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okatakeの日記

2016-08-28

中川五郎さんが、沢知恵さんのライブに出演するため、香川県離島「大島」へ行っていたと知る。ここにハンセン病の療養所「青松園」があるのだ。というより、それしかない島、と言ってもいい。すぐ向こうに小豆島が見えている位置関係にあり、島へフェリーはなく、官用船と呼ばれる、専用の、これは何と呼べばいいか民間船ではない船が渡っていて(8㌔、20分)、無料だそうだ。恥ずかしながら、その存在を知らなかった。知らないことが多いのだ。

待望の本、松木直也『音楽家 村井邦彦の時代』河出書房新社を読み始める。日本の歌謡曲作曲家といえば、すぐ筒美京平の名が挙がるが、村井邦彦の存在も大きいとずっと考えていたからだ。同じ河出から、わが「古本バンド」のキーボード担当・宮内悠介くんの新作長編も出た。『スペース金融道』は、太陽系外惑星まで、借金を取り立てに行くコンビの話のようだ。注目のSFユーモア小説。某誌から某氏の代打で、急きょ原稿を頼まれ(ぼくは喜んで引き受ける)、たちまち枕元に読むべき本が山を成してきた。内澤旬子さんの『漂うままに島に着き』朝日新聞出版社、ブックオカ編の『本屋がなくなったら困るじゃないか』西日本新聞社も早く読みたいのだが。ただいま地下書斎の気温25度。

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2016-08-27

雨の中、高円寺西部古書会館「好書展」へ、少し時間をずらし参上。移動中、ひさしぶりにNHKFMゴンチチポール・モチアンds)をリーダーとするクインテットか、の演奏に陶然となる。ピアノはプーさんだろうか。好書展で10冊ほど買い、雨が降っているので、寄り道せずさっさと帰宅。ヨムヨムの土曜日。

本来なら文藝春秋社から出て然るべきの、坪内祐三さんの「週刊文春」連載文庫コラム「文庫本を狙え!」が、久々に、本の雑誌社により本にまとまった『文庫本宝船』をいただく。非常に率直な「あとがき」を読んで感じ入る。実際の重量以上に、重みのある本である。700ページ超えの本を、よく本体価格2500円で抑えたな、と思う。CD一枚、映画館入場料、うな重の並、あたりの価格と折り合うため、本の値段は低く保たれている。

ぼくの実感としても、原稿料は明らかに下がっていて、いくつか実例がある(思い付くだけで4つぐらい)。それでも、出版社の編集者の対応は書き手に対し、おおむね紳士淑女的で、それでなんとかプライドが保たれている気がする。いま20代で同業の人は、どんな思いで、この困難をやりくりしているのだろうか。

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2016-08-26

25日、古ツアさんを誘って「青春18」古本旅。これは来春刊行予定の盛林堂プレゼンツ古本本第三弾の打ち合わせも兼ねている。新宿から湘南新宿ライナーに乗車。これはじつに快適で、沿線の小駅をすっ飛ばす優秀な列車。一時間半ほどで深谷。まるで巨大なラブホテルのような、ある種キッチュな駅舎を目撃する。観光案内所で観光地図を2種「中仙道 深谷宿 観光案内マップ」はシャシン入りの優れもの。そば屋で昼食を取り、復興商店街のような「ふっかちゃん横丁」(夜はにぎわう)で、リサーチしていたレンタサイクルを借りる。2時間200円は安い。どんな街でも、だいたい2時間巡れば、雰囲気はつかめるのだ。七ツ森酒造跡を、あまりいじらずそのままカフェや飲食、雑貨の店に変貌させたエリアへ。じつにフォトジェニック。そのなかの一軒、「須方書店」を訪問しそこねた顛末は、詳細な古ツアブログをお読み下さい。http://furuhonya-tour.seesaa.net/深谷「ブ」には、大量のコンビニコミックスがあった。

けっきょくこのあと、高崎線古本屋途中下車はことごとく失敗し、空振り三振の末、浦和宿古本いちを覗いて帰る。これは露店の熱波渦巻く過酷な古本市であった。深谷では古い建物(昭和40年代あたりで時間が止まった)をバシバシ写真に撮り、途中できりがなくなり止めたが、楽しい自転車町めぐりであった。だから古本空振り三振もめげない。三軒目の「冨士書房」の臨時休業を見た時には、「これ、真面目なサラリーマンに無理やり有給取らせて、絶対楽しいからと同行させていたら、『あんたたち、いったい、何やってんですか!』と怒り出すだろうな」と古ツアさんと話す。古本屋めぐりは基本一人旅だが、こうして目が一つ増えると、気づかなかった視点を教えられ、有益である。今回、古ツアさんと回って、いろいろ勉強になった。深谷はいい街ですよ。祭りの時は避けた方がいいかもしれません。

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2016-08-24

9月24日に開催される山本善行×岡崎武志トークイベントまであと一カ月、大阪府守口市にオープンする「たられば書房」ホームページに告知されました。守口駅を背景にした告知シャシン、かっこいい。守口じゃないみたい。ちゃんと「王将」も写っている。http://tarareba.jp/info/1268516

什器やクーラーを入れたり、内装も力を入れているようで、相当費用がかかったのじゃないか、と心配です。どうか、長く続けてほしい。

午後、サンデーで本えらび。雨が降ったのか、神保町均一は、みな閉じている。帰り東西線三鷹止まり。乗換え時、発作的に改札を出て、水中書店を目指す。雲の切れ間から光りが射し、夕方じゃないみたい。髪を短くしたコンノくんに挨拶。均一狙いのお客さんと、非常にていねいに応対していて好感がもてる。「いつも100円の本ばかり悪いね。(買った本を)よそじゃもっと高くつけてるよ」みたいなことを言うお客さんに、「いえいえ、ぼくなりに100円には納得のいくものを並べているので、それを買っていただけるのはうれしいです」と、正確ではないが、そんなことを話していた。コンノくん、偉いなあ。ぼくは、こんなの知らなかった、古川緑波の『ロッパ日記代わり 手当り次第』河出書房新社を定価の半額の900円で。戦後のロッパの、観劇、映画、読書、食の記録で、これぞロッパという洒脱と、見巧者ぶりが垣間見られ、帰りの混む電車のなかでもずっと読んでいた。「論」まではいかぬ、矢継ぎ早の感想だが、そこがいい。

帰宅すると新潮社から、ジェフリー・アーチャーの超大長編「クリフトン年代記」シリーズ、既刊の10冊と、これから文庫化される第6部2冊分のゲラが届く。これを解説せよ、という依頼があったのだ。12冊を2カ月で読み(といっても担当するのは2冊分)、解説を書く。一瞬、電話口でたじろいだ(ぼくには無理です、と)が、ぼくの書いた「サンデー」での紹介文を読んでと言われ、いやいや、光栄なことだと瞬時に思い直し、引き受けたが、現物を積み重ねると、いやこれは大変だわ。「グチも言わずに女房の小春」というフレーズが、なぜか頭をよぎる。

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2016-08-23

okatake2016-08-23

我孫子から戻り、少し志賀直哉を読み返す。「十一月三日午後の事」「流行感冒」「雪の日」「好人物の夫婦」など。いずれも我孫子周辺の土地の風景が出てくる。先日、旧居が、ずいぶん狭いと書いたが、あれは離れの書斎であって、広い母屋があったのだ。ここに訂正しておく。志賀はめまぐるしく転居をくり返した作家で、我孫子に滞在したのは、1915年9月から1923年3月の7年6カ月。代表作「和解」、そして畢生の長編「暗夜行路」を書き出したのも我孫子であった。我孫子の前は赤城、後は京都。「十一月」は柴崎へ鴨を買いに行く話で、成田線の踏切、常磐線の踏切、東源寺、柴崎、利根の堤防と、いまも現存する(踏切はない)場所が出てきて、主人公の歩いた跡がたどれる。正確ではないが、4キロはある道程であろう。我孫子の地図を脇において、この小品を読むのは楽しかった。志賀をいちばんよく読んだのは卒論準備中の京都で、ずいぶん前だ。このとき「十一月」は、地誌的なことはまったく意識せず読んでいた。鴨を買いに行く発端は、「根戸」にいる従弟が訪ねてきたからで、この「根戸」は我孫子市の西端、北柏に近いところに位置する、と地図でわかる。その隣町「船戸」に武者小路がいた。

私が今回読んだのは新潮文庫小僧の神様城の崎にて』で、注がついていない。ただし、これは昭和52年刊の古い版で、改版された時、注がついたであろうか。昭和52年10月30日と購入の日付が自分の字で書かれてある。この頃は大きな、堂々とした、勢いのある字を書いていた。いまはこの5分の1くらい。

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