最高法規

憲法は第10章として『最高法規』の章を設け、第98条1項において、憲法が国法秩序の中で最も強い形式的効力を有していて、それに反する一切の国内法は効力を有しない旨を宣言している。『最高法規』の章の冒頭には、基本的人権の本質に関する97条を置き、国民に保障される基本的人権が永久、不可侵であることを確認している。(中略)個人の人権を国家権力から不可侵のものとして保障することは、近代憲法において核心的原理であった。基本的人権の思想と根本法である憲法とは、歴史的に密接不可分に結びついて生成されてきたものである。」最近このような文章が目にとまりました。
憲法99条には「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官、その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」(憲法尊重擁護の義務)と記されています。つまり、私たち民間人が擁護すべきは、憲法ではなく法律、条約、条例です。憲法とはこの99条の通り「お上が果たすべき(あるいはしてはいけない)条文の列挙」であることから、私たちはこの憲法により国家権力から守られている、あるいはこの憲法を活用して権力に歯止めをかける事が出来ると解すべきなのです。
さて、この夏の参議院選挙では「憲法改正」が争点になるとかならぬとか。本来は、国会議員に「縛り」をかけているはずの『憲法』を、当事者が「縛り」の文言を書き換えてしまって良いのでしょうか?(様々な理由づけで手直しするつもりのようですが、96条(憲法改正の手続き)に基づいた手順をふんではいますので手続き上は合憲なのでしょう)書き換えたい「本心」はどこにあるのでしょうか?
後世の子、孫らから「あの時、なぜ憲法改正を選択したのか」と問われた時に、的確にその理由を返答できる人だけ「賛成派候補」に投票願いたいものです(この理解が無いと前回の衆院選で論点とされた「郵政民営化賛成」という様なチープトリックに引っかかってしまいます)。



司法に関わる皆さんは如何様な考えをお持ちなのでしょうか。