MARM 2010-11「なにかいってくれ いま さがす」(アート・センター協力)

なにかいってくれ いま さがす
MARM 2010–11: Projecting Against Sogetsu Art Center and its Archives



眠りにつこうとする時、昼間の出来事を意識的に回想する人は誰でも、いろいろな選択肢の半影的なうねり(penumbral welter)を背景に、その出来事を潜在意識的に映し出しているのである。
——A. N. ホワイトヘッド『過程と実在——コスモロジーへの試論』(1929年)


2011年1月30日(日曜日)13:00–18:30 慶應義塾大学三田キャンパス東館 6F G-SEC Lab. 入場無料(客席数150)

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展示|EXPOSE 1968——なにかいってくれ いま さがす

1968年4月、旧草月会館ホールで行われた計5回の連続シンポジウム(主催=草月アートセンター、デザイン批評 / 風土社)に関する資料群

映画|黒木和雄《椅子を探す男》1968年|16 mm|カラー|11分 ※デジタル上映

1968年4月25日、「EXPOSE 1968——なにかいってくれ いま さがす 第4回 / 蒸発のすすめ(虚像と実像)」 上映作品
1968年10月、「フィルム・アート・フェスティバル東京1968」(主催=草月アートセンター)入選作品

公開セッション|なにかいってくれ いま さがす——半影のモンタージュ


荒川徹(あらかわとおる)芸術哲学・芸術科学
東京大学大学院総合文化研究科博士課程
上崎千(うえさきせん)芸術学・アーカイヴ理論
慶應義塾大学アート・センター訪問所員、『「アーカイヴ的思考」のために』(2010年)
大森立嗣(おおもりたつし)映画監督
ゲルマニウムの夜」(2005年)
司会=久保仁志(くぼひとし)実験芸術学
「草月アートセンター——印刷物という半影」展(2009年)
平倉圭(ひらくらけい)芸術論・知覚論
横浜国立大学専任講師、『ゴダール的方法』(2010年)
平沢剛(ひらさわごう)映画研究
明治学院大学言語文化研究所研究員、『1968年文化論』(2010年)
松井茂(まついしげる)詩人
東京藝術大学特任講師、詩集『時の声』(2010年)
三輪健仁(みわけんじん)芸術学
東京国立近代美術館研究員、「ヴィデオを待ちながら」展(2009年)
森大志郎(もりだいしろう) グラフィック・デザイナー
鷲田めるろ(わしだめるろ)キュレーター
金沢21世紀美術館キュレーター



過ぎ去った出来事は消えてしまうわけではない。出来事は半影を産出する、朧気な意識の中で繰り広げられる数多のスペクタクルのように。しかしまた、ある出来事が起きる前に紡ぎつつ解かれていく様々な物や思考の群れ=前からの眺め(prospect)、ある出来事が起こった後に解きつつ紡がれていく様々な物や思考の群れ=後ろからの眺め(retrospect)、それらも様々な半影を産出し続ける。前からの眺め、後ろからの眺め、そして只中の眺め(spectacle)。出来事へと向けられたこの三つの眺めが交錯する時空間に、半影の「うねり」が織りなすもう一つの出来事がある。私たちは残り続ける資料(前・中・後の眺め)から出発する。半影の群れが荒れ狂う「うねり」をカットし、それらをモンタージュすることによっていくつもの別の眺めをさがすのだ。(久保仁志)



主催|港区アート・アーカイヴ=地域芸術資源採掘プロジェクト MARM(Mining Art Resources in Minato)
助成|平成22年度港区文化芸術振興基金助成事業
協力|財団法人草月会資料室、並木てる子、有限会社映画同人社、東京国立近代美術館フィルムセンター慶應義塾大学アート・センター
お問い合わせ|慶應義塾大学アート・センター内 MARM 事務局 〒108-8345 東京都港区三田2-15-45 電話 03.5427.1621