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2018-01-21

[]「パディントン2」

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ポール・キング監督。1作目がたいへん面白かったので続編も楽しみにしておりました!いやーーほんと、よくできてたね。面白くて泣けてカワイイが盛りだくさんなのはもちろんなんだけど、個人的にはなにより「いやーよくできてる!!!」と思わず唸ってしまいました。

ウィンザーガーデンの住人とすっかり打ち解け、ブラウン一家と仲良く暮らしているパディントン。彼は育ててくれたルーシーおばさんに素敵なプレゼントを贈ろうと、骨董屋で偶然見つけた素晴らしい飛び出す絵本を買うために毎日精を出して働いている。しかし、その絵本にはとんでもない秘密があって…という筋書き。

パディントン1は「他者」を我々はどうやって受け入れるのか?という移民問題寓話的要素が底辺にありましたが、今回もそのラインは維持しながらも、なによりひとつの謎の本をめぐるしっかりとした冒険譚にしあがっていたという印象です。冒頭で紹介される日々のスケッチのすべてに意味があったーー!!とわかるクライマックスの連打、ほんと見ながらヒザを打ちまくりましたよ。劇中に出てくる小悪党の配置やその活躍ぶりもおさおさ怠りなく、ブラウン一家との気持ちがあやうくすれ違っちゃうところではめちゃくちゃやきもきしたし、あの電話…ほんと思わず泣いちゃったい。

このシリーズギャグがしっかり笑えるところも大好きなんですけど、それにしても謎のミッションインポッシブル推しはなんなんだっていうか1もそうだったし今回も列車の上でのアクションシーンにめちゃくちゃMIシリーズみがありました。あれがここで出てくるかよというね!小道具伏線の張り方もホントうまい

地元の映画館では吹替えの上映しかなくて(子供むけファミリー層狙いなのかな〜)、吹替えで拝見したんですけど、いやはや古田新太さんはほんとに何でもお出来になるねとため息をつく。お父さん今回もここぞ!というところでめちゃくちゃカッコいい!!最高!!今回、ヒュー・グラントが昔は大スター、今はパッとしない落ち目俳優という役で出ていて、ひとり屋根裏ハムレットマクベススクルージ衣装を身に着けたマネキンと会話をするというシーンがあり、そこはねー!字幕で!見たかった!斎藤工さんの吹替全然悪くなかったけども、ヒュー・グラントが演じるハムレット(の一節)とかちょう見たいやん!

このシリーズ悪人悪人らしくありつつも極悪ではないというか、チャーミングさを喪わずに描いているのがとってもいいし、だからこそあのエンドロールほんと釘付けになっちゃいますよね。欠点があるとすればあれではだれもスタッフロールを読まないというリブート版ゴーストバスターズ問題(クリヘムさんのダンスシーンと共にエンドロール流れる)くらいでしょと思う。

飛び出す絵本の見せ方の素晴らしさ、それをおばさんに贈りたいと思うパディントン気持ち、そういうすべてが昇華するラストとってもよい。もちろん泣きました。ファミリー層向け狙いかもしれないけれど大人が見てもめっちゃ楽しいし、そして嬉しい上映時間95分!最高か!

2018-01-20

[]シネマ歌舞伎「京鹿子五人娘道成寺/二人椀久」

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引越しからシネマ歌舞伎をやっている映画館に行くのがなかなか大変になってしまい、足が遠のいていたのですが、先日Eテレでやっていた「伝心 玉三郎かぶ女方考」での玉三郎さまによる「京鹿子娘道成寺」の実演と解説(ほんとこんな贅沢な番組企画してシリーズ化してくれるなんて受信料永年払いしてもいい、いや、したい!)を見て、俄然見に行く気になったというか、舞台そのままじゃなくてバックステージの様子やインタビューも入ってるというのにも惹かれて足を運んできました。二人椀久(玉三郎さまと勘九郎さん)も一緒に上映されていますが、私はこの踊りとあまり相性がよくないのか、今まで3回ほど見たことがある…と思うんだけどいまいち好みではないので、今回は五人娘道成寺感想を。

途中で玉三郎さまの過去の「京鹿子娘道成寺」や玉さまが菊之助さんとおやりになった「京鹿子二人娘道成寺」の映像が出て来たり、それこそ今回一緒に出演された梅枝さんや児太郎さん、七之助さん勘九郎さんのそれぞれの特色がやっぱり出るというか、こうして映像で並べてみるとほんと役者の数だけ…という感じなんだなあというのを実感しました。この舞台は実際に拝見したんですけど、舞台で見るときはやっぱり全体としての絵を認識してしまますが、こうして切り取られることで見えてくるものもあるなーと。

太郎さんが「娘道成寺」へのストレートな憧れとこの舞台に出られた喜びを素直に表現されているのがほほえましかったですし、梅枝さんのその喜びもさることながら自分が到達したい、しなければならない道の先を見据えている言葉選びも印象的でした。しかし、梅枝さんはめちゃくちゃ深みのあるいい声をされてますね。普段の喋りからいい声爆弾炸裂させててビックリしました。ナレーションお仕事とかやってみてほしい。

勘九郎さんが「立役ひとりぶち込まれちゃって…」とか冗談めかして仰ってましたが、この人は踊りを非常に感覚的にとらえてらっしゃる、感覚的というか、どこか「ささげるもの」「ちがうところにいくもの」というような感覚でとらえているようなところがあると私は思っているので(芸能の原点ですよね)、インタビューでそれをうまく理詰めで説明できないのもむべなるかなと思いました。

これは歌舞伎に限らずなんですが、私はこうしたバックステージもの映像のなかでも、出の前に袖にいる役者の顔を見るのが一番好きなんですね。ぜったいに私たちに見えない顔。普段通りのひともいれば、入り込んでいるひともいて、それは役者によってさまざまですが、今回袖で5人の鏡前をずらりと並べて花子の拵えをする姿が見られたのはなんとも御馳走をいただいた気分でした。玉三郎さまが最後の出の前に、ひとつ小さく頷いて鬘をつけるところ、ああいう顔ほんと、しびれますよね。

それにしても、玉三郎さまの演じる花子のひとつひとつが音がしそうに絵としてキマっているのがすごいし、最後にはその顔まですっかりかわっているのもすごいし、恋の手習いの思わず息止めて見つめちゃうみたいな吸引力もすごい。同じ時代に生きて見させていただく喜びたるや。そして、次にひとりでこの道成寺に歌舞伎座舞台で挑んでいくひとは誰になるんでしょうね。

2018-01-16

[]言葉の泉に水路を繋ぐ

正月特番に「座・中村屋」という、勘九郎さんが藤原竜也さんと、七之助さんが宮藤官九郎さんと、そしてご兄弟そろって大竹しのぶさんと対談するという番組があった。勘九郎さんと藤原竜也さんのコンビが大好きなことで名高い私ホイホイのような番組であり、自分企画書書いたのかなコレと思ってしまうほどであるが、期待にたがわずたいへんに楽しませて頂いた。基本的に好きなものを味なくなるまでしがむタイプのヲタですので、特に印象に残ったことを書いておきたい。

そもそも勘九郎さんと藤原竜也さんが親交を深めたのは04年の大河ドラマ新選組!」がきっかであることは皆さんご承知の通りです。藤堂平助沖田総司ドラマの中でもニコイチになってることが多かったですものふたりしかし、勘九郎さんは竜也さんのことをずいぶん前から知っており「僕はね、ずっと彼のファンでいろんな舞台も見てたんですよ。でもこの人全然歌舞伎を見に来ないの(笑)」と語っていた。しかしその後竜也さんも歌舞伎に足を運んでくれるようになり、ようになりというか、私の知る限り大抵の勘九郎さんの公演を見に来られている(地方でも)。

ところで、竜也さんは以前は勘九郎さんのことを「勘ちゃん」と呼んでいたが、今は「勘九郎さん」となっている。以前スタジオパークに出演された時に、このことについて語っておられて、「新選組でぼくは一番の出会いっていうのは勘九郎さんでしたから。あの人と出会たことによって自分の中でも大きく変わっていくものがあった」「この間六代目勘九郎襲名興行を観に行ってきて、今まで勘ちゃん勘ちゃんって呼んでたけどもう勘ちゃんなんて呼べない、勘九郎さんて呼ばなきゃいけないような凄い俳優さんで、この人の方が常に僕の先を歩いているから僕は必死でついていける」というのがきっかけと思われるのだけど、でもたまーに勘ちゃん呼び、出ますね。正直ありがたみしかない。時折こぼれる親しげな呼び方に、ひとは萌える(真理)。

今回の番組新選組!での共演当時の話があり、住んでいる家が近かった(坂の上と下)、撮影終わってメシ食ってふたりNHKから歩いて帰って八百屋のベンチ(隣が餃子バー)に座って語り合ってましたね語ってる内容がフレッシュでしたねあの頃は夢がありましたね(今はないのかよ!)という私の心のツッコミなど入りつつ、そりゃ仲良くなるわけだねー!と改めて思った。以前「ろくでなし啄木」で共演したとき三谷さんが、新選組!山本耕史香取慎吾というコンビ藤原竜也中村勘九郎(当時は勘太郎)というコンビを生んだと書いてらしたけど、劇中での設定以上に近しい交流があってこその今なんだなと。

酔っぱらってやらかした話はたぶん枚挙にいとまがないふたりですが、お互い全裸で飲んでたのかとか(ばかだね〜)、竜也さんはあの!ハムレットの昼夜公演の前日に朝7時まで勘九郎さんと飲んでたとか(ばかだね〜)、その日のマチネを観に行く約束をしていた勘九郎さんは二日酔いでそれどころじゃない、なんだ金網のセットって…電流デスマッチかよ…とか思ってたらこハムレットがとんでもなくて心の中が感動と謝罪でいっぱいだったとか(あのハムレットじゃそうなるよね〜)、ワインをたしなむ竜也さんに「俺はワインの味はわからない!」と無駄にえばりんぼな勘九郎さんとか、挙句「お前変わったな…」と嘆く勘九郎さんとか、ピッコロ大魔王というボケへのツッコミを待っている勘九郎さんとかいろいろあったけど、極めつけは「初めての生牡蠣に挑戦」する藤原竜也をただじっと見守ってるだけっていう…これ何の時間なの!?私が代わりに叫んじゃったよ。

勘九郎さんに竜也さんが「怪我なんて言ったら勘九郎さんの方こそ」と言ってくれてたり(ほんとそうだよね!もっと言ってやって!)「いやそれはあなたもじゃない」「僕は最近こなし方を覚えました」「やめなさいそういうこと言うのは」って流れるようなやりとり大好きだし、そのあと勘九郎さんに大河の話をふってくれて、「1年以上(歌舞伎を)あけるの?」「いやちょこちょこ」という返事まで引き出してくれているのでもう竜也さんを崇めるしかないかもしれない。

去年の春に竜也さんが入院していたのは全然知らなかった(大丈夫なのかよ〜)けど、その時のお見舞いエピソードを嬉々として喋るのが妙に早口でかつもはやテレビというよりその場にいる人にねえ聞いて聞いてー!なテンションだったのが激カワ案件すぎた。言ったよね真面目な番組からよろしくねって…と言う勘九郎さんだがそれはおぬしも同罪じゃい!と思う私である

しかし、確かに終始ワハハワハハとおばかちゃんでなかよしふたりで、役者論!なんて大上段なものにはなりそうもなかったけれど、私がこのエントリを書きたくなった理由最後の5分にある。8月野田さんと組んだ「桜の森の満開の下」、体調や喉の調子があがらず苦しんでいた勘九郎さんは竜也さんに電話をかける。稽古にどう臨んでいるのか?いやそれは全力ですよ、竜也さんは答える。それでさ、勘九郎さんは続ける。

「話してくれたじゃない、自分のことも。それで、蜷川さんがおっしゃったんでしょ、声が枯れた状態でお見せするのは…」
コンビニ不良品を売ってるようなものだ」
「…でもさ、その言葉あなた、ずっと持って挑んでてさ、苦しくなかったの」

声が枯れた状態で客の前に立つのはコンビニ不良品を売ってるようなものだ。きびしい言葉だ。きびしい言葉だし、さすが蜷川幸雄だなとも思わせる。劇場に足を運ぶ観客というもの、その行為の重さから目を離さなかった創り手ならではの言葉だとおもう。

もし、これが普通インタビュー番組だったら、蜷川さんのこの言葉に対するリアクションもっと違ったものになっていただろう。すごいですね、さすがですね、きびしいですね…しかし、勘九郎さんがかけたのはそのどれでもない、「その言葉をずっと持って挑んできた」ことへの「苦しくなかったの」という言葉。これは同じ役者から出た言葉だろうし、その言葉の重さを実感としてわかってるからこそ、そしてそれが同じ時代を一緒に歩む仲間だからこそ出た言葉だとおもう。

苦しいですよ、竜也さんは答える。そして、竜也、その役が出来ないんだったら手を上げて降りるのも才能だぜ、かつてそう竜也さんに告げた、偉大な演出家言葉を続ける。

いま、苦しみからある種解放されて、演劇純粋に向き合いたい、楽しみたいと思うんだけれども、そういう自分もいなくて、なんか変なことばっか考えて…というのはありますよね。蜷川さんが言ってた、ここまで私生活なげうって、ここまで削って演劇に向き合え、自分もっと疑わないとだめだぜ、こんなんでいいのか、ずっとそう教育されてきて、そういう現場を今求めているのか、そういう人を求めているのかわからないけども、だから、すごく難しい、今は。

これはおそらく蜷川さんを喪ったあとの藤原竜也という役者の正直な心情で、そういう現場を求めているのか、そういう人を求めているのか…と、より自分を疑い、きびしい現場におくことで生まれるものがあるはずだと信じてここまできたひとりの才能ある役者からこぼれた言葉に、どうにも胸を打たれてしまった。

竜也さんからこの言葉を引き出したのは間違いなく、「苦しくなかったの」という勘九郎さんの言葉であり、ふたりとも、人生において指針ともいうべきひとを喪った今だからこそ、共鳴し合うものがあったのは間違いない。いずれにしても、あの言葉はあの瞬間、竜也さんの「言葉の泉」に水路をかけたのだ。

その後ふたりはまたいつもの顔になり、収録を終えた後も馴染みの店に突撃し、食べ、飲んで、ワハハワハハとおばかちゃんでなかよしなまま、夜の浅草に消えていっていた。

どっちも大好きな役者さんで、ふたりが仲良しで、お互いに敬意と愛情があり、常にどこか高いところへ挑んでいこうとするところを、これからもずっと観ていたいなとおもう。ずっと好きでいさせてね。2018年早々のお年玉、どうもありがとう。たいへんおいしくいただきました。

2018-01-14

[]「源八橋西詰」T-works

女優の丹下真寿美さんをできるだけ沢山の人に見てもらいたい!というところから始まったユニット「T-works」の第1弾。96年に初演された遊気舎の作品を、なんと!後藤ひろひと自らが演出して出演もするという!いやもう、よくぞ後藤さんを演出にひっぱってきてくださった、と本当にお礼を申し上げたい。さらキャストとして初演オリジナルキャスト久保田浩さんが、そしてジョビジョバ坂田聡さんが参加するという。んもう、絶対見る!丹下さんのことは寡聞にして存じ上げませんでしたが、ユニットの第1作にこういう作品をチョイスしてくるんだから(そして大王演出を引き受けているのだから)きっといい女優さんに違いない、と。

源八橋西詰は大阪に実際に存在する四つ角の交差点で、そこに佇む3人の人物物語が語られる。ロバート・ジョンソンクロスロードブルース」、「悪魔に魂を売った男」。果たしてその3人は、交差点で悪魔を待っているのだろうか。

言ってみれば3本のオムニバスでもあるのですが、「源八橋西詰」という通底した物語の枠組みがあり、それぞれの物語に「シンパシーワンダー」がきっちり練り込まれている。後藤さんの脚本はなんというか、それこそ悪魔的な冴えがあり、今作も、今まで自分が握っていたと思った物語の端っこが、いつのまにか全然違うものになっているというような劇的興奮がありました。

この作品の「童話作家の話」がのちの「人間風車」の元ネタとなるわけですけども、いやはや…詳細を書くのは今後見る方の楽しみを奪うことになるので控えますが(いやでもめっちゃ詳細言いたい)ほんと、唸ります。いい脚本を書くひとは勿論沢山いますが、後藤さんの作品のオリジナリティというか、このトリッキーなホンのうまさ、という点において、この人の悪魔的な腕には舌を巻きっぱなしです。どういう頭の構造してるんだろ?ほんとに。大王こそ源八橋西詰で悪魔取引をしていても驚かないよ。

丹下さんを売り出す!という目的ユニットということですが、十分にその役割を果たせていたんじゃないでしょうか!「舞台女優の話」でのキレっぷりと最後の落とし方、「童話作家の話」での天衣無縫ぶり(客席いじりも懐かしかった!)いずれもよかったです。デアゴスティーニー!の叫び、笑いました。久保田浩さんは自由自在な芝居ぶりもさることながら、坂田さんとともに容易に底を割らない演技で最後まで舞台の緊張感をひっぱっていく、さすがですねえ。

大王はこれともう1作で小劇場はもうやらない、と仰っておられるみたいですが、いやーまだまだ観たいよ。いや小劇場でなくてもいいけど、大王が書いて演出する作品を観たい、観たいです。

[]「ジャコメッティ 最後の肖像」

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スタンリー・トゥッチ監督ジェフリー・ラッシュジャコメッティ晩年を演じています。90分の作品で、舞台もほぼジャコメッティアトリエで進行しますし、なにか波乱万丈の物語が展開する!というタイプの作品ではもちろんなく、当時「フランスで最も成功していた芸術家ジャコメッティが、彼の作品についての著作ものしたことのある作家ジェームスロード肖像画モデルを頼むことが発端です。1日だけ、遅くとも夕方には終わると言われたモデル仕事しかし、肖像画は一向に完成しない。

あらすじは予告編にあるとおりで、しかもほとんどそれで全部といってもいいぐらいですが、最初はこのモデルを頼まれた男性がなぜ途中で断って(彼はフライトを何度も変更しそれだけの損害も出している)アメリカ帰国しないのか、というのがよくわからないなと思っていたんですけど、実際映画を見たらなるほどと思いました。あれは帰れないですね。だって当代きっての芸術家、ただのスケッチがとんでもない高値で売れ、いかにも「ジャコメッティ的」なものに人々が群がる、モデルとなったジェームズロードはそのジャコメッティ作品が好きで、本まで書いているのだから、そのジャコメッティ自分を描くという「ポートレイト」、完成を見たいと思うのは至極当然の心理ですよね。

描き上げては消され、描き上げては消される肖像画と、その中で繰り返されるひとつひとつの問答、ジャコメッティをとりまく女たちとのやりとり…あのフランス・ギャルの「JAZZ A GOGO」に乗せて新しい車でドライヴするシーンよかったな〜。でもって、カメラ肖像画を描くジャコメッティ目線になっているところは文字通りなめるようにジェームズロード役のアーミー・ハマーさんの美しい造作が浮き彫りにされるわけで、いやほんと…見ながら照れたわ…(なぜお前が)。

ラストの展開はちょっとあっけない感じもしましたが、現実とはこういうもの、という小気味よさともいえるかな。ジャコメッティの弟との関係性もよかったです。

2018-01-11

[]「阿弖流為」続・Blu-ray/DVDをもっと楽しむ!

ハイ昨日の特典映像に続いて本編見ながらメモいきますよーーー!

  • いのうえ演出恒例の最初タイトルを背負って立ってキマるかどうかを役者の力量をはかるひとつ基準にしているのだが七ちゃんは動きひとつでばっつりきまりまくっているのでさすがです
  • いてうさんの「切ってしまえー」がすごく小悪党感あっていい。いてうさんはこのあと出てくる「やれやれーい」もめちゃ小悪党なふぜいがよく出ててスキ
  • 誰!田村麻呂さまの名乗りのところで「いい男―!」つってるのは!私もそう思うよ!
  • 巻き込まれるとケガするぜ、で舌なめずりするの良くない…いや良い…いや良すぎて良くない(心の臓がもちませぬわえ〜)
  • 兄弟の立ち回りの間合い近さな〜〜!!
  • 烏帽子の刀を押えた後に「チッチッチ」て指でやってた仕草まだこのときやってなかったんだなーざむねんー
  • 勘九郎さんが心配していた猪木大丈夫だよ!安定のスベリ具合だよ!(傷に塩)
  • 田村麻呂さまのいやそうな顔がほんとうにいやそうでイイ
  • 稀継さまは「話はそこできかせてもらった」パターンが多い
  • 随鏡さんは手下の失敗にも叱ったりしないしあくどいけれどホワイト上司かもしれない
  • 花道での染さまの気持ちよさそうな大見得かぶさるギターフレーズかっくいい〜
  • いってごらんいってごらんいってごら〜〜〜〜ん
  • 「それは…性だ」で無駄に二人のショットを並べるシネマ歌舞伎さま
  • 「都の虎…とかいう」っていう阿弖流為に「そいつ全然興味ねえ」みたいな顔の立烏帽子推せる
  • 「だから託したんだ」の染さまの顔絶品ね!絶品ね!
  • 「なんであんた蝦夷なんだ」からはマジ台詞を暗唱しているしいつだっていっしょに言えるのだけどいつだって見入っていたいのでこう引き裂かれる私の心みたいな。みたいな。しかしこれなんでこんなカッコイイの、ただ名前を言ってるだけなのに(by中島かずき先生
  • 亀蔵さんの「おめぇがやるってのか?」の言い方だいすきだし阿毛斗さまの凛とした佇まい最高
  • ああ〜〜シャケリレーのバージョンも特典映像でみたかったよね!このときラグビーワールドカップの影響で五郎丸ポーズやったりしてたよね
  • まこと附け打ちさんの交流もかわいかったな〜〜
  • 紅玉を持って舞台正面での「阿弖流為…!」のあとの七之助さんの顔がんもー――いい顔しやがるぜーーーーー!!!
  • 黒縄を追い詰めるとき阿弖流為のこう、見下したっつーか下に見てるっつーかとにかく「圧倒的実力の差!」ってキャプションつけたいオラオラ感推せる
  • っていうかこの舞台推せる瞬間しかないのよねー(頬に手)
  • 「まーーーたそうやっていいカッコする〜〜〜」大好きこのトーン。毎回一緒に言っちゃう
  • 「熊ふぜいがおどき!!」声に出して言いたい日本語
  • 御霊さまが随鏡が沈んだセリを見下ろすとこめっちゃいいよね。随鏡の扇が舞台の上にのこってるときはさり気にセリに蹴落としたりしてたのもドS感あってすきだったなー
  • 二幕最初の兵糧を運んでくるところ、なぜか毎回河野さんの防人の歌が脳内で流れ始めるのであのひとすごい(かもしれない)
  • ここで阿弖流為田村麻呂が対峙するとこがホントめちゃくちゃ好きなのよね。田村麻呂さまマントだしね。「おまえが蝦夷の族長で、おれが坂上家の男なら、こうなるしかないだろ」はーーーーーー私の萌えがーーーーー全部詰まったこの台詞ーーーーー
  • カッコイイしかないこの場面…はああ〜〜〜〜〜みんなかっこいい〜〜〜〜〜(語彙とは)
  • 「なんなんですかあの五月人形は!」は毎回ウケてたねよかったね勘ちゃん
  • 勝つための策を命じておきながら「いずれ数の違いは致命傷になる」とかいっちゃう田村麻呂さまだいちゅき
  • 「逃がすかよ」はこの回もいいけどもっとクソどえろい回があったからあの音源わたしにくれませんか、いや音源がだめなら映像でもいいです(どんどん図々しくなるヲタ
  • 黒縄に一撃くらわすときも後半左手がめちゃきれいな型でキマってたのでその映像を(もういい)
  • 亀蔵さんのこの当て振りコーナーいいよね!「器ではない」が好き!
  • ここらあたりになるとはあ〜〜〜もうすぐアレがくる〜〜〜と思って顔がニヤけるわたし(病気かよ)
  • ヤバイ、久しぶりに観たら稀継さまの正体が顕れるところからがどうにもこうにも好きすぎてヤバイ。なんでこんな…かわいそう田村麻呂さま…かわいそうな田村麻呂さまなんて最高なの…っていうかマジでこれ…夢なんじゃない…?こんな私の萌えに都合のいい展開が…あった!あったよ!すごいぞ父さんラピュタは本当に(混乱がひどい)
  • しかしこのシーンだけじゃないけど息遣いがわりと入ってるのよね、だからなんだってことじゃないけどクソ萌えますよね
  • あめえ、あめえよくまこ!(一緒に言わないと気が済まない)
  • 闇討ちしたのはお前じゃないのかって何度も聞いちゃう阿弖流為さまったら!立烏帽子もおこだよ!
  • 「今でもか…今でもおぬしはこの国を捨てたいか」は七之助さんの芝居でじゅうぶん伝わってるのでエコーとか効果をかけなくてぜんぜんいいよ!むしろないほうがいいよ!!
  • 御霊さまのラスボス感たるや
  • なぜ私の言葉が届かない…!あひーん立烏帽子さまーーーー
  • ここでさーーー阿弖流為がさーーー田村麻呂を稀継の計略で殺されたと知ってさーーー阿弖流為おこだよーーー!!!ってなるのが本当に乙部のりえvs姫川亜弓の構図っつーかほんとありがとうございます
  • 烏帽子と鈴鹿の別人ぶりなー!知ってたけどなーー!!
  • 好きになる前にふられるのがほんと似合うね勘九郎さん…そういう勘九郎さんがSUKI…
  • はあ〜〜〜生まれ変わったら黒縄になって田村麻呂さまにズッタズタのメッタメタに斬られたい…剣を逆手に持ち替えてこれでもかとばかりに殺されたい…もはやつける薬が見当たらNAI…
  • それにしても開眼のときのあの顔スギョイよね…どうなってんだ歌舞伎役者の表情筋…見ながらマジで気おされてのけぞったものね…
  • 蛮甲の「やっつけたぞくまこ」切ない、切ないよお
  • そしてここからくまこに泣かされる
  • あれ?ダメだ後半見入っちゃうなここから台詞全部すきだし一緒に言いたいけど聞きたいし見たいしどうしたらいいのー!
  • 達谷の窟の場面は本当に、なにもかもがすばらしい。正体を顕したアラハバキ七之助さんの芝居がとにかく凄まじいし、それを受ける染さまの阿弖流為の哀切がすごいし、このふたりの美しさがもはや筆舌に尽くしがたい。っていうか映像見ながらもう号泣しちゃったわたしだよ。なんでこんな泣いた。だって哀しくて、そしてこんな舞台が実現した奇跡に打ち震えちゃうわよ。染さまほんとうにありがとう…もう何十回目かの足を向けて寝られない事案…
  • あのシーンのあとだとちょっと現実に帰ってくるのに時間かかるつーかDVDだと都の人々のスケッチのシーンがカットされてるから気持ちの!切り替えが!できにゃい!
  • ここで蛮甲がついに絶体絶命の阿弖流為を救う鍵となる、っていう展開がほんといい。文字通り運命の輪だ。そして何度も繰り返された「生き意地の汚い男」という台詞がここにいたってまったく違う意味となるのもめちゃくちゃ私のツボです!!
  • そしてここからの染さまオンステージ…もう観客みんなあなたの虜です…
  • 「どした?」じゃないよ田村麻呂さまったら!かわいいけど!
  • 「おれのやれることはもう何もない…」いじけるなーー!(喝が入りました)
  • なぞかけ苦手そうだよね田村麻呂…
  • はーかっこいい(結局それ)
  • 御霊さまの霊力を打ち破る時の染さまの美しさ天井知らずじゃないか
  • ほんと私の夢と萌えがぎゅうぎゅうにつまりきった展開だなコレ…改めておそろしいわ…しかもそれを大好きな演出家と大好きな役者がやってるってんだからほんと…
  • やばいやばいやばいやばい最後ふたりやばいやばいYABAI
  • 好きすぎる(何度目の好きすぎる発言ですか)
  • そうそう田村麻呂さまの衣装、裾に虎が描かれてたよねそういえば(唐突な思い出しktkr
  • 最後祭りのシーンでね、田村麻呂と阿弖流為が遠くを見やるのが本当最高に美しい構図でもう…ありがとうございます

いやこれ見ながらメモとか言いながら最後の30分ごうごう泣いていたのでなんにもできなかったわ。あんなに観たのに!あんなに観たのに!まだこんな泣きます!?いやこんな夢みたいなことほんとあるんですね。みんな生きてりゃいいことあるぞ。夢って大抵叶わないけどときどき嘘みたいに叶うぞ。叶うどころか想像の上をいってくるぞ。歌舞伎NEXTの阿弖流為わたしにとってそういう舞台でした。妄想が倍になって実現してお釣りまでもらっちゃうみたいな。何言ってるんだかわかんないですね。そうですね。でもとにかく迷ってるひとには見てもらいたいのよ!「阿弖流為」で検索すると買おうかなどうしようかなって迷ってるひととか気になってるんだけど〜とかいうひともけっこう見かけるのよ、ゴッリゴリの二重丸でおススメしますし燃え萌え燃えて散ること請け合いです。いやはやこれ…再生ボタン押したら何回でも見られるってすごいね最初に払えばあとはお金を払わなくていいのもすごいね!そんな喜びさえかみしめてしまありさまです!最高〜〜〜〜!!!