の得意な Arista がすごい勢いで伸びています。



Converged/Integrated Systems*1

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Source: Gartner (October 2016), Magic Quadrant for Integrated Systems


流行りのハイパーコンバージドは「Integrated Systems」にカテゴライズされます。



IaaS

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Source: Gartner (August 2016), Magic Quadrant for Cloud Infrastructure as a Service, Worldwide


圧倒的な二強。。。
仕事柄色々な MQ をチェックしますが、ここまでのはなかなか見ないです。

*1:2016.10.16 追加

2016年08月22日

Azure Stack で必須になるらしい CPS って何?(セミナー資料)

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Microsoft MVP を再受賞した と綴りましたが、
最近どんな活動をしているかというと、
6/25 に開催された Microsoft Interact x Cloud Samurai 2016 Summer というイベントに登壇しました。

このイベントは昨年の 第1回 も登壇させていただいており、今年のお題は 「Microsoft CPS (Cloud Platform System)」 についてです。



「Microsoft CPS って何?」の答えにについては、スライド 15 〜 18 あたりを参照いただければと思います。

Azure Stack につなぐにあたっては、いくつか補足が必要です。その中で今後覚えておきたいのが CPS Type1 と CPS Type2。


  • Type1: Microsoft 自身が設計開発に加わるタイプ。ソフトウェア構成については Microsoft の理想型となっており、加えて Microsoft 秘伝 (!?) の設定・チューニングまで施されています。
  • Type2: Microsoft の CPS ガイドラインに準じて作られたハードウェア。Microsoft 自身はそのモデルの設計に絡んでいませんが、その代わりに非純正ソフトウェアを盛り込めるのが特徴です*1

CPS Type1 の方は、OpenStack 対抗のプライベートクラウド基盤として期待されている 「Microsoft Azure Stack」 がインストール要件になるようです。下記で記載されている "統合システム" は Type1 タイプの CPS を意味しています*2



これに向けて Dell、HPE、Lenovo をはじめとする最大手のシステム ベンダーと緊密に協力し、運用環境用の統合システムを共同開発しています。
Azure Stack は、パートナー様と共同開発した統合システムを通じて、2017 年中盤に一般提供開始を予定しています。

https://blogs.technet.microsoft.com/mssvrpmj/2016/07/20/microsoft-azure-stack-%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%83%89-%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%95%e3%83%a9%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%a9%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%a3%e3%82%92%e7%b5%b1%e5%90%88%e3%82%b7%e3%82%b9/

今回のセミナー資料の講演依頼を受けたのは GW 前で、当時は Azure Stack が CPS Type1 ハードウェアのみでの提供になる*3 なんて私は全然知らないで引き受けました。

資料を準備している途中で「そういうことか〜」と気づかされたのですが、私に依頼した当人はすべてお見通しだったのかもしれません。。。


あ、そうそう。よくある誤解として CPS (Cloud Platform System:統合型アプライアンス) と CSP (Cloud Service Provider:再販パートナー) があります。
CSP にも Tier1 と Tier2 と2グレードあって混乱する気持ちは十分分かるのですが、これは OpenView と OneView くらい似て非なるもの(笑)

噂では CSA (Cloud Solutions Architect) とも誤解されやすいとか!?

*1:現在のガイドラインだと管理ツールのみ対象

*2:CPS や Type1 という用語は今後変わるかもしれません

*3:2017年中旬のリリース当初の話です。2018 年以降にソフトウェアの単品販売が開始されるかもしれませんし、リリース計画も今後大きく変更になるかもしれません

2016年08月21日

Microsoft MVP を再受賞しました (2016)

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7/1 付けで Microsoft MVP を再受賞しました。

今年で 7 回目です。ありがとうございます!


私の受賞カテゴリは当初 Hyper-V でしたが、いつの日からか
「Cloud and Datacenter Management」という名称に変わっています。

Infrastructure という言葉を使わないところが、いかにも MS さんっぽいですね。


Microsoft Most Valuable Professional - Dachi Ogawa
https://mvp.microsoft.com/ja-jp/PublicProfile/4028914

2016年08月01日

VMware vExpert を再受賞しました(2016)

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もう半年近く前になりますが、2016 年も VMware vExpert を受賞させていただきました。本ブログをご覧いただいている皆さまのおかげです。ありがとうございます。

家に保管しているトロフィーを確認したところ、最初の受賞は 2012 年 だと思いますので、今年は記念すべき5回目です。


vExpert 2016 Award Announcement
http://blogs.vmware.com/vmtn/2016/02/vexpert-2016-award-announcement.html


vExpert は日本でも 50 人を超えたらしく、もはやレアとは言えません。

資格では無いため受賞しても資格手当が貰えるわけではありませんし、転職市場で優遇されることもないと思います(多分)


しかしながら、最近初めて vExpert になった知人は、vExpert Only の交流会がとても刺激的だったと言っていました。

VMware は Microsoft と比べてもエンジニア同士のコミュニティがさほど活発ではない(と思います)。ですが、実は裏ではそんなクローズコミュニティがあり、中で会話される内容はエンジニアにとってとても刺激のあるもののようです。

慣れとは怖いもので、私はこの“初心”を忘れてしまったダメな例ですが、このコミュニティを通じて、社外にたくさんの友人・知人を得られたと感じています。



と、VMworld へのフライトを探している間に思ったことを綴ってみました。
現地で Daichi Ogawa という名札を下げた日本人を見かけたら、ぜひお声掛けください!