浅沼ヒロシの書評ブログ 晴読雨読日記 RSSフィード

2016-11-28 校閲ガール トルネード

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著者:宮木あや子  出版社KADOKAWA  2016年10月刊  \1,404(税込)  219P


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毎週水曜日、夜10時から日本テレビ系列放送している『地味にスゴイ! 校閲ガール』の原作である


今日取りあげる『校閲ガール トルネード』はシリーズ第3作。


ぼくはシリーズ第1作の『校閲ガールからこの「読書ノート」で取りあげていて、第2作『校閲ガール ア・ラ・モード』のレビューに、次のように書いた。


みんなが応援すれば、3冊目も出るかもしれないから、買ってあげてね〜。


校閲部」という地味な職場を舞台にした小説から、少しでも盛り上げるつもりで書いたのだが、まさか石原さとみ主演でテレビドラマになるとは思わなかった。


ドラマに後押しされたように出版されたのが、この第3弾『校閲ガール トルネード』だ。

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2016-10-24 イサの氾濫

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著者:木村 友祐  出版社:未來社  2016年3月刊  \1,944(税込)  158P


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東北を舞台にした短編小説である


主人公の将司は、40歳を過ぎて職を転々としている。


大学を出て小さな出版社や印刷会社に勤め、本に関わる仕事をしていたこともあるが、人間関係につまずいたり仕事がきつかったりして、さまざまな仕事をわたりあるくようになった。


フリーターや転職を美化する風潮もあり、30代のうちは「まだやりなおせる」と自分に言い聞かせることもできた。

しかし、40代をむかえてしまった今、自分が恐れていた事態に陥ってしまったことをはっきりと自覚した。


金もない、女もいない、友だちもいない、顔もよくない、服選びのセンスもない、夢もない、人づきあいもうまくできない、仕事もできない、機転が利かない、愛想もない、おもしろくない、人に好かれない、暮らしを楽しめない、つまり人としての魅力がない。ない。ない。ない……。


ないないづくしのなか、いつも決まって見る夢のなかに、叔父の「イサ」

が現れるようになった。

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2016-09-30 コンビニ人間

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著者:村田 沙耶香  出版社文藝春秋  2016年7月刊  \1,404(税込)  151P


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このメルマガ芥川賞作品を取りあげたことはない。


直木賞が「大衆文芸作品中最も優秀なるもの」に授与されるのに対し、芥川賞は「純文学短編作品中最も優秀なるもの」に与えられる。


「純」文学ということばが、「不純」文学を見下しているようで好きではないし、芥川賞作品を読んでみても、すっきり割りきれないモヤモヤした終わり方を不満に感じてしまう体質なので、そもそも芥川賞受賞作品をほとんど手にとったことがない。


昨年話題になった又吉直樹著『火花』も、家族が読みたいというので買ってはみたものの、とうとうぼくは読み通せなかった。

芸人のピース又吉は好きな芸人の一人なので50ページくらい目をとおしたものの、作品が面白く感じるようになるまでガマンできなかったのだ。


しかし、この第155回芥川賞を受賞したこの『コンビニ人間』は違った。

読む前から著者に興味を持っていたので、すらすら読了することができ、「これは面白い!」と感じた。


賞の発表から2ヶ月がすぎ、少し古い話題になってしまったが、今日はこの芥川賞作品を紹介させていただく。

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2016-08-16 帰郷

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著者:浅田 次郎  出版社集英社  2016年6月刊  \1,512(税込)  252P


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太平洋戦争が終わって71年。

戦争の語り部は年々少なくなっていく。


「戦争を知らない世代」という言葉も古くなってしまったが、戦争が庶民日常破壊してしまうということは、肌感覚で伝えていかなければならないと思う。


今日の一冊は、戦場に行った男たちの生と死をテーマにした連作短編集を取りあげる。

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2016-08-12 ざんねんないきもの事典

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副題:おもしろい!進化のふしぎ

著者:今泉忠明/監修 下間文恵/絵 徳永明子/絵 かわむらふゆみ/絵  出版社高橋書店  2016年5月刊  \972(税込)  175P


おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典    ご購入は、こちらから


これまで地球上にあらわれた生き物のうち、99.9%は滅んでしまった。


かつて地球に君臨していた恐竜も、宇宙からやってきた巨大ないん石のせいで地球の気温が冷えてしまい、絶滅してしまった。

どんなに強そうな生き物でも、環境が変われば生きていけない。


環境に合わせてうまく進化していけばいいのだが、地球がどう変わっていくのか誰もはっきりわからない。だから、進化に正解はない。


地球上には、ものすごく不便そうな体や、たいへんそうな生き方、何の役にたつの? と言いたくなるような能力を持った生き物がたくさんいる。


だが、人間から見れば「ざんねん」な感じがする生き物も、環境の移り変わりをすり抜けて生き残ってきた「運のいい」生物たちなのだ。

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