朝、玉川上水沿いの緑陰の道を一時間ほど散歩。土の道に、蝉の穴、いくつも。
先週の阪神百貨店での古本トークについて、書肆紅屋さんがレポートしてくれています。
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幻冬舎新書の辻田真佐憲『日本の軍歌』は、ユニークな軍歌研究書で労作。軍歌が大衆歌としていかに受容、発展していったかを考察。各種資料を駆使し、図像も満載。品切になれば、古書価がつくタイプの本だ。買っておいた方がいいと思う。
夕刊の「朝日」、シリーズ「各駅停話」がおもしろく、今日も「反町」を切り抜く。浦島太郎伝説、は知らなかった。ぼくの知る反町は神奈川の古書会館だ。
裏の菊地信義の記事を活かすように、表(どちらが裏か表かわからぬが)の「京ものがたり」をスクラップ。きたやまおさむ杉田二郎荒神口。きたやまと杉田がよく通った喫茶店として「リバーバンク」が紹介されている。鴨川沿い、荒神橋たもとにある。ぼくらがよく行ったのは「シャポー」だったなあ、と思って読んでいると、その「シャポー」が杉田一押しの喫茶店として最後に登場。ええ、まだあったの? 知らなかった。ぼくは立命館二部学生で、最初の一年は広小路校舎へ通学した。そこで知り合った仲間と、授業がはけて、あるいはサボって、よく行ったのが歩いてすぐの「シャポー」だった。なにしろ、いつ行っても空いてるし(たぶん昼間の店なのだ)、長居しても平気だった。雇われだろうか、若いマスターと女の子がいた。もうとっくになくなっていると思っていた。河原町角にあった伝説のジャズ喫茶「しあんくれーる」は無くなった。
あの頃はみんなタバコを吸っていた。酔っぱらって、裸で鴨川へ入ったこともあった。荒神口通りはぼくにとっての青春通りであった。今度、京都へ行ったら寄ってみよう。京都へ帰る楽しみができた。
河出書房新社から、『夏目漱石三四郎』をどう読むか(仮)』(石原千秋・責任編集 2014年10月刊行予定)が出る。これまでの『三四郎』をめぐるエッセイ、対話、評論などを集め、何本か新規のエッセイも加えて一冊となる。そこに拙文「汽車は上京の予行演習だった」(『上京する文學』新日本出版社)収録の依頼があった。光栄だなあ。喜んで、クビをタテに振る。
吉川凪『京城のダダ、東京のダダ 高漢容と仲間たち』平凡社を読み始めたが、知らない話ばかりで、大いに背筋が伸び、入れこんで読む。