軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

北朝鮮はあせっている

 18日の産経新聞一面トップに、北朝鮮の「工作機関」の一部が報道された。総連の「在日本朝鮮人科学技術協会」なるものの正体が、警察当局の調査で判明し「警察当局は研究者の動向把握など全国規模の捜査に乗り出している」という。
 こんな機関がわが国内に堂々と存在していたことに国民は驚いたことだろうが、これは氷山の一角に過ぎない。警察は以前から掌握していたのだが、当時は「北朝鮮シンパ」の国会議員などが権力を振るっていて、動きが取れないでいただけである。「幹部級が万景峰号を利用して本国研究者と会い、研究に必要な技術情報を求められていたことを示す文書も見つかったという」とあるが、この調査文書は、今まで単に棚の片隅に放置されていただけだったのだろう。今、それらの過去の調書が紐解かれて白日の元に晒されつつあり、捜査員たちは勇気を取り戻して真剣に取り組み始めたのだ、と私は理解している。
 拉致問題が急激に動き出したのもそうである。国内に潜伏する工作員に関するかなり有力な情報も、拉致関係者に関する情報も、その最盛期には「政治の世界から圧力」がかかって「ボツ」になって来た。当時、工作員の筆頭だったシンガンスが逮捕されたとき、彼の「釈放」に尽力した政治家たちの一部は、まだ政界で活躍しているようだが、「実力者」は一応引退したから、そのくびきから解放された警察は、ようやく本来の仕事を開始したのであろう。今後に大いに期待したいものである。

 ところで、以前中国での会議に参加したとき、日本人でありながら中国側の「客員」として会議に参加している「連中」が居た。その一人はれっきとした日本の国会議員の秘書であったし、一言も発言せず、我々の発言をテープに取り、熱心にメモしていた女性は「民主党」の事務局員であった。彼女は「肩書きは民主党」であったが、夫婦別姓だったから正体は明らかであった。勿論秘書の方は「旧社会党」から民主党入りした男の秘書であった。
 9年前、北京での会合では、我が国の防衛産業に勤めていた男が参加していた。彼は航空機関係の技術者で、会社を辞めたといっていたが、ある研究所に所属していて米国の技術情報(公刊だが)を多量に相手に渡してご機嫌取りをしていたことを思い出す。
 その彼もその後の会合に「中国側の客員」として出席していてから驚いたものだが、中国の係員にお願いして「会議風景」の写真を撮ってもらったところ、何と、現像されてきたすべてのカットに、彼は顔が写らないように「意図的に背けていた」から、日本人として?何らかの疚しさがあったのだろう、と私は解釈している。
 蛇足だが、民主党がまとまらないのは、こんな連中が、自民党「脱出組」と合体しているからで、今や誰からも見向きもされない社会党という看板を「隠して」いるからである。相手側の「懐柔策や工作活動」を警戒するのだったら、こんな国会関連団体や、民間企業の連中の排除の方が先だろう。

 ところで、コメントでご紹介いただいた「極右評論」氏のブログに、民主党の近藤議員のことが書かれていたが、彼が「親北」かどうかは別にして(夫人が元自民党所属なのだから情報は共有?だろうが)、核実験以降、世界中からの非難を浴び、経済制裁で窮地に立った北朝鮮は、なりふり構わず「最後の掛け?」に出ている。つまり、利用できるものは何でも利用し、日本中の「工作員・シンパ」を総動員して、起死回生の作戦を遂行中だと考えられる。
 日本各地で「憲法第9条を守れ」「教育基本法改悪に反対する」会などを開催して、一見して旧社会党共産党の得意な「国民集会」を展開しているように見える団体が目立つが、その実態は一部の有名人や、支援者たちによって「安倍体制非難」や、驚くべきことに世が世なれば「不敬罪で極刑になるべき皇室批判」が行われているという。つまり、我が国の国家体制を転覆させようという、かっての「オーム」のような動きだというから油断はできない。
 先日の佐賀県知事の記者会見で、不敬発言をした毎日新聞記者の例はその一端でしかないらしい。奇妙なことに横田の米軍放送は、BCW・テロに対する警戒を喚起し、ガスマスクの装着などについて呼びかけているが、国内で再び「サリン事件」が起きないとも限らない。用心すべきだと思うが、そのような「国民集会」に出席している連中の名前がまた興味深い。「人の口に戸は立てられない」というから、いずれ“有名人たち”の名前も公になるのだろうが、「名誉毀損で訴える自由」もない皇室に対する侮辱を、平然と行っている連中の殆どが、半島出身者であるという。
 この際、彼らを影で支援している国会議員の名前も同時に公開して欲しいと思う。来年は参院始め統一地方選挙の年である。国民は、世界中から非難を浴びている北朝鮮に“協力”する彼らを、政界から排除する義務がある。
 この一連の動きを察するに、間違いなく北朝鮮はあせっている。今が剣が峰である。安倍政権が毅然と対応することを期待したい。