物語のデータベース化への試み
かねてから物語を類型化できないかと思ってたんだけど、ふと出来そうな気がしたんで書き出してみる。
似たような参考になりそうな研究に昔話の分類がある。AT分類というらしいんだけど残念ながらwikipediaに概要が載ってるぐらいしか資料がなかった。
それによると魔法昔話が主に取り上げられており、それらは超自然的な人物/アイテムを中心として物語が展開していってるように思われる。
ここでこの《超自然的なもの》を《外部》に拡張することによりこの分類を一般化できないかと思いつく。
さらには、全ての物語は「外部の侵入→同化」という骨格に一般化できるのではないかと。
一応補足すると、外部とは漠然と自分/共同体(=内部)以外のもの、自分(たち)とは別のものと認識したものと思ってもらっていい。
必然的に境界は認識によって変わってくるわけだが、一般的に内部と外部には人智⇔自然、秩序⇔混沌、生⇔死、退屈⇔不安というイメージがついている。
そして、外部のうち特に禍をもたらすものは一般的に敵と呼ばれている。
人は外部を排除することにより安定したいという欲望を持っている一方、外部には固定化した自分/共同体を解放する役割もある。
まぁぐだぐだ言うより実際どんな風な分類が出来るかを見てもらったほうが分かりやすいと思う。
というわけで、ちょっといじって分類してみたのがコレ
- 自分が異世界に飛ばされる/行く
- 自分の心の中の刺/足りないものに気付く
- 自分が非日常な物/能力/知識を得る
- 自分に課題が課せられる
- 依頼/探索「宇宙戦艦ヤマト」「ドラクエ」「カードキャプターさくら」
- 魔法/呪い「おジャ魔女どれみ」「プリンセスチュチュ」
- 自分が何かになる/入れ替わる/過去を忘れる
- 非日常な現象/事件が起こる
- 推理物
- オカルト物
- 微日常「サザエさん」「あずまんが大王」
- 変日常「蟲師」「ギャラクシーエンジェル」
- 日常を乱す他人/敵が来る
- 友人/恋人に異状が起こる
- 「劇場版ナデシコ」
- 社会/世界に異状が起こる
ざらっと分類してみた感じ、まだいろいろと穴があるのが分かると思う。
分類が融合して現れる事例がそうだ。
- 敵が現れるのと援助者が現れて能力を得るのはセットのことが多い
- 非日常の友人/恋人は非日常の事件を起こすことが多い
- 異世界に召喚された場合、能力者として課題を課せられることが多い
といったように、物語中に小さな「侵入→同化」の構造がいくつも現れる複雑な構造の物語が大半じゃないかと思う。
こういう構造を式やグラフで書けるとまた面白いんじゃないかと思うけど手に余る。
#ところで物語はメタ化する道を辿るんだろうか。
パロディという形でネタ化するのはあるんだけどメタ化にはまだ受け手の頭がついていかないんじゃないかと思う。
というかどういう物語になるか想像がつかない。強いてあげるなら「YU-NO」にたいな話になるんだろうか。