混浴露天風呂殺人事件

全国25ヶ所のシネコンで、一年間にわたって朝十時に名画を上映する企画「午前十時の映画祭」が開催されており、宮城県ではMOVIX利府でやっています。


午前十時の映画祭9 デジタルで甦る永遠の名作


んで、今週は『ワイルドバンチ』をやってるので、観てきました。

ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]

ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]


いやー、やっぱり良かったなぁ。劇場で観るのは初めてですが、有名なラストの大銃撃戦のみならず、列車強盗や橋爆破のシーンも、大画面で観ると迫力もひとしおです。


あと、サム・ペキンパーといえば男を描く映画作家としてのイメージが強いですが、そんなに美人でもない女優を魅力的に撮る能力もすごく高いなぁと再認識させられました。


主人公のパイク(ウィリアム・ホールデン)率いる強盗一味が、マパッチ将軍の砦で歓待を受けて、ゴーチ兄弟(ペキンパー映画の常連であるウォーレン・オーツと、ドーピングしてない方のベン・ジョンソン)が娼婦たちとワイン樽風呂に入る場面がありますね。


これがものすごく楽しそうで、決して美人とはいえない太目の娼婦たちが、すごく可愛らしく見えてくるんですよね。不思議だなぁ。

思えば、ペキンパーは混浴の好きな人で、『戦争のはらわた』でも、捕虜にしたロシアの女性兵士にセクハラしながら、ドラム缶風呂で混浴する場面がありました。

戦争のはらわた?Cross of Iron? [DVD]

戦争のはらわた?Cross of Iron? [DVD]

戦争のはらわた』の方は、女性兵士のおびえた表情にいたたまれないものがありましたが、『ワイルドバンチ』の方は楽しい場面です。同じモチーフでも正反対の意味になるんですね。


あと、『ガルシアの首』は地主の娘テレサを妊娠させた男の首に賞金がかけられる話でしたが、


ワイルドバンチ』でエンジェル(ジェイミー・サンチェス)を捨ててマパッチ将軍のもとに走り、エンジェルに射殺された女もテレサという名前でした。ペキンパー監督には「テレサ」という名前にこだわりでもあったんでしょうか。