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2018-07-04

[]2018年5月に観た映画まとめ 03:15 2018年5月に観た映画まとめを含むブックマーク

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書('17 アメリカ/監督:スティーヴン・スピルバーグ)

スピルバーグの映画、良く言えばシンプル、悪く見れば粗いなーというのが観終わった後の感想。ただ、軍事機密の漏洩が描写にあってただの一人も人死にを出さない節度の高さになにか堅い志を感じた。高級紙の女性社主の逡巡はくどくないが、しかし資本家にもやはり選択によって失うものを恐れる瞬間はあるし、そこに自分の存在を賭ける意味にもまた違いはないのだなとはよく伝わってきた。女性といえば、家庭の主婦の描かれ方にもポリコレが波及した現代性がさりげなく感じられる。彼女らや子どもたちが当然に感じるであろう不安も、また企業の決意には関係が出てくる。

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ('17 アメリカ/監督: マイケル・ショウォルター)

パキスタンアメリカ人のコメディアン体験した実話を、本人の脚本と主演にて映画化。ライブで知り合った彼女がケンカした折に謎の急病に倒れる。主人公は彼女の両親と交流を深めつつ、実家との距離感を見直し、彼女の存在の重要さをあらためて確認していく。…今年一番の清涼剤映画。家は裕福ながらも、結婚には同じパキスタン系の女性でないとという保守的な思想が当然のように流れており、毎週にように見合い相手を呼び寄せられる様子には等身大の共感を持つ。ライブでのレイシスト野次ですらごくありふれた日常の一面として描いており、移民としてアメリカで暮らす追体験ができた事が何よりも新鮮だった。マクドナルド店員にあたった後、ひっくり返したゴミ箱をみずから拾い直すシーンは笑えると同時に感動的で、時代表現の最先端の映画でもあった。なお、Amazonの映画レーベルの製作らしい。最近よく目にするようになった。

ナチュラル・ウーマン('17 アメリカスペイン、チリ、ドイツ /監督:セヴァスティアン・レリオ)

歌手の主人公が遭遇するLGBT差別が、ステレオタイプな殴る蹴るでない事がかえってリアルで突き刺さってくる。相対的に社会階層の高いはずの人々から口汚くののしられつつも、恋人の忘れ形見となった愛犬を取り戻すために車の上で跳ねてみせるシーンは滑稽だけど、ただそれだけの印象に留まらない。火葬場での幻想的な描写は彼女自身の心の葛藤をよく伝えてきて心苦しくなった。人はなんと色んなものと戦わなければいけないんだろう。歌う場面は多くないが、それだけに込められた意味が強く響く。

君の名前で僕を呼んで('17 イタリアフランスブラジルアメリカ/監督:ルカ・グァダニーノ)

夏の心は、外の雑音が多くなるほどに内の緊張が高まっていく界面。純粋な短い恋愛を、一見して雑多な要素と散漫な描写で綴る。10代の感性は反射する面の数が多くて息苦しいほどだった事を自然と思い出してしまう。家族との絆が恋人との交流と同じほどの意味合いを持つというこの脚色の離れ業。日常という岩盤に埋め込まれた鉱石のきらめき。『全部、わすれない。』

犬ヶ島('18 アメリカ/監督:ウェス・アンダーソン)

ストップモーション・アニメで動く犬たちの健気さや個性は楽しかったものの、人間たちのドラマがやや薄い。日本を舞台にしたということならば因縁の泥くささが欲しかったなと感じた。アンダーソンの平面構成の画面センスはやはり実写での方が映えるのではないかとも。赤外線監視カメラのモニター映像を2Dアニメーションで区別して表現していたのは面白いアイデア。

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2018-07-02

[]第49回2018夏調査 02:39 第49回2018夏調査を含むブックマーク

アニメ調査室(仮)さんにて開催中。以下、回答記事です

2018夏調査(2018/4-6月期、終了アニメ、57+2作品) 第49回

01,踏切時間,x

02,ヒナまつり,x

03,ピアノの森,x

04,刀使ノ巫女,x

05,東京喰種:re,x

06,メガロボクス,C

07,デビルズライン,B

08,スナックワールド,x

09,こみっくがーるず,x

10,ひそねとまそたん,B

11,ゴールデンカムイ,C

12,ヲタクに恋は難しい,z

13,グランクレスト戦記,x

14,宇宙戦艦ティラミス,x

15,3D彼女リアルガール,x

16,鹿楓堂よついろ日和,x

17,されど罪人は竜と踊る,x

18,バジリスク 桜花忍法帖,B

19,ガンゲイル・オンライン,x

20,ニル・アドミラリの天秤,x

21,あまんちゅ! あどばんす,x

22,ウマ娘 プリティーダービー,x

23,お前はまだグンマを知らない,x

24,ダーリン・イン・ザ・フランキス,x

25,かみさまみならいヒミツのここたま,x

26,マーベル スパイダーマン (14-26話),x

27,ラストピリオド 終わりなき螺旋の物語,x

28,カードキャプターさくら クリアカード編,x

29,実験品家族 クリーチャーズ・ファミリー・デイズ,x

30,ありすorありす シスコン兄さんと双子の妹,x

31,銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅,F

32,美男高校地球防衛部HAPPY KISS!,x

33,食戟のソーマ餐の皿 遠月列車篇,x

34,甘い懲罰 私は看守専用ペット,x

35,鬼灯の冷徹第弐期 その弐,x

36,弱虫ペダル GLORY LINE,x

37,ハイスクールD×D HERO,x

38,七つの大罪 戒めの復活,x

39,奴隷区 The Animation,x

40,Butlers 千年百年物語,x

41,立花館To Lieあんぐる,x

42,Caligula カリギュラ,x

43,覇穹 封神演義,F

44,魔法少女 俺,x

45,LOST SONG,F

46,魔法少女サイト,x

47,一人之下 第2期,F

48,蒼天の拳REGENESIS,x

49,多田くんは恋をしない,x

50,斉木楠雄のΨ難 第2期,x

51,Cutie Honey Universe,C

52,Spiritpact 黄泉の契り,x

53,Lostorage conflated WIXOSS,B

54,アイドリッシュセブン (全17話),x

55,(特番 7話) TO BE HEROINE,x

56,(特番) Dies irae (12話〜17話),x

57,(特番) フューチャーカード バディファイトX オールスターファイト,x

参考調査

t1,(参考調査10話まで) フルメタル・パニック! Invisible Victory,x

t2,(参考調査20話まで) BEATLESS,x

(寸評)

メガロボクス」C:ギアを外してずっと戦っていてはタイトルの名折れだと思うんだ。明日のあしたのジョーでもなんでもいいから、別のタイトルを付けてほしかったと思う。ドラマ描写は渋かったし、作画の安定ぶりは凄かった。

デビルズライン」B:原作は最初の方だけ既読。このアニメ版は演出と作画が序盤はガタついていたが、最後に向かうほど安定して良くなるというあまり無いタイプの作品になっていて感心の深みが増した。恋愛性欲という個人の問題、攻撃衝動という社会の問題、構造の似たふたつのテーマをピントを頻繁に動かしつつ行き来する、原作の美点をよく伝えていたと思う。主役級三人のキャストも良かった。元ゼロナナが自分の恋心と憧れとを自覚するシーンがなぜかとても好き。

ひそねとまそたん」B:恋愛ドラマが面白くないこともないんだけど、自分としてはあくまでお仕事アニメとしてクライマックスを盛り立ててほしかったなという思いは確実にある。それでも(敵と戦わない)自衛隊という存在ならではの着眼点は鋭いものがあったとは思うし、このキャラクターたちを1クールで消費するのはもったいなさ過ぎるのでぜひ続編をつくってほしい。

ゴールデンカムイ」C:シリーズ構成が平板すぎるように感じた。杉元があまり主人公っぽく思えない。

バジリスク 桜花忍法帖」B:終盤の脚本の錬り不足と制作体制の息切れがとにかく残念。セリフの外で物語る演出など、日本アニメの粋のような美点は多々あったので満足度は非常に高いのだけど。

「Cutie Honey Universe」C:歌劇スタイルをもっと推していけばポップさが増して既作からの独自性が出た気がする。ハニーが苦しみ悩んでいた時期がちょっと長すぎたかも。

「Lostorage conflated WIXOSS」B:全体として地味な印象だったが、シリーズ総決算としてキャラクターが合流、それぞれの目指す未来へ進む終盤には静かに感動できた。

アニメ調査室(仮)アニメ調査室(仮) 2018/07/07 13:42 ご参加ありがとうございます。
アンケートは回収させていただきました。
結果発表は、'18/8/4の予定です。

tatakitataki 2018/07/08 06:01 受付ありがとうございました。

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2018-06-13

[][]2018年5月に読んだ本まとめ 00:34 2018年5月に読んだ本まとめを含むブックマーク

最後に鴉がやってくる

ネオレアリズモの影響が見られる自然主義的な作品からもどこか独特のユーモアが漂い、パルチザン時代の経験を素にした作品からは死という大現実を超えたあざやかな詩情が舞い立つ。初期からすでにカルヴィーノカルヴィーノだったのだと再確認。

肺都

「アイアマンガー三部作」完結巻。ロンドンから疎外されていたアイアマンガー一族は追いつめられてついに女王のいる中心部へと攻め込む。しかしより印象が強いのはアイアマンガーの御曹司と恋に落ちた少女ルーシーの卑しさと紙一重な孤軍奮闘ぶり。これも最前線のヒロイン像だなあと思う。スタイルは児童文学の色合いが濃いが、読んでいるあいだ常に埃にまとわりつかれ舌にべっとりとしたものがこびりつくような不衛生な感覚を覚え、そのギャップが忘れがたい。

流れよ我が涙、と警官は言った

遺伝的に他人より優位に立つ約束された運命を持った人気歌手が、目覚めたら自分の栄光が消えうせた世界に置き去りにされていた。いつにも増して不思議なディック式導入部だが、不遜なきらいがあるものの情が無いわけではない主人公が女性めぐりをする中で、彼女らが背負った孤独や不安に触れる様子はビルドゥングスロマン風にも感じられる。SFとしてさえも強引ながら物語にはきっちりオチは着くので、構成的にディック長編の中ではまとまりがいい方だと思う。自分は、主人公が昔の女に知り合いのペットうさぎの話を聞かされるくだりが好きですね。あそこは真髄中の真髄だと思う。

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