「お国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す」

id:kmiura経由。やばいよなあ。かなりやばい。なんで国のために死なねばならんのだよこの僕が。馬鹿みたい。死にたいやつは勝手に死んでくれっての。
ていうかそもそもだな、議員ってのは、国のために国民が何をするかではなく、国が国民のために何をするかを考えるのが仕事なんじゃないのか。愛国心ってのは結果として育まれるものだろう。あんたら国が愛されるような仕事してんのか。馬鹿だなほんとに。こういう本末転倒野郎共はみんなクビだな。
ていうかアレだ。金日成銅像と何が違うんだと小1時間問い詰めたい。「お国のために命を投げ出す」ような状況ってどんなのを考えてるんだ?そんな状況にもっていかないのが政治だろうが。あーもうほんとに。

男女平等推進センター(アクト21)

例の荒川区のアレ。これもid:kmiuraのところから。
これの何がひどいって、「男女平等」と言いつつ、特定の枠に男女のあり方を押し込めようとするところだな。馬鹿じゃないか。勝手にやらせてくれよ。
こういう、ある特定の「家庭のあり方」を押し付ける連中や、上のような「愛国心」を押し付ける連中、「サムライ魂は日本人の心」とか言ってる連中に共通しているのは、歴史的なものの見方の徹底的な欠如なんだけど、こういう連中に限って歴史がどうのとか言っちゃうんだから片腹痛い。
女は家を守るもの、ってのはいつの日本のどの人達の伝統だったのか、言ってごらんよ。「愛国心」にしても「サムライ魂」にしても、全部明治政府のプロパガンダなんだよ。大体明治以前は日本人のほとんどは農家じゃないか。サムライ魂が聞いてあきれるよ。農家は元々共働きですが何か?って感じ。馬鹿みたい。

って

アジにアジり返してもしょうがない。ってこれアジじゃないですかそうですか。誰かネタだと言ってくれると気が楽なんだけどなあ。うーん。
まあ馬鹿馬鹿言ってばかりでもしょうがないないので色々考えてるんですけどね。全然まとまらない。勉強不足だなあ。まあちょっと考えたくらいでまとまるとは全然おもっとりゃーせんのですが。時間ないなあ【時間は作るものぞsvnseeds】。

「日本の選挙―何を変えれば政治が変わるのか」加藤秀治郎 (ASIN:4121016874)

今色々考えていることのうちのひとつが選挙制度。もうひとつは憲法だけどこれはまだかじってもいないので外しているかも知れない。
選挙と憲法が重要だと思う理由は以下の通り。政治家や官僚というのは環境に与えられたインセンティブに影響されつつ自らもその対象となるインセンティブ制度を設計/施行していく主体であるという点が非常に特殊な存在だといえる。要はマッチポンプが許されているわけで、経営に例えれば社外取締役のいないボードのようなものだ。
システムを憎んで人を憎まずの精神からすると、おかしなことをする連中が出るのは、連中が悪いのでなく連中をそうさせる制度、つまりインセンティブの設計がおかしいということになる。で、政治家と官僚のインセンティブ制度を根本から規定するものは選挙と憲法なわけで、だったらこれらを知らんとお話にならんだろう。というとりあえずの結論に達した次第。どうか知らん。
とりあえず憲法は置いといて、現状の選挙制度の何が不満かというと、大きく挙げると次のふたつみっつになる【0622追記*1】。

  • 選挙区へのお土産を約束する政治家が当選すること。国政に地方のごたごたを持ってくるなっつーの。地方のことは地方でやるがよろしい
  • 政策が全く争点にならないこと。公約守るとか以前に何が公約かすら明らかにならない
  • 一票の格差が大きすぎ。早くなんとかせい【0622追記】

これらの不満点を解決するために、漠然と次のような選挙制度が望ましいのではないかと考えていた。すなわち全国一区拘束名簿式比例代表制だ。全国一区拘束名簿式なので原理的にお土産が効力を持たない。比例代表制なので党の政策のみが争点となり、一票の格差も是正されることになる【0622追記】。おおパーフェクトじゃないか。
とここまで思いついたところでこの思い付きの妥当性を検討するために本書を読んだ。たまたまそばばばん氏西氏の両氏が高評価しているのを目にしたからだ。
いきなり前書きに次のようにあって感動した。内容が高度になっても平易に記述することを心がけたことについて、

このような記述の方針は、狭い「業界」の人だけを相手にしていてはダメだと日頃感じているためである。私はこの十数年、選挙制度を研究しながら、いろいろ論じてきたが、学界、政界、言論界という、狭い業界の人が相手の場合、どこか空しい思いが拭えなかった。誰もが勝手に自説を唱え、他人の意見を聞こうとしないからである。世論を動かすには、回り道のようだが、業界以外の人を丁寧に説いていった方が有益だと思うようになっているのである。

どっかで聞いた話だなあ。わはは。なんか実は日本中こんな話ばっかりになってるんじゃないかもしかして。理系の危機とか言ってるけどもっと深刻な危機に直面しているのは文系の学問だったりして。というか理系/文系って分け方がそもそもダメダメすぎなんだよなあ。論理系/感情系とでもすると良いと思うのだけどどうだろう。ほとんどの学問が論理系に入るって話なんですが。ていうか論理的であることに否定的な人ほど感情的と言われて怒るのは何でだろう。そうか論理の裏は感情じゃないのか。閑話休題
本書はとかく技術論で片付けられる選挙制度を思想的な背景から説き起こしたもので、もうなんというか大変面白い。ああ選挙制度ってこんなにちゃんとした(すいません)面白いものなんだなあ、というのが良くわかる。これは著者が実際にそう思って書いているからに違いない。このグルーヴ感を味わうためだけでも読んで損はない。全然難しくないから大丈夫。
内容は、日本の中選挙区という制度がいかに真ん中を取っただけの思想的背景のカケラもないダメダメな制度か、から始まり、選挙制度の類型を民主主義思想から説いて、ミル、バジョット、ケルゼン、シュンペーターポパーを引き、あり得る形態としては小選挙区制もしくは比例代表制のどちらかであるとした上で、更に両制度の一長一短を述べている。
両制度の特徴については読んでもらうのが良いのだけども、乱暴を承知でまとめると;

  • 小選挙区制:大政党に有利。二大政党制になりやすい。政権安定(例:英国、米国)
  • 比例代表制:小政党でも議席獲得可能。連立政権になりやすい(例:ドイツ)

って感じかなあ*2
で、著者は今のところ小選挙区制を支持しているとのことだけど、僕は本書を読んで、最初に書いた僕の案である全国一区拘束名簿式比例代表制もまんざら悪くないと思ったことですよ。地方のことは地方に戻すためにも、いったん選挙制度を地方から切り離してはどうだろうか。農業なんかざくざく変わるだろうなあ。ああ良いなあ。うひひ。
ってまあその結果わけわからんタレント小政党乱立なんてことになるかもしれないけど*3。うう。引き続き考えよう。
そうだ。id:finalventさんも以前言及していた、中途半端な参議院の「立ち位置」(笑)についてもふれてますよ。あーもう面白そうでしょ!大お勧めです。

*1:id:finalventさんに言及してもらったおかげで票の格差も問題だったことを思い出した。僕はこれ大問題だと思ってます

*2:もちろん、例えば比例代表制にしても選曲選挙区をどう区切るかによって政権に与え得る影響/効果は様々なため、これはあくまで大雑把なものですよ念の為

*3:【0622追記】念の為、本書ではこんなことにならないよう、足切り(一定割合の票を集められなかった政党には議席を与えない)などの方策があることも紹介されています。ドイツなどで例があるそうです