鈴木健による著書。 情報技術が社会に与えるインパクトを、生命史における細胞の起源に遡り、網から膜と核が生成するという視点から社会制度やメディア論を位置づけ、伝播投資貨幣PICSY、分人民主主義Divicracy、構成的社会契約論などの具体的な手法を提案する。 勁草書房より2013年1月28日刊行。
なめらかな社会とその敵
なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 (ちくま学芸文庫)作者:鈴木健筑摩書房Amazon 途中です 第 1 章 生命から社会へ p.24 自分をコントロールすることを通して、他者と会社をコントロールすることが可能であるという欲望は残ったまま p.26 未来を予言する最良の方法は、未来を発明すること p.31 社会システムにおける膜と核の問題は、生命システムにおける膜と核のアナロジーではない 表1.1 生命史に反復する膜と核 第 2 章 なめらかな社会 p.65 権力者という小自由度を経由すれば、大自由度の全体に効率的に影響を及ぼすことができる 人工生命研究会主…
少し昔の本ではありますが、昔から読みたかったなめらかな社会とその敵を読みました。 youtu.be youtu.be なめらかな社会とその敵: PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 作者:鈴木 健 勁草書房 Amazon 📒 Summary + Notes | まとめノート なめらかな社会 物語はある部屋からスタートします。鈴木さんの知人のURL住宅にて雨漏りが起こります。担当者が訪問すると謝罪するものの、雨漏りの責任は誰にあるのでしょうか。 建物を作ったのは昭和41年なので自然の劣化なのかもしれないし、作った人かもしれない。設計がいけないのかもしれないし、施工がよくなかったかもしれない…
少しばかり過去の出来事なのだが、ハヤカワJA文庫の新刊タイトルとちくま学芸文庫の新刊のタイトルが一致していた。 これはSFだと思うのだが、学芸文庫の本は進化経済学もしくは社会哲学の専門書だ。 推定ではあるのだが、前者は後者の本にインスパイアされたされたのであろう。 鈴木健氏の原著は2013年に勁草書房から出されているからだ。 なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA) 作者:伴名 練 早川書房 Amazon なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 (ちくま学芸文庫) 作者:鈴木健 筑摩書房 Amazon
『なめらかな社会とその敵』を読みました。 哲学、生物学、数学、物理学、金融など幅広い知識にて世の中を捉えられており、物事の視点の広さに理解が追いついていないものの、 重要だと思ったポイント3つ挙げます。 ①なめらかな社会とは ②PICSYについて ③自由について それぞれについてポイントと感じたことを以下に記します。 ======================= ①なめらかな社会とは そもそも境界自体を消し去り、なめらかな社会をつくることはできないのだろうか。 それは、今までの社会がもっていた、世界を単純に観ることによって成立してきた秩序を破壊することに他ならない。複雑な世界を複雑なまま生き…
今から10年ほど前、まだ「デジタル ・トランスフォーメーション」という言葉が人口に膾炙する前に、デジタル 情報技術が事業環境にもたらす変化について整理しようとしていて、それを「マーケティング・ジャーナル」で発表し、その内容をもとに、講演などで紹介していたことがありました。 当時の「マーケティング・ジャーナル」の論文はこちらに公開されています。 当時の講演の資料は、2012年1月20日に「嶋口・内田研究会」で講演の機会をいただいた際に使ったものが私の手元に残っておりました。そのときに使ったスライド3枚を再掲します。最初のスライドは、Paul Baranが提案した分散型のネットワークを説明したもの…
訂正可能性の哲学 ゲンロン叢書 作者:東浩紀 株式会社ゲンロン Amazon 訂正可能性の哲学 ゲンロン叢書by 東浩紀 ぼくはいまの政治は、世界的にも国内的にも、また古典的な政治においてもネットの争いにおいても、「友」と「敵」の観念的な対立に支配されていると考えている。 Read more at location 30 したがって、その対立を抜け出すことが決定的に重要である。『観光客の哲学』では、その認識のうえで、「観光客的な連帯」こそが脱出の鍵となり、新たな連帯のモデルは「家族」に求められるという主張を展開した。 Read more at location 31 観光客の哲学』では、観光客…
今週のお題「2024年にやりたいこと」 2024 年のテーマは「もっと手を動かそう」なんだけど、それとは別にあえてやりたいことをあげるなら、積読の解消だ その中でも特に、下記の 10 作品は読んでしまいたいと思っている 行方昭夫「英語のセンスを磨く」岩波書店 伊藤和夫「英文解釈教室」研究社 今年は英語がんばりたいので 入不二基義「問いを問う」筑摩書房 年末の旅行で移動中に同著者の「相対主義の極北」を読んでたんだけど、むちゃくちゃ面白かったので帰りに買ってしまった 井奥陽子「近代美学入門」筑摩書房 オタクをやっていて美学を避けて通るのは難しいのではないか、という意識だけはある 東畑開人「聞く技術…
読んだ。 #訂正可能性の哲学 #東浩紀 #ゲンロン叢書014 レイ・カーツワイルのシンギュラリティや、落合陽一さんの「デジタルネイチャ―」、成田悠輔さんの「無意識データ民主主義」、鈴木健さんの「なめらかな社会とその敵」、ユヴァル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」、等、「人工知能民主主義(データ至上主義)」と呼ばれるような、人間よりも人工知能に政治を任せたほうが人類の総幸福量は高くなりそうなのでそういう社会にしていこうというようなムーブメントに対して、東さんは、それをそのまま進んでしまうのは危険なのではないかと考えている。 「人工知能民主主義」は共産主義が終わった後に現れた新たな「大きな物語」であ…
ずいぶん前に本屋でハードカバーのものを見、いつか読みたいなと思っていたもの。文庫になったことに気付いたので読んだ。当然のように凄惨な気分になる本である。システマチックに人間を大量死させるパイオニアはボリシェヴィキだった点とそれを踏襲したナチスのやりかたはかなりアドホックだったというのは学びだった。前者は薄ら知っていたが、相当に体系的なやりかたをしていたというのは今回はじめて知った。知って何が嬉しいかと言われると非常に微妙なのだが。 面白かった。仮面ライダー関連で突然早口オタクみたいな語りになるので笑ってしまい、文章の端々で劇パト2の引用がなされるために再び笑ってしまった。終始笑いながら読んでい…
読んだ。 #なめらかな社会とその敵 PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 #鈴木健 これまで、人間は認知の限界により、複雑な世界を単純化されたものとして認知してきたが、コンピュータやインターネットなどの技術の発展によって、複雑な世界を複雑なまま、「なめらかに」認知できるようになってくるのではないか、そのようにして、現在の社会で発生している経済、政治、安全保障などの問題が解決される手がかりが見つかるのではないか、というようなところから。 人間が世界を単純化して認知するのは、単細胞生物が、「膜」をつくることで内と外を区別し、「核」で制御しようとする(小自由度で大自由度を制御しようとする)、生…
・ ミケランジェロ <叢書・ウニベルシタス> ハワード・ヒバード 著 ; 中山修一 訳 1986 法政大学出版局 ¥1,800 ・ 十字軍の女たち レジーヌ・ペルヌー 福本秀子訳 1992 パピルス ¥1,000 ・ 自由への旅 「マインドフルネス瞑想」実践講義 ウ・ジョーティカ著/魚川祐司訳 2016 新潮社 ¥2,400 ・ 現代思想 2014年1月臨時増刊号 総特集:柄谷行人の思想 2014 青土社 ¥1,000 ・ イタリア絵画史 ロベルト ロンギ/和田 忠彦 他 訳 1997 筑摩書房 ¥1,000 ・ チーズとうじ虫 : 16世紀の一粉挽屋の世界像 カルロ・ギンズブルグ 著 ; 杉…
著者は複雑系科学の研究者。成田悠介「22世紀の民主主義」を読んだ流れで、手に取ってみた。 生物の基本単位である細胞の膜と核の構造は社会制度と地続き(国家と中央集権権力)であるが、その背景にある反応ネットワーク(インターネットなど)によってその膜の機能を弱め、「なめらかな社会」を作っていくという構想。このような構想あるいはその金融、政治システム分野の現れとしての伝播投資貨幣(PICSY)や分人民主主義など、理念、ビジョンとしては、なんとなく分かるのだけれど、これを実際に落とし込もうとする議論になればなるほど、(私には)何のことだか分からなくなる。 ただ、坂井豊貴「民主主義を疑う」のような現実に足…
2023年1月~6月に読んだ本のまとめ。カウント対象は期間中に読み終わったものに限り、読みかけの本は対象外としている。あとコミック、漫画雑誌類もけっこう読んでいるのだけれども、これは除外。 この6カ月では62冊の本を読んだらしい。わりと平常運転すこし多めという感じだが、あらためてふりかえってみると大著や以前から読みたかった本が読めており、自己満足感高め。いつもどおり半期で読んだ本の中で良かったものをピックアップしてみる。 文芸書のおすすめ(一般編) 文芸書のおすすめ(趣味のSF編) 教養書のおすすめ ビジネス書のおすすめ 技術書のおすすめ この半期の振り返り 2023年上半期に読んだ本 過去の…
2023年7月1日に『デジタルテクノロジー図鑑 「次の世界」をつくる』が出版されました。デジタルテクノロジー図鑑 「次の世界」をつくる作者:comugiSBクリエイティブAmazon フライヤー www.flierinc.com マインドマップによる整理 参考文献 B・J・フォッグ著、 高良理/安藤知華訳 『実験心理学が教える人を動かすテクノロジ』 日経BP、 2005年 M・チクセントミハイ著、 今村浩明訳 『フロー体験 喜びの現象学』世界思想社、1996年 NHK 『平成ネット史(仮) 』 取材班 『平成ネット史 永遠のベータ版』 幻冬舎、2021年 東浩紀 『動物化するポストモダン オタ…