跨線橋って面白そう

きっかけは、恵比寿で長らく会社をやっていたとき、
山手線を跨ぐアメリカ橋(恵比寿南橋)から電車が走るのをときどき見ていたから。
橋には「AMERICAN BRIDGE COMPANY OF NEW YORK U.S.A. 1906」という銘盤が埋め込まれていた。
100年以上も前にできた、当時は日本で唯一の鉄製の橋だったそうな。
・・・・・
ちなみに跨線橋とは、鉄道の線路をまたぐ橋のこと。
中でも東京・山手線は跨線橋の宝庫。
地域の歴史を刻み、人々の暮らしに密着した跨線橋が多く存在する・・・んじゃないかって思ったわけ。
そこで山手線の跨線橋をすべて巡るポタリングをやってみた。
幹線道路で交通の激しい跨線橋あり、線路の両側を結ぶ歩行者用の跨線橋あり。
それぞれ趣があって楽しめる。
ちなみに自転車で行けない高速道や、駅構内・JR敷地内の跨線橋は除くこととした。


●ランナーだけでなく皇居を周回するサイクリストも多い、正面は東京駅

ついでに駅スタンプラリーにもチャレンジ。
一度やってみたかったけど、夏休みのポケモンスタンプラリーを小中学生と競うのもなんだし、
とりあえず跨線橋巡りのついでに各駅に立ち寄ることとした。

東京駅から日暮里駅手前

スタートは東京駅。この時点でほぼ10時。地図と目視で確認しながら神田方面に北上した。
今日の目標は、山手線29駅のうち半分以上、
できれば新宿駅くらいまでを回りたい。どこまで行けるやら。


●東京駅丸の内駅舎は復元改修中、今年末に完成予定


御徒町駅に沿うアメ横を進む

上野駅までは高架が続くので跨線橋は無い。最初の跨線橋は、上野駅の上をまたぐ歩行者専用の「パンダ橋」。
大災害時に上野公園に避難しやすいようにと建設された橋である。
駅舎上のため線路の見通しは良くない。
次は、上野駅のすぐ北に位置する「両大師橋」。線路東側からは登り口が非常に分かりにくいが、
線路西側の上野公園から昭和通りに出る近道となっている。


上野駅広小路口


●(左)上野公園側から見た両大師橋、(右)橋から北側を望む、右は国立科学博物館

鶯谷駅南口から伸びているのは「新坂橋」。隣接する両大師橋よりも鮮やかなグリーンに塗られている。
山手線内側の台地から外側の根岸方面に向けて、橋自体も下り坂になっている。


●山手線駅では珍しい瓦葺の鶯谷駅南口駅舎


●新坂橋から北側を望む

鶯谷から北に進むと「寛永寺橋」が見えてくる。台地側にある寛永寺の名に由来している。
バス通りでもあり、比較的交通量が多い。上野からこの辺りにかけては、線路西側が台地となっているため、
東側に向けて坂や階段を下りる構造になっている。


●(左)東側から見た寛永寺橋、(右)橋から南側を望む

寛永寺橋を西に渡り谷中霊園に入る。徳
川家代々の霊廟の脇を通り、霊園東の端から根岸に下りる坂が御隠殿(ごいんでん)坂で、
その脇から線路をまたぐのが「御隠殿坂橋」。
墓地の中から直接伸びる橋ということもあり、周囲は緑に囲まれ、特に桜の木が多い。
春には咲き乱れているのでは。山手線の跨線橋としては最も趣のある橋のひとつだと思う。


●御隠殿坂橋の谷中霊園


●御隠殿坂橋から日暮里方面を望む

「芋坂橋」は、探すのも困難な、細い道を進んだ先にある。
しばらく写真を撮っていたが、通る人はほとんどいない。
近所の人以外は橋の存在を知る人も少ないのではないだろうか。
青く塗られた欄干が印象的。


●(左)写真撮影中に唯一親子連れが通りかかった、(右)遠方に工事中のスカイツリーが見える

日暮里駅から巣鴨駅

日暮里駅に辿り着いた。東口周辺は、舎人ライナーの新しい駅舎や高層ビルが立ち並ぶが、
南口周辺は下町商店街の雑然とした雰囲気が残っている。
ガストの脇から急な階段が伸び「紅葉橋」に続く、この先に南口改札がある。


●隣のガストは以前仕事先に行く途中で何回か入った

紅葉橋の脇の坂道を登ると、別の跨線橋「下御隠殿橋」につながり、その橋上に北口がある。
日暮里駅はとても複雑な構造。東口と南口と北口が、駅舎も、前を通る道路もまったく異なる。
初めて訪れた人は出口を間違うと戸惑うのでは。


●坂の名前は御殿坂なのに、橋の名前と食い違っている不思議

日暮里駅から西日暮里駅に向かう。上野から池袋間は跨線橋の集中している区間だけど、
西日暮里駅周辺に跨線橋はない。西日暮里駅は高架橋の下にあるため、駅舎そのものが無い。


西日暮里駅に下りる急な坂道

田端駅は、私が30年近く都内に住んでいて駒込駅とともに一度も利用したことのない駅。
今回初めて訪れたが、駅舎がきれいでatreまであるとは予想外。
駅前の跨線橋である「新・旧田端大橋」。
新橋は車道として、旧橋は「田端ふれあい橋」という愛称で、歩行者専用として利用されている。
ここで構内のNEWDAYSで軽く腹ごしらえした。
しかしこの時点ですでに15時過ぎ。写真撮影に時間がかかって少し陽が傾いてきた。
そろそろ帰り仕度をしないと府中に着くまでに暗くなるかも。


●(左)田端駅舎、(右)新田端大橋から北側を望む

田端駅と駒込駅の間にある唯一の跨線橋が「富士見橋」。この付近でも高台に位置しており、
落ち着いた静かな住宅地の中にある。その名の通り昔は富士山がよく見えたのだろう。


●(左)北側から富士見橋を望む、(右)富士見橋付近は並走路線がない珍しい区間

駒込駅は、東口駅舎は高架下で狭い道路の商店街の中、一方の北口は新しい駅舎で、
駅前を渡る跨線橋駒込橋」のたもとにある。
駒込橋の欄干は桜の花と富士山がデザインされた鋳鉄製と思われる。
桜の花は、この近辺でソメイヨシノ染井吉野)が育成されたことに由来しているのだろう。


●富士山の図案から山手線を望む


●桜と富士山の図案が青く塗られた欄干


●モダンなデザインの駒込北口駅舎

駒込橋のすぐ西に位置している跨線橋が「染井橋」。
閑静な住宅地。たぶん江戸時代に染井村がこのあたりにあったのだろう。
写真の奥に100mほど進むと、日本庭園が美しい都立六義園の染井門に至る。


●染井橋も欄干に桜のデザインが施されている

巣鴨駅も久しぶりに訪れたら駅舎がまったく新しくなっていた。
駅前を通る国道17号が山手線を跨ぐのが「巣鴨橋」。
この跨線橋は、駅舎の新しさに反して構造物の老朽化が目立つ。手摺の塗装は禿げ、かなり錆が目立つのは残念。
でもまぁこういうのも渋くていいかな。


●(左)新しくなった巣鴨駅、(右)錆びた欄干から西側を望む

駅スタンプは設置場所探しが大変

東京駅から巣鴨駅まで、駅スタンプを押して回った。
他ブログなどを参考におおよその場所を事前につかんでから訪れたけど、駅舎が新しくなっていたり、
設置場所が変わっていたり、場所を探すのに手間取った。
夏休みのスタンプラリーの時期でもないので、押している人はあまりいないと思ったけど、
数人を目撃したから根強いファンは多いのだろう。
御徒町駅のように改札内に設置さている場合もあるが、駅員に断れば入れてくれる。


交通新聞社発行のスタンプノートが便利

スタンプ台は、改札の周辺かみどりの窓口に設置されていることが多い。
マナーの悪い人も多いのか、インク台のふたが開きっぱなしでインクが乾き、
ほとんど陰影を押せない駅もあった。特に東京駅は最悪。押す人が多いのだろう。


駒込駅で、ちなみに映っているのは私ではありません

きれいに押すには、マイ・インク台!! を持参するのがベター。
あとゴム面にゴミが多い場合があるので、ピンセットも持参するとベスト。
たぶん同じ濃度できれいに押せるはず。ここまで行けば立派な駅スタンプマニアってとこ。
ただ周りの人から怪訝な顔で見られること間違いなし。
山手線一周が終わったら、駅スタンプの設置場所を一覧表にまとめてみることにしたい。


●東京周辺の77駅では統一デザインが用いられている

東京駅から巣鴨駅まで回って、11駅で所要時間7時間。
思った以上に時間がかかったし、疲れた。ずっと電車が来るシャッターチャンスを待ってるから。
帰宅したら真っ暗。山手線一周まで、あと2日かかるってこと。今年中にはやってみたい。

跨線橋は今後のテーマに

一日回ってみて、跨線橋から山手線車両を撮るのはとっても面白いと感じた。
跨線橋の欄干の一部を映し込みながら、季節や時間帯により異なる風景と、迫ってくる山手線車両を、
タイミングよく撮影するのはすごく難しい。
今回はコンパクトデジカメだったので、車両にピントを合わせるのが困難だったけど、
いつか一眼レフと三脚でやってみたい。
その場合は、自転車で持ち回れるか、が問題かな。

また後日、跨線橋写真を整理して一括掲載したい。

10月16日のルート

府中〜山手線(東京-巣鴨) ←クリックすると別ウインドウで地図と走行データを表示

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