Hatena::ブログ(Diary)

思っているよりもずっとずっと人生は短い。 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016/04/02

日記力を高めたい

と思っている今日このごろ。

なんかどうでもいいことを雜に書ける、長くても短くても可、というWeb日記本来の強みを活かしたいなあと。

Re:VIEW developers meeting vol.2

いろいろ出た課題はissueに反映されている(はず)。

あとRedPenの伊藤さんが来られていて、以前試した時につらかった話をした。当時(2015年7月)はまだ完成度が高くなく、その後改善されているところもあり、今後の課題になるところもありそうだった。Javaは苦手だけどJSならかけそうというか、いっそtextlintと共有したいところではありそう。

とはいえRe:VIEWフォーマットの対応はできるとうれしいのかも。

『完全独習ベイズ統計学入門』

完全独習 ベイズ統計学入門

完全独習 ベイズ統計学入門

三省堂本店で買ってきた。他に買いたかった本は売ってなかった。本店でもないのか…というがっかり感。

トピ本とトピックモデル本を読んだ感想としては、「『確率分布がまったく分かってない』というのがわかった」というところなので、このレベルまで落として勉強するつもり。

次は解析のやり直しかな……。

2016/02/17

はてなのイベント「編む庭」に参加します

日記書くのは久しぶりすぎてはてな記法を忘れた…と思ったらわりとおぼえているものですね。もう明日になって今更感がありすぎますが、そもそも参加募集はとっくの昔に締め切っているので、気にせず告知してみます。

私自身はそもそも編集者でもなんでもなく、Web屋さん→電子書籍屋さんというキャリア変遷の人間なので、「編集についてのイベント」にはだいぶ場違い感もありますが、相手が旧知のid:mohri さんだし、私の後は内沼さんが控えているので何とかなるといいなあ、くらいの気持ちでお話しさせていただければ。そういえば会社作る前、id:mohriさんに編集の価格感を相談してみたら、これは編集者さんにお仕事お願いしたら会社潰れるなあ…と思ったことをさっき思い出しました。明日はその話をするべきなんでしょうか。

当日参加される方はお手柔らかにお願いいたします。あと、何かの形でオフィシャルの報告的なものもあるそうですし、今後も開催するそうなので、はてなと編集(はてなで編集)に興味のある方はそちらの方をご期待ください。

ITエンジニア本大賞 2016年の技術書ベスト10」の各書籍について勝手に紹介

「編む庭」のほぼ裏番組になってしまいますが、明日はデブサミ2016で、翔泳社さんの「ITエンジニアに読んでほしい!技術書ビジネス書 大賞」のプレゼンセッションがあるのでした。

今年は参加してないのですが(告知後に確認したら協賛お願いのメールが埋もれてました…。対応せずに大変失礼いたしました)、せっかくなので今年の技術書ベスト10になってた各書籍についてコメントしてみます。


ITエンジニアのための機械学習理論入門』
ITエンジニアのための機械学習理論入門

ITエンジニアのための機械学習理論入門

ふだんはLinuxとかクラウドっぽい書籍を書かれいてる中井さんの書籍です。ちょっと意外ですが、本書では機械学習についての理論の説明+Pythonでの実際のサンプルについて紹介しています。

理論寄りの書籍にしては技術書っぽく(?)書かれていて、学生や研究系の方向けの書籍よりはエンジニアの人でも読みやすい(気がする)のと、ちゃんと動くサンプルがついてるのがポイント高いところでしょうか。とはいえ実際のコードは書籍には書かれてないので、別途ダウンロードする必要があります( https://github.com/enakai00/ml4se )。

機械学習よく分からないけど、ツール使うだけじゃなくて理論からちゃんと理解したい、という人向け。その代わり歯応えはあるので頑張りましょう。


『インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門』

これはちょっと前から売れてた本ですね。クラウド全盛の時代に敢えて/だからこそオンプレ、という感じで、仮想化じゃないネットワーク構築のための技術について詳しく紹介されている本です。

ほんとに「設計」という感じで、最近流行りのDevOpsがどーしたとかInfrastructure as Codeがどーしたみたいな話は一切ありません。もっと下(インフラ的な意味で)というか上(設計的な意味で)というか。いわゆるネットワークエンジニア的なお仕事をしようという方や、興味のある方はぜひどうぞ。


Web API: The Good Parts』
Web API: The Good Parts

Web API: The Good Parts

ITエンジニア本大賞は刊行時期の縛りを入れていないので時間感覚がよく分からなくなるのですが、これも2014年の本ですね。

翻訳書で知られるオライリー・ジャパンの本ですが、これは翻訳ではなく水野さんが書かれた本で、ブラウザが使うHTTPではなく、サーバアプリなどがHTTPを叩く、いわゆるWeb APIに特化された珍しい本です。

Web API周りは進化が早いので、2016年はこの辺りの議論を踏まえた上で、JSON的なデータのSchemaをどうするか問題とかがホットになっているような気がしますが、もちろんそれはこの辺りを知らなくて良くなったわけではぜんぜんなく、単に「知ってて当然」ということなので、よく知らない人は素直に本書を読まれると良いかと思います。


SQL実践入門』
SQL実践入門──高速でわかりやすいクエリの書き方 (WEB+DB PRESS plus)

SQL実践入門──高速でわかりやすいクエリの書き方 (WEB+DB PRESS plus)

ミックさんはSQLについての著作で知られていますが、本書は比較的応用寄りというか、SQLをある程度知ってる人がさらにその使いこなしをするための本になっています。なんせ第1章から実行計画の話が出てくるくらいです。「WHERE句で条件分岐させるのは素人」とか言われると「素人ですみません…」という気分になってきますが、CASEやウィンドウ関数を早い段階で紹介してるところからもガチっぽさが感じられます。

世の中NoSQLが流行っても、結局人類の9割はSQLから逃れられないような気もするので、よりよいSQLを学びたい方は本書を読んでより良いSQLが書けるように頑張りましょう。


数学ガールの秘密ノートベクトルの真実』

ベクトルのマミ、ではなくて真実です。言わずと知れた人気シリーズ『数学ガールの秘密ノート』の、第6巻になります。

本書は最初はいきなり力学の話から始まって、『物理学ガール』っぽい雰囲気もありますが、普通にベクトルの話になります。秘密ノートなので線形空間とかベクトル場とかになったりはしないので大丈夫です。中学高校の頃は数学さぼってしまったため数学分からなくて生きるのがつらい、という方は秘密ノートを読んで頑張りましょう。人生いろいろあります。


『その数式、プログラムできますか?』
その数式、プログラムできますか?

その数式、プログラムできますか?

この本は手元に見つからなかったので、ちゃんと説明できなくてすみません…。

タイトルからは、数値計算とか数式処理みたいなものをプログラムで何とかする本か、数学が得意な人向けのプログラミング入門本ぽくみえますが、ちょっと違って、数学的な考え方とプログラミング的な考え方が相通じるものだ、というようなことを解説している本(だったはず)です。数学好きな人が推したのでしょうか。

数学が苦手な人にはちょっとつらいかもしれませんが、類書はあまりない本なので、興味のある方はぜひ。


『達人プログラマー

Dave and Andyの、今となっては「古典」とも言って良いような本ですね。

優秀なプログラマを目指す方のために、具体的なプログラミングテクニックや設計技法でもなければ理論的な話でもなく、実践的な考え方・アイデア・やり方を紹介する本です。現在の状況と比べると古びているところもなきにしもあらずですが(そもそも品切れで入手困難なのですが)、その背後にある知識は今でも十分通用するものです。ずっと前に読んだわ―という方も、機会があれば再読していただきたい本ですね。


ハッカーの学校』
ハッカーの学校

ハッカーの学校

こちらは『ハッカーの教科書』などで知られるIPUSIRONさんが、1年ほど前に書かれた本ですね。

内容としては、ハッカー云々というよりも、わりと基礎的なネットワークに関する手引的な入門書として使えそうな気がします(というかハッカーのことはよく知らないので)。ネットワークのプロトコルとかに詳しくない方であれば、クラックしたりされたりすることがない方でも、ネットワークのお勉強として本書を読んでおいてもよいかもしれません。

ちなみに昨年末には『ハッカーの学校 個人情報調査の教科書』も出ましたが、こちらはもっとやばい感じで、ソーシャルからフィジカルまで個人情報についてのあれやこれやが書かれていて、悪用厳禁感に満ち満ちています。個人情報に興味のある方はこちらもどうぞ。


プログラマ脳を鍛える数学パズル』

数学パズルと聞いてどんな数学なのかと思いきや、そんなに数学数学した本でもないです。雰囲気的にはアルゴリズムパズルっぽい感じのプログラミング本、というところでしょうか。

コードはRubyで、しかも単に解法を載せるだけではなく、単純な書き方を出した後でより最適化した書き方も教えてくれたりするなど、Rubyプログラミングの勉強にもなる感じです。


理論から学ぶデータベース実践入門』

これはサイオスさんのブログでも絶賛しましたが、大変素晴らしいデータベース理論と実践を学べる本です。

理論の本とか実践の本とかはいくらでもあるわけですが(とはいえ日本語で読めるDB理論の本は残念ながら多くないのですが)、その両方がバランスよく書かれている本というのはそうそうないわけです。その点本書はまさに理論と実践の橋渡しをしてくれる本で、こういう本が出版されるのであれば日本語の技術書世界にも明るい未来があるのでは、という気分になります。

先ほども書きましたが、人類の9割はSQLから逃れられない上に、本書はNoSQLにも触れているので、人類なら誰が読んでも大丈夫でしょう。ぜひどうぞ。



ビジネス書の方は読んでない本も多いのでそれぞれのコメントは書きませんが、『HARD THINGS』は噂通りの生々しさでぐっときますね。起業したい人にはおすすめです。

明日のプレゼン大会も盛り上がることを期待しております。

2015/06/25

君のための本 -- ソフトウェア開発を一生の仕事としていいのか悩んでいる開発者に贈りたい1冊:2015年版


(これは、『100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著 君のために選んだ1冊』に寄稿した原稿の草稿を元に、XP本完全新訳版に合わせて加筆修正したものです。なんで完成稿ではなく草稿を元にしたかというと、草稿の方が長かったため短くまとめたものが完成稿になったからです。完成稿の方は『100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著 君のために選んだ1冊』をどうぞ。)



コンピュータ書を読むのが好きだ。だから「誰かに贈りたい本」と言われると、たくさんの本が思い浮かぶ。

たとえば君の問題が「プログラミングのスキル向上に思い悩んでいる」という話であれば、『Code Complete』辺りを勧めるだろう。プログラミング技術の本を10冊あげろと言われれば20冊くらいあげるかもしれない。

けれど、つまるところ君の悩みは「プログラミングを一生の仕事として取り組み続けていくべきかどうか」なのだと思う。であれば、必要な本はプログラミング技術に関する本ではなく、「なぜプログラミングなのか」という問いに答える一冊だろう。そういう人に勧める本なら、Kent Beckの『エクストリームプログラミング』をおいて他にない。

旧版の書名(『XPエクストリーム・プログラミング入門』『同第2版』)とは違って、この本はいわゆる「入門書」ではない。これを読んでもXPができるようにはならない。そういう本を期待する人には例えば『アート・オブ・アジャイルデベロップメント』などを勧めたい。

また、アジャイル開発の概要を理解するなら『アジャイルサムライ』でも、小さな規模でのソフトウェアビジネスを理解するのであれば『Eric Sink on the Business of Software』でもいい。要するに、「ソフトウェアの作り方」や「ビジネスの行い方」に関する優れた書籍だ。

『エクストリームプログラミング』はそういう本ではない。本書は、人の生き方や社会のあり方をプログラマの立場から考えた本だ。



正直に言ってXPはどこか異様な風貌がある。端的に言えば「変」だ。たとえば「価値」。XPは元々4つの価値があった。「コミュニケーション」「シンプリシティ」「フィードバック」「勇気」。第2版では新しい価値が一つ加わった。それは「リスペクト」だ。……と言われて、この5つはソフトウェア開発の本質を鋭くついた、素晴らしい見識に基づく考え方だ、と思う人はあまりいないだろう。

勇気やリスペクトだけでバグが取れたら苦労はしない。はっきり言ってそんなものでソフトウェアがうまく作れるようになるとは思えない。しかし、本当に必要なものは「そんなもの」だと、Kent Beckはこの本の中で熱く説いている。

なぜKent Beckはそんなことを主張するのだろうか。

幾多あるソフトウェア開発手法の中には、「尊重しあっていない人々同士の集まりでも、それなりのプロダクトを安く作り上げるにはどうすればよいか」ということにフォーカスした手法も少なくないだろう。しかしそのような態度が本当に優れたプロダクトを生み出すのだろうか。それはディスカウントの嵐やソフトウェアの環境変化による価値の下落に巻き込まれてしまい、優秀な人たちがみな他の分野へと去っていき、ソフトウェア開発は産業としては失速してしまうのではないか。そしてソフトウェアが持ちうる社会への力も失われてしまうのではないか。そういう危機感が本書の背景にはある。



この本のハイライトはの1つは23章、「時を超えたプログラミングの道」だ。ここでは「パターン・ランゲージ」で有名なアレグザンダーの試みを通じてソフトウェア開発の役割と未来への可能性が語られる。いわく、アレグザンダーは建築世界を変えようとした。「作るひと」と「使うひと」が完全に分かれ、力の不均衡が生じ、素晴らしいものが作れないのではないか、という疑問を持つアレグザンダーは、それを解決しようとしたが、失敗した。

本書には書かれていないが、Kent Beckも一度失敗をしている。Kent Beckは、本書が書かれるよりもずっと以前、ユーザと開発者がともに開発に参加できるように1つの試みを始めた。それが「デザインパターン」だ(Kent BeckWard Cunninghamオブジェクト指向プログラムのためのパターンランゲージの使用』http://kdmsnr.com/translations/using-pattern-languages-for-oop/ を読んでみて欲しい。本書の訳者、角さんが10年前に訳した記事だ)。まさしくアレグザンダーの試みと同じものをソフトウェア世界の導入しようとしたが、それはユーザのものにはならなかった。デザインパターン自体は広まったが、それはKent Beckが当初望んでいたものとは大きくかけ離れてしまった、としか言いようがない。エクストリームプログラミングは、Kent Beckの新たなチャレンジなのだ。

もっと言うと、XP自体も進化しつつある。XPの第1版のころは、今よりもずっとプログラマフォーカスが置かれていた。が、「高みに到達することが目的であれば、ソフトウェア開発は「プログラマーとその他大勢」で成立するものではない。それが、過去5年間で私が学んだことだ。(第23章より)」。利用者と設計者を含めたチーム内での力のバランスと調和がなければ、優れたソフトウェアは作り上げられない。すなわち優れたソフトウェア開発にはならない。

念のため付け加えておくが、Kent Beckは開発技術を軽視しているわけではない。むしろKentの主張はその逆で、優れた開発技術を持った者と、開発技術を持っていないが何かを作りたいという者との間で、力と責任のバランスをとらなければならない、ということなのだ。本当に技術がいらないのであれば、開発者のスキルなどどうでもよいはずだ。開発者と利用者のバランスなど改めて考える必要もない。XPが成功するかは「信頼できるソフトウェアのすばやい見積り、実装、デプロイができる優秀なプログラマーの増加にかかっている(同)」のだ。

しかし、しかしである。それほどまでに開発者が「優秀」であるにも関わらず、開発者とふつうの利用者との間で適切なパワーバランスを保つことをXPは要求している。だからチームやコミュニティについてKent Beckは熱く語るのだ。5つの価値を掲げるのだ。それはソフトウェア開発に限らず、他の分野でも見かける「よくあるやり方」とは大きく異なるマインドセットを、開発者と利用者の両方に要求するのかもしれない。だからXPは「ソーシャルチェンジ」なのだ。



君の悩みは本書を読んでも解決しないかもしれない。本書には答えは書かれていない。しかし、一人の優れたプログラマが、同じ悩みを真正面から捉え、それを本気で解決しようと、今も苦闘を続けていることはわかるだろう。Kent Beckの悩みは君の悩みだし、Kent Beckの夢は君の夢でもあるはずだ。


XPの課題は、このような深い変化を促し、個人の価値と相互の人間関係を新しいものにして、ソフトウェアに次の50年間の居場所を用意することだ。(The challenge of XP is to encourage deep change, to renew individual values and mutual relationships to give software a seat at the table for the next fifty years.)」(23章より)


『エクストリームプログラミング』は君のために書かれた本だ。だから、君に読んで欲しい。


100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著 君のために選んだ1冊

100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著 君のために選んだ1冊

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方

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CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して

CODE COMPLETE 第2版 下 完全なプログラミングを目指して

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時を超えた建設の道

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パタン・ランゲージ―環境設計の手引

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2014/01/09

『新春座談会 このコンピュータ書がすごい! 2014年版』と『「開発現場に伝えたい10のこと」それぞれの後日談』と『エンジニアサポートCROSS 2014』に出ます

相変わらずてんぱっておりますが、もろもろ告知です。

まず、今週末の1/11(土)、ジュンク堂書店池袋本店さんで開催される『新春座談会 このコンピュータ書がすごい! 2014年版』に登壇します。


https://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=3612

f:id:takahashim:20140110021019p:image


これってもう6回目くらいになるんでしたっけ?……もうそんなにやってたのか。最初が2009年なので、確かにそれくらいになるようですね。自分でもびっくりです。

2013年に出たコンピュータ書の紹介なのですが、池袋ジュンクのランキングと合わせて紹介するため、そちらの方は一部2012年とかの古いものも混ざっております。

あと、今年はちょっと趣向を変えて、IT方面の会社のビジネス書もいろいろ読んでみたのですが、本そのものの評価はさておき、コンピュータ書としては特に紹介してみるまでもないかなあ、という気がしたのでこの辺りはすっぱり落としています。あ、でもビジネス書は何冊か入ってるはずです。

というわけで、コンピュータ書をたくさん読んでる方はもちろん、あんまり読んでない…という方もぜひご参加下さい。


続きまして、連休明けの1/14(火)には、DevLOVE関西さんにおじゃまして、『「開発現場に伝えたい10のこと」それぞれの後日談』に参加します。


http://devlove-kansai.doorkeeper.jp/events/7586

f:id:takahashim:20140110021020p:image


『開発現場に伝えたい10のこと』はまだβ版ですけど絶賛販売中なので、よろしければぜひご購入していただきたいところなのですが、それはさておきこの本の刊行記念イベントとして、大阪のサイバーエージェントさんのオフィスをお借りしてイベントを開催することとなりました。

私の方は、開発現場にお伝えするトークというよりは本書の発行とか自社についてお話しすることになるかと思いますが、他の方々から本書についての後日談をいろいろおうかがいできるのが楽しみです。このところKOFにも参加できてなかったので久々の関西となりますが、どうぞよろしくお願いします。


そしてその週の1/17(金)には、今度は東京に戻って「エンジニアサポートCROSS 2014」の「技術書未来はどっちだ!」セッションに参加します。


http://www.cross-party.com/programs/book/

f:id:takahashim:20140110021021p:image


こちらについては「技術書未来」ということで、まあ紙の書籍の著者というよりは電子書籍出版社としていろいろお話しすることになるじゃないかと思っています。が、どーやって技術書が技術者を支えていくか、そして技術者が技術書を支えていくか、といったところまでリーチできると楽しそうです。


というわけで、お越しいただけそうな方はどうぞよろしくお願いします。

2013/12/31

高橋信頼さんとオープンソースの希望

先日、高橋信頼さんの通夜に参列し、最後のご挨拶をいたしました。


高橋信頼さんとは個人的なお付き合いがあったわけではないのですが、Rubyやその他のFLOSS方面のイベントに参加するたびに信頼さんの姿がありました。信頼さんが取材されている姿にはあまりに馴染んでいたため、先日のRubyWorld Conferenceや三鷹の中高生国際Rubyプログラミングコンテストでお見かけしなかったときに、信頼さんがいらっしゃらないことに違和感を感じていたくらいです。

そんなわけで、その人となりについては私自身はあまり語るところがないというか、もっと語るべき方がいらっしゃるはずです。そこで、信頼さんの書かれた記事を一読者として読んできた者として、先日の訃報以来改めて読み返していたITproの記事を紹介することで、故人を偲んでみたいと思います。


日経ITproはかなり古い記事までも記事検索で遡ることができるようで、はてなブックマークの件数表示からいってもURLを大事にしているようです(これは素晴らしいことですね)。その記事検索で遡れた古い記事はこの辺りです。



最後の「Linuxはどこまで定着したか」では、すでにLinuxについて興味を持たれていたことがわかります。とはいえ、どこまでその重要性を感じていたのか、というところまでは分かりません。


ITproの検索で「高橋信頼」で検索すると4181件もヒットするので(ただし、すべて本人が書かれたものではなく、名前が書かれているだけのものや、たまたまヒットしたものもあるようです)、全部を読むことはできないわけですが、googleやはてブ等を使って読んでみたもののなかで、特に興味を引いた記事を3件ほどに絞るなら以下を挙げたいです。


3つにするつもりが4つになっていますが、最後の一つは個人的な思い入れも含めてご紹介したいので含めてみました。

信頼さんはライターではなく記者であり、多くの記事は取材記事なので、記者本人の意見やスタンスは出てこないのが普通です。が、この4つの記事にはとりわけ信頼さんの思いが強く反映されているように思います。

「“21世紀のプログラムを〜」では、ストレートに10代の若い方々に対する真摯なメッセージを打ち出しています。少し前の記事ですが、今の方がより切実さを増しているようにも感じられます。若い方ではない方も読むべきかと思いますが、それでもやはりこれらのメッセージを伝えるべきは、やはり “21世紀のプログラムを作る君たち”であるべき、という思いも持ちます。

個人が成し遂げられることはどんどん大きくなっている。常識は短期間で変わる。今貴重なものは、やがて過剰になる。日本市場を世界からへだててきた日本語の壁はなくなろうとしている。ネットの向こうにいる仲間を信じよう---「U-20プログラミング・コンテスト」という、20歳以下を対象にしたコンテストに参加した若い技術者たちに、伝えたかったことだ。

そして何より大事なのは、どんな仕事でもそうだけど、自分の仕事が好きだと、楽しいと思えることだと思う。審査会で自分たちの作品を誇らしげに、嬉しそうに話す君たちを見ていると、それについては何も言うことはないようだ。21世紀を担う技術者の中から、素晴らしい普及するソフトウエアサービスがたくさん出てくることを願っている。そしてITproは、そんな君たちの役に立ち、力づけることができる場所でありたいと思う。


「学生とIT業界トップの〜」では、はっきりいってネガティブな反応を多くネット引き起こした元の記事やその反応について振り返っているのですが、信頼さん個人に注目すると、「コンピュータを作ることが本業ではなくなったメーカー」「記者は今まで多くの記事で何度も、無意識のうちに大手コンピュータ・メーカーという言葉を使い続けてきた。しかし、それはもう正しく実態を表してはいないのだ。」という、驚きに加えてある種の慨嘆のような痛切な一言です。日経コンピュータ、日経SYSTEMSを経てITpro、という信頼さんの歩みを踏まえるならば、「大手コンピューター・メーカー」の圧倒的な存在感とそこを頂点とする(あるいはしていた)業界構造の強さ、重さを知らないはずがないにも関わらず、それがすでにある種の「呪縛」となり、「“変われない日本”がIT産業にからみつき、ぬかるみのように足をすくう。」とまで書いています。

にも関わらず、何より大切なことはそこに光も見ていることでしょう。まつもとさん、ひがさん、生越さんだけではなく、元NEC代表取締役社長の西垣さんやCSKの有賀さんといったまさに「IT業界トップ」の方々の言葉も引いて、“変われない日本”にも変わりうる道があることを指摘しています。このポジティブな結論は、元記事の騒動を踏まえたネットの反応の数々を思い返してみると、あまり他には見られないものだったことを思い出します。


また、「「オープンソース的」〜」でも、こちらもまた梅田さんの発言はネガティブな反応を多数招いたのですが、その中でも前向きな議論につながる意見をつなぎあわせ、そこからポジティブな社会の変化につながる可能性を丁寧に引き出しています。当時の反応を考えると、悪く言うと偏った視点からのまとめであるとも言えなくはありません(もっとも、かずひこさんやひがさんによる、正面からの梅田さんの批判も正しく紹介しています)。が、「オープンソース的」(あるいは「バザールモデル的」)な社会のあり方の可能性を、まさにその語の混乱した用法を正していくプロセスの中に見出す、というのは、フェアであると同時に希望に満ちたものであるように感じます。

ApacheBINDや、Linuxなどのオープンソースソフトウエアは、インターネットという世界そのものを作り上げていると言える。多くのオープンソースソフトウエアを生んだ、インターネットというコミュニケーション環境は、我々が住むこの現実の社会を変えることができるだろうか。記者は、変えることができると考えている一人である。


これを踏まえれば、「「ブレイク直前のLinux」を思い起こさせるRubyマグマ 」での「記者がそう感じたのは、カンファレンスに集まった多くの若い技術者の熱気にあてられたせいだっただろうか。」とまで言うほどの「熱気」溢れる記事の背後にあったであろう興奮の正体も見えてきます。こちらについては当事者の一人であった私としては、その気持までは当時は汲み取れてはいなかったこともあり、記事にはやや意識のずれを感じるところもありました。が、今振り返ってみると、この記事でこのような扱いは、とても正しいものだったことを痛感します。



このように個別に取り上げていくのもきりがないので、気になった記事をトピックごとにまとめて列挙していきます。


○開発者


○法人・エンタープライズ


○海外



○東北復興


コミュニティ


○その他


これだけ集めてみると、ひとつの方向性をはっきりと持たれていたことがわかります。時代の変革期の中で、個人としての日本のソフトウェア開発者が、オープンソースなどの場を通じてつながりあい、その活動と成果が世界と日本の社会を変えていく。その可能性の場に私たちは立ち会っている。「“21世紀のプログラムを作る君たち”に伝えたかったこと」は、まさにその信頼さんが持たれていた確固たる信念を要約したメッセージだったのでしょう。

そしてこれらを読むと、信頼さんはある種のビジョナリーのような人だったのではないか、という気もしてきます。それも自分で論を立てたり事業を起こしたりするのではなく、取材により事実を集め、それを世界に広めていくことにより、理想的な社会を生み出していこうとされていたのではないか。それは、残念ながら道半ばというところになってしまったと言わざるをえないですが、部分的にはそれが成功していたのでは、また未来に芽吹く可能性が残されているのでは、そこにつながる希望を遺されたのでは、と思っています。


最後に個人的な話になりますが、信頼さんとまとまった時間でお話ができたのは、このインタビューの場でした。そこでの屈託のない笑顔の写真(この撮影も信頼さんです)を見て、信頼さんが見ていた風景の中に私がこのような表情でいたのかなと思い、切なくも暖かい気持ちがしました。


信頼さん、どうもありがとうございました。