軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

サイバーテロを体験?

 中央官庁からの奇妙なメールがとどき、不審に思っていたところ、2日後に自分の「論文」が届いて驚いた。早速問い合わせが続いて、多くの方にご迷惑をおかけしたが、中には私とは全く無関係な方にも、別の官庁からのメールが届いて不審に思っていたところに私の「論文」が飛び込んだらしく、お電話を頂いて恐縮した。
 インターネットや器材に詳しい数人の友人からすぐにアドヴァイスが来て、PCのスキャニングを終了したが「新しいモデムは、made in china ではないか?」といわれ、確認したら「正解!」であった。コメントにもあったが、米国で問題になっているらしい。しかし、今やこの手の器材は殆どこの国で製造されているのだから、その中に“仕込まれて?”いるとしたらどうしようもない。
 まるで「天洋食品」の「冷凍餃子」に当たった様なものだ。食品から電子部品、車まで・・・一体この先どうなることだろう!
 そんなこんなで一昨日から「サイバーテロ」処理に当たっていたので大変だったが良い体験をした。改めてご迷惑をおかけした方々にお詫び申し上げると共に、親切な助言を頂いた方々に心からお礼申し上げる。“専門家”の助言は非常に有効だった。


 さて、昨日は午後からチャンネル桜で「日本よ、今・・・闘論・倒論・討論!2008」「改憲?護憲?憲法9条を考える」の収録に参加した。
 参加者は、潮匡人(評論家)、江田忠雄(元60年ブント・元テレビプロデューサー)、私、塩見孝也(評論家・元赤軍派議長)、鈴木邦子(外交研究家・チャンネル桜キャスター)、淵上太郎(元ML派指導者・会社経営者)、正清太一(元練馬区議会議員・元社会党員)、三輪和雄日本世論の会会長・チャンネル桜キャスター)、司会は水島聡(チャンネル桜代表)であった。
 上記参加者は、正清氏、江田氏、塩見氏、淵上氏の護憲派?と、私、三輪氏、潮氏、鈴木氏の改憲派?とが対面形式で討論したのだが、過熱気味で時間が不足気味であった。
 詳細は放映される実像を見て判断していただきたいが、要は憲法9条に関して、字句どうりに改めるべきという側と、現実に合わないのを改めるべしというもので、塩見氏の言葉を借りるならば「現実に合わせるか?それとも理念に合わせるか?」ということになる。しかし、護憲派は「理念」にしがみつき、一歩も譲らないし、改憲派は「現実に合わせるべし」と主張するのだから当然妥協点は見つからない。
 34年間、航空自衛官として我が国の防空任務に当たった経験を持つ私としては、「憲法は国民自身のためにある。現実に適用できないものは改正すべきである。国家論が欠如している」と身に染みて感じている。更に個人的には、現行憲法はGHQ(マッカーサー)が日本の無力化を意図して非武装化を進め、当時構想されていた「国際的平和機構」の下におこうとした“壮大な実験”だったと思っているが、憲法施行後3年にして突発した朝鮮戦争により、マッカーサー自身の指示で「75000人の警察予備隊」が創設された時点で9条は空洞化したと思っている。その上、米ソの対立(冷戦)が始まり、「平和機構」設立構想は消え去り、第二次世界大戦で枢軸国を敵として集まった「連合国(U・N)」がその憲章に「個別的または集団的自衛権」についての規定を入れてごまかした時点で、「前文」は消滅したも同然だと考えているから、そんな外来憲法を後生大事に抱え、「UN」を自分勝手に「国際連合」と読み替えて満足している日本人の神経が分からない。しかも皮肉なことに、今回参加された「護憲派」は、米国を思想的には敵視している方々である。それが事もあろうに米国から押し付けられた「憲法9条」を含む「新憲法」を「平和憲法」と称して身命を賭してまで守り抜こうとしているのは、大いなる矛盾ではないか?
 いずれにせよ、自前の憲法をつくろうともせず、「解釈」でその場を取り繕ってきたところに混乱の原因があるのであって、それだけでも戦後歴代政府の怠慢は万死に値する、と思っている。
 とまれ、討論の状況は次の予定で放映されるので、是非ご覧になってご意見を伺いたいものである。
放映予定日は:第一部「5月1日(木)20:00〜21:30」
       第二部「5月2日(金)20:00〜22:00」
       SKY PerfecTV「ハッピー241(無料)」
である。


 収録終了後、「石平さんの新刊を祝い、今後の活躍を励ます夕べ」に直行した。
 石平氏は自伝的回想「私は毛主席の小戦士だった」を出版し、話題を生んだ中国人の気鋭のジャーナリストである。
 随分前になるが、私の講演会に来てくれた彼は、講演終了後私のところへ来て「先生!一つ間違っています!先生は『中国悪い』と言いましたが、悪いのは『中国共産党』です!中国人には私のように日本大好きな者も大勢います。悪いのは共産党です。中国人の私も共産党は嫌いです。これからは悪いのは『中国』といわず『中国共産党』と言って下さい!」と言ったのである。なるほど!と考えさせられたのだが、その後仲間と一緒に新宿で昼食したとき、「先生!なぜ日本人はすぐに謝るのですか!」といきなり私に詰問した。靖国問題のことか、と考えた我々は色々説明を始めたのだが、その最中に突然彼は「ほら、又謝った!」と席を立って大声で店内を指差す。見るとお客が店員に「済みませ〜ん!」と声を掛けているではないか!
「ほら、あそこも、ここも・・・」とそのたびに彼は指差し「スミマセンは謝るときに使う言葉でしょう。なぜ店員にすぐに謝るのですか!」と聞くのである。
 これには一堂声がなかった!確かに日本人はすぐに「すみません」という“癖”が身にしみついている!大いに考えさせられたのだが、その彼が今回、ようやく夫妻揃って日本国籍を取得したのである。今後、真の日中友好関係構築のために活躍してもらいたいものである。次の本は、会場でもらった彼の最新作である。(海竜社刊:¥1500+税)

 次の書は、元ドイツ連邦軍総監・NATO軍事委員会議長であったクラウス・ナウマン大将が出した「平和はまだ達成されていない」という著書を、クラウゼヴィッツ学会が翻訳して芙蓉書房から出版したものである。同期がこれに携わったといって送ってくれたのだが、日本の安全保障を考察する意味でも大いに参考になる有益な書である。こちらは専門書であるため¥2800+税と聊か高いが、防衛問題に関心ある方々には是非ご一読をお勧めしたい。

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