小説家
1965年千葉県生まれ、東京都在住。早稲田大学商学部卒業。会社員。 2007年「肝心の子供」で第44回文藝賞受賞。 2008年「眼と太陽」で第139回芥川賞候補。 2009年「終の住処」で第141回芥川賞受賞。 保坂和志公式ホームページ内に設けられた掲示板、通称「保板」の住人として知られる。
○単行本
肝心の子供
眼と太陽
世紀の発見
終の住処
先日に半世紀くらいも逃亡生活を続けていた指名手配犯が入院先で、実は 自分はと名乗りを上げたら、それから何日もしないうちに亡くなったとのことで した。 それと同じ頃に当方も、この場で話題にしたTVドラマの原作者が、ドラマの 制作過程でTV局との間で意思疎通を欠いたということがインターネットで話題 になって、その結果は不幸なことになりました。 どちらもあれよあれよでありまして、きっとSNSでは、この話題で盛り上がって いるのだろうなと思うことです。 「咎められたところで彼らはまったく反省などしない、他人の家に土足のまま無遠 慮に入り込むことはまるで自分たちに与えられた特権であるかのような、不届き …
文春文庫に入ったので、磯崎憲一郎さんの「日本蒙昧前史」を再読することに です。元版となる単行本を図書館から借りて読んで、これは傑作と思い、そのうち 読み返そうと思っておりました。 この小説が書かれたのは2019年で単行本となったのは2020年6月でありま した。当方が借りて読んだのは2020年8月のことでありまして、それから3年半で ありまして、日本だけでなく世界全体が蒙昧期に入ってしまったようであります。 当方が最初に読んだ時は、当時の世情にだいぶん引っ張られていまして、その ような感想を記しているのでありました。 日本蒙昧前史 (文春文庫) 作者:磯﨑 憲一郎 文藝春秋 Amazon vz…
本日は年に一度の新年会であります。人によってはこの時期は連日の ように新年会なんて方もいらっしゃるようですが、当方は付き合いがよろしく ないこともありまして、新年会というのは本日の集まりだけであります。 とはいってもコロナ禍になりましてからは、それも開催がなしになっており ました。たぶん、3年ほどお休みであったのではないでしょうか。 本日は18時からでありましたが、バスで移動でしたので、その車中では 持参の文庫本を開いておりました。本日からの文庫本は、磯崎憲一郎さんの 「日本蒙昧前史」であります。 日本蒙昧前史 (文春文庫) 作者:磯﨑 憲一郎 文藝春秋 Amazon この作品は、単行本の時に…
昨日の能登半島を震源とする地震の被害は、一夜明けての本日になり、徐々に 全体が見えてくることにです。それにしても、半島から南の海岸線には原発施設が たくさんありまして、この国の原発施設は地震の震源近くに立地を決めているので はないかと勘ぐってしまうことです。 そんなふうに思いながら、本日も箱根ではなく能登の情報に注目することにです。 一日に何度も大きな余震がありまして、これは大変だなと思いましたが、金沢に滞 在の家族からはだいぶん揺れにも慣れてきて、本日は近所の神社に初詣に行った とのことでした。 一方では家族と連絡が付かない被災地の方々いるのでありますが、こちらの家 族は落ち着いてきていると…
本日の新聞の文春文庫広告を見ておりましたら、今月の新刊がでていま した。当方が好むものは、たいてい目につきにくいところに掲載でありますの で、広告を下のほうから見ていくことになりです。 そこに磯崎憲一郎さんの「日本蒙昧前史」を発見です。この小説は2020年 に発表されて、当方は図書館から借りて読むことができました。機会があれば 購入してもいいなと思って、それっきりでしたが、文庫になったら買わねばなら ないですね。(そんなに値段も高くはないし) 日本蒙昧前史 (文春文庫) 作者:磯﨑 憲一郎 文藝春秋 Amazon 当方は、この年の収穫にこの本をあげたように思います。 vzf12576.hate…
終の住処 (新潮文庫) 作者:憲一郎, 磯崎 新潮社 Amazon 「終の住処」 磯崎憲一郎(著) 新潮社 あらすじ 芥川賞受賞のベストセラー! まとめ こんな人にオススメ こんばんは、ちわぷ〜です! 急激に暖かくなってきましたね! 今週は小春日和を通り越して、夏日並の気温になる地域もあるとかないとか! 本日は暖かかったので、休憩時間は誰もいない公園でのんびり日向ぼっこしながら読書が捗りましたので、本日読んだ作品をご紹介いたします☆ 「終の住処」 磯崎憲一郎(著) 新潮社 あらすじ 20代の長く続いた恋愛が破れてから出会った二人は30代で結婚する。 結婚生活とは?家族とは? 夫婦の人生を辿る。…
先日お知らせした磯崎憲一郎さんについて、高橋源一郎さんのコラムで紹介されていた。web.archive.org
こんにちは😊 わたしが最近感じた自分の利他と利己につて記事にしたいと思います。あくまでもわたしの視点で書いています。 40〜50代のわたしたちは学校🏫教育の影響を大きく受けているように思います。 学校や先生と言われる人が言ったことは全て正しいように教育されてきた部分があったのかと思う。 ❶お友達とは仲良く(学校では友達をたくさん作る文化である) ❷〜しないといけない〜すべきである。 ❸自分に厳しく他人に優しく ❹人に優しくすること、異常に空気を読んで人を思い遣る文化・・・・。 なんだか、正しいようで最近になって何か自分の中で違和感のあることがある。 この中に利己主義というのが凄くネガティブに捉…
アシュターヴァクラ・ギーター作者:トーマス・バイロンナチュラルスピリットAmazon新装版 神の使者作者:ゲイリー・R・レナード河出書房新社Amazonバースト! 人間行動を支配するパターン作者:アルバート=ラズロ・バラバシNHK出版AmazonDNA再起動 人生を変える最高の食事法作者:シャロン・モアレムダイヤモンド社Amazonブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書 1763)作者:清水 俊史筑摩書房Amazon非線形科学 同期する世界 (集英社新書)作者:蔵本 由紀集英社Amazon第三次世界大戦はもう始まっている (文春新書 1367)作者:エマニュエル・トッド文藝春秋A…
『日本蒙昧前史』 磯崎憲一郎著 先週今週と、心に引っかかっていた内視鏡検査が終わった。概ね問題はなかったが一部生検があり、詳しい結果を聞くのは今月中旬となる。案じていた胃カメラは鎮静剤の使用を選択したため眠っている間に全て終了、全く苦痛はなかった。むしろ検査当日よりそれまでの食事制限や飲酒制限(さほど酒飲みではないが、毎夕食の少々のワイン習慣)にうんざりした。苛ついている当方からのとばっちりに戦々恐々としていた(?)連れ合いも、まあ、終わってよかったとホッとした様子。 さて、上記の本である。1970年(S45)から1985年(S60)までの蒙昧前史である。前史というのは恐らくバブル時代(198…
2024年1月1日読書 なれのはて 加藤シゲアキ (講談社) 106p〜読了 2日読書 日本蒙昧前史 磯崎憲一郎 (文春文庫) 40p〜60p 怪と幽 vol.015(角川書店) 112p〜125p ふたりの果て/ハーフウェイ・ハウスの殺人 浦賀和宏 (祥伝社) 1p〜191p ナイトランド・クォータリーvol.24 ノマド×トライブ〜多世界における異質の再定義 (アトリエサード) 104p〜122p 紙魚の手帳 Vol.11 (東京創元社) 154p〜169p 3日読書 ふたりの果て/ハーフウェイ・ハウスの殺人 浦賀和宏 (祥伝社) 192p〜読了 紙魚の手帳 Vol.11 (東京創元社) …
書きながら考えているのは、奥にあるはずのコートについて。 禁酒を続けているのに減らない体重が不思議だった夏、私は毎日のように甘菓子を食べ、甘い飲み物を飲んでいた。アメリカ人は中年でも炭酸飲料を飲むしな、と決まって映画「リトル・ミス・サンシャイン」の一場面を思い浮かべ、酒欲を封じるためにコーラを買い、その場で一気に飲み干すと体が重かった。 それで、試しに緩い感じの砂糖断ちにトライしてみた。辛かった。痩せたが異常に辛かった。今もチョコレートが食いたくて仕方がない!なぜか?磯崎憲一郎『赤の他人の瓜二つ』(講談社文庫)を読んだから。面白かった。安藤礼二の解説も熱くて良かった。 オーセンティック・スカの…
1965年(昭和40年)から1985年(昭和60年)にかけての戦後昭和史を描いた小説だが、そこは磯崎作品なので、一筋縄ではいかない。 年末年始にかけて読んでいた。磯崎作品はよく正月に読んでいるよんだーと思ったけど、磯崎憲一郎『往古来今』 - logical cypher scape2くらいだった。 (なんか毎回書いているけど、磯崎のサキの字は「大」じゃなくて「立」) 文庫化されたタイミングで読んだのだけど、現在、第二部が連載中のはずだと確認したら、12月発売の1月号で最終回だったようだ。日本蒙昧前史 (文春文庫)作者:磯﨑 憲一郎文藝春秋Amazon 毎度のことながら、磯崎作品は説明が難しい。…
12月1日読書 幽玄F 佐藤究 (河出書房新社) 80p〜133p ナイトランド・クォータリーvol.22 銀幕の怪異、闇夜の歌聲 (アトリエサード) 111p〜118p 2日購入 殊能将之 未発表短篇集 殊能将之 (講談社文庫) 帰還セズ 吉村昭 (文春文庫) 読書 幽玄F 佐藤究 (河出書房新社) 134p〜181p ナイトランド・クォータリーvol.22 銀幕の怪異、闇夜の歌聲 (アトリエサード) 119p〜146p チンギス紀 八 杳冥 北方謙三 (集英社) 37p〜75p 本屋で立ち読み 3日読書 幽玄F 佐藤究 (河出書房新社) 183p〜287p 4日読書 幽玄F 佐藤究 (河出…
ビッグコミックオリジナル連載『前科者』に出て来る本。 国書刊行会は、"National Book Publishing Company"とでも訳すのでしょうか。古今東西のあらゆる奇書を訳す出版社のイメージですので、逆に、英文サイトもなければ英語ほか、他言語のウィキペディアもない、よく見るとおそろしくドメスティックな会社だったという。 漢字の社名なので、漢字文化圏に共通する社名なんじゃんという話もありましょうが、通じるのはもちろん通じますが、表記に関して、厳密には、大陸ですと《国书刊行会》、〈书〉が簡体字ですし、台湾香港韓国ですと「國書刊行會」、〈國〉と〈會〉が繁體字ですので、「国書刊行会」とい…
磯崎憲一郎の『日本蒙昧前史』を読了。 グリコ・森永事件、五つ子ちゃん、大阪万博、横井庄一など、戦後を代表する出来事を超絶技巧ともいえる文章で描き切った名作。
磯崎憲一郎の『電車道 (新潮文庫)』、読了。 明治から大正、昭和そして平成に至るまでの百年を鉄道敷設と宅地開発を軸に描いている。家族を残して出奔して洞窟に住み始めた元薬屋の男と突然選挙に立候補したものの落選してしまい伊豆の温泉地に身を隠す元銀行員の男が、関東大震災、戦争、経済復興から高度経済成長に翻弄されながら生きていく。 洞窟の入り口に置かれた笹の葉で編まれた笊に包まれていたものが「男はみたことのないものだったが、米と小豆を蒸して作った菓子のようだった」と冒頭箇所では書かれている。百年にわたる群像劇が展開し終わった最終行でその菓子のようなものが「白い饅頭が二つ」であることが判明する。百年の物…