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その先は永代橋  草森紳一をめぐるあれこれ このページをアンテナに追加 RSSフィード


「崩れた本の山の中から 草森紳一蔵書整理プロジェクト」に経過報告がされているように、
「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。
このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。
(「その先は永代橋」は、『東京人』1996年4月号から連載のタイトルより。写真 草森紳一)

崩れた本の山の中から 草森紳一蔵書整理プロジェクト

草森紳一ホームページ 白玉楼中の人

2018-12-13

十勝の「草森通信8号」出ました!

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「草森通信8号」、ボランティアの高山雅信さんからお送りいただいたのが12月7日。
風邪を引いたり、年末進行などでドタバタしてご紹介が1週間遅れとなってしまいました。
申し訳ありません! 北海道もとても寒くなったと思います。皆さんお元気でしょうか。

写真本の展示レポートがうれしいですね。また今回は、「草森蔵書整理ボランティア十勝」代表の木幡裕人さんが書いてくださっています。そうですか、「ストレスの王、そのタフネス」の原稿を受け取られた編集者が木幡さんだったとは・・・

(草森さんの住まいは一つ手前の門前仲町でした。大昔のことですから…お会いになったのが東陽町かもしれませんね)

いろいろなご縁のつながりで、皆さまが活動してくださっているのを不思議に感じます。
草森英二さんが体調を崩されていたのに、原稿掲載はうれしい。通信になくてはならないコラムです。ご回復を心よりお祈りしております。

編集責任の北村光明さん、吉田真弓先生、皆様ありがとうございます!
 

2018-11-21

文庫版『随筆 本が崩れる』出ました!

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『随筆 本が崩れる』(草森紳一著・中公文庫)が、本日発売です。
帯文は、ナント、又吉直樹氏!

付録として、随筆5篇「魔的なる奥野先生」「本棚は羞恥する」「白い書庫 顕と虚」「本の精霊」「本の行方」が加わりました。
解説は、平山周吉氏による「六万二千冊の『蔵書にわれ困窮すの滑稽』」。短文ながら草森紳一の仕事と一生が凝縮され、好奇心をかきたてられる名文。ぜひ書店で手に取ってください!

神保町東京堂書店さんで、来週には大倉舜二氏撮影の崩れた蔵書の山の写真が展示されるのも楽しみです。

今回の出版は、今年3月、西牟田靖著『本で床が抜けるのか』のB&Bトークをきっかけに、西牟田さん、仲俣暁生さんのご尽力で実現しました。中公文庫のご担当者にも感謝! 又吉さんへのご紹介や解説文は、元草森紳一の編集者だった方々のおかげです。草森さんの人徳ですね。


左は2005年刊の文春新書版、右は新編集による増補版の中公文庫です。派手になりましたね!
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2018-11-10

11月21日、『随筆 本が崩れる』増補版が、中公文庫から出ます!

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2005年に文春新書で出版され、話題を呼んで版を重ねた草森紳一の『随筆 本が崩れる』。

たった一人、マンション内に増え続ける本たちと共生し、雪崩のように崩れた本にお風呂場に閉じ込められた日の一部始終をつづった「本が崩れる」、野球少年だった頃を回顧する「素手もグローブ」、荷風の晩年と自らを重ね合わせる「喫煙夜話」。
3本の名随筆に今回5本の随筆が加わり、中公文庫から出版予定です。本文はもとより、新たな装丁、解説も見ごたえ、読み応え十分。中公文庫の『随筆 本が崩れる』ご期待ください!!

11月21日中公文庫の『随筆 本が崩れる』増補版が、全国書店で発売!! お楽しみに!!



下の写真は、校正の付箋がいっぱい入った初版と二版。
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2018-11-03

『三田文學』2018年秋号は、特別に読み応えあり!

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『三田文學』2018年秋季号の目次を見ていただければ、説明の必要がないでしょう。
永井荷風奥野信太郎は、草森紳一の人生を大きく動かしたと言える人たちです。

奥野信太郎氏は慶応大学中国文学科教授。草森さんは、奥野氏の授業で唐の詩人李賀を知り、500枚を超える卒論を書くことになります。
大学卒業後、映画会社の入社試験に落ちて編集者をやっていた頃、奥野教授から大学に戻ってくるように言われ、斯道文庫の漢籍の整理に携わりますが、1968年奥野教授が亡くなられた後に大学を離れてフリーランスの物書きになりました。
奥野先生がお元気なら、草森紳一の一生も少し変わっていたかもしれません。

李賀については、「李長吉伝・垂翅の客」という題で『現代詩手帖』に1965年から1976年にわたって書き継がれ、没後、2013年に大著『李賀 垂翅の客』(芸術新聞社)として出版されました。永井荷風についても、永代橋のたもとに居を移してから書き継いだものが、2004年『荷風永代橋』(青土社)という大著になっています。

『三田文學』の没後50周年シンポジウム「奥野信太郎を語る」は、敬愛に満ちた奥深い内容です。ぜひお読みいただければ。
お送りくださった岡晴夫先生、三田文學編集部様、ありがとうございます。

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写真は53年前のもの! 1965年10月、中国文学学会開催の岡山大学で。前列左から奥野信太郎教授と村松瑛教授。後列左端が草森紳一、中央が岡晴夫氏。

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『三田文學』2018年秋季号の目次、3頁分のうちの2頁。

2018-10-31

北海道・音更(おとふけ)の草森蔵書は、まっこと幸せもん。

持ち主が亡くなった場合、本たちはどうなるのか?
高名な作家や研究者のまとまった蔵書は、かつては故人の記念館で保存されるか、図書館や大学の研究機関に寄贈されて、公の遺産として活用されたものです。
しかし最近では、増え続ける本の保管場所に窮し、寄贈された貴重な蔵書も廃棄、というショッキングなニュースを耳にするようになりました。

本の持ち主が亡くなれば、蔵書も処分されて仕方なし、いや、残すより、敢えて処分した方が良いという考えの人もいます。
しかし、本の寿命は100年。和紙の本なら1000年です。(紙と製法によりますが)
持ち主が亡くなっても、書物の本来の使命を果たしつつ、寿命を全うできる環境があればと思わざるを得ません。

そんなことを思うと、草森紳一の故郷に帰り、帯広大谷短大の先生方と地元の蔵書整理プロジェクト(ボランティア)の皆さんとのご尽力により管理されている草森蔵書は、本当に幸せ者と思います。

8月に帯広市図書館、10月に音更町図書館で開催された、草森蔵書の写真集の展示を企画された、吉田館長からのメールをいただきましたので、一部ご紹介します。

「(NHKニュースの放映について)ディレクターさんは、放送は1分程度だけど‥とすまなさそうに言いながら丁寧に取材をしてくれました。
自由に手に取って見ていただけるようにしたため、ボランティアさんの殆どはそれぞれ2時間を区切りとしてスケジュールを組み、間違いがないよう交代で監視について下さいました。
親の介護中のKさんも時間を作って協力して下さいました。こんな方々の協力があって、展示会が開催できます。

開いて見られるようにしたことが良かったのか、用意した椅子に坐ってじっくりご覧になって行かれる方、ご夫婦で1時間近く話をしながら写真集を開いていた方などがいらしたと報告をもらいました。

ガラスケース越しに眺めるだけじゃなくて、開いて見たい、触ってみたいと思うのは本好きなら同じ気持ちのようです。
アンケートにも記載いただきましたが、こんな機会を通じて草森さんへの関心が高まれば嬉しいのですが‥。

できれば来年も別の展示を密かに考えています。」

楽しみです! よろしくお願いいたします。

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*ニュースの冒頭に浜田蜂朗氏の写真集が写りました。浜田氏は『現代の眼』編集者を経て、写真家、ライターとして『芸術俱楽部』『写真時代』で活躍され、1996年死去。この『殺風景』は、没後に朝倉喬司、石塚恵子、草森紳一末井昭、西井一夫、森山大道の6名の友人たちにより刊行されたものです。右手のアルバムは、草森、浜田、石塚と3人で出かけた旅の写真から。左が浜田氏、右が草森さん。1990年代初めでしょうか。撮影は石塚恵子さんで、3人一緒の旅は本当に楽しかったと聞きました。草森蔵書が残され、展示されたおかげで、浜田蜂朗氏のことにも思いを馳せることができました。

2018-10-20

音更町図書館でも開催。NHKニュース(帯広)で放映されました!

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10月16日付ブログでお伝えした草森蔵書のうち写真本だけに絞った展覧会が帯広市図書館に続き、音更町図書館でも開催され、盛況のうちに終了しました。

10月16日の午前、なつかしいNHK帯広のディレクターの方からお電話をいただき、びっくりしました。この方は、8年ほど前、帯広大谷短大に草森紳一記念室が開館したとき東京に来られ、3万冊の蔵書寄贈の経緯を取材、門前仲町の草森さんが住んだマンション周辺や永代橋まで撮影されて,NHK帯広の朝の番組で放映してくださった方です。

お電話いただいた理由は、草森さんの顔写真の著作権者についてのお問い合せでした。ちょうど音更図書館での展覧会初日。取材現場からの電話だったとか。

展覧会のことは、この日の夕方のニュースで放送されたそうです。うれしい!
著作権確認は間に合わなかったのか、ニュース冒頭では、ETV特集「書という芸術への旅」(平成7年)での草森紳一の映像が使われ、企画の吉田真弓館長がインタビューに答えられたそうです。

入館者の方々の感想を知りたいですね。

吉田館長様、NHKディレクター、蔵書整理ボランティアの高山さんたち皆さま、お疲れ様でした! お教えいただきありがとうございました!!

2018-10-16

帯広で、「草森紳一 1/230 写真集テーマの草森蔵書展」開催中!

お久しぶりのブログ更新です。
ウルトラ酷暑の夏が過ぎたと思ったら、猛烈な台風が何回も!
ようやく穏やかな秋が始まりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

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ご報告が遅くなりましたが、北海道の帯広市図書館で8月28日〜30日まで、草森紳一蔵書の中から、写真集だけを選んだ展覧会が開催されました。

帯広市図書館では、以前にも生原稿から身回品、蔵書などを集めた大型の展覧会開催もありましたが、
企画をしてくださった帯広大谷短大の吉田教授によれば、
「今回は、草森氏の約3万冊の蔵書の中から、写真集と歴史写真の大判のものを厳選して展示し、
著名な写真家とも交流の深かった草森氏の意外な一面にふれていただくことを目的にしました」とのこと。
自由に手に取っていただく形式にしたため、展示本を選択するのに大変気を使われそうです。

3日間という短期間にもかかわらず、来場者は167名。大成功ですね! 新聞記事をお送りくださった高山さん、ありがとうございました。

続いて本日、10月16日(火)〜19日(金)まで、音更町図書館にて開催中。

今ではなかなか手に取ることのできない貴重な写真集が並んでいます。皆さま、ぜひご来場ください!

2018-07-15

草森紳一本は、消えた出版社ばかり?!

イライラ。
本屋が近くにないから。

早く読みたい雑誌があるのに、本屋がない。
近くにあった大きな本屋3軒はとっくになくなった。
古本屋もこの町には5〜6軒はあって、お散歩の楽しみだったのに、もうない。

乗り換えの渋谷駅B1のブックファーストは便利だったけれど、ここもなくなった。
ほんとうにイライラ。

駅から出て、街中の本屋に行かなくちゃあならないのは、暑さのせいで(本当は年齢のせい)いやなんですね。
で、エレベーターの乗り降りだけですむ目黒駅アトレ5階の有隣堂へ。
あった〜、一冊だけ残っていた!
売り切れだったら、イライラ再燃だったはず。ホッ。

読みたかったのはコレ。
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特集巻頭対談の、高崎俊夫VS坪内祐三「函入り本を出すと出版社は消える?」。

高崎さんから「『本の雑誌』8月号で、坪内祐三さんと対談しています。冬樹社荒地出版社薔薇十字社、書肆パトリア、リブロポート、そして話の特集、となつかしい名前が飛び交う楽しい対談になりました。草森紳一さんの名前も登場しますので、ぜひ」とメールをいただいたのだ。

「消えた出版社を探せ!」は、面白い企画ですよねえ。私は”草森紳一ほぼ全執筆記録”をほそぼそと作成中なんですが(果たして完成するのか??)、消えてしまった版元名の調査にお手上げですから。
小さな出版社ほど個性が強く、人(編集発行人)と本(著者)が運命を共にしていましたよね。
対談には、リアルタイムで知っているなつかしい出版社の名前が、これでもかっていうぐらいに出て来ます。だけど物足りない。6ページで、駆け足ですっ飛ばし、の感。もったいない。本の雑誌社さん、丸ごと1冊の単行本にしてください! 

他の特集記事「書店から見た出版社倒産」田口久美子、「書肆ユリイカの造本美」田中栞、「リブロポートとトレヴィル」永江朗等々も、興味深い。ぜひ本屋で手に取ってください。

2018-07-14

『明日の王 詩と評論』(あすのおう)の書評と、感想をご紹介。

暑い、暑い、と言っている間に7月も半ばです。西日本豪雨後の惨状が心を去りません。政治がひどいので、ますます憤激ですが、自分の頭が切れてしまったらマンガになります。心を洗うこと、楽しいことを思い浮かべつつ・・・
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愛敬浩一氏から「詩的現代」をご恵贈いただきました。書評部分をアップしても構いませんと許可をいただきましたので、UP! 

特集は、中野重治ですね。
ご注文の方は、〒370—2314 群馬県富岡市田篠1280-85「詩的現代の会供廚泙如D蟆500円です。

(その他の書評は、4月28日ブログ他にもあります)

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以前にいただいた、『草森紳一が、いた』にご執筆くださった田中亮氏からの心温まるお礼状もご紹介。もちろん許可をいただきました。

「(前略)「明日の王」詩と評論、たいへんおもしろく拝読いたしました。嵩文彦という詩人と草森さんが、実際は組んでいないのにがっぷり組んだ、親しみがあり緊張感のある、実際にやり取りしていないのに現場感のある、不思議な本だと思いました。外堀からじっくりと攻める草森さんらしいアプローチが懐かしく、身内ともいうべき嵩さんとの一体感が私にとっては珍しく、新鮮でした。
もう、十年ですか。10年ですね。
私にとっての草森さんは、何といってもサマーベッドの上で毛布に絡まり「ワワァァ」なんてもがいていて、手助けして起こしたら「タバコ買ってくる」といってプイと出かけて行った、原稿執筆時の一コマです。いろいろなことを勉強させていただき、本当に「オモロイ」時間を過ごさせていただきました。懐かしいです。
昨年のちょうどこの時期(3月10日)、会社が破産し、フリーの編集となりました。幸いに、いくつかの仕事をいただき、しばらくは何とかなるかなあ、という感じです。もし草森さんに会えたなら、去年は「いいじゃないか」なんてフフッと笑ってくれたことでしょう。今なら「ほ〜ら、よかったじゃないか」と、やはりフフッと笑ってくれるでしょう。
そんなことを思いつつ、読ませていただきました。久しぶりに草森さんに接し、嬉しく懐かしく、ありがとうございます。(後略)」

いろいろありますよねえ。皆さん、負けずに元気でやってまいりましょう!!