情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

25年前(1981年)のガッツ石松への取材記事。「それでも"心"は必要だぜ。テクニックがいかに上手でも、人間の心みたいなものがないと面白くもなんとも無い。」


 以下、分からない単語があってもお父さんやお母さんに聞かないように。




トルコ泡談 有名人が語るトルコのお話

 一時間半で七発ヨ
  スタミナと気力だナ

ガッツ石松 1981年写真
 元ボクシング世界チャンピオン ガッツ石松

 ええツ、トルコについての取材だって?面白いナ、オレそういうの好きヨ。
 だって、トルコとの付き合い、もう長いからナ・・・・・・。最初に行ったのはボクシングを本格的にはじめた頃で、先輩に連れられて筆オロシしたんだ。おう、プロは始めてヨ。その時のことはまだ覚えてる。千葉栄町で、ネオン見て、面くらったからナ。
 自慢話になるけど、十七、八の頃トルコで七発ブッ放したことがあってサ、あれが前にも後にもオレの記録だな。この数字、世界ランキングに入ると思うよ。だって一時間半で七発といえば、十分ちょっとで一発だろう。
 フルラウンド徹底的に動き回らないと、できやしない。スタミナ、プラス、気力だナ。やっぱり若いってスゴイと思う。


 あッ、それはそうとトルコって"後引く"だろう。タイプのコに偶然出合ったりすると、次の日も、また次の日も行きたくなる。試合前はアタマがそっち行かないから大丈夫だけど、試合の後の開放感にひたってる頃だと、どうしようもないんだよナ。
 ええッ、カンちがいすんなヨ。オレ、好みのコに出合っても絶対に指名したりはしないんだゾ。そのコに逢いたくて、また行くんじゃなくて、要はそうだな、パチンコと同じだヨ。あれ、打ち止めしたりすると、またやりたくなるだろう。それと同じで、また行けばいいコに出合えるんじゃないかって、そんな気持ちに誘われて行くわけよ。


 オレ、オンナに関してはわがままだからナ。好みのコじゃないと、どうしても気がおさまらない。だから、行く店を何軒かに決めてるわけヨ。知ったところだった、マネージャーがオレの好み知ってるからナ、必ずそういうコをつけてくれるわけ。だけど、初めてじゃ、そうはいかない。オレの好みは、俗にいう美人で目立つタイプなんだけど、これも口で説明するのは難しいだろう。ああだ、こうだといっても通じるわけがない。だから、最近は横浜の「貴船」だけにしか行かないナ。


 もっとも、トルコ嬢と仲良くなっておくと便利なこともあるだろう。パアッと遊びたい時に付き合ってくれるとカサ。オレは指名はしないけど、そういう付き合いかただったら、長くそのコと続けられるな。
 えっ?はじめてで仲良くなれるわけがない?普通ならそうかもしれないけど、オレなんか面(メン)がわれてて、みんな知ってるからあいつならメチャクチャなことはしないだろうって、勝手に信用してくれるわけヨ。だから、一度お手合わせして、かなり気に入ったら電話番号を聞いておく。

 この間、ある映画の仕事で京都にずっと足止めされてサ、仕事もベッタリじゃないから時間が余る。そこで俳優さんたちと、何か面白く騒ごうということになって、その時、メモしてあったトルコ嬢を呼んだんだ。
 面白そうだっていうんで、仲間まで誘って来てくれてさ、ウーン、四人来たかな。SEXにこだわらないオンナたちだから、ドンチャン騒ぎして、こっちがその気になっても困らないわけヨ。あれはいいね、最高だね。
 結局、三日三晩遊びっぱなし、楽しかったぜ。ある有名な俳優さんとも、またやろうぜって約束してるんだ。


 そんな風に、いろんなトルコ嬢たちと関わりあってきて、思うんだけどナ、彼女達の九十%以上は男のために働いているわけよ。目的があるとか何とか言っても、結局はその男に好かれたいから仕事をしてるんだと思う。本当に目標を決めて仕事をしているコは、まず一〇%もいないと。思うよ
 だから、オレ、彼女たちによく言うんだ。男に惚れるのもいいけど、そいつがどんな男か、よく見きわめろよって・・・・・・。だって、その男が本当に彼女のことを愛してるなら、オトコを相手にする仕事なんかさせるわけないだろう。オトコの正直な心理としたら、惚れてる女が他の男にビールを注ぐのでさえ、イヤだと思うはずなんだ。
 結局は、男に利用されてるんだよナ。オレ、そういうのにたまらなく腹が立つんだけど、ダマされてるって承知してても惚れちゃうオンナの浅はかさも、またカワイイって思うんだ。
そういう女だからこそ、ハードな仕事をしてるんだろうし、また、多くのオトコを満足させられるんだろうとも思う。
 だからこそナ、いい男を見つけて幸せになってほしいんだヨ。彼女たちの仕事って、そりゃあ稼げるかもしれないけど、ハードなわりには"栄光の座"ってないものナ。


 それから、これからの時代は"心"だと思うんだよ。オレは遊びと割切ってるけど、それでも"心"は必要だぜ。テクニックがいかに上手でも、人間の心みたいなものがないと面白くもなんとも無い。豪筆とか、高級とか変なところにエスカレートしないで、もう少しその辺を見直してほしいと思うナ。オレは・・・・・・。


 タイトルに引かれて見に来た人には謝ります。ごめんなさい。
 この変なカタカナ交じり文は、記事からそのままおこした結果です。


 ソープランドがトルコ風呂と呼ばれていた頃、25年も前だからまあこの話の内容に関しては時効ですよね、さすがに。


 この頃、ガッツ石松は31〜32歳くらい。
 文中に出ている「映画」は公開時期から、月光仮面ハイティーン・ブギと思われます。
 「ある有名な俳優さん」って誰でしょうかねえ。


  記事の画像はこちら。フォト蔵使用。クリックで別ウィンドウを開きます。(「元画像」リンクからさらに大きい画像に飛びます)
 ガッツ石松 1981年 インタビュー記事 左ガッツ石松 1981年 インタビュー記事 右
 


 で、このインタビュー記事、「トルコファンのためのトルコ専門誌」月刊ミューザー1981年10月号(おおとり出版)に掲載されたもの。
 「放」談と「泡」談がかかってるんですね。*1


 表紙 表紙部分拡大


 これはこれで史料価値があるような、無いような。
 当時の全国トルコ軒数一覧なんてものを必要とする人が世の中に居るのかどうか。(こちらも「元画像」リンクからさらに大きい画像に飛びます)
 1981年 件数一覧


 日本全国で1556軒。一番多いのは当然東京ですが、沖縄が妙に多いかも。青森、群馬、長野、富山、奈良、が0軒だったんですか。


 といったところで今回はここまで。


#流石に疲れたんで、立川レーガン(現:快楽亭ブラック)の分はまた明日以降。2006/06/26 23:30 記事UPしました>http://d.hatena.ne.jp/./soorce/20060626#p1


*1:表紙の写真はそのままじゃちょっとマズイんでぼかしました

今週読んだ本

  • 魔法の猫
    • 他と収録作が被ってるのも多いけど、やっぱり面白い。猫を例える場合、たとえ雄猫でも女性に例えられるのはなんでかしらね。
  • 幻想の犬
    • 洒落が効いているのと悪趣味の境目で、ちょっと悪趣味に寄りすぎてるかも。それがまた良いのですが。
  • 盗まれた手紙
    • バベルの図書館の11。今からしてみると素朴な感じすら受けるますが、それでもなお魅力的な物語。
  • 巴里の空の下
    • 食べ物がいちいち美味しそうなんですよね。バタ、などというという表記も良い。
  • 東京の空の下
    • で、直接繋がっていない続編。歳月の分の深みが与えられていながら、本質の面白さが失われていない、というのが素晴らしい。


魔法の猫 表紙 幻想の犬たち 表紙 盗まれた手紙 表紙 巴里の空の下オムレツのにおいは流れる 表紙 東京の空の下オムレツのにおいは流れる 表紙



#はて、「東京の空の下〜」が出た時点で花森安治は亡くなっていたはずなのだけれども。この装丁は「花森風」にだれかがやったってことかしら。