ところで、「幻想再帰のアリュージョニスト」の世界の虹の色は何色だろう。
おそらく9色。虹の色の数は、文化によってさまざまで5色のところも3色のところもある。で、何故自分たちが虹を7色として認識しているかというと、この世界での“7という数”がラッキーセブンや七曜日や七福神や七不思議など、特別な意味を持つからだ。
で、アリュージョニストの世界では、“9という数”が聖なる数字として、または特別な意味のある数字として機能しているらしい。松明の騎士団の九槍と呼ばれる人や、キュトスの姉妹の守護の九姉、地獄へ至る階層の九階層のようだし、天使の位階も九位までもうけられている。
あと、13は小説でも不吉な数字として認識されていて、また、4という数字も意味がある数字となっている。季節は4節に分けらえているようだし。
こういうの面白い。曜日も九曜日なのかな。
ところで、世界層で貫かれた複数階層からなる世界
あのような感じの世界観といえば、ある一定年齢以上の人は、「魔界塔士サガ」を思い浮かべるでしょうが*1僕の場合は、魔神英雄伝ワタルの創界山です。で、創界山の元ネタは多分須弥山で須弥山は下の方が風輪、水輪、金輪と層になっている、この世界そのものという感じなんですがこれを一つの世界で小世界といってそれが三千集まって三千中世界、その三千中世界が三千集まって三千大世界、これが世に言う三千世界なんですが、つまり何が言いたいかというと、ゆら神の世界観はとても神話的だということです。
ところで、トライデントの使い魔を細胞、っているけれども
そして、地獄の目的が『社会福祉の充実による共生と幸福』ということ…
これはやっぱり共産主義や福祉国家のメタファーなのかもしれないと思ったりした。
地上が、中世ヨーロッパのような抑圧とか万人が万人に対して獣となる世界のディストピアなら、地獄は、公共の福祉が充実してみんなが幸せに暮らす、銃夢のザレムやリベリオンのようなディストピアなのかもしれない。
*1:神はバラバラになった!
「幻想再帰のアリュージョニスト『3-20 言語魔術師の弟子(後編)』」感想
http://ncode.syosetu.com/n9073ca/
言理の妖精語りて曰く、
- 相変わらず面白いし更新頻度が高いのが嬉しい。ほぼ毎日更新されている。
- 幻想再帰のアリュージョニストは、ほぼ、全体が引用と類推で構成されていて(それは意図的に)で、今回ほぼ確定したことは、あのアストラル体でのお茶会が、不思議の国のアリスの帽子屋のお茶会の引用または模倣だっていうこと。言理の妖精語りて曰く、の言葉遊びとか、アリスの中に出てくるかばん語や、笑いだけ残して消える猫(今回出てきてないけど多分そのうち出てくるような気がする)とかそういうのの模倣、というか引用?個人的にはそういうのはとてもにやりとしてしまうし面白い。アズーリアの仮名の【マリー・スー】という名前も、【アリス】のもじりなのかもしれない。
- わざと語られないビジュアルイメージがいくつかあり、それが叙述トリックにもなっている。
- 名前だけでていたヴァーミリオンのサンズが、のちのキュトスの姉妹の5女だと判明。【万色のサンズ】と同名なので変だなーと思ってたら、実は本人(本人というのも変だけど)だとは。ただ、ゆらぎの神話ではサンズは4位の魔女だったので(5位はエトラメルトラン)そこらへんのずれもそのうち語られるんだろうか。あと、エトラメルトランの設定ってどうみてもヴァージリアの母親なんですけれども、そこらへんについても語られるんだろうか。
- 三国志、のような、みんなが次の展開と設定をしっているものがあって、そこをどう小出しにしていくかというのをワクワクしながら観てるような、そんな。なんか楽しみ方もしている。
- 作中で何度も「言理の妖精フィリス」はそんなに強いことはない、っていわれているけれどもどう見ても最強。なので、実際に弱い弱いところとかが描かれるといいなあと思った。まるで、最弱といわれながら無双しかしない最近のよくあるラノベのようになってしまってると思った。(狙っているのかもしれないけれども)
- ディスペータお姉さま瞬殺。ゆらぎの神話百科事典を参照しても名前しかでてこないお姉さまが登場しかし瞬殺。どうみても噛ませ犬です。噛ませ犬なら噛ませ犬らしく、瞬殺されるまえに、もっと如何に強いのかをアピールするシーンが欲しいと思った。このままだとお姉さまがあまりにも可哀想です…!
- ただ、また出てくるような伏線とかあるのでまた出てくる可能性はある。地獄の魔将とか。第6階層の魔将イェレイドの正体がそうだったりして。
- 姉と妹の関係の模倣とか入れ子構造が全体的に存在していて(狂姫と聖姫など)それが全体のなかで意味を持ったり持たなかったりしてるんですが、ザリスとその姉アリスの話は語られるんでしょうか。おそらくアリス姉さん地獄で魔王をやってる筈なんですが。
- ザリスの再登場はあるのか(まだ登場してないみたいなものですけど)、そしてあの名セリフ、「ああん、殺すと子宮がびくびくするよ」は使用されるのか。気になります。
- ハルベルト、強い強いとか不死不死、とか言ってるんですが、あんまり強いシーンを魅せられてなくて(今回の【ゲルシェネスナ】)も“何をしてもかなわない強い敵”というよりは自然現象に向けて山が吹っ飛んだみたいな(しかも山の強さがどうも曖昧な)感じなので、ちゃんとバトルで示さないと強さって出ないなーっていうのと、あと不死不死って言葉で言ってるだけなので(実際1回死にかけてるし何回か死にかけてるし)正直4人の魔女候補のなかで一番弱そうでお姉さん心配です。
- 廉施者キロンの時みたいな、圧倒的な何かみたいな感じがなんか全体的にない感じがする三章は。最近のワンピースみたいだ。
- ところで私の単語パッド廉施者が変換できないんですが、あとwikipediaの廉施者のところ、参考の廉施者の一覧のところに「聖大致命者廉施者パンテレイモン」なんだよラノベの登場人物かよとおもったらまさかの実在。聖パンテレイモン - Wikipedia正教会いいかげんにしろ。
- 大致命者 - Wikipediaの下の一覧の名前の仰々しさがすごい。正教会本当にいい加減に以下略。
天使の位階:現在判明している事実メモ
設定が多かったりややこしかったりでメモってないと分からなくなるからね
位階 | 天使名 | 特徴 | 眷属種 | 眷属種の特徴 | 主な霊媒 | 眷属種の人々 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 睥睨するエクリーオベレッカ | 天の御殿と呼ばれる建物 | エルネ=クローザンドの空の民 | 浮いてる | (存在しない?) | リーナ(クロウサー家) |
2 | 黒衣のマロゾロント | フード、黒い、触手 | スキリシア=エフェクの夜の民 | 触手、黒衣 | アズーリア、エスファイル | 群青(司教様)、ビーチェ |
3 | アエルガ=ミクニー | 妖精の守護者 | 妖精種 | ハルベルトの母 | ||
4 | デーデェイア | (タコっぽい?) | ウィータスティカの海の民 | (未登場) | (未登場) | |
5 | 金錐神ペレケテンヌル | 白い三角錐 | ロディニオの三本足の民 | 使い魔や杖が得意 | ミルーニャ | ナト |
6 | ラヴァエヤナ | 兎の守護者「智神の盾」 | ジャスマリシュの天眼の民、蜥蜴人 | 邪視特性が高い | (未登場) | メイファーラ |
8 | 松明を掲げる者ピュクティエト | 「松明の騎士団」 | ボロン人 | アルマ? | ||
9 | 鉄願のセルラテリス | 物理、無神論 | 人間 | サリア | ほぼ全員?(ノローアー)ペイル | |
非公認 | 樹木神レルプレア | 木 | ティリビナの民 | 木っぽい | プリエステラ | |
非公認 | 黒檀の民 | |||||
非公認(13) | 泡沫のハザーリャ | (ディスペータお姉さまの時に名前だけ)祭具が男根のメタファー | 再生者(オルクス) | |||
非公認? | 天使ドルネスタンルフ | 3-8で大きなお腹を例えるのに |
こういうのはゆらぎwikiに書けばいいのかしらん?
でも、ゆらぎはフリーシェアだけれども幻想回帰がそうなのかどうかという取り扱いがよくわからないし、ゆらぎの神話とは矛盾する(そこも含めてゆらぎですが)部分もあるのでなかなか悩む、あとどっかで纏めとかなっていうのもあるのでここで書きました。そのうち絵も上げたい。
ようは頑張ろうって話
幻想回帰のアリュージョニストの作者の最近さん、話がおもしろい、すごい量の設定をうまく整理して小出しにする技術がすごいっていうのもあるけれども、もっとすごいって思うのは手が早い、文章を書く速度。twitterなどから拝見してるに、そんなに暇ではない仕事(おそらく9時〜9時くらい)をされていて、(土日は休みっぽいけれども)ほぼ毎日3万文字近い更新をしているというのがもうなんか理解できない。9時9時で仕事をしていて、まあ一人暮らしで対人間で労力をまったく使わなくて大丈夫だとしても、それでも通勤食事を除いたら自由になる時間はジャスト10時間くらい、睡眠時間を6時間取ったとして(自分とかは8時間寝ないと駄目だし4時間で済む人もいるけれども)4時間。つまり4時間でおよそ3万文字を書いてるっていうのが、もう。タイピングソフトで打ち込むのと同じような速度で打ち込んで文章を書いているということだけれども、つまり、ほとんど脳内で全部の構成を出力してるっていうことか。しかも設定が多い、色んな登場人物の名前や設定を“参照”(おそらく別に最初に設定とかを考えてメモっている紙があるとおもうんだが)しながら、ということで、なんていうかどんな機能を使ってるのか全く分からない。しかも今のところそんなに破綻してないように思える。(前後を考えたら前だしした方が良かったとか、読む順番を考えたらエピソードの順序を変えた方がとかはあるけれども、まあ、それはライブ性だ)しかも、見直すと伏線がちゃんと伏線として機能している。逆にこの速度で出力してるから、脳内で迷い(これつまんないんじゃないか出すのやめようかじゃあこのここまでの展開どうしよう)とかが無いのかもしれないけれども。それにしても、そういうのを全部ほっておいたとしても一日3万文字はおかしい。ロスとか考えて、一時間1万文字をかける速度を4時間キープするっていうのがもうよくわからない。一時間1万の速度って、短距離選手の速度で、その速度で4時間キープとか出来ない。もうほとんどずっと文字を撃ち続けてるってことだし。
そんな感じの人は漫画家にもいて、キヅキアキラさんが毎月200ページくらいをしかもほぼおひとりでかかれているということで、すごい。ガチで描き込んだらプロでも一人1日1ページが限界記入速度で、しかし締め切り前速度では一日10ページまで上がる。不思議。不思議だけどそういうもので、つまりネームとか含めて、常に締切一日前のテンションで30日を過ごしているんですよキヅキ先生は。ヤバい。一人ワタミ。やっぱりそういうのをしているとドンドン漫画もうまくなるし、絵もうまくなるし、鍛えてサバイブできたらその分実力も上がる。継続と物量は力なり。
爪の垢を煎じて飲みたい。自分も頑張らないといけないけれども家族が出来ると、そういうのにパースを固定してそれのみをすることが出来なくなってなんていうかしんどいのもあるけど頑張らないと。それも仕事だ。
一日2万字の速度って、橙のママレさんとかと同じ速度だ。
なんか本当に。ものすごい文字数の文章を物語でかける人ってどこか違うんじゃないかと思う。
あー、あとなんか自分、本当に年取ったなあって思う。自分の中から書きたい物語があふれてこないし、周りで絶賛されてるひどい話とか見ても怒りがわいたりしてこない。つらい。つらたん。
メンタルの薬を飲んでると、最初のころは、感性や感覚が鈍くなって、面白いとかつらいとか腹が立つとかそういうのを感じなくなって、それに対して不安でいらいらしたり焦ったりしていたけれどももう10年近く飲んでるとそういうのも織り込み積みでなんかもう、普通になってしまうな。よくないことなんだろけれども、生き残っていくためには仕方ない。まわりの人間が結構物理で死んでいて、平均の同年代の死亡率よりも自分のまわりでの死亡率のほうがはるかに高いような気がする。なんかつらいがつらいのがよくわからない。
幻想再帰のアリュージョニスト『第3-21 第五階層より第一階層へ』または“男根のメタファー”
http://ncode.syosetu.com/n9073ca/
- 男根のメタファーでた!
- 今回、幕間、といった感じ。ガルズの使うであろう呪術に対する伏線や、リールエルバと【死人の森の断章】の関係。3章中に回収されるのか。
- 死んでしまったディスパータ先生が、男根のメタファー、ハザーリャ様の能力を奪ったっていうことなのでそこら辺で絡んでくるのかも。
- 死んでからどんどんキャラが経ち始めるディスパータ先生。シグルイの虎眼先生のよう。
- バイブ(外見)を持ってにこやかにほほ笑むディスパータ先生。
- 星見の塔内部の派閥争い、製薬会社とか、智神の盾とか、色々入り混じってよく分からない。人数も多いし。一回整理して確認しないとかも。
- 2章で出てきたキロンとの決戦の日が、ちょうど呪術儀式(ライブ)なので、それに向けて畳む風呂敷の中身をどんどん詰め込んできた感じだ。こういうの好き。
- "ハザーリャが象徴するのは死であると同時に生命の誕生。冬が終わり春の訪れを祝福する聖婚(ヒエロス・ガモス)。"
- 聖婚、春の魔女、ということで、そこらへんもかかってくるんだろうなと思う。言葉遊びなのか、噛みあって来るのか。
- アズーリアは品森晶のことを思い出すたび、2つ目には必ずまだ全裸ではないのか、ちゃんと服を着ているのだろうか、と心配されている。変態扱い。
- (このあときぐるみの魔女のなかに全身すっぽり入ることになります。)(やっぱり変態です。)
- サイバーカラテ道場の動画、今回初めて道着のカラーが示されて、サイバーカラテのカラテ着は、自分たちが知っている普通の白い道着であることが明らかになりました。今まで道着としか出てなかったからね。全身タイツのようなものが道着の可能性だってあったわけだし。叙述トリックだし。
- 先の更新の、神様表に、ハザーリャ様追加。男根のメタファー。
- 設定集があれば分かりやすいかといえば多分そんなこともなくって(自分はゆらぎの百科事典片手に読んでいるからを加味しても)どこかで書かれていたアリュージョニストの初期コンセプトが3次元的に広がってソーシャルグラフみたいになっているゆらぎの神話の世界を線形の“物語”に落とし込むのが目的、ということっぽいので、理想的なのは「はい、ここ重要でテストにでるんでおぼえてかえってくださいねー」っていうのだろうなあ。
- キャラクターの絵(簡単な、イメージが伝わりやすいの)があると、たぶん理解度とか一気に上がると思う。ヴィジュアルイメージ大事。
- おふとんごろごろ目おふとんからでたくない科
- これでこの世界の博物学の分類方式がわかる。そして生物層のゆらぎかたも。
- というのは深読みですけれども。ただ、設定とか細かいところを確実に回収しにくる派の世界設定なので、油断は、禁物。
- 次回以降、呪術儀式に向けてどんどん話が畳まれていくと思うので楽しみです。
- 3章は登場人物が多いのでキャラの書き分けとか見せ場を作るとかがすごい大変だと思うし、それをやってるのはすごいと思う。