東京にて

靖国で見かけた「英霊シャツ」

早朝5時、東京駅に到着。さっそく皇居のまわりを歩いてみる。ウォーキングやジョギングをする人もまばら。警備の警察といろいろ話をする。皇居前広場で、毎朝5時から鳩に餌をあげているというおじさんと出会う。話を聞いていると、なかなか面白い経歴の持ち主らしい。
反時計回りで堀沿いを歩く。半蔵門まで来たところでさすがに腹が減り、麹町で立ち食いそばとおにぎり一個。千鳥ヶ淵戦没者慰霊碑を見る。
九段下で地下鉄に乗り、平井のym家へ。10時過ぎ。朝食兼昼食をいただく。mさんの鮭はやっぱりおいしい。その後、yとmと病院へ。ojの見舞い。元気そうでよかった。
再びyと九段下に戻り、器屋へ。yと別れ、靖国神社へ。写真を撮りまくる。遊就館という靖国の博物館にも行く。これが結構広い博物館で、途中で眠くなってくる。「回天」の実物を見た。
その後皇居一周を再開して、乾門へ。間違えて立ち入り禁止のところに入ってしまい、警官にどやされる。
竹橋で地下鉄に乗り、新宿三丁目へ。yと再会。腹が減り、紀伊国屋地下のカレー屋で間食。柄谷行人のシンポジウムへ行く。そこで偶然ykくんと会う。
本当は日帰りの予定だったが、疲れたのと旅の目的を全く果たしていないのとで、ym家に泊まらせてもらう。晩飯はキムチ鍋。久々に食べた。
夜は熟睡。夜中に震度3程度の地震が2回もあり、その度にyに叩き起こされたが、そうでなければ全く気づかなかっただろう。

柄谷行人シンポジウム@紀伊国屋

1500円払って出たのに、途中ちょっと寝てしまった。だいいち、柄谷行人の本って『倫理21』をちらっと読んだくらいなんです。そこで、要約のようなことはしないことにします。いくつか気づいた点だけ。
大澤真幸のまとめによると、柄谷行人の仕事には4段階ある。①文芸批評、②文学そのものを問う(文学の超越論的可能性)(「形式化の諸問題」まで)、③他者についての考察(『探求Ⅰ・Ⅱ』)、④新たな革命のビジョン(『トランスクリティーク』)。話はおおよそこれを元に、柄谷行人の今までの仕事について大澤・高澤両者が質問していく形で進んでいきました。
やはり一番の焦点は、「アソシエーショニズム」について。「アソシエーション」とは、労働者が「労働」を提供するだけではなく、「消費」という側面で資本主義のキーを握った存在であり、そこをポイントとして(トロツキーではなくマルクスの言う)「永続革命」を達成しようという、そういう労働者の新しい立ち位置(間違えていたらごめんなさい)。ストライキという形での労働運動が先進国において意味を成さなくなった20世紀、「真の階級意識を植え付けなければ」「後進国でこそ革命を」といった方向に進むのが多くのマルキシャンだったけど、柄谷はあくまで「アソシエーション」による先進国での革命を提唱している。これにとても共感しました。
ちなみに、柄谷は「形式化の諸問題」を書いた後の年と昨年が「天中殺」だったらしい(笑)。で、自分の今までの作品を見直してみようとしたのが『定本 柄谷行人集』だったわけで、それがこんなに売れて、そして今日、紀伊国屋ホールをいっぱいにできているだなんて、柄谷行人は超「勝ち組」の思想家なのだなあと再確認しますた。